メールマガジン

メールマガジン第314号

掲載日2009 年 8 月 18 日

メールマガジン第314回(8月18日)
皆さんこんにちは
お盆休みはいかがお過ごしでしたか
私は今回のお盆には、オランダに生活している長女に依頼をして、オランダの住宅と生活と文化を見聞する旅行をしてきました。その後、これまで希望しながら出かけるチャンスをもてなかった「日本と精神構造が近い」といわれているアイルランドを旅行してきました。こん回のメールマガジンのテーマは、その半分の「オランダと歴史とその革新」です。

自由な国オランダ
オランダは江戸時代に日本が朝鮮と並んで西欧諸国の中では、唯一の貿易、文化の交流国でした。当時、オランダは米国にも、ニューヨーク州に相当するところをニューアムステルダムといって植民地とし、インドネシアを東インド会社の支配下に置き(当時はインドネシアを東インドと呼んでいた)、英蘭戦争に負けるまでは、オランダは、スペイン、英国、と並んで7つの海の制海権を争った一角でもあった国ですから、日本が当時オランダと通商条約を結んでいても、全く不思議はありません。オランダは当時から現代まで、地理的にもうヨーロッパの中心に位置していて、経済文化政治の総てに亘って、最も多くの国から影響を受け、それを自らの国でうまく生かしていくことの長けた合理主義を重視した国を造ってきたといえます。それが「自由な国」オランダの面目躍如足るところだと思います。アイルランドのダブリンのセントパトリック教会の主教を30年近くやっていたガリバー旅行記に著者セルバンテスを訪問したとき、案内者から、『ガリバー旅行記』には、実在の国が幾つかあり、その中に日本が書いてあるという説明を受け、これから読んで見なければと思ったところでした

地方性の大きな国オランダ
スキポール空港は、シャルルドゴール空港と並んで、ヨーロッパの中心の空港ですが、その空港を囲む形でオランダの主要都市アムステルダム、ロッテルダム、ライデン、ユトレヒト、デンハーグ、ハーレム、デルフトなどの都市が取り囲んでいます。オランダには、その他無数の個性的で魅力のある都市や村が、田園地域の美しい景観を作っています。オランダの首都は国会議事堂や国王が住んでいないアムステルダムです。国王の宮殿も国会議事堂もデン・ハーグにあります。国際司法裁判所の置かれている平和宮もそうです。昭和天皇が滞在されたダス・インデスというホテルも都心の国会議事堂の近くにあります。今回はライデンを中心に、ハーレム、ロッテルダム、アムステルダムなどの都市部と、海浜の5キロメートル以上も続く海浜のあるリゾート地ゼー・ランドと、風車が20台近くも並んで海水面下の土地を生活できる土地に守ってきた内陸の水を海に排出してきた水郷(今は観光と文化遺産を保存するのため)に、大切に保存されています。
また、既に生活の一部になっているアグリカルチャーアーバニズムに取り組んでいるライデン郊外の学校の教育施設としての義務教育に取り込まれた娘の子供が耕していた農園と、一般市民が日課として楽しんでいる娘の親戚のオランダ人たちが楽しんでいる市民農園など沢山見学してきました。

観光業でオランダが「大きな成果」を挙げている理由
アムステルダムには、目下工事中の中央駅とそこに繋がる地下鉄工事(多分5-6年前のグローバル研修ツアーのときも工事は始まっていたと思いますが、オランダ人もびっくりするほどのゆっくりしたペースで、市民の迷惑や観光に悪影響が及ぶことをまったく考えないでゆっくり仕事がやられているようで、夏季のバカンスで、工事は事実上ストップしていました。彼らは、観光を「人を呼び込む人集め」とは考えていません。小泉首相や石原都知事といった日本の政治家は、「見世物を作って、客寄せをすることを観光」と考えていますが、それは日本人だけの考える卑しい観光です。オランダ人は、彼等の豊かな生活を享受することが出来れば、結果として、その豊かさを多くの外国人たちがうらやんで見にやって来ると考えています。

オランダ人の考える『観光』
江戸時代の日本がオランダに学んだ「観光」とは、「国の光を外部に見えるようにすること」を観光ということと教えられました。そこで、江戸幕府は、オランダに「観光丸」という船の建設を依頼して、それを東京湾に就航させたことに「観光」という言葉が始まっていることからも分かると思います。オランダに多くの観光客が集まって来る理由は、彼らが自分たちの歴史と文化を大切にして、それを誇りと感じ、国民がそれを大切に守り誇りにして、それをオランダ人のアイデンテイテイとしてきました。それを世界の人々はうらやましいと思って身に集まってきて観光が栄えているのです。彼らは、「金儲けのために人集めをしよう」という卑しさで観光を成功させているのではなく。自らの生活を豊かに享受するために自らの歴史文化を大切にしてきたことが、観光業を成功させてきたのです。オランダの建築物だけではなく、その中に所蔵されている驚くべき文化財にその秘密を見ることが出来ます。

