メールマガジン第333号(1月11日)
みなさんこんにちは。
日本経済が悪いと言う指標は沢山ありますが、昨日の新聞では、世界の中で株式上昇率が、世界の最下位の上(4位)と言うことで「なるほどなあ」と実感したところです。今日のメールマガジンは、今日、1月8日に送ることにしました。
1月11日が休日と言うことも理由の一つですが、もう一つの理由は、「今月14日の100年定期借地権事業のバス研修ツアー」をぜひお誘いしたいからです。
昨年来、私が「住宅の販売価格を、消費者の年収の2.5倍のローンで購入できるようにすることとして、今年、住宅産界の方々に、推進すべきこと」を次の2つを取りくまなければならないことを掲げました。
第1は、定期借地権事業を進めることで「土地を買わないで、住宅を買える」ようにすること。
第2は、住宅建設業経営学を習得して、「むり・むだ・むら」をなくすことで、住宅の生産性を現在の2倍にまで高めること。
日本の定期借地権事業で実施してきたことは、その本音を語れば、消費者はお金を払うだけの関心で引き付けていが、その事業的な関心は、「地主の脱税と住宅会社の売り逃げ」の合作として取り組まれています。
地主は土地の上で住宅経営をやっているのではなく、大きな借金をしていれば、相続税を支払わなくてもよいと考えているだけのことです。
アパート経営をするか、土地が単純な定期借地権を提供すれば、相続税の課税額が、60%に減額されると言うことを狙って定期借地・借家が取り組まれています。どのような住宅経営がやられるかの関心は全くありません。
一方、住宅会社は、出来るだけ、「消費者のローンで借りることのできるお金」を住宅費に使わせるためには、「土地は借りた方がよい」と言うことで定期借地事業が取り組まれました。しかし、いずれも土地を貸してしまえば、「後は、どうでもい」と言った無責任な経営しかやってきませんでした。
英国やフランスなどでやられているリースホールドは、最終的に、土地所有者の財産作りの方法として始められていす。つまり定期借地期間が満了したとき、その住宅不動産の総てが土地所有者のものになることを目的に、リースホールド事業がやられてきました。
土地所有者が未来永劫に亘って「資産となるもの」を借地人に造らせ、一定の借地期間(現在では99年)経過後は「総て、土地所有者のものに帰属する」と言う制度がリースホールドなのです。土地所有者にとっての楽しみは、「借地期間満了後の手に入る資産」です。
住宅は住宅地としての効用(街並みのデザイン、街並みの機能、街並みの性能)がしっかり出来ていて、「町の環境管理が責任を持ってやられている」住宅地にあるのです。「クラシックなデザイン」の住宅であれば、時代とともに物価上昇は上昇します。そして、文明の進歩に合わせてリモデリングを繰り返してきた住宅は、その「総・リモデリング投資総額の約、
60%」の資産価値は上昇します。さらに、「多くの人が住み、町が熟成し、より高い都市施設が整備される」と、所得の高い人の憧れの住宅地として、高く売買されるようになります。
かつて、エベネツアー・ハワードが計画したレッチワース・ガーデン・シテイは、第2次世界大戦が、英国政府が「新し住宅地経営のモデル」として考えました。英国労働党は、そのような優れた住宅地を開発し、そこにロンドン市民の憧れ住宅、即ち、いつも需要者の憧れの対象になる住宅地を作ることを明らかにしたとき、多くの人たちはレッチワース・ガーデン・シテイの乗っ取りがはじめられました。
結果的には、レッチワース・ガーデン・シテイ公団法が設立されて、乗っ取りは未然に防止することが出来ました。この取り組みの最大の計画原則は、次の4点に集約されます。
第1は、ニュータウンは一元的な都市の所有と管理の下で、体の利益を考える人びとの事業として取り組まれなければなりません。そのためには、開発地全体が一つの土地管理法人の手の下に置かれなければなりません。(住宅地開発業は、土地の加工業)
第2は、住宅地全体として高い有機性を持ち、日とびとの絆を育んでいくことの出来る前提の基本計画(マスタープランがあって、その計画通り各敷地の人がマスタープランに適合したような建築設計指針がなければなりません。(ハード技術)
第3は、その住宅地は、デベロッパーが市場調査を前提に、誰を対象にするかを明らかにして、その対象者にあって「費用対効果」の高い住宅地をつくことをするために、町造りをするデベロッパー、住宅購入者及び住宅地経営管理協会及び、住宅所有者全員が、町のルールを民事契約で決定す
