メールマガジン

メールマガジン第345号

掲載日2010 年 4 月 10 日

メールマガジン第345号

皆さんこんにちは
■ 「住宅需要80万戸時代」という「自己中心的理解」
新築住宅戸数が80万戸になったから住宅産業界は大変だ
ということを多数の住宅関係者は口にしています。しかし、住宅需要が拡大して、仕事が切れることはないといっている工務店の方も私の知る限り沢山います。住宅需要が低迷した理由の分析には、次の二つの見方を持ち込まなくていけないと思います。

(1)    わが国の所得レベルに比べて、日本国民の住宅資産自体が、他の先進工業国に対しては、もちろん、発展途上国に比べても貧しすぎる。(つまり、潜在需要が大きい)

(2)   わが国の住宅価格が極端に高すぎるにも拘らず、その実質資産価値は価格に対してあまりにも貧しすぎる。(国民が住宅産業によって、資産価値がないものを騙されて買わされてきた)

■ 「眠らされた住宅需要
この二つの条件は、日本に巨大な住宅需要が潜在しているにもかかわらず、国民の住宅取得能力の低下という事態に対して、住宅産業が対応できない(国民を「騙せない」)ということです。つまり、住宅産業が消費者のことを真面目に考えて取り組んでこなかった結果です。消費者の購買力が向上すれば、以前のような需要が回復するわけですが、所得自体が向上できないということであるのですから、住宅産業側で、「消費者の住宅取得能力にあった住宅」を、「消費者の期待する住宅資産の価値が崩れない方法」で供することをおいてほかに方法がありません。住宅の潜在需要は工務店の努力によりいくらでも顕在化できるものなのです。

■ 「消費者を犠牲」にしてきた産業界への付け
消費者の利益を損なってきた原因は、住宅産業も住宅金融機関、それぞれの目先の利益の追求に終始し、消費者から受け取っている金銭に相当する住宅を供給してきませんでした。住宅の価格として評価されるべき価値を、取引の仲介機能を担う住宅金融で評価することもされしいませんでした。

住宅ローンを受けずに住宅を取引できるということは、資金力の面からも、住宅減税を受けるという利益も関係し、一般的に考えられません。殆どすべての住宅が住宅ローンを受けないで住宅を購入しているという環境の下で、住宅ローンを交付する金融機関に、住宅ローンの対象になっている「住宅の資産価値」を、「住宅市場の需給関係を反映した住宅価格」で決めるという「不動産鑑定評価制度」が機能していません。わが国の不動産価格は、住宅の価格を「住宅の市場価格」とは別に、「減価償却理論で評価している」ということは、驚くべきことです。

■ 「騙しの構造」を支える理論
市場価格として決められるべき不動産価格を評価する上に適正な評価方法として政府がそこで機能させているのは、住宅市場と無関係の「会計法上」や「税法上」の「減価償却理論に基づく残存価値評価」です。この見当違いな評価方法を、あたかも現実の「住宅市場価格を評価する」かのように機能させているということです。さらに悪いことには、不動産鑑定士などと称して不動産鑑定をしている連中には、住宅不動産自体の価格に基本的影響を持つ以下の基本要件を審査、評価する際に評価方法との関係で知ろうとする能力が全くないことです。

(1)    住宅が市場で受け入れられるかを決定する住宅地及び住宅の効用(デザイン、機能、性能)を、住宅の「需要と供給との関係」で評価する能力( 欧米の不動産評価制度における「住宅効用対取引価格」の相対価値評価の能力)


(2)    住宅価格を構成する積算及び見積もりをする能力(建築主に提出する見積書の材料費及び労務費には、実際最終の建材購入費や、労賃に重層下請の経費と利潤が累積されていることすら知らない)( 欧米の不動産評価:原価方式による推定再建築費評価)


(3)    住宅不動産を住宅地経営の対象とし、住宅不動産を資本化した場合、その住宅がもたらす配当利益、つまり、住宅不動産賃貸料」を適正に評価する能力( 欧米の不動産評価:収益還元方式による不動産賃貸料の収益還元評価価値)

