メールマガジン

メールマガジン第383号

掲載日2010 年 12 月 20 日

メールマガジン第383号(12月20日)
皆さんこんにちは!

インドからのお客様
先日、神戸ガーデンハウスの岩本さん(HICPM理事)が上京されまして、インドの方とそのご関係の方をお連れになり、HICPMでインドの住宅産業投資について話し合いをしました。
ジャイプールというピンクシティとして観光でも知られているところのご出身の方で、都市化が急速に進んでいるところでの大きな将来需要を背景にした住宅産業の問題でした。

私が35年ほど前に日本政府からインドネシア共和国に3年間派遣されたときを思い出しました。その時代と基本的に同じことが現在のインドで起こっていると感じました。数年前にわたくしもジャイプールを見ていましたので、ご相談の状況は大体分かりました。
日本からの援助が日本のODA予算の80%程度という驚くほどの高額であることも、当時の日本とインドネシアとの関係とよく似ていると思いました。

発展途上国のFTA現象のモデル:40年前のインドネシア
FTA(自由貿易協定)時代に入っているという状況は、発展途上国に出かけてみると、誰でも肌で感じることと思います。私は、日本の高度成長時代を実際に経験し、当時60年安保の結果、炭鉱の閉山と米国からの農産品輸入自由化を受けて取り組まれた農業構造改善を経験し、その中で一番しわ寄せを受けた人たちの問題、都市のスラム改良の問題に取り組み、高度成長の影の部分をいやというほど見てきました。

インドネシアでも、賠償援助後の経済復興を成功させた後の都市化がすすんだ時代に、予定した米国からの経済援助がベトナム戦争の泥沼化の中で中断された間隙を縫って、田中角栄がインドネシアの石油資源を、カルテックスを排除して日本が請求利権を手にしようと、米国の身代わりとしての経済援助をインドネシアに提起しました。そのとき、私たち(当時の建設省官僚2人と日本住宅公団技術専門家職員1人)が、インドネシアで農村から都市に集中してくる失業者を受け入れる住宅都市問題をニュータウン建設によって受け入れるため、インドネシア政府の住宅都市開発公団を指導する専門家として3年間、日本政府からインドネシア共和国政府に送り出されました。

当時はエネルギー危機直後で、石油資源の確保が政治の大きな関心になっていました。アラブ諸国を除けば、インドネシアの石油及び天然ガス資源は大きく、そこに群がって多くの資金が流れ込むので、インドネシアの都市化は当時、世界の中でも最も急速に進んでいました。日本からの海外援助の中でインドネシア援助は飛びぬけて大きいものでした。
現在、インドに多くの資本が流れ込んでいる理由は、インドの低賃金と教育水準の高さを背景にした優秀な労働力が存在するため世界中から産業投資が行われ、急激に雇用機会が拡大しています。FTA時代の経済環境を象徴する現象がインドのデリーからじゃいプールをつなぐ南北幹線沿いに起こっています。

経済成長下の財政支出に「寄ってたかる」金儲け話
そこには当時日本企業が政府と一体の護送船団方式で、インドネシアに対して行っていた国家の有償、無償援助が一体となって経済進出していたと同じ構図の経済進出が取り組まれています。その中で、両国の産業人もビジネスチャンスを利用しようとしてさまざまな取り組みをすることになります。経済活動としての取り組みは大いにやったらよいのですが、多くの場合、不正な経済活動が忍び込んでくるのです。それは地元インドだけではなく、そこに鵜の目鷹の目でビジネスチャンスを得ようとしている外国の政治家や高級官僚が長期的視野で自分らの利益を得る仕組みを構造的に作ろうとするとき生まれてきます。

私は現在の日本でも、かつて都市化する住民を相手に、その住宅事情を改善するためと「おためごかし」の住宅政策や事業が取り組まれ、その結果、国民は住宅を取得することで殆んど例外なく資産を失うという苦しめを与えてきた日本の住宅産業政策の轍を踏むことがないようにという観点でのアドバイスをしたつもりです。しかし、都市化する巨大な住宅需要を前に利益を得ようと考えている人たちにとっては日本の住宅産業が大きな利益を得たという経験だけを学びたいと考えても不思議はありません。都市化する住民のことには関心がなく、都市化を金儲けにすることだけが、都市化を見ている人の目の前にある「利益を得るために利用したい」という関心です。インドの人にも日本でその相談に乗る人にも、「手に入れられる利益」に関心が集中し、別に不正利益を得ようとしていない人たちでも、私のアドバイスはほとんど耳に入らないように思えました。しかし、現在日本で私が感じている「後悔、先に立たず」の諺は大切にしなければなりません。