ることでなければなりなせん。(ソフト技術)第4は、ハードな住宅や住宅地施設と、ソフトな町のルールとを一体的に経営管理する住宅地経営管理協会が、スポーツのゲームにたとえれば、ルールに照らした裁きをするジャッジ(審判)の役割を適正に務めることを出来る体制が作られていなければなりません。
この第2から第4までを「3種の神器」と呼んでいて、それを現在の不況下で取り組むためには、第1の土地の加工業をするときに、底地と上土権に分けて、土地を売買しないで、開発地全体を一元的な計画化におくことが求められています。これがリースホールドによる都市経営の鍵です。地形を生かす開発とし、大造成やひな壇造成はしてはなりません。
わが国でHICPMの監事である大熊さんが取り組んだ100年定期借地権住宅事業は、昨年、横浜で、同じくHICPMの会員の工藤建設が取り組むまでは、全国で一つしかなく、日本の借地借家法を使って、英国のリースホールドに極めて近いものを創りあげることに成功した。
そこで、今回HICPMが企画したバスツアーによる研修事業では、実際に現在リースホールド事業(定期借地権事業)を全国で取り組んでいる方々や、これから取り組もうとしておられる方々を一堂に集めて、経験交流や、質疑応答を深めることを計画しています。このバスを使った研修事業は、頻繁に開催できるものではないので、出来るだけ宅沢山のかに、この機会に参加されることを期待しています。
100年定期借地の生みの親でもある大熊さんをはじめ、ムカサガーデン(地主)の当主にご参加いただき、これまでの10年近い経験を聞きだすとともに、各地で定期借地事業に取り組んでおられる方の疑問に答えると言う催し物です。既に、沖縄や九州、中国、近畿、東海、関東と広い地域からお集まりになります。
私も昨年末から新年に掛けて現代の社会経済状況を分析して、現在取り組むべき住宅経営として、リースホールドが、極めて重要な手段であると言うことを理論的に纏めることができ、その結論を皆様に聞いていただこうと思っています。
開催日は、1月14日で、殆ど余す日取りはありませんが、万障お繰り合わせの上、ご参加され、今後の住宅産業会で飛躍できる知恵を学んでいただきたいと願っています。当日も申し上げることになるかと思いますが、現在持ち家を建築しようとされている方の多くは、土地が既に手当て済みとか、手ごろな価格の掘り出し物の土地を購入したとか言って「土地を新たに購入しなくても住宅を建てられる人」を相手にする取り組みがなされています。
これらの土地の中には、ときにはよい住環境にあるものもあります。その多くは、価格相当のものが多く、そこで建築された住宅を販売しようと考えた場合、まず購入価格では売れない場合が多いと思います。創るときは売ることを考えるべきです。住宅は住宅地として一団の環境を維持できて、初めて住宅としての所期の効用を発揮するもので、住宅だけは立派でも、その立地条件が悪く、又は周辺環境の悪いところに建築された住宅は、いずれの「2足3文」で叩き売られることが関の山です。
住宅購入者にそのときになって悲しい思いをさせることのないように、定期借地権による住宅地開発と住宅地経営を一元的にしたが書にある住宅を販売するようにすれば、その住宅は住宅地経営が確実に行われている限り、住宅の資産価値は、維持向上されることになります。今回のムカサガーデンは、まだ若い開発ではありますが、その短期間にも、町の熟成とともに、住宅の資産価値は向上し、所得の高い人がより多く住むようになっています。
リースホールドによる事業は、単に借地で住宅を建てさせると言うものではないのです。土地のうえで「三種の神器」を護った住宅地経営をやることで、土地所有者の土地を高い利潤(地代配当と言う)を生み出すものに変えていくのです。
それは、「土地を資本化(キャピタライズ)」することなのです。
私も今年は何とかリースホールド事業の推進のために張り切っていますが、皆様も研修ツアーの実りをご期待なさってお集まりください。当日はどのような疑問や悩みに対しても率直な回答をすることが出来るように準備をしてまいりますので、疑問にはご納得いくまで執拗に追及してくださることを期待しています。
戸谷英世
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