メールマガジン

メールマガジン第317号(9月7日)

掲載日2009 年 9 月 7 日

メールマガジン第317回(9月7日)
みなさんこんにちは

政権交代を見込んで逃げ込んだによる官僚補助金のお手盛り
民主党が政権をとることになって既に大きく変わったことがあります。HICPMがこれまで9年間に亘って取り組んできた住宅により資産作りのための研究開発が、事実上打ち切られることになったことです。この取り組みは、今回国土交通省住宅局長から内閣官房に転出された和泉さんが住宅局生産課長時代に、欧米の住宅産業の仕組みを住宅局としても学びたいという話に対応して、私の方で、「官民で欧米の住宅産業について学ぶ機会にしてください」、とお願いして10年前に始まった研究会でした。

9年続けた住宅行政のための欧米の住宅研究
国庫補助金をNPO法人では受け入れることが出来ない時代でしたから、私を悪く思っていない財団として、和泉さんがハウジング&コミュニテイ(H&A)財団を指定して、そこで住宅牛王政に必要な情報を収集する研究会をやることにしました。研究内容は日本国の住宅産業にとって必要と「私のこれまでの経験から考えられる欧米の経験から学ぶべきこと」を、これまでの私が取り組んできた実績を評価してくださって、「HICPMで自由に考えてやって欲しい」ということで始まりました。国庫から毎年300万円の補助金が出され、民間の住宅産業で20社が各15万円づつH&A財団に持ち寄って、全体で600万円の研究を、平成12年度から9年間続けてきました。

いつまでも誇ることが出来る研究成果
今研究は、第8期住宅建設計画法や、住宅建設計画法破綻後の住生活基本法に向けての基礎的な資料の提供という役割を果たしてきました。しかし、最終的な研究は、これまでの日本の住宅政策のように、国民が住宅を取得することで貧しくなるのではなくて、国民が住宅を取得することで経済的に生活の頼れるものを持つことでなければならないということで、現在の長期優良住宅政策の基本目標に対応する研究でした。この研究会でやったことや、研究成果として国土交通省に提出された内容は、基本的には英国や米国における「住宅により資産形成の仕組み」を解明し、その経験を日本の現場や住宅政策に読み替えるというものです。いずれの研究成果も、現時点で読み返してみても、現在の日本の住宅産業や、住宅政策を実施するうえで欧米から学ぶべきことが沢山詰まっているものです。

これからも利用してください研究成果
この研究会の運営の仕方は、HICPMで調査した欧米の仕組みの必然性の分析結果と、その日本社会への応用に仕方を、毎年の5回のテーマを持った研究会で、20社の参加者に説明し、参加者からの疑問に答えるとともに、日本での実施方法に関しての参加者の意見を聞き、それを研究報告に取り入れることを繰り返してきました。その研究開発の大きな成果は、無数に挙げられますが、その中の主なものを10あげれば以下のとおりです。

(1)    住宅金融に関するモーゲージローンと建設先取り特権によるコンストラクションローンの仕組みと、支払保証債券と完成保証債権との関係

(2)    本物のMBS(モーゲージバックドセキュリテイ)と日本の「似非MBS」(クレジットバックドセキュリテイ)のしくみの解明と将来の住宅への影響

(3)    不動産業は、日本での産業分類されている建設サービス業ではなくて、土地加工産業(製造業)であり、住宅は建設して土地の一部になり、土地との一体的登記となるべき法律関係の理論と、不動産鑑定評価(アプレイザル)制度の仕組み

(4)    資産形成のための土地に描かれた都市計画(マスタープラン)とその構成要素である建築設計指針(アーキテクチュラルガイドライン)の考え方と実践方法

(5)    都市計画における地域地区と「一敷地一建築物」(サブデイビジョン・デベロップメント)と、「一団地住宅施設」(プランドユニット・デベロップメント)の開発関係

(6)    エベネッツアー・ハワードの「田園都市理論」の計画論と、その実践と都市の一元的経営管理主体による都市経営論の全貌解明と日本の現場への読み替え

(7)    欧州での土地を資本化するリースホールドの理論の実践と、日本の地主を目先の利益で誘導し、資産崩壊に導く定期借地権事業の違いの解明

(8)    住宅による資産形成を可能にする住宅地経営の基本としての都市開発・経営単位としての一体的な自治団体(HOA)による経営管理を必要とする理論

(9)    J・C・ニコルズとチャーリー・アッシャーによる資産形成を実現する都市開発の「三種の神器」(マスタープランとアーキテクチュラルガイドライン、HOAという住宅地経営管理境界、CC&RSと呼ばれる住宅地経営管理基本契約約款)の解明

