イベント情報

『建築物・様式ビジュアルハンドブック』出版記念セミナー

掲載日2009 年 9 月 1 日

『長期優良住宅と建築デザイン様式』

・・・住宅営業販売における消費者のデザイン嗜好の捉え方・・・

★講  師:    戸谷 英世 住宅生産性研究会理事長

★日  時:  2009年9月17日木曜日 午後2時~5時

★会  場:   住宅生産性研究会セミナールーム・東京都千代田区飯田橋2-13-3-2

★費  用:   3千円(HICPM会員)   5千円(一般)

(テキストとして『建築物・様式ビジュアルハンドブック』が上記費用に含まれます)

★定 員: 20名 (定員になり次第締め切ります)

★問合せ・申込み:住宅生産性研究会 TEL:03-3230-4874  Email:info@hicpm.com


◆セミナーの趣旨及び目的◆

クラシックデザインと住宅資産価値

高い需要に支えられ長期優良住宅として維持向上できる住宅は、クラシックデザインの住宅であって、高性能住宅ではありません。これは洋の東西を問わず共通しており、この事実を無視して長期優良住宅を販売することは消費者を裏切ることになります。現在日本では、建て替えと言う名目で性能の高い住宅が無理に取り壊わされています。日本も戦前までは、欧米諸国同様に伝統的住宅デザインを大切にして、「住宅造りは身上(財産)造り」という常識が通用していました。

スクラップアンドビルド時代の住宅政策

1965年の住宅建設計画法時代から、国民が必要とするそれまでの「一世帯一住宅」という住宅政策から、日本の経済政策の中心に据えられた「GNP(現在のGDP)の最大化」という政策に従うべく、居住水準を政府が一方的に設定し、5年ごとに国民の居住水準を調査して最低居住水準以下の住宅は取り壊し、住宅平均居住水準や誘導居住水準以上の住宅を建設する政策に転換しました。いわゆる「スクラップアンドビルド」」の住宅政策の始まりです。政府は住宅を耐久消費財として扱い、物理的耐用年数があっても政府が定めた構造別耐用年数で住宅の資産価値はなくなるとする間違った説明で、この政策を40年間も続けてきました。

使い捨ての住宅デザイン

住宅の性能が良くても使い捨ての住宅を供給する方法として、流行歌のように時代感覚を享受する方法が施行されてきました。建築家は、「建築物は形態と意匠を通して歴史文化を担っている」知識を建築教育で学んでいないことを棚に上げ、「時代感覚で機能本位の住宅をデザインすること」が住宅設計だとして建築雑誌と手を組みトレンディなデザインの住宅を良いデザインであると説明してきました。

ハウスメーカーの住宅デザイン

日本の住宅デザインを牽引したのが、工場製作による大量販売に営業の中心をおくハウスメーカーであったことは、住宅の歴史を振り返れば理解できることです。地場の工務店も設計事務所も、そこで建築設計に携わる人たち、つまり、建築士たちは学校教育でも建築士試験でも、歴史文化を担う建築デザイン教育を受けていません。単に時代感覚を表現するものとしてしかデザインの知識を学んでいませんでしたので、実際社会では、ハウスメーカーの二番煎じのデザインをするしか出来ませんでした。

経済環境変化による住宅政策の転換

自由貿易協定(FTA)時代に入り、世界は国境を越えてより安い賃金を求めて資本は移動し、儲けた利潤を自国に持ち帰ろうとします。そのため、世界は一つの経済として労賃は平準化する方向に向かいます。日本も例外ではなく、スクラップアンドビルドによりGDPを最大にする経済政策は維持できなくなり、住宅建設計画を放棄せざるを得なくなりました。住宅金融公庫と都市整備公団の廃止、公営住宅の質的転換が求められる中、住生活基本法行政が始まり、「長期優良住宅政策」という住宅を取り壊さなくて使い続ける政策に転換せざるをえなくなっています。

過去に経験していなかった分野での暗中模索時代

40年のスクラップアンドビルトの住宅政策がサダンデス(突然死)に遭ったため、政府はもとより住宅産業も建築住宅学会も対応のしようがなく右往左往しています。政府の政策は200年住宅、超長期耐用住宅、長期優良住宅と名前を変え、それに理論武装しようとして性能表示、瑕疵担保、住居歴、建築基準法、建築士法の強化といった、「スクラップアンドビルド政策時代の道具」の焼き直しばかりです。

「学ぶこと」は「優れた経験に真似ること」

「新しい酒は、新しい酒袋に入れろ」という諺どおり、住宅が経年しても資産価値を維持向上できる住宅を供給するには、それを実現した実際の経験に基づいて理論化し、その理論を実践するほかありません。HICPMは設立以来15年間、一貫して「国民が住宅によって資産を形成し、国民に万が一経済的に困ったときでも、住宅に投資したお金がそれ以上の資産価値のあるものと指定化されなければならない」とする、昔の日本や現代の欧米に倣うべきことに取り組んできました。

建築関係者にとっての必要最低限の知識

本書は、資産価値が持続できる住宅の基本的要素は、国民が「自らの宝として守りたくなるデザイン」の住宅、つまり、クラッシックデザインの住宅で建築学として世界の常識に返るための本です。そして、建築の形態(フォルム)と意匠(オーナメント)が、人類の歴史文化を作ってきた建築の言葉であることを学習する最も初歩的なガイドブックです。この本に登場する建築設計に関係する用語や、建築物の担っている建築物と歴史文化の関係は、建築・住宅に携わる人にとって、最低限必要な知識です。

国家が「建築士に必要最低限」と考える建築知識

本書に登場する建築物と用語は、過去10年間の建築史試験に登場したもので、歴史文化の連続性を考えて、未登場の建築物についても付加してあります。いわば、政府が建築士として社会で働くために必要最低限の建築設計知識として要求しているものが収録されています。用語や建築物に関しては、建築経験者や建築専門学校、大学を終了した人ならば60%以上、建築設計をする人であれば、少なくとも80%以上は知っていて当然の知識です。

長期優良住宅実現に必要な知識

本書の出版にあたりエクスナレッジ社は、政府が進める長期優良住宅の実現に、出版業として支援をすることにしたものです。40年も継続した住宅のスクラップアンドビルド政策から、180度転換する住宅での資産形成のためには、個々の住宅と並んで住宅地の経営管理技術の改革も必要とされていますHICPMでは既に、英国と米国を中心にハワードによるガーデンシティの経営から、住宅の資産形成のシステムの基本となったラドバーン開発を経て、現代のTND・ニューアーバニズムによる住宅地経営管理システムを日本で使えるように纏め、それと合わせて建築デザインにおけるクラッシク様式を正しく普及させることを考えています。

学習機会の実験的な提供

長期優良住宅を実現するためには、本書を出版したエックスナレッジ社もデザインセミナーを住宅関係団体や企業と協力し開催することを考えていました。その取り組みの一つとしての本セミナーの開催です。


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