メールマガジン

メールマガジン第344号

掲載日2010 年 3 月 29 日

メールマガジン第344回
みなさんこんにちは
先週と先々週、東京地方検察庁と3回に亘って、諏訪2丁目住宅団地建て替え事件における「補助金詐取」の告発をめぐる起訴の攻防をやってきました。結果は先週末「不起訴」にするという通知を受けました。私は、それを不満として検察審査会に審査請求をすることにしました。今回の事件の概要は以下のとおりです。
ところが、昨日TVで諏訪2丁目団地の建て替え決議足されたことを報道していました。コミュニティの件に関しては後日分析結果をご報告します。今回はそれまでの取り組みです。

マンション建て替え円滑化法
この団地は、多摩ニュータウンの初期の622戸の大分譲団地です。地価の上昇を利用して、居住者の負担ゼロで建て替えをするということで、その建て替えを正当化するための口実を「老朽化」に求め、国庫補助金を不正に使うというのがこの事件の骨格です。
政府も住宅政策の行き詰まりを建て替えの促進に求め、国会議員も選挙民の票集めに自民党から共産党まで、その推進のために「マンション建て替え円滑化法」の制定に合意しました。そして国会では、この「強制建て替え」を進める制度に「わが党は弱者保護」という宣伝材料とするために、各党は団地居住者向けの発言を繰り返し、衆参両院では大きな「付帯決議」が付けられました。

制度の概要
管理組合の80%以上が同意すれば、20%の住民が反対をしても強制的に建て替えをしてもよいという制度です。付帯決議では、建て替えの具体的な手順を3段階に定めました。
第1段階は、組合員が団地全体として建て替えに絞って検討をすることの意思決定をすることを義務付け、団地自身の費用で建て替え計画をたて、共通の検討資料により、住民の財産がどのようになるかを明らかにして、建て替えをすることに関し、団地総会で80%以上の建て替えに絞って検討をするという決議「建て替え推進決議」をすることです。

第2段階は、国は「建て替え推進決議」をおこなった団地組合に対しては、その建て替え事業で十分な検討をして後悔することが起こらないように、実際に建て替えをおこなうという「実際に利用できる実施計画」を作成します。その調査結果を、組合員全員が実施計画として纏められた内容として纏めるため、国は調査事業を「優良建築物等整備事業補助金要綱」の補助金対象事業とし、本当に「建て替えてよいと判断できるか」という判断の出来る作業をおこなわせ、組合員の80%以上の賛成で「建て替え決議」をすることです。

第3段階は、「建て替え決議」に基づいて、団地組合は建て替えデベロッパーを選定し、建て替え事業組合が結成されて、建て替え事業が実施に移される段階です。本事件は第2段階までです。(ここからが今回(3月28日)の建て替え決議で問題になるところです)

詐欺事件の概要
この組合は平成15年の総会で第1段階の準備をするから翌年の予算で住民が建て替えに絞って検討をするかどうかの検討作業に入りますという報告がなされていました。
その後、「建て替え問題の専門業者」と宣伝する旭化成ホームズが、建て替え推進を図る組合の一部幹部と協議し、団地の建て替え事業のコンサルタントに参入してきました。
旭化成ホームズは、「建設省とのパイプも強い」という宣伝で、建て替え事業を円滑に進める指導をするといって、翌年、組合に対して形式だけの「建て替え推進決議」を締結させ、それを根拠に、「国庫補助金を詐取する補助金申請」をさせたのです。

多摩市長は建設省からの支持を受け、旭化成の法律違反の補助金申請を受理することを容認したのです。(建設省の幹部がここで動いた背景には現職の国会議員などの動きもあったといわれていますが、それを立証することは最後まで困難でした。)補助金を旭化成ホームズの指導の下で、団地組合幹部と多摩市長が共謀して行ったという事実の証明は難しい作業でした。そこでまず、「補助金適正化法に抵触する補助金の申請、交付がなされた」ことを地方自治法に基づく行政事件訴訟法での争いを始めました。

行政事件訴訟
東京高等裁判所まで争いましたが、
(1)    マンション建て替え円滑化法で規定する「建て替え推進決議」を国庫補助金の交付条件にしていることに違反していることと、
(2)    優良住宅地整備事業補助金は、建て替えに絞って住民の期待する建て替え計画の実施計画作業に使わなければならない

という2つの内容に違反して、

(1)は実体の検討作業なしの補助金を詐取する意図を持った形式的決議であり、

(2)は、建て替え推進団地幹部と旭化成ホームズとが、住民を建て替えに追い込むための先導作業資料作成につかわれていました。

裁判で被告席にあった多摩市長(代理弁護士)は一貫して、「建て替えは国家の方針であり、補助金手続きは適法な事務処理した」と主張しました。東京地方裁判所も、高等裁判所も多摩市長の言い分だけを聞いて、原告である私たちの「事実調べを全くせず」、「行政機関に偽りはない」という前提の下に、原告の訴えを却下しました。その間使われた予算は1億円を超え、全体では5億円近くになります。

旭化成ホームズの撤退
国庫補助金を受けた調査結果は終了しましたが、その結果を下に「建て替え決議」をすることは出来ませんでした。一体、結果から見て、その補助事業は何のためにやられたのでしょうか。その調査結果には住民の建て替え要求を全く反映していなかっただけではなく、旭化成ホームズ自体が、この団地の建て替えは無理であるという判断をしたのだと思います。もちろん、旭化成ホームズが撤退した判断には、「私たちが、旭化成ホームズの補助金詐取事件の告発を始めていた」ことも、事業からの撤退の背景にあると思います。