■ 自称「住宅産業専門家」のための知能検査
彼らの無能力は、以下の評価を説明させて見れば、まともな合理的な理屈で裏打ちされた回答ができないことで歴然としている。
(1)「新築住宅価格」と、「新築中古住宅価格」の差異がなぜ生まれるか。

(2)同じ住宅建築工事費で造ることのできる住宅を、地価の違う場所で作った場合、住宅の建築価格自体に大きな差異が生まれる理由な何か

(3)大規模住宅団地で供給される住宅価格にあたかも、住宅価格には、「定価が付いているように、価格を変化させないように設定され」、売れ残ると、生鮮食料品を売るように「値下げをさせて、当然」という扱いが出来る理由は何か

■ 「住宅価格を決めている」住宅のローン
住宅産業専門業者が、「住宅の価格決定」を、明らかに合理性のない決定方式を、当然のようにやっている可笑しさとは、社会全体が合理的な住宅不動産価格を決定する機能を麻痺させている社会のことを言います。
資本主義社会とは貨幣経済を金融として、「等価交換の原則が貫かれる社会」のことを言います。その資本主義社会において、住宅金融が住宅自体の価格を真面目に評価することをしないで、それとは別の個人の信用力を背景にした金融を行って住宅の価格を支配しているとしたら、金融機関による不当な市場妨害が行われていることになります。

■ 「住宅バブル崩壊で生まれた不良債権でしり込み」をする住宅金融
日本だけではなく、住宅バブル崩壊で世界の金融市場を混乱に導いた米国のモーゲージローンという金融システムはあっても、実質的に住宅金融界自体が住宅バブルに踊って、不動産評価を疎んじる金融をした結果、わが国のバブル崩壊と同じ現象が起こりました。
つまり、米国の場合には、「ノンリコースローンの付け」が、すべて金融界に回されて、事実上、金融機関は、巨大な損失をかぶるか、それとも不良債権保有者に転落するかの2者択一の選択を迫られています。
その結果、米国における金融機関は、再度モーゲージローンの原点に返って、住宅の資産価値の厳格な評価と、返済できる額以上は貸さないという支払い能力を考慮した住宅ローンの原点に回帰しようとています。

■ わが国で取り組むべき 二つの取り組み
バブル崩壊後の米国の住宅金融の実体は、「住宅の価値と乖離したモーゲージになっている」という意味で、「極めて日本のクレジットローンによる住宅ローンと同じ状態」になっていると判断できます。現在、米国政府及び米国の住宅産業界で取り組んでいる対策は、かつての日本がバブル崩壊以来、「やるべきであった」にも拘らず、「全くやろうとしなかった」ことをやっています。つまり、日本が「やるべきことを、やらないでいた」ことを、米国では「やっている」。その2つの取り組みは、日本が学ぶべきことなのです。

(1)    住宅所有者の所得に見合った住宅ローンとする。(住宅ローンをかかえている人を失業者にすることは、モーゲージ自体を不良債権にしてしまう。それに対処するため、失業率を引き下げ、住宅ローン支払い能力に合うような住宅の住み替えを促進する。)

(2)    住宅自体の資産価値を高めるための施策を強力に推し進める。(「三種の神器」を重視した住宅地経営を徹底することにより、消費者の住宅資産向上に応える住宅地経営をする」

■ 現在の日本に存在しない「住宅地経営」という概念
「住宅の資産」という概念は、住宅が「市場の需給関係で如何なる価格が付くか」という評価をめぐる問題であるという基本が日本では全く問題にされていません。同じ住宅でも、そこにより所得の高い人が住みたいと望む住宅は取引価格が高まり、資産価値が上昇します。

それに対し、逆に、これまでより所得の低い人しか住みたがらない住宅は、その取引価格が下落した分だけ「取引価値」は下落し、「資産価値」は失われます。このような住宅地の価格形成のメカニズムを理解し、それを住宅地経営に生かすことが資産形成の出来る住宅地供給にとって重要なことになるのです。

■ 毎月第一木曜日の「三種の神器」のセミナー
HICPMでは、これまで欧米の130年に亘る近代的住宅地の理論と実践を、英国の工場町から始まって、エベネッツアー・ハワードによる田園都市(ガーデンシティ)の理論と実践、戦後のニュータウン開発というリースホールドによる住宅地経営について学んでいます。


