メールマガジン

メールマガジン第339号

掲載日2010 年 2 月 22 日

メールマガジン第339号(2月22日)
みなさんこんにちは
カナダで開かれている冬季オリンピックで、多くのアスリーツが感激の試合をしています。これまでの長年にわたる研鑽の結果がオリンピックに展開されていて、一人一人の選手のことを考えるだけで、これまでの蓄えてきた力を発揮できることを願わずにはいられません。メダルや入賞は、その結果でそれにこだわることはないと思います。

私もHICPMの仕事を通して、これまでの力を日本の住宅産業に向けて、何とか少しでも効力を発揮させようと努力をしています。その一つがHICPMの発行しているビルダーズマガジンの充実です。発行部数が少ないこともありますが、それは結果で、とりあえずHICPMの会員と読者が、仕事に有効に使える資料にしようと内容を考えて編集をしています。経営危機に対処して人員削減と業務の合理化により、今年2月から、事実上、私が単独でHICPMを全面的に運営管理し、できれば、今年度(3月末)を目処に、すべてを私一人で出来る体制を確立しようと考えています。

日本中の住宅産業と同様に、この経済状態は、基本的に改善する目処は立っておらず、その中で住宅産業は、1000兆円のストックと毎年20-30兆円の資金を動かしているにも拘らず、依然フローとしての住宅供給に護送船団がぶら下がって、「おこぼれに与ろう」とする取り組みが、性能表示、瑕疵保証保険、住居歴、長期優良住宅などがやられてきました。いずれも、軒並みに消費者の負担だけを重くするものになっています。それに見合う利益は、費用を負担する消費者ではなく官僚や公務員OBの生活保障政策で、国民はますますやせ細るしかありません。

住宅関連の雑誌や新聞のすべてが、政府の御用記事(政策説明と、それに便乗した記事)を書くこと)を仕事と勘違いしているようです。いずれも、政府の進めている「性能表示と瑕疵保証制度維持」のための長期優良に対応した住宅性能問題が中心です。さらには、その周りの住居歴とか、保険とか、官僚と御用学者とつるんだ「消費者だまし」の指標をつかった「こけおどしの営業小道具」ばかりです。専門知識や能力が欠如しているにも拘らず、自ら力不足が解っていてその学習をせず、外部には「いかにも力がある」かのような宣伝をするという輩が多すぎます。住宅会社は、これまでと同じ住宅を造っていて、「政府の用意した小道具」を使って、性能表示することでよい住宅であるというホームページを作り、もっともらしい写真や文章を掲載し、客引きを図ろうとしているのです。

自社の利益を追及すること自体は決して悪いことではありませんが、「顧客のニーズに応える結果の対価」が得られるという商取引の原点を忘れ、自社の利益を挙げるために、「顧客を騙してでも引き込んで、お金を巻き上げよう」としている業者が多すぎます。それは、住宅政策を進めている行政自体が、役人OBになったときの飯の食える仕組みを、もっともらしい「消費者のため」という「おためごかし」の口実で、消費者から金を巻き上げているのですから、そのマネをしてもよいと勘違いして、官民全体が腐っているというわけです。

午前中かけて「アグリカルチュラル・アーバニズム」の調査研究報告の最終校正をすることが出来ました。その全体のアウトラインと素案は、既に昨年末までに纏め上げていましたが、その後米国でのアグリトピアの調査報告と、リースホールドを実際に日本で推進するための内容の整備など、当初の原稿を推敲し、誤りを是正し、実際に仕事に使えるものに修正を繰り返してきました。その中には昨年度纏めた「超長期住宅地経営管理マニュアル」(三種の神器)を見直し、アグリカルチュラル・アーバニズムの実践に使えるように修正しました。

このような取り組みをしている最大の目的は、わが国の国民所得の先行き縮小という経済環境の中で、国民のライフ・ステージの変化に対応して変化するライフ・スタイルに対応する住宅を供給することが差し迫った問題になっていると考えているからです。「子供の体が大きくなったのに、小さいころの靴と着物を着せておく」わけには参りません。欧米では、そのような場合、住み替えを行なったり、リモデリングが取り組まれます。日本では住み替えをする都度住宅の資産価値は減価しますから、怖くて住み替えは出来ません。又粗大ごみにしかならない住宅のリモデリングは、「溝に銭を捨てる」みたいでするのはいやです。

そこで欧米の住宅産業を見て見ますと、「日本でも真似のできること」が一般的にやられています。まず、住宅は家計支出で用意に支払える「年収の3倍以下の住宅とし、住宅ローンは、年収の2.5倍以下」の住宅とする。このような住宅なら新築に拘らなくても、「買った価格で再販できる」という確信さえ持てたら消費者は買うことが出来ます。工務店は買戻しが出来なくても、自分が売った住宅をその価格が市場で再販できるなら、住宅購入者に対して、それで十分同じ効果を発揮すること画でいます。そのためには、工務店が自分の造った住宅を最初の販売価格で売れる住宅を造ることです。