結局旭化成ホームズの作業は、単に、旭化成ホームズの建て替え提案という形と扱われ、旭化成ホームズの競争相手として東京建物が登場してきました。その背景には、大変不自然なものがあり、私は、「多摩市長が刑事告発におびえて、旭化成ホームズをこの問題から外すこと」を、まず、重視したことがあったと思っています。結果として、旭化成ホームズと東京建物との協議の結果として当居建物が事業を実施することが決定しました。

告発事件の検察庁とのやり取り
それでは、国庫補助金を受けて国、東京都、多摩市からの合計調査費の3分の2、団地組合が3分の1を出して作成した補助事業は一体何のためのものであったのか。それは旭化成ホームズに、「営業費として使われただけ」ではなかったか、ということになるのです。
そこを問題にして刑事告発の内容のつめを多摩中央警察刑事とやりを繰り返し、何とか東京地方検察庁の検察官にまで送検させることが出来ました。
その後、東京検察庁の検事と3回に亘って説明をおこないましたが、結果は、「不起訴」となりました。通知書には理由は何も書かれていません。このやり方が日本の「主権在民」に対する行政当局の認識です。

検察庁の対応
旭化成ホームズが最初から補助金を騙し取ることを意図して、団地組合幹部の建て替え推進者の利益と結びついたことも明らかです。多摩市長は、「表向き建て替えにより居住者が増えるから住民税の増収と固定資産税の増収が出来る」と市議会で発言して、顰蹙を買った経緯もあります。「建て替え事業が団地住民のため」ではなく、「多摩市税収増が建て替え事業の目的である」のことを当然のようにいえる渡辺市長は政治資金が最大の関心だったのです。多摩市役所OBで行政権を濫用するためには、市長や国会議員への政治献金として建設業者に仕事を作ることに対する関心がすべてだったのです。その醜さを隠すために「多摩市民のためになることが税収増」という発言が市民からの支持を得られるものと考えてきた卑しさが暴露されただけのことです。
この事実を検察官は、「十分有りうることであるという理解を示すことが精一杯で、証拠はないから起訴はできない」といいわけに使って、「補助金適正化法違反で法律違反が明らかである事実」についてまで「証拠不十分」と言いくるめようとしました。

行政事件と刑事事件
今回の告発は、「補助金の詐取」で、補助金適正化法の規定に違反して国庫補助金、東京都補助金、多摩市補助金及び団地組合費を旭化成ホームズが詐取したことは補助金適正化法に違反していることから政治罰を貸すことは十分できることであるという私の訴えに対して、「刑事訴訟は刑法上の問題で行政法上の問題ではない」という考えに、「行政法違反に罰則を与えるためには、刑事事件として刑事訴訟法の手続きによる」ことが法律上の仕組みになっていることを長い議論を経て理解させてからも、「刑事がする詐欺の判断は刑法の(検事の)解釈による」と訳の分からないことを平気でいいます。行政法は工法ですから、具体的に規定があり、それをしないで国庫補助金を騙し取った処分は詐欺です。

行政法では、罰則の掛けられる場合が、行政法に明確に定めてあります。検察官は、行政事件の罰則は、「行政法の法律上の規定」を忠実に読まなければなりません。そのうえで行政法の規定に従って、行政事件の起訴を決定しなければなりません。」検察官とは3回に亘り、毎回3時間近く夜遅くまで議論し、調書の作成にまでいたりました。

現・元公務員の漫才
検事は権力を濫用して、私に対し、時には「起訴はしない、とっとと帰れ」と騒ぎ、時には「俺の法律解釈が正しい、俺は法律の専門家だ」机をたたきました。私は「国民主権が民主国家であることや、行政法は私自身が立法作業に関係し、行政実務で法律を施行してきた実情を説明し」双方は「ボケと突っ込み」の漫才を演じ、ずいぶん疲れました。私の子供くらいの年齢ですので、自分の子供のつもりで言わせるだけ言わせてから、反論をして、最終的には検事も疲れて「やれるだけやってみましょう」ということで幕が引かれたのです。その結果が「不起訴」という結果となったのは、「検察官の能力の程度」で、「私の力も検察官を動かせなかった程度」の結論だったということです。

「結果」は努力した成果
しかし、まだ検察官の決定を動かせる可能性として検察審査会があります。これまでも一度、私が暴力事件に遭遇したとき検察審査会にしんせいしたことがあります。当時の担当刑事に「「確実に起訴できるから医師の診断書を提出するように」といわれて、わざわざ診断書を提出しました。私の告訴に対し、国会議員が検察庁に圧力をかけて、検察官は「不起訴」にしました。そのことを不満として訴えましたが、結果は却下でした。検察審査会が、事件が政治家の圧力で不起訴になったことを知って、それに迎合したためでした。
15年前のことで、今は少し状況も変かしていることを期待して、やろうと考えて、一昨日、検察審査会へ審査請求をしたところです。法治国の国民としては、「法律で定められた手続きとして、利用できるものは行使すること」が法律を生かすことと考えて、「結果を先に考えるの」ではなく、「可能性を追求する」ことと考えています。(戸谷)


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