メールマガジン

メールマガジン第376号

掲載日2010 年 11 月 2 日

メールマガジン第376号(11月2日)
皆さんこんにちは
工務店の学習のお手伝いに東奔西走の半月でした。
先々週はワシントン州の米国建材セミナーで浜松、津、岐阜、富山、新潟の5都市を回って消費者の望んでいる「長期優良住宅」とは何か、そして、現実に米国や英国では供給されている「売買差益の挙げることのできる住宅」はどのような仕組みで実現できるか、という話をして回りました。当然、日本の現在政府が進めている性能表示と瑕疵保証で進めている長期優良住宅は、「名は体を現さないもの」であることを分かり易く話しました。その後、引き続き福岡の㈱大建で、2泊3日の月例「荻の浦ガーデンサバーブ」プロジェクト検討会に参加しました。先週は帰京後、HICPMでの事務処理とビルダーズマガジン、メールマガジンの作成などの作業をしてから、週末は、HICPMの会員である竹中淡路市議会議員総務文教委員長の依頼で、淡路市議会の方と町興しの研修として、オランダの町を忠実に再現したハウステンボスに1泊二日の研修ツアーを実施しました。

住宅はと地に建設されて土地になる
住宅は土地と一体になって効用を発揮するもので、「土地に定着していない長期優良住宅」というものは、理論上ありえません。長期優良住宅は、その住宅が長期間にわたって資産価値を持続するということでなければなりません。そのためには、その住宅が需要の対象となることがなければなりません。住宅という建築物は、土地に建築され、土地の一部になって効用を発揮します。
人びとは住宅を購入しますが、それは住宅という建築物を含む土地(住環境全体を土地が担っている)を購入しているもので、土地と独立した建築物を購入しているわけではありません。ハウステンボスは三次元の町並み景観を作ることで、都市空間が土地の加工であることを示す格好の事例であることを再確認しました。

土地が住宅の価値を左右する
自分の土地を所有している人は、「そこに設置(建設)された住宅だけを購入するのである」ということを主張し、土地の購入は不要で、「長期優良住宅として評価されたもの」を購入するのであるから、「住宅だけの購入は現実にありうる」、と反論するかもしれません。確かに、土地をもっている人は、そのうえに建築する住宅建築物を購入することになりますが、しかし、その土地の状況によって、購入した住宅は「価値があるもの」になることもあれば、「価値のないもの」になることもあります。要するに、住宅は土地になり、基本的に土地の環境によって、住宅の価値は左右されることになるのです。

無駄になる住宅建設投資の例
熟成が進まない区画整理区域内で、立地条件の悪い土地を換地された人は、換地を受けた多数の土地所有者が売り手となるため、その他の土地と比較されても、ほとんど需要が期待されないと認識すれば、価格を切り下げて販売します。その土地を安く購入した人は、土地代が安かったため、そこで住宅を建築します。すると、その土地の近傍の土地所有者は、「販売できる」と強気になって高い価格で土地を売ろうとします。当然、期待する価格では売れなく空地状態が続きます、今度はそこから離れて買手の付かないと思われた土地が、価格を下げて販売します。大きな土地区画整理区域でバラ立ちして、総数ではかなりの住宅が建ちながら、全く市街地としての熟成を見ない貧しい開発が各地にあります。多分、すべて「長期優良住宅」として建設されながら、それらの住宅は熟成することのない貧しい住環境の中で住宅地は寂れたままで転売もできず、住宅を建築した人は、水道管から錆びなじりの上水しか出ない状況に苦しむことになります。

住宅地経営思想のない住宅地開発
これらの住宅は過疎地に建築された住宅同様、結局は粗大ごみとなリ買い手が付かない住宅です。その基本は住宅地全体としての経営思想がなく、土地を細切れにし、その土地に住宅を建築したというだけで、そこにある道路計画や水道、下水、公園と言った都市施設や生活インフラ施設は、その開発区域から発生した都市生活需要にこたえるというだけの計画で、そこにどのような人びとの生活や活動があると言ったことを考えない施設計画になり、現在のような区画整理による都市開発をする限り、そこに建設される住宅は、早晩粗大ゴミになる危険性は高いといってよいと思います。(長すぎ)
日本には「住宅を建築する都市施設の整った敷地」宅地造成はあっても、そこに住む人びとの生活を考えた住宅地計画理論も、住宅地計画もありません。宅地は住宅を建築する平場面積を最大にすることに重点がおかれ、垂直のコンクリート擁壁が豊かな自然地形をぶつ切りにし、住宅メーカーの「差別化」(他社との違いを優秀な品質の住宅と説明して、他社の住宅を差別すること)住宅用の宅地を造ります。隣接地自体が本人の敷地と対立する宅地と考える宅地開発がやられてきました。そのため公園を造ってもその位置は宅地として販売できない「へたち」が割りあてられ、開発許可基準を満たすだけの貧しい住宅地しか造れません。