それと並行して、米国における「持ち地、持ち家」による住宅地経営に関し、カンザスシティでJCニコルズによる「デード・リストリクションを利用した住宅地経営」から、JC二コルズとチャールズアッシャーによるラドバーン開発で取りまとめた「三種の神器」の開発を学びます。その開発手法が、現在の米国の住宅による資産形成の出来る住宅地の開発となっています。
それを日本で実現する住宅地経営技法セミナーを、「リースホールドによる住宅地経営」とあわせて、標記のとおり実践しています。

■ 「本格的な双方向セミナー・コンサルタント」
目下HICPMで進めている毎月第1週木曜日の「三種の神器」セミナーは、「超長期優良住宅地経営管理マニュアル」の普及活用を目的にしているため、テキスト代金15,000円(HICPM会員!、000円)で受講できるセミナーとしています。既に、テキスト購入者で、セミナーも受講した人で、セミナーだけを再度聞きたい人には、非会員6、000円(HICPM会員3,000円)で参加できることにしています。

そのセミナーでは特にニュー・アーバニズムによるマスター・プランとアーキテクチュラル・アーバニズムが重要であることから、参加者には、米国のニューアーバニズムによる住宅地開発事例を纏めたHICPMのビルダーズマガジンをセミナー教材として参加費用の中で(無償)でさしあげています。
今年2月からはじめて、これまで3ヶ月間は、参加者は毎月2-3名ですが、受講者の反応は期待通り満足できるものになっていると思います。実際に事業を取り組んでいらっしゃる方が、実践上の問題を抱えてご参加なさるともっと面白くなると思っています。

■ 住宅性能表示は詐欺商売の小道具
政府が進める性能表示は、住宅の価値を高めるものではありませんし、「住宅性能の高さをお金で評価することは出来ません」から、性能表示により住宅の価値は基本的に上がりません。「性能表示制度」は、私に言わせれば「詐欺商売の小道具」に過ぎません。

もし、「性能表示で住宅の資産価値が上昇」し、「長期優良住宅になる」というのなら、その理由を聞かせてもらいたいものです。私はそのようなことをまともに信じる人たちのマインドコントロールを解く必要があると考えています。「政府の考え方を信じる人と公開の場で、消費者を介在させた論争」を実施することを要求したいと思います。

■ CMセミナーこそ工務店生き残りの鍵
住宅の価格を引き下げて利潤をこれまで以上に高めるためには、住宅の生産性をあげる以外に途はありません。日本の輸出産業が現代の地位を築いた経済的理由は、生産性の向上でしかなかった訳で、「住宅不動産製造業」を「住宅建設サービス業」と間違った産業分類をして、本来生産性を高める取り組みをすべきところを、住宅販売での「差別化」と「手離れのよい」詐欺商売の手口と口上を住宅産業の本業のように騙して、間違った住宅政策をしてきました
トヨタや本田、日産のどの自動車だけではなく、京セラ、キャノン、シャープ、松下、日立、三菱など、日本の製造業で世界の市場で頑張っている産業のすべてが、生産性の取り組みをして生産性向上に成功した企業だけです。欧米の成長している住宅産業のすべてがCMを実践して生産性を高めてきたところです。

■ 「似非CMではなく社会科学としてのCMの学習と実践を」
日本では、政府や外郭団体、御用学者のいる大学での「CM方式」という教育は、すべて日本式「似非CM」です。業界の中でCPMといってコンピュータープログラム込みのCPM教育もまた「似非CPM」です。似て非なる教育であるため、本当のCMやCPMの教育を受けないと「嘘が見抜けないよう」に出来ています。
HICPMは、米国政府が進めた工業化住宅を敵に回して、現場のホームビルダーの生産性を高め、工業化に勝ち抜くことのできたNAHBの経験に立つCM教育を進めてきました。
HICPMでは毎月第3木曜日にCMセミナーを実施しています。参加費用はテキスト込みでPM13:30から17:30までで、6,000円(HICPM会員3,000円)です。


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