全住宅の3分の2から4分の3が既存住宅の流通で供給されている欧米は、流通中心の住宅産業になっているのです。買い手と売り手から合計6%の手数料をもらい、7年ごとに既存住宅を居住者のライフ・ステージの変化にあわせて住み替えさせ、その都度、住宅のクリーニングとリモデリングを行なうことが出来れば、新築住宅に拘らなくても、過去に自分が建設した住宅を扱うだけで、十分の事業収入を上げられるはずです。そのような住宅を扱うためには、取り扱う住宅が、しっかりした住宅地経営管理がされて、多くの人が住みたくなる住宅地に建てられている住みたくなる住宅であることが条件です。
米国の例で言えば、住宅地として「三種の神器」による住宅地の経営管理がなされていて、優れた環境化に管理されているクラシックのデザインの住宅が、予定されている住宅需要者の年収の3倍の価格で取引に出され、年収の2.5倍の住宅ローンが受けられたならば、その住宅は十分市場で流通します。このような条件の住宅に住んでいる人は、家計に余裕がありますから、子供の教育だけではなく自分自身の生活の中に文化性のある生活を取り入れることになります。その住宅地は活気のある楽しい住宅地となり、みなが住みたくなるに違いありません。住宅地としてニュー・アーバニズムの理論を実践した住宅地として計画し経営した住宅地であれば、人びとがきっと住みたくなります。

そのような住宅を造るためには、次の2つの条件を満足させることが必要です。
第1は、99年のリースホールドによる住宅事業として、住宅地全体が一人の土地管理法人で管理されることが必要です。住宅は土地に建築されて(土地を加工して)、住宅不動産となり、マスター・プランで定めた住宅地環境の担い手になります。一旦建設した住宅は、基本的に維持管理され、勝手に建て替え、増築、改築等をさせないことです。
第2は、住宅の面積としては延べ面積で100平方メートル以上の住宅とし、住宅棟当たりのエンベロップ(外壁と屋根と最下階の床)を最小に立方体に近い形態とし、オープンプランニングを採用し、間仕切りを最小限にします。デュプレックスやフォープレックスのクラシックデザインの住宅を隣地境界線に接して背中合わせに建設します。

その取り組みによって住宅の有効庭面積を最大化し、同時に住宅建築工事費を最小にします。これまでに、私が作業したチャールストン様式のフォープレックスの住宅は、延べ面積が100平方メートルのエコ住宅を750万円で建築し、1500万円でも十分販売できるものです。同じ戸建て住宅宅地に建てると、有効屋外空地(庭)面積は、通常の2倍以上取れます。ビルダーズマガジン第122号をご覧ください。多分同じ床面積と有効庭面積を持つ住宅と比較して、半額以上安く供給しても、同じ利益を手に入れられます。このような住宅は必ず、販売した価格以上で再販できます。この住宅を建設し再販する工務店は、あくせく新築住宅の営業をしなくても、一定の年数以上住宅建設の実績を積んでいれば、住宅のリモデリングと再販によって十分安定した経営が出来ることになります。

このような低い価格で優れた住宅を供給するためには、合理的な設計と、CM技術を身につけて、無理、無駄、斑を省き、規格化、標準化、単純化した設計を、現場に共通化する取り組みをしなければなりません、そのためには、設計や施工のハードの技術とあわせて、CMによるソフトな経営管理時術を身につけることが必要になります。HICPMでは毎月第3木曜日にはCMの授業を1:30-15:00までやっています。授業は、参加された人のニーズや経験能力に合わせて、NAHBのCMテキストに基づいて実施しています。少人数でやっていますので、出席者の希望にあわせたコンサルテイションも実施いたします。

工務店という住宅製造会社が、その力を持たなくては、消費者に良い住宅を安く供給して、十分な利益を上げることはできません。小さな開発をする場合にも、全体としての計画が悪いと、せっかくの住宅が死んでしまいます。CMと並んで重要なニュー・アーバニズムによる住宅地の計画技法や住宅地経営の講義は第1木曜日にHICPMセミナールームで実施しています。具体的に取り組んでいる方は、図面をご持参なさってご相談ください。
リースホールドの理論や、住宅地経営管理の「三種の神器」の理論もぜひ学習してください。工務店が直面しているどのような質問に対しても一緒に考える用意は出来ています。

3月4日の長期優良住宅地経営セミナー「東京」の前日の3月3日の北米ツアー報告では、この1月に米国に出かけて調査した米国の住宅産業が、これからの日本の住宅産業に提起している問題を米国の住宅及び住宅地の映像とともの紹介いたします。遠方からご上京なさる方には、3月4日の午前中になんでも「無償で」ご相談に応じたいと思いますので、あらかじめおもうしでください。
また3月18日には東海地方で工務店の経験交流会と優れた住宅地開発事例の見学会を,住宅生産性研究会とグローバル研修企画と実施しますので,ご参加下さい.
戸谷英世


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