街づくり

まちづくりと都市景観

掲載日2009 年 4 月 10 日

dscf4507都市はモザイク画:

英国や米国の都市計画に関する専門本を読んで意的になった言葉です。

チュニジアのモザイク画:ポエニ戦役の英雄ハンニバルがいたカルタゴ

チュニジアのモザイク博物館に行くと、「あなたは、ハンニバルが歩き見たそのままのモザイク画を、そこに見ています。」と説明されます。モザイク画は、アートとしての下絵とクラフトとしての職人によるモザイクの埋め込みとで構成されています。下絵の構図が悪ければ、どれだけ立派なモザイクを使っても、よいモザイク画はできません。チュニジアに展示されているカルタゴ時代のモザイク画は、全て色彩のある石で構成されていますから、色が褪せることはなく、摩り減っても製作当時の美術品そのままを楽しむことができます。

 

ハムステッドガーデンサバーブでの経験:

建築後100年を超えたハムステッドガーデンサバーブの煉瓦造連続住宅の内部を見せてもらい、退出しようとした時、「今、あなたの見ている街並景観は、100年前と基本的に同じです。遠くの景色は庭の手入れはしていてもどうしても樹木は成長してしまい、少し見えにくくなってはいますが。」ということでした。

前庭を出て歩き始めたとき、「私の家の屋根や外壁は見えますか。」と呼び止められました。当然「見えました。」と答えますと「都市景観は皆の財産ですから、皆さんの目に入る屋根も壁も生け垣も私の勝手にはきません。」

 

モザイク画のモザイクが壊れたときはどうするのでしょうか

従前のモザイクと同じも細工と取り替えなければなりません。小細工は立派なモザイク画になって、素材のモザイクの石の価値とは違った全く別の高い価値を持つことになるのです。モザイク画のモザイクをもう一度集めて販売しても、モザイク画の値段にはなりません。

 

都市計画とモザイク画:

都市計画としてのマスタープランはモザイク画の下絵に相当します。都市計画のマスタープランどおりに建築を建てるのに必要な手段が、建築設計指針「アーキテクチュラルガイドライン」です。住宅の資産価値を住宅単体の価値と勘違いしている人は、住宅をモザイク画のモザイク「石」と同じと考えています。モザイクの石の価値を高めようとするならば、モザイク画を計画どおり作り、それに磨きをかけなければいけないのです。

 

緑の町づくりの勘違い

多くの町づくりは、緑で建築物を隠すといった間違った計画に走っています。建築文化の歴史的な集大成が都市の文化です。建築物によって造られた街並みに、緑やプランターに植えられたゼラ二ウムや日々草ように咲き続ける花が、街並みに彩を添えることになります。英国で毎年やられている町を花で飾る競争はあっても、緑で建物を隠すような緑化はありません。

 

三次元の都市景観

都市の所有権は二次元の所有権ですが、三次元の土地利用は社会的な空間利用という社会性を必要とするものです。鳥も、蝶も、風も、雨も土地の所有権によって縛ることもできません。携帯電話の電波も、景観の光も、全て他人の所有権の及ぶ空間を使っているのです。都市空間という三次元の空間の社会的利用のコンセンサスを決める法律が都市計画法で、都市計画決定が公共的土地利用を決める「計画公権」の裏付けを成しているのです。


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