戸谷の言いたい放題

現在の住宅産業に対する意見(ハウジングトリビューンのアンケートの回答)

掲載日2010 年 11 月 1 日

ハウジングトリビューン400号記念アンケート調査「夢ある住生活産業像」を語ろうに対する私からの「言いたい放題」の回答

重大トピック1:
「笛吹けど踊らず」の「長期優良住宅政策」の破綻、「国民の信頼を失った住宅政策」

理由:

非科学的な「長期優良住宅」政策

日本政府は、「建築物は建築されて土地になる」(土地建築築物一体登記)と言う「社会科学的真実」と違った土地と建築物の扱いをしている。それが日本で進められている住宅政策、即ち、土地と切り離した住宅に「長期優良住宅が存在する」と言う非科学的な「狂った」政策である。
政府は土地を区画整理でさいの目に割り、直擁壁で平場面積を最大にするように切り刻み、そこに性能重視の長期優良住宅を建てれば、長期的に資産価値の維持できる住宅が建つ、良い住宅ができると、貧しい住環境しか造れない非科学的な政策を進めている。しかし、土地に定着しない住宅に「長期優良住宅があるはずがない」という常識を無視した長期優良住宅政策の欠陥に多くの国民が気付き、この政策は全く国民の支持を失っている。

工務店は補助金受領が目的

この制度を利用している工務店は、不要な審査や保険料で高くなった住宅価格を引き下げるために「補助金を手に入れる手段」としてしか、この政策を評価していない。政府が進めてきた性能表示、瑕疵保証など「役人の天下り人事の仕事作り」のための政策は、住宅購入者の住宅費負担を重くするだけで、「住宅購入者に利益を与えるものでない」ことを消費者が見抜き、または、感づいている。

政府の進める「性能表示や瑕疵保証保険」という審査や格付け業務を膨らませて「専ら役人の骨拾いのための住宅購入者負担増」を軽減するため「長期優良住宅とする住宅に対する一戸100万円の国庫補助金」の本質は、補助金と言う形で消費者に与えたお金を、工務店を迂回させ、政府の外郭団体の「役人の骨拾い」のために、「長期優良住宅」の費用として支出させられている費用である。

税金の無駄遣い政策

その住宅価格負担の実体が問題にならないように長期優良住宅の国庫補助金を支給しているが、そんな補助金を止めて、性能表示や瑕疵保証を止めたほうがよほどましである。長期優良住宅政策が破綻しきっていることは、真面目な工務店や消費者は知っている。しかし、工務店には、「長いものにまかれよ」と言う事大主義と補助金の誘惑に負けて、その本質を問題にしようとする勇気を持っていない。
結局、「消費者の利益を高める」と言う嘘で、長期優良住宅政策の陰に隠れて、不当な利益を手にしようとする工務店を堕落させているこれらの非科学的な制度は廃止しなければならない。

重大トピック2:
「差別化」と「手離れの良い住宅」の破綻

詐欺商売と同じ手口
単なる「形や意匠」の違い、採用している「材料、工法や技術」の違いを、「住宅の優劣である」とする「騙しのセールストーク」を「差別化」という。部落差別、外国人差別、女子差別と「住宅産業が使っている差別化」とは同じものである。単なる人種、民族、性別、学歴、職業、身分の違いを、「人間の優劣の差」と扱う「差別」が間違っていることは、「差別を止めること」でしか廃止することはできない。それと同様に、材料、工法、意匠の違いを「その住宅の優秀性」であると「騙しの説明」をして、「手離れの良い商売」として売り抜けてきた営業は、「詐欺商売と基本的に同じ」である。