市民中心な公共施設の建設
アムステルダム駅に隣接して現代的な図書館が開設されていましたが、シアトルにできた新しい図書館とは全く違って、普通の市民が本屋さんに出かれるような感じでやってきて、来場者が自由に図書を楽しめるように計画されています。日本の公共建築は、有名建築家が「奇を衒った」デザインや、一般市民を軽視し、専門家利用を重視したものが良い図書館であるかの異様に考えられて、特に建築関係の本で評価してきましたが、それは全く間違ったものであるといってよいと思います。シアトルの図書館はその類な建築で、オランダと比べるとまだ市民の中心という考えが遅れている令だと思います。一般の市民が貸し本屋か、古本屋に出かける感覚でこのオランダを代表する巨大な図書館に出かけ、それと全く同じ感覚で、本の貸し出しが出来るだけではなく、そこで読書をし、勉強をし、作業をし、デートも食事も、会話も、都市全体を良い眺望を楽しめるなど、「市民が中心の自由の国」と思いました。多数の人がしこから多くの本を開架式書架から取り出して借りていましたが、この豊かさがオランダの自由な文化を巣立てていると思われました。

多くの美術品がいっぱいある国にオランダ
オランダのデン・ハーグの国会議事堂に隣接したマウリッツハウス美術館はフェルメールの作品で有名なところですが、ヤンブリューゲル、ベラスケスの作品、レンブラントなど日本にやってくるとどの美術館をも満員にしてしまうような作品が、沢山観賞できます。ハーレムの狭い街並みの中に立っているフランス・ハルツ美術館にも、アムステルダムの美術館にもどこに行っても見られることを聞いて驚きました。今回はハーレムの美術館にも驚くほど沢山の美術品が、本当に手で触れるほど大胆に市民が武術品触れられるように陳列されていました。
ゴッホ美術館もありますが、日本人の大好きなマネ、モネ、セザンヌ、ゴーギャンなどの印象派の美術作品はどこでも沢山見られます。今回はいくつかの美術館を梯子して、今思い出しても、どこを回って、何処のミュージアムで、何をみたか殆ど覚えていないほどです。しかし、美術館にいる間、ギリシャ神話やキリスト教の物語が絵画にして描かれた作品が多数あり、絵画でなければ表現できない非常に文化的に豊かな感じを享受できる環境がそこに作られていて、子供から老人まで多くの人がそこを訪れていました。入場料も日本とは違って安く、公共施設を市民の家計支出で味わえるように、文化を家計費のなかで容易に負担できる費用で享受できるところに市民中心の環境があると感じました。

アグリカルチャーアーバニズム
娘の子供達が小学校に授業として農業をやっていることを聞き、その現地を見せてもらいました。小学校時代から農業をするに当たり、それぞれの子供がそれぞれの農地(幅1メートル奥行き5メートル)を担当し、多様な野菜を学校が提供する農地に、それぞれの責任で種や苗を植えるときから収穫まで総て担当することで、農業の専門の先生からの農業知識や農業技術をまなぶとともに、自らの農業作業を通して、相互の経験交流をしながら、農業を身につけること学ぶことで、大人になっても農業をやり続けることが出来る知識と経験を積んでいるのだと思います。
その学校の教育用農地に隣接して、オランダ人一般の家庭用農地がどこまでも続いていました。そこには市民が法宇藤に生活自体として農業をしていました、そのため水遣りなどのために自分で出来ないときには友人に頼むなど、生活の中に農業が完全に取り込まれていることを感じました。別な見方をすれば、国民が農民でもあるということだと思いました。人々の生活に農業が完全に入り込んでいるということです。
農園とは別の施設として、ライデンの子供達が遠足やサイクリングなどで出かける観光的な公開参加のできる畜産場がありました。そこではヤギ、豚、ウサギ、牛、羊、などの畜産国に在って国民生活を支えている動物達と直接ふれあい、そこでは乳製品を中心に畜産製品を食する機会を含め、家庭用に安く購入できる商品販売を含め、生活の中で畜産を身近に経験する場が造られていました。生活の中に農業が実感として捉えられる取り組みとしてやはり国民生活中心の取り組みと感じました。

環境と住宅
今回のもうひとつの大きな課題は、オランダのレンガの住宅のデザインと住宅地です。これは非常に沢山の学ぶところがありとても簡単には書ききれません。中でも、機能主義を中心とした先端のモダニズム建築の盛んなロッテルダムの超現代的なキューブという住宅と並んで、しっとりとしたレンが建築の伝統を伝代的に豊かに発展させたライデンやハーレムの懐かしさ一杯の住宅群があり、日本のこれから暖簾が建築を考える上での参考となるものが山のようにありました。これらは、別の機会か、ビルダーズマガジンで紹介したいと思います。そこには、伝統的建築文化とそれを確信しようとするせめぎあいがあり、その緊張感が良い都市空間文化を築くことに連なっていると感じました。
今回はとりあえずオランダについてみて回ったことの一部を報告することにしました。今日、衆議院選挙の公示がありますが、次回は特に選挙関係の関係する話題で間なければ、でもなければ、アイルランドの住宅と都市の報告をしたいと思います。
戸谷英世


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