メールマガジン

メールマガジン第377号

掲載日2010 年 11 月 8 日

DSC00143皆さんこんにちは!

素敵なお届け物
一週間ほど前ブリックプロダクツ東京の黒瀬さんから、「四日市のアサヒグローバルの泊山崎ガーデンテラス写真を撮ってきたのでお届けします」とCDロムに入った工事中の現場写真を届けてくださいました。黒瀬さん自身大変興奮気味で、「こんな住宅地はこれまで日本では見たことがない」と絶賛していました。
いただいたフロッピーディスクを後でゆっくり見ようと思っていましたら、黒瀬さん自身の自慢の仕事のように「早速開いて見てください」とせかされ、早速見ることにしました。

第1回長期優良住宅街づくり部門認定事業
この事業「泊山崎ガーデンテラス」は、第1回長期優良住宅街並み部門で審査員をうならせたといわれる推薦事業です。私は、アサヒグローバルの久保川社長とシーサイドをはじめ多くのTND事業を見てきて、この計画を纏める依頼を請け、HICPMとして最初のコンサルタント事業として取り組んだものでした。この計画には私としてこれまでの住宅地造りに関係してきた技術を総て投入しようとして取り組んだものでした。
久保川社長からのご依頼を受けた当時、私は、国土交通省住宅生産課長から、国土交通省からハウジングコミュニティ財団へのその年の技術研究補助金の研究テーマとして「超長期優良住宅地経営マニュアル」を纏めて欲しいという要請を研究開発を実際上進める立場にあった住宅生産性研究会理事長に伝達され、それを受けて実施することにしていました。

長期優良住宅地経営マニュアル
既に平成18年度までに英国と米国の「住宅による資産形成が出来ている住宅地造りの仕組み」を解明し、国土交通省に研究成果を報告していたので、それを受けての住宅生産課長からマニュアル作りの要請でした。最初は、それまでの成果を「日本の状況に読み替えたマニュアル作成」にしようと思ったのですが、やはり、日本で実践してからまとめたいと考えていたところ、アサヒグローバルの久保川さんから超長期優良住宅地の補助金を受けたいので、コンサルタントとして取り組んで欲しいという要請を受けました。この仕事の途中で、横浜の工藤建設からも同趣旨の依頼があり、その両プロジェクトでマニュアル作りの実践的作業を取り組むことにしました。

アサヒグローバルでの取り組み
特に久保川社長のところでは、社長自身が私と一緒に「シーサイドというTNDメッカ」を見学していた上、私が住宅都市整備公団やインドネシアや行政官時代多くの住宅地開発を手掛てきたことを理解し、全面的に計画立案についてはTND(ニューアーバニズム)で計画することに納得してくれました。そこで、「一人シャレット」(計画条件のとりまとめを分野の違う専門家集団が一週間缶詰になって纏める開発の条件整理)を私一人で行いました。その後、それを依頼主である久保川社長が受け入れることのできる条件だけを選択してもらいました。それを下に私がエスキースのビジョニング(基本構想図作成)を行い、それを参加条件に設計者を選考することにしました。久保川社長は全面的に私を信頼してくださったので、順調に設計事務所の選考をし、設計事務所間意欲的にTNDを学習してくれたこともあって、計画はうまく取りまとめられました。

本邦、初実現のニューアーバニズムによる住宅地開発
日本においてニューアーバニズムの計画手法で住宅地が計画された事例として、これほどしっかりできたものは、今までありません。事業主と実際に図面を書いてくれた設計事務所がニューアーバニズムの計画手法を理解し、約6ヶ月間、集中的に議論と作業を行い、積極的にその目標に挑戦したためと思います。
しかし、私の希望としてこの事業をリースホールドにすることや、アタッチドハウスにすること、雨水と雑排水をビオトープとして住宅地内を循環することなど、いくつかの提案は実現することはできませんでした。しかも、住宅を「売り建て」としたことで、消費者にはこの住宅地のイメージが実感できず、建設は遅れ気味でした。
私は、このニューアーバニズムで造られた空間の実例を国内で何とか早く関係者に見てもらうことにより、「資産形成のできる住宅地開発」を進めることができると信じ、HICPMビルダーズマガジンで紹介する一方、機会を見て多くの人たちに紹介してきました。

施行者の信頼を得た街づくり事業
今年9月、米国への住宅研修ツアーで久保川社長と意見交換をする機会がありました。その際、この計画に対して久保川社長は自信を持って、建設は慌てずにじっくりやるといっておられ、ほっとしました。同じ米国ツアーに参加された住宅問題研究者の赤碕さんが、北米ツアー参加の少し前に学生を連れて泊山崎ガーデンテラスの現地をご覧になり、絶賛しておられたのを聞いていましたので、久保川さんのその後の取り組みにも期待をしていました。
久保川さんは「このよさは実物を建てないと消費者には理解できないので、一挙に4戸纏めて建設することにした」ということでしたので、その結果を楽しみにしていました。
その矢先、黒瀬さんの撮影した写真を見ることになったのです。この写真を見て、この事業は、ニューアーバニズムの計画理念を生かすことができたと嬉しく思いました。

