メールマガジン

メールマガジン第381号

掲載日2010 年 12 月 6 日

メールマガジン第381号(12月5日)
皆さんこんにちは!

「行政が不正を幇助する国」の話
今日は2つの行政庁による2つの法律蹂躙回答を2日連続で手にした事件の報告をします。いずれもマンション建て替え円滑化法及び補助金適正化法の違反事件です。回答は東京都知事石原慎太郎及び東京検察審査会立川支部です。
事件は、多摩市諏訪2丁目住宅団地管理組合がマンション建て替え円滑化法に違反し補助金を詐取した事件で、不正に対する追及は平成16年から足掛け8年に及んでいますが、行政と司法側が不正幇助を続け、まったく法律の適正施行を実現できないままです。

マンション建て替え推進の本当の目的は何か
かつて日本住宅公団の建設したマンションを建て替えることにより、地価の値上がりを利用し、ただで大きな規模の最新設備をもったマンションを手に入れることができるということで、マンション建て替えが団地住民の側からも、建設工事で利益を期待するゼネコンや、固定資産税と人口増による住民税を拡大しようとする多摩市の側からも積極的に取り組まれてきました。その背後には、その事業に群がる自民党国会議員や選挙の票に媚を売る共産党の顔がちらついていました。マンション建て替え円滑化法は、そのような時代背景の下に制定されました。
しかし、現在の経済情勢は、大きく様変わりし、あれほど騒いでいた建て替えはそれを推進していた政府やURも含めて、「建て替えではなく、リモデリング」に軸足が動いています。かつてのマンションの老朽化や、耐震診断は建て替え促進の口実作りであったことも馬脚を現し、建て替えは、年金生活者への経済負担の皺寄せが懸念されています。

憲法第29条との整合性
憲法29条で所有財産の保護が保障されており、個人の財産が、他人の利益の犠牲になることを制限しているため、マンションでは一人の反対があれば建て替えることはできませんでした。しかし、バブル時代のスクラップアンドビルドにより経済的豊かさを進めてきた時代の勢いを駆って、表向きは環境の改善には公共性があるという理由で、民主主義でいう「多数決の原理」を小細工により屁理屈をつけ、バナナの叩き売りのように、過半でもなく、4分の3でもなく、5分の4にまですれば、その意思決定は公共性が高いと、憲法29条の私有財産保護を否定できるということにして、「多数による少数を強制する」法律を作ってしまいました。それが憲法違反の疑いのあるマンション建て替え円滑化法です。

同床異夢の国会議決
その法律は、与野党とも、業者や、団体機関紙販売、選挙の投票などさまざまな選挙民や業界の利益を背負っているため、高齢者や年金生活者のような経済的弱者の不安をよそに、同床異夢の状態で国会は全会一致で法律を成立させました。しかし、さすが「一部の利益追求のために国民の財産権を強制的に奪う」立法に対しては、後ろめたいと思ったのか、同法第4条の基本計画を根拠に、そのマンション建て替えを実行する手続きに関しては、詳細な2つのマニュアルを作成し、団地住民に著しい困難な事態が生じないように事前に慎重な検討をするとともに、建て替えを強行するようになった場合にも、住民の中の弱者には十分配慮するような規定が設けられました。そして国家もこの事業には手厚い国庫補助金を支給することが衆参両議院で付帯決議がなされました。

組合員幹部による不正の実施
諏訪2丁目住宅団地では、一部の自治会幹部が、年金生活者である元政治団体や元市会議員、組合OBらが組合を私物化し、組合費を格好の小遣い稼ぎとして、頻繁な建て替え会議での手当てとしていました。私がこの建て替えに対して違法を指摘するまで、「私との関係が悪化するまでの時期」には、組合幹部は冗談交じりの本気で、「組合役員手当ては年金生活者にとって美味しい収入であり、権力も行使でき、長引いても少しも困らない、ありがたいことだ。」と自慢げに話していました。
そして、このマンション建て替えは、中央にも関係の強い旭化成ホームズの協力と指導も得られ、自民党の国会議員と建設省の官僚が絡んで、東京都と多摩市を巻き込んで進めることができることを得意気に話していました。