(10)    豊かな都市開発の計画理論としてのニューアーバニズム、TND,TODを支える泡ニーの原則、フランク・ロイド・ライトの「都市・建築・住宅デザインの4原則」

これらに関する調査報告は出版物になっており、ご希望の方には、ご利用できます。さらに、これらの調査研究成果の一部は、井上書院、学芸出版、エクスナレッジ、本の泉社、住まいの図書館など多くのHICPM関連の書籍(刊行本:HICPMのホームページ参照)にして刊行され市販されて奇たほか、HICPM「ビルダーズ・マガジン」や、新建新聞社「輸入住宅」、「住宅トリビューン」、「貸地、貸家人組合機関紙」などにも掲載してきました。

これからも続けるべく研究を中止させた「政権交代の嵐」
この研究開発の続きはアグリカルチュラル・アーバニズムの研究開発として続ける予定にしていました。しかし、今年の計画を国土交通省に相談に行ったところ、予算は総て配分し尽くしてしまったということであった。民主党が「天下り団体への補助金をやめろ」ということで、民主党が政権を奪取しそうになったので、民主党が政権をとる前までに,財団法人及び社団法人に支出していた補助金は、民主党に政権を渡す前に使ってしまえということになり、それまでの研究の内容など検討もされませんでした。

^一般社団法人」という隠れ蓑
社団法人や財団法人がダメであるなら、別の団体を創れということで作られたのが「一般社団法人」という別の形のダミー団体で、その団体を使ってこれまでどおりの補助金需給システムが機能するようにしたのです。その方法は、これまで財団法人及び社団法人への予算は、殆ど天下り人事の人件費代わりのものが圧倒的多数であり、この財政危機のときに民主党が考えている政策では、その天下り費用を吸い上げることになるので、ともかくそれを早く配分してしまえということになったのです。
しかも、国土交通省はその対策として、「民間の活力を利用する」という大義名分を掲げて「一般社団法人」という法人は、純粋の民間の創意工夫に満ちた法人で、そこの知識を行政に取り入れると、「一般社団法人は天下り法人ではない」という「羊頭狗肉」の看板を掲げた法人を作り、そこに巨額な補助金を配分したのです。その配分を適正に行うとする隠れ蓑として、財団法人及び社団法人のなかや、これまで官民癒着してきたコンサルタントに、学識経験者による委員会で構成にお金を使うように民間からの調査研究の申請を審査することを委託するというものです。

御用学者集団による「羊頭狗肉」
財団法人やコンサルタント内に設置される学識経験者による委員会は、これまで官僚と一体に業務をしてきた御用民間機関であり、「公平な学識経験者」と称する役人OB,御用学者を集めて、そこで補助金を配分する選考委員会を作って、いかにも公平に国庫補助金を天下り帰還に配分するという形式をとって「一般社団法人」に補助金を支給することにしたのです。形だけはこれまでと代わったようにしながら、その実体は、容器のレッテルを貼り変えただけのことでした。民主党の政治がそれを容認していれば、口先だけでやるべきことの出来ない言行不一致の政党であるという証明になります。

学閥官僚による国家財政の私物化を許すな
現在の官僚の中には、基本的に、「国民の税金を、国民のために使う」という意識はありません。国民には、「国民のために使う」という説明のできる方法で、自分たち官僚集団が天下りのできる方法を前提に、国民から集めた税金を自分たちの集団のために配っているのです。このやり方は、東京大学や京都大学など官僚を大量に送り出している大学の教授たちがが、政府の審議会の委員に参加して、御用学者として政府の言いなりの答申を出す見返りに、その大学の卒業生を官僚に採用させているというやり方と同じです。

官僚採用から汚れている学閥人事
国家公務員試験の成績では東京大学など官僚を沢山送り出している大学の卒業生よりが良い成績の人たちが多数います。しかし、官僚になろうと希望する多くの地方大学卒業生は、中央官庁の各省の行う面接試験で落とされてきました。しかし、成績が悪くても御用学者のゼミ(研究室)の卒業生は、事前の裏での取引で採用された例は無数にあります。官僚の世界では当たり前のこととしてやられてきました。京都大学や東京工業大学や都立大学も東京大学だけという批判をかわすために利用され、審議会委員のゼミの卒業生が、成績が悪くても採用されてきました。官僚人事が学閥により私物化されてきた事実が、日本の官僚機構を狂わせて着ました。

