メールマガジン

メールマガジン第310号

掲載日2009 年 7 月 13 日

メールマガジン第310号(7月12日)

みなさんこんにちは、

今日が東京都議選です。政権が淀んで、腐っています。

今朝東京都議選の結果が新聞雑誌をにぎわしています。自民党と共産党の大敗の記事が大きく出ています。いずれの党も口先では国民、国民と言いながら、国民を軽視していることを国民は見抜き、「大敗して当然」という国民感情が票になって表れたということだと思います。

今日のテーマは、団地の私物化と官民癒着による補助金詐取事件「諏訪2丁目マンション建て替え円滑化法のミス&ファクト(神話と現実)です」

昨日、東京多摩中央警察署から4年越しの刑事訴訟事件の告発に対し、その間に刑事事件の担当者が3代代わって、これ以上放置することは警察に対する国民の信用を失うことになることもあってか、告発理由自体無視できないと判断して、ついに重い腰を上げて、捜査と調書の作成を始めました。「マンション建て替え円滑化法」を使った詐欺事件として告発された諏訪2丁目の概要をお話します。

バブル崩壊後の代表的なスクラップアンドビルド政策

建設省は、バブル崩壊後の住宅政策のひとつとして、マンション建て替えというスクラップアンドビルドを進めることで景気刺激策を推進することになりました。
現在の時点で建て替え政策は、「時代錯誤もはなはだしい」と一笑に付されるような実現可能性の低い取り組みが、政府の重点施策として取り組まれました。

バブル崩壊でいったん下落した地価が政府の規制緩和策により、不良債権の優良債権化の方便に、容積率緩和、高さ緩和で反発し、ミニバブルが大都市各地で発生し始めていました。その背後には米国のサブプライムローンで始まった住宅バブルで儲けた外資が、日本に大量に流れ込み、「外資ファンドの投資」が活発になった経済環境があり、大きな勘違いが生まれていました。

使い捨て住宅の本質:日本の住宅政策

建設省の住宅政策1965年から40年間続けてきた住宅建設計画法は、基本的にGDP最大化を目指す日本の経済政策の一環として、「居住水準の引き上げ」を大義名分に、住宅の建て替えによるスクラップアンドビルドを推進する政策が推進されてきました。
その40年間に、住宅の規模は2倍以上に拡大し、その水準に満たない住宅を取り壊す政策を採ってきたため、住宅は耐久消費財としての使い捨てにするものと言う考え方が国民に定着され、世界でも異常な26年しか持たない住宅の供給がなされてきました。住宅会社が3年で、モデルチエンジをし、それ以上維持することの出来ない「流行のデザイン」の住宅を売り抜けてきました。

資産形成を前提に作られた1970年ころまでの住宅

多摩ニュータウンは、東京都の勤労者階層の恒久的な住宅団地として開発され、住宅規模も、当時の政府の住宅政策判断として、超長期的に考えても、政府施策住宅として、住宅のネット面積で14坪(約50平方メートル)以上の住宅を建設することはないと判断していました。
政府が作成した標準設計のネーミングとして政策年度の後に、ABCDを振って面積表示をしたのですが、A::14坪としたのです。
日本住宅公団の多摩ニュータウンの設計者であった野々村さんも多摩は5階建てを最高の階数とする中層住宅団地にする、という構想を立てて、その下に恒久的な住宅団地として計画しました。

住宅の耐用年数の勘違い

鉄筋コンクリート住宅の耐用年数は、70年と定められましたが、そのベースになっていたものが、「木造住宅の20年」です。戦後の住宅政策は、「シュワーべの法則」と言われる住宅費負担の上限の考え方を尊重して、家計支出に見合った住宅費負担を政府が保障する政策が採られてきました。
(この政策はすぐ忘れられてしまいましたが、建前は1964年まで続きました)。
公営住宅の家賃決定に当たり、住宅建設費から国庫補助金を差し引いた残額を、家賃として回収するとし、その際の家賃負担を、月収の20%に抑えるために、木造は20年とされ、ブロック造(平屋建て、2階建て)や鉄筋コンクリートは、家賃額を同じにするために、家賃計算上の償却機関を35年、45年、70年と変化させ、「耐用年数という名前」で長くしたのです。
当初は土地代も一体で償却計算していました。家賃計算のための方便での償却期間で、それで住宅を取り壊すと言う考えなど全くありませんでした。

嘘つき集団:護送船団

日本の住宅政策や、住宅問題に関し多くの評論家、学者、住宅産業人が、「住宅は最初から建て替えを前提にしていた」とか、1965年からの住宅建設計画法時代には、「公団住宅は鉄筋スラムになることは、最初から関係者の共通認識であったといった」尤もらしい嘘を平気で言って、スクラップアンドビルトの住宅政策に、嘘の歴史認識を加えて、正当性を与えてきました。政府の審議会の委員をしているそれらの学者研究者を御用学者といいます。
歴史的事実は、現在政府が、マンション建て替え円滑化法の対象にしてきた住宅は、恒久住宅として建設されたものです。
政府の居住水準の向上政策で、住宅ローン期間を、当初の5年間から世界最長の35年間の7倍にも返済期間を延ばして住宅規模拡大をしてきた結果、当初の住宅規模が社会的に利用対象からはずされただけのことです。

