メールマガジン

メールマガジン第356号

掲載日2010 年 6 月 22 日

メールマガジン第356回(6月22日)(ただ今筆者はオランダ、ライデンにおります、来週は帰国しております)
皆さんこんにちは!

資産価値が持続向上する住宅地を見学しています
このメールが皆様のお手元に届く頃、私はロンドンのガーデンシティ(レッチワース)とガーデンサバーブ(ハムステッド)を見学しており、その後オランダのライデンを見て回ることになります。何百年も大切に使われながら、なお、現在も命の輝く住宅地を見てまいります。これこそ、日本政府の追求しなければならない「長期優良住宅」の育つ環境、のはずです。
その秘密は、既に私の調査で明らかになっているのですが、日本政府が言うような「住宅性能」が高いためではなく、住宅地経営がしっかりできていて、これらの住宅に人びとが住みたいという希望をかけていることによります。「住宅を取得すれば必ず資産価値が向上する」のは、住宅地の経営・環境管理がしっかりなされている場合です。これについては後日ご報告いたします。

HICPM発足以来15年間提唱してきた資産形成のできる住宅
住宅生産生研究会では、今年の2月から、経営の再建に取り組みました。これまでの経営・過去の事業をを全面的に見直すことにしました。その中でHICPMビルダーズマガジンの過去に発行したものに対しても眼を通しています。1995年の創刊です。内容は、かなり詳しく調査しまとめたもので、未だに古さを感じさせません。よろしかったらバックナンバーもご覧になって皆さんのお役に立ててください。もし当研究会にお出での機会がありましたら、是非手にとってご覧頂きたいと思います。

現在のビルダーズマガジンは、当時のものと比較するとページ数は少なくなっていますが、工務店にとってより実践的な内容になっています。過去のものは、より広範囲なホームビルダーの取り組みを取材し、情報として広い範囲のものを取り上げており、現在の工務店にとっても長期的視野を広げるに役立つものであると確信しています。15年前のビルダーズマガジンにも、盛んに住宅の資産価値を高める方法を、欧米の住宅地を調査した結果の報告として記事を書いています。

S・Vビレッジ、ワシントンビレッジは熟成しているか
先週はグローバル研修企画との共催で、住宅地見学研修を行いました。
シアトル・バンクーバー(S・V)ビレッジ、ワシントンビレッジ、ヨドコウのライトによる山邑邸、神戸ガーデンによるサステイナブルハウス、兵庫県による定期借地建売団地などを見学研修しました。年数が経過してから、住宅がどのように市場で評価されているかという姿を見ながら研修をしてもらいました。その中で「住宅地の経営管理」という課題が住宅の資産形成に如何に重要であるかを学んでもらえたと思います。

土地と住宅は一体不可分な不動産

6月17日は「HICPMの会員」である会社の研修があり30名ほどの参加者に住宅による資産形成の話を2時間半ばかり聞いてもらいました。受講者を相手のセミナーは反応を見ながらお話できるので、理解にあわせていろいろの事例を取り入れてお話しすることになります。常に話の展開にあわせて適当な事例を引き出しながらの話すため、自分の頭の中がぐるぐる回り続けているような状態でしたが、今日の話で、受講者の反応を見て理解していただけた、確信の持てたお話を致します。

「住宅」は住宅地環境の構成要素
住宅の資産価値は、市場の需給で決まるという話は、みなさんに理解していただけたと思います。しかし、「住宅を買う」ということを、「土地と一体の住宅を買う」という説明では十分に「私の伝えたいこと」が伝わっていないことが分かりました。「住宅を買うということは、その住宅を購入したとき享受できる生活環境を買うことです」

住宅は「購入しようとしている住宅環境の重要な部分」であるということを理解してもらわなければなりません。そして、住宅を購入した人は、その住宅によって、その帰属する住宅地環境の大切な担い手になるということを理解しなければなりません。
直接購入する住宅の価格を大きく左右する「土地の価格」こそ、「その住宅を除いた住宅地の環境を取得するための価格」であるのです。

住宅環境として主体的に取り扱える範囲
購入する住宅の帰属する開発規模によって、開発業者が想像することのできる住宅地環境の影響範囲が違ってきます。長規模な開発の場合には、その開発によって住宅地環境全体に大きな変化をもたらすことはできません。そのため、既存の住宅環境にたいして開発事業の与えることのできる影響の範囲は限られてきます。代わって、既存環境に影響される程度は大きくなります。そのため住宅を建設するときには、住宅地環境の調査が極めて重要になります。開発規模が大きくなるほど、開発によって形成される住宅地環境の範囲は大きくなります。住宅環境とそこに建設される住宅とは不可分の関係であり、日本の都市開発や住宅建設で考えられているように、「宅地開発」と「住宅建設」とが並行して存在するのではなく、都市開発で定められたマスタープランの実現という宅地開発と住宅建設とが一体となった土地(不動産)の加工によって造られる住環境形成事業なのです。このように住宅は住環境形成事業の一部でしかないのです。

マスタープランとアーキテクチュラルガイドライン
住宅地が住宅で立ち並んだとしても、その住宅地のマスタープランがしっかり形成され、マスタープランに適合したアーキテクチュラルガイドラインどおりに建築が造られるというだけでは、優れた住環境を形成する上には不十分なのです。計画どおりに造られた住宅地が計画通りに使用され管理されることがなければ、計画どおりの環境を提供することはできません。その地区に居住する人が、その環境を「宝」として守るということがなくては、その環境は維持されません。つまり、「住宅地経営」が計画どおり行われることが不可欠な条件なのです。

優れた住宅地ほど破壊の対象になる日本の都市計画
日本では、優れた住宅地と考えられた地域ほど、優れた住宅資産が存在していたにも拘らず、アパート、マンション、ミニ開発によって崩壊させられてきました。それに火付け役は相続税です。相続税を高く取れば取るほど、高い相続税を支払える価格で土地を売却せざるを得なくなるため、既存の優れた住宅は取り壊され、共同住宅に建て替えられることになるのです。そのため欧米先進工業国の都市計画では、戸建て住宅地(シングルファミリーハウス)の土地利用地域には、共同住宅のアパートマンションを建ててはならないことになっています。その近代都市計画の常識が日本では東京大学を筆頭にすべての都市計画教育では教えられていません。学校で勉強したことを正しいと思っている卒業生が社会に入って、大学での間違った学習成果を適用するため、日本の都市計画は優れた住宅地を破壊してきました。その上、自らの破壊行為に全く気付いていないという体たらくなのです。

「優れた住宅地環境を手に入れること」
私たちが一般に住宅を購入することは、優れた住宅地環境を手に入れることを意味しています。住宅は住宅地環境の中で大きな役割を担っていますが、それは、住宅地環境を一方的に享受するものではなく、その住宅の位置している住宅環境の担い手の一部となっているということを理解しなければなりません。この仕組みを最も効率的に生かす方法が住宅地経営管理の3原則「三種の神器」なのです。

7月1日、当研究会での「三種の神器のセミナー」はお休みにします。次回は8月5日に開催予定です。概要は後日ご紹介しますので、学習ご希望の方はどうぞご参加下さい。(セミナーは有料ですが、会員割引ふメールマガジン第356回(6月22日)


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