牽強付会なき借を正当化してきた学閥社会
この東京大学が学閥として長年やってきたことがそのまま官僚の税金の使用方法としてやられているのです。それを追及されたときの言い訳を必ず用意し、「字句の上」で言い訳できる抜け穴を必ず用意しています。それが高級官僚の犯罪で、高級官僚が異口同音に白を切る言い訳でス。これは、刑事事件になっても、司法の場で争うときにも、東京大学閥を救済する口実として使われてきました。政治資金規正法の脱法のやり方も同じです。

国の隅々まで汚れた詭弁社会
私は、官僚時代から、現在NPO法人の活動をしながら、基本的に全く同じ不正との戦いに多くの時間を費やしています。この学閥による公金私物化や、不正の免責のやり方と同じやり方が、共産党などのような一見官僚と対決しているように見えるところや、民主党のように政府追及で派手にやっている議員の行動を見てみると、そこには同じ自己の利益を優先する汚さと学閥によりもたれ合いが強く支配していることを見てきました。それらの反政府組織でも方著を変えて灯台罰の悪弊が組織を腐らせて着ました。分かりやすくいえば、個人で出来ないことを集団でやるというやくざの構造がそれです。東京大学の学閥と同じことが総ての場でやられている理由は、国家権力や国家の財政を扱うところでやることを国家全体が猿真似している「サルの国家」であるからです。

「ガリバー旅行記」の面白さ
先月アイルランドに出かけて、ジョナサン・スイフトが司教を長年やっていたセントパトリック大聖堂を見学したとき、「『ガリバー物語』を読まなくて、本当の面白い本を読んだことにならない」という話を聞き、早速岩波書店からでている「ガリバー旅行記・ビジュアル版」マーチンジェンキンズ再話、クリス・リデル絵を、一気によみました。本物の全訳は、岩波文庫にあり、これも読み始めましたが、まず、イメージを掴むために絵本を読みました。「ガリバー物語」は、四つの物語からなっていますが、そのなかの「フウイヌム」は、傑出しているように思いました。

筑波山の「がまの油」に似た話
「フウイヌム」は、まさに人間を人間以外のえこひいきのない皮肉な目で見通した最高の傑作で、私が日本の官僚や学閥に対して抱いていることと同じことが書いてあります。ぜひお読みになってください。この本を他人に薦めること自体が、相手に皮肉な批判を言っているように思われるかもしれません。ここにでてくることを、「冷や汗をかいて読む人」こそ、まともな人で、他人事だと思って笑って読んでいる人は、自分の姿がこの本に映し出されているにも拘らず、それにすら気づかないで、「自分の醜さ」を見て、それを「他人の醜さ」であると勘違いして笑って済ませる本当の馬鹿な人間だということになります。

高齢者福祉に必要な視点
その前にある物語「ラピュータ」も。「長寿社会の問題」をシニカルにあらわしています。一切死ぬことない人間が生きている社会では、長生きをしたいと思う人などいないという話が書いてあります。日本の長寿社会で、ベッドに縛り付けて生きさえ続けておれば、その家庭や国家が延命治療で患者の家計も、国家の財政危機となっても、国家も国民も高齢者を大切にしていると感じている現代を分かりやすく皮肉っています。ジョナサン・スイフトが語っていることの「一面の真理」を私たちは謙虚に学ぶことが大切だと思いました。

耐震偽装裁判に見る検察の不当
先週から今週にかけて多くの訴訟事件の取り組みで忙殺されました。耐震偽装事件でヒューザー社の小嶋進さんを「詐欺の容疑で検察が起訴し、東京地方裁判所と東京高等裁判所が検事の言いなりの判決を書いてきました。建築基準法行政を25年間手がけて、その重要さを認識していると自認する私は、この判決を怒りで読まざるを得ませんでした。これも東京大学法学部教育の悪さの典型でした。私は高裁判決に対し最高裁判所への上告をするに当たリ、建築行政の専門的知識経験者として鑑定意見を求められ提出しました。皆様にも呼んで頂きたいと思い、HICPMホームページの「法律欄」に掲載しました。
戸谷英世


トラックバックURL:


コメント投稿




powerd by デジコム