メールマガジン

メールマガジン第334号

掲載日2010 年 1 月 18 日

みなさん こんにちは。

1月14日、グローバル研修企画と共同で99年リースホールド住宅事業の現場見学と研修会を、「100年定期借地事業を取り組んだ武笠ガ―デン」として実施しました。16名の参加者は非常に意欲的で、活発な意見交換もでき、学習効果は非常に高いものでした。ロッキー住宅社長で税理士の大熊さんからは、これまでの試行錯誤を繰り返しながら、慎重かつ大胆に取り組まれた経験を聞き、現場を歩いてみてその経験から学ぶことは大きいことを改めて感じました。


今回の研修ツアーは、「今年の工務店が取り組むべき最大の課題」と考えて企画しただけに、多くの工務店の共感を呼ぶものと思っていましたが、参加者数は私の予想を下回るものでした。理由として、本日1月18日からの全米ホームビルダー協会のインターナショナル・ビルダーズショウへの参加も影響したと思われます。しかし、参加者は、年内はリースホールドが「一挙に」と行かなくても、早晩、工務店としては基本的に取り組むべきと考える、「リースホールド」の基礎的な知識を学びたいという意欲に満ち溢れ、時代をはっきり感じ取れる方々でした。

そのセミナーで問題として纏めた20項目の中で、参加者には反応の良かったものを以下に纏めました。

(1)住宅産業の置かれた現状認識:年収250万円時代の到来

3年前に私が「最高の工務店をつくる方法」(エクスナレッジ社刊)で指摘したとおり、一貫して国民所得が下降し、この本で書いた展望どおりに社会全体が向かうという認識が広がっています。私の指摘は、日本の産業構造と経済分析を元に、かつて1980年に、2000年の宅地需給予測を3%程度の誤差で予測したやり方をベースに考えたものですから、現実社会との間に、基本的に大きな誤差が出るはずはありません。この本は一度だけで読み捨てにしないで、内容が理解できるまで読んで欲しいと思います。

(2)国民の住宅購入の選択:  原則第1.土地と建築物は一体不可分

最近の住宅取得者の多くは、既に何らかの形で土地を保有している人が住宅購入者となる可能性が高くなっています。私が知る限り、それらの土地の多くは条件の悪い土地で、確かに「新たに土地を購入する必要はないけれど、そこに建った住宅は次の買い手が見つからず、売却しようとしてもまともな価格では売れません。つまり、住宅をごみにすることになります。全体が一つの有機体である住宅地は一つの経営管理主体の下で経営されることが必要です。「住宅は土地の上に建つことで、住宅自身が土地の一部になる」(不動産は土地の加工形態であって、住宅は土地と切り離せない)のです。

(3)土地担保金融の本質は個人信用金融:  原則第2.土地は債務(デット)

わが国では戦後一貫して土地担保金融で経済は動いてきました。そのため「利用未定の土地ほど利用期待性が高い」ということで高い担保資産として、何重にも担保を設定して金融がされてきました。担保総額は土地の公示価格の何百倍という例もありました。複数の抵当権が設定されても、その総てが破綻することはなく、地価も上昇し続けているからというのが複数担保の言い訳でした。しかし、バブル経済の崩壊によって、同時に多重債務の担保の殆どが破綻し、土地も下落した担保は総て紙くずになり、その債務は借金をした借り主の債務となりました。「担保のはずの土地は、担保として全く機能していないのです」。それが不良債権です。欧米のモーゲージでは、債務と相殺されるため、破綻の段階で清算でき、全ての債務が処理されます。日本の抵当権は債務と相殺されません。

(4)地価は土地利用事業収益の一部:  原則第3.土地の利益を決める土地利用規制

地価は、土地が生み出す利益、即ち、地代を資金の運用利回りで割り戻し(資本還元)したときの価格です。そのため、地価は基本的に土地利用ごとの経営利益により左右されるもので、土地利用と切り離して地価は存在せず、わが国でやられている「近傍類似地価評価の科学的根拠」はありません。不動産鑑定制度が間違っているために、そのしわ寄せが都市計画に及んでいます。戸建て住宅地のマンションが乱入しているのはそのためで、本来そのような混乱を防止するのが都市計画のはずなのです。しかし、わが国の都市計画は、小泉規制緩和のように、逆に混乱を助長して利益を上げる業者を幇助してきました。

(5)土地経営が土地利益を決定:   原則第4.土地の経営管理が利益を決定

土地は、そこで計画される土地利用が、社会的な需要と供給との関係により、高い需要に支持される事業経営でなければ、事業利益を上げることはできません。同じように高い需要に支持された場合、商業・業務は一般的に高い利益は期待できますが、必ず競合会社の出現により30年程度で事業はだめになります。住宅の場合、利益は大きくありませんが、恒久的に続きます。しかし、その経営が鍵となります。そのため、歴史的にも、「最もよい資産の持ち方は住宅又は住宅地経営をすること」が資産家の関心となってきました。

(6)定期借地権事業は仮設事業:   原則第5.資産形成はリースホールド事業

わが国の定期借地権事業は借地期限に住宅を取り壊すというもので、基本的にわが国の定期借地権事業は仮設事業ですから、住宅地は熟成することはなく、経年するにつれ住宅地の取引価格は下落し、住宅所有者だけではなく、地主も資産を失うことになります。一方、欧米のリースホールド事業は、「リース期間満了後、地主の手に戻ってくる住宅不動産が地主の期待する利益」で、熟成した住宅地に所得の高い人たちが居住してくれることが、その住宅不動産の最大の価値を維持することになるので、リースホールドの期間以後に大きな期待が持たれます。