法律で定めている手続き
そして現実に発生したことは、マンション建て替え円滑化法によれば、まず団地自治会自体として、国会で議決したマニュアルに従って、団地自治会内部で予算計上し、「組合自体での建て替え計画概要の作成とその費用の概算資金計画による検討をする。それをもとにした団地としての共通意思決定の結果80%以上の組合員が「建て替え事業に絞って検討をする」という意思決定を「建て替え推進決議」とした後、より具体的な検討として、「実際の建て替えを実施する設計図書を作成し、資金の計画を立て「どのようになるか」の検討をすることになっています。
その作業は建て替えの実施設計を作成することになる巨額のお金(工事費の5%程度:本事件では5億円以上))が必要になるので、それに対しては国庫補助金として東京都及び多摩市合計で事業費の3分2を支給することが国会で決定されました。その検討結果を団地組合員共通の理解として、住民の5分の4の賛成があれば、最終的の「建て替え決議」ができるという法律構成になっていました。

マニュアルの手続きをしないで補助金を詐取
この事件では、組合員幹部との間で旭化成ホームズが事業を実施するという暗黙裡の了解の下でコンサルタンツとして参入しました。この事業にたいする最初の指導は、国会の議決を蹂躙し、「形式だけの建て替え決議を締結することで補助金を詐取できる」としたことです。そして、多摩市と共謀して、「マニュアルに定められた団地内部での自主的になすべき建て替えの事前調査検討をしないで、補助金が受け取れる」という説明で「建て替え推進決議」を総会決定しました。諏訪2丁目団地はそれまでにも再三(5回以上)、自治会役員が組合員を引っ張りまわすために何の根拠もない「建て替え決議」や「建て替え推進決議」を行なっており、今回は「補助金を受け入れるため」という説明で、「義務の無い補助金なら受けよう」というやり取りで議決されました。その当時、旭化成が補助金を使った団地の調査では、「無償で建て替えができる」という条件でも、60%の組合員しか建て替えに賛成していませんでしたので、この補助金は建て替え煽動に使われていました。

行政に肩を持った不公正な裁判
その補助金詐取を私たちは、地方自治法上及び刑法上の問題として争ってきました。行政不服審査請求でも、東京地方裁判所及び東京高等裁判所でも、原告である私たちの主張を確かめる「事実調べ」はまったく行わないで、多摩市長側の「建て替え決議は正当に行なわれた」という主張を採択して、私たちの訴えは却下されました。行政も司法もこの新サに置いて、国会の審理の経過や法律の立法趣旨はもとより、法律の条文の文理解釈もしないで、建て替え推進という大きな政治的流れに流された判断しかしませんでした。
多摩中央警察の刑事に対し告発していた事件では、3年近くずるずる引き延ばされていました。しかし、旭化成ホームズが実施した建て替えの実施計画が、最終の建て替え決議には利用されず、かつ、建て替え事業を実施する立場を放棄し、突然、東京建物に事業を実施させることが決定したため、旭化成ホームズが補助金をその目的のために使っていなかったことが、客観的に証明できることになっていました。その事実を私たちから追及され、補助金適正化法違反の事実の前に、多摩中央警察は、被告発人である多摩市長、旭化成ホームズ、組合幹部を調べ、書類を検察庁立川支部に送検せざるを得なくなりました。