「差別化」ということの可笑しさ(その1)
動物園の畜舎でもないのに「象が乗っても安全」と言い、温暖な気候に日本で、自然換気を認めない法律を作って、「機密性の優れた住宅でなければ、劣悪な住宅である」と、政府はアルミニューム建具の肩を持つ差別をやってきた。日本の書院造りや数奇屋作りの住宅を、「アルミサッシを入れて気密・断熱性を高めないと長期優良住宅と格付けしない」と言い、断熱性能の低い建具のペアーガラスを入れさせて、アルミサッシでも気密断熱性能を実現できるかのような、「アルミ建具で優秀な性能が実現できる」かのような差別の利用は、誰の眼で見てもおかしい。「風通しの良い家」と言う概念を住宅の居室には、「全室機械換気施設を設けなければなない」ことを法律で強制している日本は、「北欧の国ですか」、この法律が適用されている沖縄は、「日本ではないのですか」。つまり、建築基準法は沖縄などの地域を差別している。

「差別化」ということのおかしさ(その2)

その結果、多くの人びとが憧れる木製建具を、世界中何処の国でも、「最上級品質」と言う評価をしているが、それと違って、日本では単に不燃材料と言うだけで、加熱に弱いアルミサッシの建具に網いりガラスを入れただけで、防火性能がなくても防火戸並みの扱いを「違法」に与えられてきた。なぜか、アルミ建具は優良な建材と政府が支援し、木材を差別してきた。木造住宅という「木の良さ」を主張する和風住宅にも、それと不調和なアルミ建具を使っていることを、「おかしい」とも考えない「おかしな差別」が横行している。そのため木材振興を訴える林産地の林業生産者も、森林学者まで「不燃材料差別」に負けて、歴史文化に根ざしたデザインからの見ればちぐはぐになる木造建築に建具には、木材ではなくアルミ建具を使ってきた。

元住宅金融公庫の大失態

「性能表示をすれば、それによって住宅の価値が上がる」と御用学者が言い、性能表示を住宅金融公庫が推進し、価値のない住宅に高い販売価格を付けたハウスメーカーの住宅に、金融公庫はその言いなりの住宅ローンを付けてきた。政府機関である住宅金融公庫が住宅メーカーの住宅に、その言いなりの融資を認めたから、多くの国民は、「まさか、政府機関が担保を設定して金融してくれる住宅には融資対象学窓等の価値がないことはあるまい」と考え、「公庫の融資認定で、ハウスメーカーの付け値を、その住宅の価値」と勘違いし、住宅ローンを組んで購入して来た。しかし、住宅購入者が、その住宅を売ろうとしても、担保にしてお金を借りようとしても、購入価格の半分以下の評価しか住宅市場で受けることはできない。その挙句、住宅金融公庫のローン債務は公庫自身が設定した抵当権で相殺されないと言う「詐欺まがいの販売幇助」融資をやってきた。住宅の価値は、取引価格で示されるもので、住宅メーカーの決定する販売価格ではない。

「手離れの良い仕事」とは

つまり、住宅購入者はハウスメーカーから、「価値の低い住宅を、実際の価値の2倍以上の価格で高く買わされただけ」に過ぎない。それに気が付いて、「買戻しをしてもらおう」としたときは、買戻しもされず、金融公庫も住宅ローン債務をその住宅で相殺してはくれない。住宅メーカーも住宅金融公庫も、住宅販売や住宅ローンを実行した段階で「手離れするような制度設計」がされており、最後の尻拭いは住宅購入者がすべて背負い込むことになる。「手離れ」の良い営業とは、「住宅購入者からの追求をされないような営業」まさに詐欺商売の手口である。

護送船団の犯罪
住宅メーカーは、巨額の営業経費と巨大な営業販売陣容で、生産コストの2倍以上の不当に高い価格で販売し、その不当販売価格をあたかも正当価格であると説明し、住宅金融公庫は住宅会社の言いなりの価格に融資をし、その詐欺商売を幇助した見返りに、旧建設省、国土交通省、旧住宅金融公庫、住宅金融支援機構、旧都市整備公団、UR,旧大蔵省、財務省の官僚OBを多数雇用してきたのである。護送船団方式と言うのは、政治・産業・官僚・金融が癒着してその関係者の利益のため、国民を食い物にするシステムのことをいう。