(7)資産価値の上昇し続ける住宅:   原則第6.需要対象者の購買力範囲での取引価格

住宅を高い価格で購入しても、高い価格で建設しても、それがその住宅市場で高く販売できるわけではありません。多くの場合、住宅購入者は住宅会社から、「住宅を建設することは、一世一代の大事業である」と唆されて、年収の5倍もの住宅ローンを組まされて高価な住宅を買わされます。その住宅は、年収3倍程度の所得の人しか生活できない地域にあるのですから、その土地で住宅を買おうという人は、当然年収の3倍でしか購入してくれないのです。その考え方を逆転すると、「既存住宅市場で年収の3倍で購入できる住宅を造れば、値崩れしない」で販売できます。

(8)年収の3倍の住宅を造る方法:   原則第7.販売価格は年収の3倍

「年収の5倍」で造ってきた住宅と同じ品質の住宅を「年収の3倍」で供給する方法

第1は、リースホールドによる住宅地区として住宅地経営をすることです。これにより、地主は債務としての不動産を、利潤を生む資本とすることが出来ます。

第2は、住宅地開発は、既存地形を基本に開発をし、造成工事をせず、開発許可を受ける場合にも、公共施設は公共団体ではなく、住宅地経営管理協会に移管します。

第3は、住宅は自然地形を活かした住宅地とし、造成事業にはお金を掛けず、住宅の建設工事及びその外構工事や半地階工事として建築物になる工事をします。

第4は、住宅の形態はエンベロップ(外郭)を最小にして、敷地境界一杯の二連戸住宅(デュプレックス)やアタッチドハウス(連続住宅)として造ります。

第5は、基本的な構造は標準化、規格化、単純化を徹底し、それを総ての住宅に共通化することで、現場における無理、無駄、斑を最小限にすることで生産性を上げます。

(9)住宅価格切り下げの具体的な目標:  土地付き3000万円物件を1500万円で供給

以下に示す数値は、一つの目安を示しています。

第1.(8)第1及び第3を採用することで、これまでの開発地に対し30%~50%住宅戸数密度を高めることが出来る。第1の効果で1戸当たり600万円土地代をカットし、第3の効果で地代を3分の2にします。

第2.(8)の第2及び第3の効果により、一戸当たり400万円をカットします。

第3.(8)の第4及び第5の効果により、一戸当たり500万円カットします。

この目標数値は控え目な数値で、第2及び第3により、さらに、300万円程度のコストカットで、1200万円の原価で建設することは可能です。

(10)実力のない工務店には実現できない仕事:  工務店に求められる基礎知識

上記の(9)の成果を上げるには、次の2つの工務店経営と住宅地経営に関する専門的な知識が必要です。世の中には、必然性のないことは起こりません。その科学的な知識を大切に学ばない人は、つまみ食いや運任せで何とかやってきたかも知れませんが、これからはそういうわけにはいきません。以下の2つの技術に関し、理屈に合った取り組みが求められています。

第1が、住宅地経営管理に関する「三種の神器」に関する知識です。

「第1の神器」は、人の絆を大切に育むことの出来るニューアーバニズムによるマスタープランとアーキテクチュラルガイドラインです。この街づくり計画の知識がなくては、住民が満足し帰属意識を育てる町はできません。

「第2の神器」は、第1のハードな技術に対応する住民にとっての共通なルールというソフトな技術です。住民にとってソフトな宝として、皆が護ることの出来るルールがなければなりません。

「第3の神器」は、ハードな宝とソフトな宝という住民にとっての資産を、住民が主体性を持って護る自治団体「住宅地経営管理協会」が必要になります。

第2は、工務店にとって不可欠な住宅経営管理技術です。この技術のものづくりというハードな技術とともに、それに対応する経営管理技術です。

経営管理を、お金、時間、品質という3本の管理技術を駆使して、生産性を高めて、よい品質の住宅を適正価格で生産する管理技術です。


上記2つの経営管理技術を、HICPMでは2月から毎月、第1木曜日は「三種の神器」について第3木曜日は工務店の経営管理技術についてセミナーを開催します。

-2月セミナーのご案内-

1.長期優良住宅地経営管理マニュアル “三種の神器”セミナー ①

マニュアルの解説 ・事例解説 ・リースホールド事業 ・個別事例相談 ・法令解説

【日  時】   2010年2月4日・木曜日 13:30~17:00

【会  場】   住宅生産性研究会(HICPM)セミナールーム

【受講料】

★初めて受講される方・・・・・・・・・・・・ 10000円(HICPM会員)   15000円(一般)

※上記費用には受講料と下記のテキスト代が含まれます。

★テキストをお持ちの方・・・・・・・・・・・  3000円(HICPM会員)     6000円(一般)

※受講の際には必ずテキストをご持参下さい。

★テキスト: 『超長期優良住宅地経営管理マニュアル』  10000円(会員)  15000円(一般)

受講申込締切:1月28日木曜日


2.建設業経営管理 (コンストラクションマネジメント)セミナー  ①

(1)建設業経営、建設工事(工事計画・原価管理・工事工程管理・品質管理)、顧客管理

(2)住宅地計画、住宅地デザイン、建築設計、住宅デザイン

(3)建築の材料と工法、材料の物流、伝統的建材、新材料、新工法、住宅設備

【日  時】   2010年2月18日・木曜日 13:30~17:00

【会  場】   住宅生産性研究会(HICPM)セミナールーム

【受講料】   3000円(HICPM会員)   6000円(一般)      ※テキスト代込み

★テキスト:   毎回、指定のテキストの中から自由に1冊が選択できます

受講申込締切:2月12日金曜日

お申込み・お問合せは、住宅生産性研究会事務局まで。

TEL:03-3230-4874  FAX:03-3230-2557

Email: info@hicpm.com


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