戸谷の言いたい放題

現在の住宅政策は、消費者保護か、役人保護か

掲載日2009 年 6 月 5 日

dscf4533アメリカはサブプライムローンの震源地で、経済が落ち込んでいること、多くの消費者が大変な苦しみを受けていることは新聞やTVで皆様ご存知のことと思います。左の写真は、正にサブプライムローン事故で対策の方針も定まらない時期の、オバマ大統領の就任直前のサンフランシスコの写真です。

確かに少し人通りも少ない状態で、少し淋しい感じもしましたが、街の雰囲気は結構明るく、私自身も短い旅行中でしたが、町全体には前向きの生活感覚があるように思えました。多分前日ピーター・カルソープの設計したザ・クロッシングを見たためかもしれません。ビルダーズマガジン第153号にその特集記事があります。

米国の住宅バブルが崩壊して、最高値を記録した2006~7年に比べて、住宅価格は40%程度に下落したところもあります。ラスベガスではそのように値崩れした住宅団地を幾つか視察しました。しかし、どの住宅地も驚くほどきれいに管理されていて、その裏にある住宅価格の値崩れは外観から知ることはできませんでした。人々は住宅資産価値を守ることを願っており、住宅の維持管理には自分の資産を守るために努力をしているのです。

米国の住宅地は、そこに住宅を所有する人々の自治で守られていて、その住民の自治を国家がコモンロー(慣習法)で契約自由の保障をやっているのです。アメリカでは住宅を所有することを、AMERICANドリームの原点と考えており、個人の住宅資産を守るために住民自治の努力をする社会システム(今回HICPMが、「三種の神器」として明らかにしたもの)を、1928年に開発して以来、殆ど全ての住宅地経営で実践されています。

先日国土交通省住宅局長とサブプライムローン問題と住宅による資産形成のあり方について意見交換をする機会がありました。私の話しを聞いて、住宅局長は、「要するに日本の地区計画や建築協定のようなものが機能していると理解すればいいのですか」と質問をしました。そこで、「全く違います」とその違いを次の通り説明しました。

今回HICPMが「超長期優良住宅地経営管理マニュアル」で、欧米の100年の住宅地経営管理経験として「三種の神器」を採り入れたのも、住宅の資産価値に高い関心を持つ住宅所有者が主体となって、科学的に合理的方法で住宅資産を守り育てることで住宅の資産価値を高めることを可能にしていたことを知っていたからです。それは日本の現実が示しているように、行政担当者のようにそこにある住宅に利害関係のない人(公務員)に管理させておいて、住宅の資産価値が向上するはずはないからです。

日本では、性能表示や建築基準法の強化という役人中心、又は役人依存で住宅の価値を上げることができるといった勘違いの行政がやられています。しかし、性能表示も、建築基準の強化も、決して消費者の求めている支払った費用との関係でそれより価値の高いものを保障するものではないのです。役人の権力を強化すれば、その権力は直接、間接的に役人の利益となるようにしか使われなくなることは、歴史が説明している通りです。

住宅性能保証、瑕疵担保、建築基準法の強化等が、消費者保護、消費者利益のためにやられてきたと説明されてきましたが、消費者に渡ったものは、様々な口実をつけた住民への負担だけで、その負担は、実は役人のOBになってからの再就職を含んだ公務員の利益のためでしかないのです。性能申請をしたから性能が高まったわけではなく、建築基準法が強化されて、手数料が上がっただけで消費者の得ているものは何も変わっていないか、必要でないもののために過剰品質の負担だけが高くなっただけです。

 


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