語るに落ちた元官僚の圧力
元建設省のM住宅局長が、専門官時代に「ハウスメーカーがこれほど成長することができた理由は、政府の金融機関である住宅金融公庫がハウスメーカーの言いなりの価格に住宅金融をしてきたからであり、ハウスメーカーはそれを考えてもっと役人OBを雇うべきである」と言い、それ以後、ハウスメーカー及びその利害をサポートする関連外郭団体への天下り人事や、下級公務員、職員の雨漏り人事が急拡大したことは、まさにその関係を分かりやすく説明している。

クレジットローン(信用融資)の本質

住宅生産者が価値のない住宅を「性能表示をすれば高い価値がある」と国民を騙し、金融機関は担保に取った住宅で債務を相殺する意図はなく、政府の言いなりの詐欺商売の住宅メーカーの詐欺価格を承知しているので、その価値のない住宅を担保にしないで、借主の信用を担保に金融をしてきた。住宅ローンの借主の信用は、生命保険で保険させたため、生命保険額が金融の信用となり、それを担保に金融してきた。

広告宣伝・強力な営業での脅迫販売

住宅会社は巨大な営業経費で売れ残った住宅を「新築中古」と称した価格を引き下げて販売し、市場価格であると開き直っている。その本質は、販売価格の半分にも満たない価値しかない住宅を、あたかも販売価格相当に価値があると消費者を騙して販売してきたのである。もし、住宅メーカーが詐欺をしていないと言い、販売価格相当の価値があるというのであれば、購入者が購入を取りやめたときは、販売価格で買い戻すべきである。

生命保険に頼れなくなった金融保険
そのからくりが国民の知るところとなり、金融機関が自己保全のために、まず、生命保険に完全依存の金融から、個人の所得を重視する信用金融審査に改めるようになり、融資額が厳しくなった。それが住宅購買力を切り下げ、住宅購入力の低下となっている。さらに、建設した住宅の住宅市場での販売価格が住宅の担保価値であることを認めざるを得なくなり、勝手な価格設定をして、不当な広告宣伝営業重視の住宅会社やり方を、ローン審査として厳しくし締め上げざるを得なくなっている。
この金融機関の自己保全対策が、クレジットローンの日本の住宅金融をモーゲージローンに近づけさせている。「差別化」と「手離れの良い」住宅販売営業が、詐欺商売と基本的に同じ営業であることが国民に気付かれ、また金融機関自体が自己破滅になることに気付き、方向転換を迫られている。それが当面の新築戸数激減現象の理由である。

重大トピック3:
年収対前年27万円減少と新築住宅80万戸時代

理由:

国民所得400万円時代の住宅
FTA(自由貿易協定時代)は、国家による通貨安競争により、国家としての輸出競争力を高めることに向かっているが、マクロに見れば、賃金水準の高い工業先進国は輸出競争力を失い、雇用機会を失い、国内での失業者を拡大させ、賃金水準は下落の一途を辿ることになる。わが国における賃金は国際関係を反映し急激に失業者を増やし、賃金を下落させ、ついに1年間で所得が年間で27万円縮小する事態を招くことになった。この傾向は今後も加速し、年収400万円台から300万円台に突き進んでいる。

廃業に襲われている工務店、下請業者
住宅の生産価格も建設労働者の賃金下落を反映し低下しているが、国民の住宅取得能力はそれ以上の速さで縮小しているため、住宅需要はさらに縮小していくことは必至である。そのうえ長く続いた右肩上がりの社会の中で、現在の右肩下がりの経済化で、その取り組み方が全く分からなくなり、いたずらにコストカットをし、そのしわ寄せが下請け業者に及んでいるため、そこでは廃業と言う形でしか対応できなくなっている。