当然の姿への回帰:リモデリング

バブル経済が崩壊し、米国の住宅バブルの崩壊で、外資が日本から流出し、日本経済はFTA(自由貿易協定)の基で、賃金が発展途上国と平準化する経済環境におかれることで、今後、一貫して賃金水準が降下し続けます。やがて、年収300万円時代を迎えることが認識され、「建て替え」と言う選択自体が存在しなくなっていることに気づく時代になりました。
政府が煽ってきたマンション建て替え円滑化法で推進した「幻想の事業」が、各地で破綻しているのです。多摩ニュ-タウン諏訪2丁目団地は、その典型的な事例です。

補助金適正化法悪用した詐欺事件

諏訪2丁目団地は、マンション建て替え円滑化法による「建て替えに絞って検討をするという団地の意思決定」を「マンション建て替え推進決議」をしてない団地です。
建て替え推進決議として、法律の条件を満足した場合には、「建て替えを最終決断するために必要な詳細な設計」を作成するための調査費用に対して、国庫補助金を交付すると言う補助金要綱が作られました。
しかし、建設省は制定した新制度の実績を作るために、その条件がまだ出来ていない諏訪2丁目に、補助金交付の実績をつくろうとし、法律に合わなくてもよいと東京都及び多摩市に対して示唆しました。
建設省の意向を受けて、旭化成ホームは諏訪2丁目団地管理組合にコンサルタントをするといって、マンション建て替え円滑化法を利用して補助金詐取の方法を指導しました。
一方、団地管理組合の一部役員は区分所有法に違反して組合を私物化して、組合の法律に適合した体裁を作った書類を作って補助金詐取を企てたのです。その不正補助金申請の謀議は、多摩市、団地管理組合の一部の役員が旭化成ホームの指導により実施しました。

補助金の目的外使用

補助金は、「建て替えを前提とした検討をするためにしか使ってはならない」にも拘らず、諏訪2丁目団地住民には「建て替えか、修繕・改修かの比較検討をする予算」であると説明して、何とか建て替えに住民を誘導しようとする不正な補助金使用を続けてました。
合計では5億円を超える予算のうち約1億円を使ったにも拘らず、マンション建て替え円滑化法により建て替え決定は出来ませんでした。それにも拘らず、ともかく建て替えに向けて団地を牽引するため、建て替え工事をするという結論に向けて、法律など無視して業者選択がおこなわれました。
旭化成ホームは、それまでの調査業務で十分儲けることが出来た上、これ以上付き合っても事業で切る環境にはないと考えて事実上撤退し、多摩市も過去の不正な事情関係者との縁を切るために旭化成ホームの撤退を積極的に受け入れてきました。
そして、これまでの「補助金を使った調査研究成果を全く利用しない」東京建物が、規制緩和を利用して、大きな事業利益が得られると勘違いして乗り込んできました。

詐欺の結果が明確化

国庫補助金を申請する条件がないにも拘らず、条件が整っていると言う申請文書を、旭化成ホームが法律違反をして補助金を詐取する指導をコンサルタントとして行い、組合幹部、多摩市長、国土交通省住宅局市街地建築課長が共謀して詐取し、その費用を旭化成ホームに交付し、補助謹慎しないように違反して使用させたのです。
そして補助金を使って纏められた建て替え計画自体は、単なる旭化成ホームの事業提案として使われただけで、次に事業をせり当てた東京建物の計画には全く利用されないで、補助金の使途には使われず、放棄されることになりました。
その結果、組合員はこの調査事業費の3分の1を、多摩市民及び都民は合計で事業費の3分の一を、国民は国庫補助金で出した事業費の3分の1を諏訪2丁目建て替え事業の目的には使われないで、旭化成ホームズに詐取されたことになったのです。

モラルハザードを阻止できるか

国庫補助金の不正使用や、詐取と言うことは役人と業者との間の馴れ合いで広く行われてきました。その背後には政治家が不正のもみ消し圧力をかけるために群がっています。それは与党だけではありません。今回の諏訪2丁目の場合、日本共産党はこの補助金詐取の事実を知っていて、それを幇助するほうに回っています。
朝日新聞はこの事実を知ったうえで、この不正をかばう側に回って、あたかも諏訪2丁目の建て替えが、法律どおり推進されていると言う記事を掲載してきました。
これらの不当性を共産党や朝日新聞に抗議してきましたが、赤旗や朝日新聞の購読者が諏訪マンション建て替えを推進する側に多数いるという理由だと言って憚らないのです。
警察・検察庁が、この問題を起訴に持ち込むことをするかどうかは、告発に対する調査を以下に正確にするか、法治国の秩序を守る上での職務上の対応をするかが試されています。

私の立場

私は建て替えをするか、しないかは、関係権利者で決定すれば、その決定に従えばよいだけのことです。私個人としては、これまでHICPMとして次のような検討作業をしてきました。
建て替えをしなくてもリモデリングで、現在の住宅規模を2倍に拡大して、エレベーターを付け、電気、ガス、水道等の設備を更新し,高気密高断熱の住宅にしても、現在の低密度中層住宅の潜在している土地利用を顕在化させて、各住棟の上に2層分の住宅を載せることで、現在の住民にはとくだんの費用負担なしに、それを実現できることを検証してきました。その概要は『最高の工務店を作る方法』(Xナレジ社刊)にも紹介してあります。
しかし、住民がどのような選択をするかは、住民の問題であり、事業の推進や阻止を使用とは考えていません。法治国である限り、法律に適合した手続きと法律の規定を尊重することを守ることをしなければなりません。
国民が重税にあえいでいるとき、補助金が不正に使用されている現実を問題にしなければならないと私は考えています。
戸谷英世


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