HICPMホームページにアップロー
この計画は住宅地全体を有機的な空間として設計することにより、これまでの日本にはない公園を住宅地の中心にすえた歩車道分離の人間の絆を重視した空間作りに成功していました。ビオトープ自身としては、供給循環する推量として中途半端な計画になってしまいましたが、視覚的にはこれまでの住宅地にはなかった優れた空間を造っています。この住宅地開発は「三種の神器」による開発と経営をすることにより、住宅購入者に「売買差益を与える住宅供給をする計画」になっています。とりあえず、その工事段階の姿をHICPMホームページでも見られるようにしようとアップロードしましたのでご覧ください。

大建による本格的なニューアーバニズム事業の概要

現在、福岡県の糸島市で㈱大建が取り組んでいる「荻の浦ガーデンサバーブ」は、この計画より一回り小ぶりな規模の住宅地です。大建の松尾社長との話し合いで、米国、英国、ドイツでやられている「住宅による資産形成が出来る住宅地経営」を実現しようと、同じくニューアーバニズムの計画理論で実践しています。厳しい経済環境を乗り越え、年収の2.5倍以下の価格で、かつ、リースホールドによるリース代、住宅ローン償還、税金や保険料を含む毎月の住宅費負担の合計が、毎月の所得の25%以下となるような条件で取り組んでいます。この開発地にも、20メートルかける50メートル程度の公園とそこには水の流れるビオトープを計画し、ゲストハウスやフィトネスの器具のある集会場をもつコモンハウスが造られることになります。

アタッチドハウスという戸建て住宅(シングルファミリーハウス)
目下、開発許可が下りて、開発行為が始まろうとしています。欧米の住宅では一般的な外壁を接してエネルギー保存を通常の独立住宅の半分に削減することを考慮し、火災時の熱風が住宅棟の間を吹き抜けないようにすることで延焼を防ぐ計画や、冬の寒い風が住宅棟の間から道路に吹き抜けないような本格的な注文戸建て住宅(シングルファミリーハウス)としての供給です。半地階を設けることで開発密度が高いにも拘らず、それを感じさせない開発になっています。この計画は、本格的なニューアーバニズムの計画としては、アサヒグローバルの泊山崎ガーデンサバーブについで、日本でも2番目の開発になります。

第1回長期優良住宅街づくり部門のもう一つの事業(工藤建設)
横浜の工藤建設の取り組んだガーデンヒルに関してもHICPMはコンサルタントとして計画のシステム取りまとめに参加しました。そして泊山崎ガーデンテラス同様、第1回長期優良住宅街づくり部門で認定を受けました。この計画も「三種の神器」とニューアーバニズムの考え方を取り入れています。その意味では、最初に実現したニューアーバニズムによる住宅地経営計画ということもできます。
しかし、ニューアーバニズムの計画をこれまでのやり方の改善として取り組んだという意味では、宮崎県でアービスホームがやったグラチア、愛知県の高杉建設の定期借地権事業、神戸ハイランドのサステイナブルハウス、さいたま市のムカサガーデン、横浜のマークスプリングのような事業と同様に、これまでの住宅地開発にニューアーバニズムの考え方を取り入れた事業といえます。

欧米の実例を良く学ぶこと
アサヒグローバルによる泊山崎ガーデンテラスと目下着工直前にある荻の浦ガーデンサバーブは、計画の理論と経営管理の基本において、ニューアーバニズムの計画理論を基本にした「三種の神器」による住宅地開発として、質的には違ったものと考えるべきだと思います。
欧米では、1980年台に始まり今では通常の開発手法として定着しているもので、その事例は無数に見ることが出来ます。ウォルトディズニーのセレブレーションだけではなく、ハーバーランド、ケントランド、レイクランド、メープルローンなど米国東海岸には多数の事例を見ることが出来ます。そのモデルとなったチャールストンを、来年にNAHBのIBS(インターナショナルビルダーズショウ)の際には見学することを予定しています。
「百聞は一見にしかず」で、アサヒグローバルの久保川社長も大建の松尾社長もご自身だけではなく、社員にも現地を何度も見学させ学習させています。米国の実際を見ることは重要な学習になると思います。

実力をつけないと良い仕事はできません
毎月第1木曜日(12月は2日)に「三種の神器」のセミナーを開催します。このときは「三種の神器」の理論学習と合わせて実践している映像で見ていただく予定です。
HICPMでは会員の要請があればできるだけのお手伝いをいたします。
11月19日(金)のHICPMとGKK共同セミナー「フライブルグと英国報告」でも、その一部の紹介はできると思います。
11月18日(木)には、これからの住宅地を充実したものにするためには、自然の姿を造園技術に取り入れたイングリッシュガーデンを勉強するためのツアーを企画しています。そのため、今月は第3木曜日二CM月例セミナーの日取りを変更しました。HICPMのホームページをご覧になってお申し込みください。


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