上代と下代の見積書の「書き分け詐欺」を止めろ
多くの工務店は、自分でやるべき仕事をやらず、プレカット、パネル化、工場製作部品化、バスユニット、システムキッチンなど工場製作部品を採用することで生産性を上げ、利益を得ようとしている。そこでやられていることは、政府が考える建設業経営、「建設サービス業」と言う流通利益を抜く商社の仕事により利益追求であって、世界の建設業が取り組んでいる「不動産製造業」としての価値創造ではない。建設業は自らの建設業としてやるべき住宅建設「不動産製造」を自らやらず、工場生産に負けて、そこに仕事を奪われたにも拘らず、それを恥とも思わず、工場生産されたものに、自分自身が生産して得られる粗利以上の「流通差益」を住宅部品価格に隠し「私文書偽造」の犯罪を犯して、見積書を作成し、真正の材料価格であると住宅購入者を騙し、それに粗利まで乗せて請け負い代金を奪っている。

建設業者は流通業者ではない
工務店は工場製作された住宅部品に流通利益を乗せ、それを建材価格として工事請負代金を騙し取ることは犯罪である。「半値8かけ5割引」と言った住宅の見積価格と購入価格の利ざやを手にしようとする工務店経営は詐欺商売である。そのような住宅購入者を騙す見積もりで利益を上げることを当然のことのように工務店に教唆し犯罪を誘導している大手建材業者の材料販売もまた犯罪幇助である。請負工事では、工務店には「粗利」を建設業法上、見積額の中に算入することを認めている。

建設業者は現場で工場生産より高い生産性を上げろ
しかし、工務店は「バスユニット」に象徴されているように、自ら水周りの仕事をしないで、工場生産にそれを委ね、現場ではこれらの建築用部品の搬入を見ているだけで、それの建築主を騙して流通利益を奪っている。実体は、バスユニットを採用している工務店は、自分では工場製作に負けて仕事を奪われたのである。住宅購入者には「上代」で見積もり、実際は「下代」で仕入れている。そして、それの粗利を乗せている。工務店の多くが不動産製造業としてなすべき努力をせず、「口利き家業」で利益を得ようとしているため、工務店自体が体質を悪化させている。

重層下請けを止めろ
日本の工務店の多くは重層下請けで、自分では仕事をせず、下請けに仕事をやらせ、それに粗利という流通利益を奪っているだけの業者が多すぎる。世界の建設業者は「1層下請け」で「重層下請けではない。日本の公共工事業は、まさに政府が「建設業は、建設サービス業」と産業分類したとおりの流通業をやってよいとし、その流通利益のピンハネを官僚OBがするという構造を護送船団方式で作り上げていた。そのマネを政府の指導どおり住宅産業も公共事業に倣っているだけである。

政府の進めてきた公共事業と建設業者像
公共事業としての工事額100億円のうち,実際の労賃や材料費として支払われる額は25-30億円である。その3倍から4倍の75-80億円は粗利として大手元請け業者、中小元請け業者、下請け業者、子請け業者、孫請け業者と夫々30-10%の粗利を下請けする都度、抜いていくと、実際に工事で使われている金額は公共事業予算額の4分の一程度にしかならない。30%の粗利を抜く請負が2段階行われれば、予算額は半分以下になる。要するに国民の税金を護送船団が食い尽くしている。

天下り人件費の重さ
各重層段階で抜かれる粗利は、本社経費、営業経費、純益となるが、その4分の1程度が、発注者のOB雇用の人件費、建設業界団体会費、天の声を出す政治家への献金と言った役人と政治家に奪われる経費が、粗利総額の20%程度になっている。官僚の大手建設業者役員の天下り人事は、役員報酬と関連事務経費で一人2、000万円はくだらない。外郭団体への天下りも、経費を含めると1、500万円近くになる。元請け業者OBが下請けの顧問や参与となり、経費込みで年間1、000万円近い負担をさせている。公共事業の歪んだ体質が工務店にも影響している。