悔やまれる妥協
この警察や検察による調査が、旭化成ホームズの事業からの辞退、多摩市長の引退に影響を与えたと私は考えていますが、そのため送検された結果として、「起訴できる公算は高い」と私は早とちりしてしまいました。
検事は行政法の仕組みや刑罰に関して詳しくないようで、私が補助金適正化法に基づき関節補助事業による不正な補助金交付及び執行を説明したことに、素直に耳を傾けようとせず、刑法上の刑罰に拘り、行政法で定めている罰則の適用の理解までお互いに声を荒げて議論をしました。挙句の果てには、私に対して検事の起訴権を誇示し、「起訴をすることは難しいが、俺の法律論に従えばその道が開けるからその論理を受けろ」といってきました。
そこの段階で私は大きな失敗をしました。
検察官は多摩市長を救済することに熱心で、私と3回に渡ってこの事件で毎回4時間近く議論しましたが、その中で、「旭化成ホームズに絞るならば起訴の可能性はあるが、それ以外ではだめだ」ということにこだわりました。私は、補助金を詐取して一番の利益を受けた旭化成ホームズは、「最低限、起訴できれば良い」と判断し、「多摩市長を告訴からはずこと」に同意しました。結果は、すべてが「不起訴」になりました。検事に不本意な妥協をしたことが、結果を左右する妥協になったのではないかと悔やまれ、検察審査会にその間の事情も訴えて不服審査請求をしましたが、結果は木で鼻をくくるような「不採択」という回答が半年後になって送られてきただけでした。

マンション建て替え円滑化法による事業計画認可に対する意見書
諏訪2丁目住宅団地管理組合では、国庫補助金を受けて旭化成ホームズが作成した建て替え事業計画を反故にして、東京建物が提案した建て替え案を採択し「建て替え決議」を行ないました。その団地の組合員の意見を取り入れた国庫補助金を使った検討作業は反映されておらず、マンション建て替え円滑化法による「建て替え決議」をするために必要な共通の認識基盤のないものを前提にした「建て替え決議」であるため、マンション建て替え円滑化法に照らして「強制権を付与される決議としての正当性のない」ことは明らかです。その事業計画が縦覧されたため、「正当性のない建て替え決議を前提にした事業計画は違法である」という意見書を法律の手続きに基づき東京都知事に提出したのですが、その回答もまた「不採択」ということでした。そこには私が法律に照らして明らかに違反しているとする事実を明記したにもかかわらず、その意見には何も批判も、意見も、不採択の理由も付けないで、手続き上の条文を記載しただけの解答しか送ってきませんでした。
法律が国民の意見を求めることを定めているにもかかわらず、その意見に対し法律に照らして正当な理由もなく不採択にする処分は、主権在民の憲法違反の回答といわざるを得ません。

権兵衛(国会)が種(立法)播きゃ、烏(行政)がほじくる(法律違反を幇助)
一体、国会で大騒ぎして行なったマンション建て替え円滑化法制定時の国会の付帯決議は何のためのものであったのか。
国民を欺くためのパフォーマンスであったのか。国民の味方を口にする日本共産党多摩市議は、本事件に対しても選挙の票を優先して、組合幹部と通じ、違法を承知で建て替えを容認してきました。日本共産党本部もこの問題をまった取りあげようとしませんでした。
同様に朝日新聞社もまた組合幹部に脅されて、購読者拡大のため、途中で突然方針変更し、建て替え応援記事を書きました。私たちには、編集局長が頭を下げれば、「それで済む」と私たちを軽んじて挨拶に来ましたが、法律に照らして不正が行われていることを無視した不当を追及すると、そのまま無言で閉じこもって、一切の連絡を断ってしまいました。
「社会の公器」を標榜する新聞社の取材の偏向に抗議したところ、新聞社本社内部審査機関自体も、途中で私たちを裏切った誹謗記事を掲載したことに対し、新聞社の対応を正当化し、局長をかばってしまいました。

先行き不透明な事業
法律違反を承知で推進している諏訪2丁目住宅団地建て替え事業は、わが国の経済環境だけではなく、国民自身の経済環境が悪化している上、事業を担当する東京建物自身の経営環境自体が厳しい状況にあり、果たしてこの事業が期待通り成立するか疑問があります。そのときこの事業に騙されて建て替えに参加した結果、一体、途中で事業が投げ出されたり、事業が計画どおり推進できず、仮住まい状態が長期化するなど事故の保証や責任を不正に幇助した東京都や多摩市が負うことができるのかに対して行政はどのような対応をするつもりなのか。結局弱者にしわがよることは必至です。
戸谷英世


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