日本最初のニューアーバニズム計画:「泊山崎ガーデンテラス」
今回北米建材セミナーで強調したことは、現実の住宅を購入することで資産形成が出来ている欧米の優れた住宅地は、それを必然化できる計画都開発と経営がなされていることを学ばなければならないという話をしました。世の中に必然性のないことは起きません。HICPMが約10年かけて検討してきた「住宅の資産価値を上げることのできる住宅地経営」は、「三種の神器」を尊重した住宅地経営です。これまでHICPMに指導を受けて造られたアサヒグローバルによる「泊山崎ガーデンテラス」は日本で最初のニューアーバニズムによる開発です。今年度中には総て完成すると期待しています。

月例「三種の神器」セミナー
横浜の工藤建設によるガーデンテラスに対しても「三種の神器」の適用をコンサルタントとして関係しました。そこで、今回、福岡の㈱大建では、欧米の経験を謙虚に学んでもらうということで社長や管理職にも米国やドイツまで出かけてもらい、米国で実践されている住宅地経営を謙虚に学んでもらうとともに、私のこれまでの知識経験を生かすように努めています。
此処で提供する住宅は、住宅購入者に必ず、「売買差益を約束することのできる住宅地経営」です。
実は、私が毎月定例セミナーとして実施している住宅地経営の「三種の神器」では、主として英国(レッチワースガーデンシティ、ハムステッドガーデンサバーブ、ハーローニュータウンなど)と米国(ラドバーン、シーサイド、ケントランド、ハーバーランド、ラグナーウエスト、ノースウエストランディング、イサクワハイランド、セレブレイション、メープルローンなど)の住宅地経営の理論と実践に加えて日本で取り組んできた多くの失敗例やHICPMが関係した意欲的な取り組み(ムカサガーデン、泊山崎ガーデンテラス、宮崎東宮花の森グラチア、神戸ガーデン、ガーデンヒル、荻の浦ガーデンサバーブなど)を題材にして理論と実践の問題を明らかにしています。

「荻の浦ガーデンサバーブ」計画の概要
その中で、目下私が取り組んでいる㈱大建により「荻の浦ガーデンサバーブ」は、延べ面積130平方メートルの住宅を1,800万円で年収600万円の需要者に販売するため、その開発地(敷地面積2600平方メートル)内に幅約20メートル弱、奥行き50メートルのビオトープを計画した公園を計画しています。敷地内には開発道路(幅員10メートルと6メートルの2本、面積約700平方メートル)が計画され、99年のリースホールド事業として実施しますが、その住宅ローンや土地のリース代を含む住居費負担は1ヶ月、12.5万円程度に抑えることで目下計画が進んでおり、目下開発許可が下りたところまできています。この開発での土地購入代金に対する地代の利回りは、4%程度以上にすることで計画が進んでいます。
この事業は、大建の松尾社長以下が、「住宅購入者を幸せにすることをおいて住宅産業の生きる途はない」ことを理解するとともに、欧米で実践されていることには必然性があり、それを日本の現実に置き換えて、日本の都市計画法及び建築基準法をはじめ、関連法規に適合する開発をすることにより、㈱大建のビジネスにすることが出来るという合意の下で実践されています。

月例の2つのセミナー(第1及び第3木曜日)のご案内
ぜひ会員の方だけではなく、一人でも多くの方がHICPMの毎月第1木曜日の「三種の神器」のセミナーにご参加され、現在福岡で取り組んでいる事業に関心を持ってくださって、皆さん自身の仕事に反映してくださったらと願っています。このセミナーは第1回目だけはテキスト代(15,000円、HICPM会員割引、10、000円)で受講できますが、それ以降は関連テキスト代(6,000円、会員割引3,000円で、午後1:30-17:00HICPMセミナー会場で実施しています。事前にご質問やお尋ねになりたいことをお申し出下されば、その問題を中心にセミナーをいたします。少人数ですから、具体t機な開発計画をお持ちの方にはコンサルタントも行います。

HICPMのCMセミナー
また第3木曜日にはCM (コンストラクションマネジメント)の定例セミナーを実施しています。毎回テキスト代(6,000円、会員割引3,000円)のみで参加してもらっています。その鍵は、生産性向上(工期半減で20%価格カット、利益維持)を推進する理論と実践方法を中心にセミナーをします。

国内外研修(HICPM・GKK共催事業)
今の不景気な時代には、知識を高め、それを実践することなしに経営を改善することはできません。HICPMは、欧米、中でも全米ホームビルダー協会の経験と知識の技術移転により、欧米に迫る工務店経営の支援をしております。HICPMの機関紙HICPMビルダーズマガジンの購読(1年間12回15,000円)、HICPMメールマガジン(毎週1回、無償)、国内外の研修ツアーをオンザジョブトレーニングとして、1-2ヶ月に1回GKK(グローバル研修企画)と共同開催しています。HICPMホームページをご覧ください。


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