長期優良住宅補助金は役人のお手盛り迂回補助金
住宅産業の場合、「消費者のため」と口では言っているが、消費者の購買力で購入できる住宅生産を考えてはおらず、自分の利益を取ることしか考えていない。しかも、手抜きを厳しく監督することが消費者の利益を守ることである、と政府は断言している。そして、長期優良住宅制度に乗るために本来業者の責任でやるべきことに、「第三者」「公的監督」という見せ掛けで、審査料、検査料、確認検査手数料、地盤改良・性能審査料、構造設計料、外郭団体加入会費、過剰な構造、瑕疵保証保険料、等の無駄な費用の押し付けなど、どれ一つとして、その費用を支払うことで住宅購入者の利益となる費用はない。

役人は何処も同じ
警察による「ネズミ捕り」と「自動車教習」や「車検制度」と同じ「不要な」ことを、「役人OBを雇用する」ためにやっている。役人のOB保証をするならば、総ての国民にも同じ雇用保障をしないのはおかしい。役人のOBに「専門性を生かした仕事」として、性能表示や確認検査の仕事をやらせているが、工業先進国では、日本だけしかやっていないことである。すべて、行政が「国民の不安を煽り」、その見返りとしての公務員OBに検査や審査業務をやらせ、その審査や検査料は、国民が正当に負担すべき「安心料」であると説明する。

耐震偽装事件で馬脚を現した行政の無責任

しかし、耐震偽装事件で明らかになったとおり、本来行政がやるべき安全審査をしないで、代わりに法律違反を幇助する違反容認の審査をし、業者と癒着して不正利益を与えたために発生した事件である。政府は一方で役人及びそのOBが不正幇助し違反を助長しておきながら、その不正業者を外郭団体に集めて会費を負担させ、そこに役人OBを雇用させてきた。耐震偽装事件で、本来行政機関が責任を取るべきであったにも拘らず、大臣以下局長、課長、担当官の誰一人として責任を取っていない。責任を取らない官僚機構は不要でありそのための組織に使用されている行政経費及び人件費に支出は不要にすべきものである。国民の税負担はそれだけ少なくできる。
指定確認検査機関という民間主事は、ほとんど例外なしに、建築基準法違反を「法律解釈に妥当」と称して積極的に容認し、不正利益幇助をしてきた団体である。その結果、建築基準法の施行が確認検査機関でばらばらになっており、その乱れを国土交通省は容認してきたのである。なぜ同じ法律がこれほど乱れていて、それを容認しているのか。耐震偽装事件は確認検査機関の業務が適正に行われていれば発生していないはずである。

不正幇助を「法解釈」と詭弁を使う役人達
行政の末端がさじ加減で不正を容認し、それで利益を手に入れようとする「汚職」の構造の変形である。
小泉規制緩和は、当初は不良債権を優良債権化する手段として「都市再生」という大義名分を付けて実施された。しかし、その実体は、土地所有者に過大の容積率緩和の利益を与え、建築物の高さ制限を廃止し、都市の無政府的な土地利用を容認し、土地所有者に排他独占的都市空間利用を可能にし、不正利益を提供しただけのことである。

小泉の規制緩和は、多くは建築基準法と都市計画法の「姉妹法の関係」を崩壊させ、法律相互に矛盾を持ち込むことにより違反を容易にできるようにし、法律違反を前提にしている。その矛盾のために、開発地周辺の国民に不利益を与え、開発業者に不正利益を提供してきた、その結果は、住民を原告とする無数の行政事件が提訴され、目下、法廷で闘われている。

「マッチポンプ」政策
国民の所得が急激に縮小しているとき、小学生でも分かることは、その縮小した購買力の範囲で購入できる住宅を供給することであるにも拘らず、その基本問題の取り組みは全くやられないだけでなく、その逆の「国民の不安を煽って、安心料を巻き上げ、官僚自らが「恩着せがましい住宅政策をやっている」と語り、国民にさらに重い負担を与えようとしているのである。国民の利益は、枕詞であって、実体を全く伴っていない。すべて業者の利益本位である。

官僚の老後保障という「長期優良住宅政策
世界中のどの国に言って調べてみても日本で現在なされている「長期優良住宅」と言った非常識な政策はない。しかし、国土交通省の関係者のやっていることを見ていると、官僚であった連中が将来に向けて「うまい飯を食うために、正当化できる政策」で、「自分らが楽をして生きるために必要な政策」は、「官僚が現役時代、後顧の憂いなく仕事をするためには不可欠である」と本気で信じているから、救いようがない。政治家たちには全くその政策の本質が見抜けないだけではなく、「天下りをしないためには、定年延長をするしかない」と言う。官僚と仲良く官僚依存の政治をやることにより、自らの政治家の地位を守ることに汲々とし、政治をやった積もりになっている。現役時代に国民の利益を守る仕事をやっていれば、退官後も現役時代の知識と経験で自立できるはずである。


期待する技術開発:
「住宅地経営管理」技術とCM(コンストラクションマネジメント」技術

住宅を保有することにより資産価値が高まり、国民が住宅を所有することで幸せになっている国で実施されている住宅政策の取組みとしては、住宅の資産価値を維持向上する「住宅地経営管理」技術と、住宅の生産性を高めることによって、住宅の生産コストを切り下げるCM(住宅建設業経営管理技術)の2つの技術しかない。

欧米では、住宅を取得し、保有し続けることは、長期預金をするよりも確実に資産を守ることになると信じ、実際、住宅の資産価値は長期預金利以上に上昇し、住宅保有により、国民の資産は住宅取得により守られている。それは、住宅を国民の住宅支払い能力の範囲で住宅を建設するCM(コンストラクションマネジメント)の技術により、年収の2.5倍以下の住宅ローンで住宅を購入できるような販売価格で販売しても、住宅建設業者が適正な利潤を得て住宅を生産しているとともに、その住宅の資産価値が維持向上し、資産価値が向上するような住宅地経営が行われているからである。

英米と日本の「資産形成」事例紹介
英国では、ハーローニュータウン、ハムステッドガーデンサバーブ、レッチワースガーデンシティ、米国のラドバーン(ニュ-ジャージー)、カントリークラブ(カンザスシティ)、セレブレイション(フロリダ)、ケントランド(メリーランド)、シーサイド(シーサイド)など、優れた住宅地経営を実際に調べてみれば、例外なく住宅取引価格は右肩上がりに高まっている。それは住宅地の熟成利益が住宅価格に反映しているからである。住宅を購入して20年で4倍、30年で6倍に住宅資産価値が上昇していることが一般的な傾向である。

住宅地経営管理の「三種の神器」
資産価値を向上させる住宅地経営が「三種の神器」と呼ばれる住宅地経営技術が共通して、駆使されている。それは、ニューアーバニズムによるマスタープラン(基本計画)とアーキテクチュラルガイドライン(建築設計指針)による住宅地計画と維持管理というハード計画管理技術「第一の神器」である。住宅地開発業者が住宅地の計画に対応した強制力を持つルールを作成し、そのルールを承認することを契約として受け入れることを条件にして居住させ、ルールを遵守しない場合いには、「警告、罰金と居住権の剥奪」するソフトなルールである。これが「第ニの神器」である。住宅を所有する人全員がその住宅資産価値を維持向上する自治団体を設立し、住宅地の開発業者を行政事務に当たらせる契約下に、専門的知識と技術で売らず消された住宅地経営管理を自治団体が執行する。これが「第三の神器」である。

資産形成の鍵を握る住宅地経営管理
高い住宅需要に支持された住宅地にある住宅は、需給関係を反映し、取引価格を高め、資産価値は高まることになる。そこに居住する人達は生活要求に合わせて、時代に合った文明を享受するために、生活を豊かにするための技術や材料を採用することになる。そのリモデリング投資はいずれも住宅の資産価値増をうながす。そして、住宅地がマスタープランどおり実現することにより、住宅地は計画どおり熟成し、その住宅所有者は、熟成利益を手に入れることになる。

本質問のように新技術が住宅産業を発展させると言う側面もあるが、国民が豊かな生活を享受したいという要求とそれを実現させる経済能力が高まることで、技術が開発されるもので、国民が住宅取得し資産を失っている日本の社会から、国民の求める新技術は生まれない。国民を騙すような新技術が国民を惨めにして来た過去の日本を直視することが必要である。

住宅を取得しその資産価値が向上するような住宅地経営をすることで整備される住宅市場


「ライトの建築の4原則」に立ち返ること
住宅によって国民が資産を形成している世界の優れた工業先進国の住宅産業を見れば共通していることが、「売買差益の得られる住宅地経営」をすることである。住宅地経営は、それぞれの住宅需要者のニーズに対応した個性豊かな住宅地経営がなされることである、それは「差別化」ではなく、居住者お互いの違いを尊重する「区別化」を大切にした住宅地経営である。住宅の資産価値維持向上させるためには、以下に示すフランクロイドライの「建築の4原則」を尊重した住宅地経営をすることである。「ハウジングトリビューンに5回連載」(VOL347-351)は、ライトの(建築の4原則)を現代視点で解説したもので、「デベロッパーやビルダー」から「手離れのしない」経営の参考になるものである。

第1の原則:土地を大切にせよ
土地と住宅は一体で、住宅は土地の上に立って土地の一部となる。住宅需要者は住宅を含む住環境を手に入れようとしており、土地と切り離した住宅だけが「長期優良住宅」ということはない。

第2の原則:材料と工法を大切にせよ
住宅は生活文化の器である、材料と工法が生活文化の担い手である。材料と工法は、文化の担い手で、同じ形や意匠でも材料と工法によって違う文化環境となる。

第3の原則:箱をつぶせ
住宅は居住者のためにあり、居住者のニーズに応えることの出来ない住宅は役に立たない。「足に合わせて靴を作るべきで、靴が立派であるからそれに合わせて足を切ることに名ならない」

第4の原則:建築は民主主義の実現

基本的人権を尊重すると言うことは、お互いの違いを尊重することである。アワーハウス(our house)とヨアーアーハウスyour house)は違っていて当然である。しかし、相互に違った個性ある住宅が集まって、夫々が楽しめる街並み景観「ストリートスケープ」をもったアワーストリートを造る。それはヨアーストリートとは個性ある違った街並み景観を持っている。しかし、そのすべてを含んでアワービレッジと言う共通の財産と感じる町並み景観「ビレジスケープ」(village scape,town scape)を造ることになる。

販売した住宅を販売価格で買い戻せますか

人びとの夫々の個性を尊重される住宅及び住宅地を選択することができることが、豊かな住宅環境を国民に提供することになる。消費者の利益を最大にするように先進工業国の住宅産業は取り組んできた、日本のように住宅産業が利益を上げるために、「如何に消費者を騙して、お金を巻き上げるか」と言うこれまでの取り組みは止めなければならない。このようにいうと、「そんなことはやっていない」と言う住宅産業者がいることは、私も知っている。しかし、そのように。反発をもつ方に聞きたい、「あなたは売却した住宅を売却した価格で買い戻せますか。」
欧米の住宅地経営に学ぶ

欧米工業先進国では、大多数のホームビルダーは、自分の造った住宅が適正に「三種の神器」の下で管理されていたら、喜んで販売価格で買い戻す。しかし、住宅所有者は、長期預金以上に資産価値が上がるものと言うことを知っているから、自分の購入価格で売ろうとはしないだけである。物価の変動、景気の変動に対し、住宅価格は基本的に連動する。


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