過去の反省をに現代に生かす取り組み
わたくしは、現在遅ればながらも、HICPMの「国民が住宅取得により資産形成となる」という取り組みを住宅産業に対する教育活動という運動の立場をとってすすめています。
それは、ニューアーバニズムによる町造りが、住宅購入者が資産形成の出来るという考えに立って、住宅地開発と住宅地経営を実践するように住宅産業界に働きかける運動です。それを具体的に事業計画の作成業務を通して、工務店の経営基盤を強化できるという理論を、私に技術的な協力を求める人たちの事業を通して実践してきています。

決して楽な途ではありませんが、理論的に可能なことは、努力をすれば実現できるという確信のもとに取り組んでいます。福岡の株式会社大建では、すでに開発許可が下りている事業に対し、開発事業の頭上作戦を実施し、今年末から始まる実際の事業のイメージトレーニングをやってきました。大建の松尾社長以下職員の方も真剣ですが、私も設計に取り組んでいる手塚さんや前野さんも真剣になって取り組んでいます。今年末の大晦日まで設計の詰めをするため現地集合して最終の作業確認をすることにしています。

京都でもFTA(自由貿易協定)時代に対応した事業見直し
目下、京都での事業の見直し作業にも取り組んでいますが、私はこの15年間一貫して追求してきた「住宅を購入することにより資産形成が出来る」街づくりと住宅地経営の実現がこの事業で成功することを強く念じています。HICPMの進めている時代にあった事業の見直しを社会に示し、住宅関係者が「努力すれば、成果を上げることが出来る」ということを示さなければならないと考えています。今週は行政機関とも、この開発問題で直接話し合いをすることになり、事業が前進することで楽しみが膨らんでいます。

私自身50年以上住宅都市事業に関係し、国内だけではなく、世界の優れた事業を調査研究し、優れた多くの技術を活用しなければよい成果が得られないことを学んできました。そのために今回の取り組みでも優秀な人材の活用は不可欠だと思っています。
優秀な人材と真剣勝負をすることがなければよい仕事は出来ません。また、住宅事業関係者がよい事業を直接見学して、事業者自身の目を肥やすことがなければならないと思います。来年早々、米国(オランド)で開催される時期に合わせてニューアーバニズムの研修ツアーを企画していますが、関係者にはこのツアーに是非ご参加いただき、その成果を事業に活かせたらと願っています。

インドの事業は私にとって魅力的
インドの事業も私には大変興味があり、昔インドネシアで遣り残した仕事のようにも感じられ、やるとすれば本腰を入れなければ出来ない仕事だと思いました。そのためには、関係者がつまみぐいをしようとしているのか、ほんとうに信じて協力を求めようとしているのかを確かめなければいけないと考え、相手の出方を待つことにしました。
米国のランチョベルナルドに相当する規模と内容のある仕事のように思われ、苦労をしても人生を賭けるやりがいのある仕事だと思いました。すでに日本の関係者が「日本の経験を生かして」と、住宅産業の儲け話を持ちかけて、いろいろな形で関与したがっているようですが、住宅購入者を犠牲にしてでも住宅産業が潤うという日本の経験など学ばないでほしいと思いました。

マンション建て替え円滑化法の悲劇
昨日(日曜日)は午後一杯かけて諏訪2丁目住宅団地建て替え計画で追い出されることで生活のめどの立たない人から相談を受けて善後策を検討しました。マンション建て替え円滑化法に違反し、さらに国庫補助金5億円以上を騙し取って旭化成ホームズが刑事告発を逃れるために多摩市長と共謀して事業からはずれ、今は法律に違反した事業が建て替えによって利益を得ようとする一部の悪徳管理組合役員のリーダーシップの下で推進されています。
私は、法治国家で違反をやって不正利益を上げている人も団体も許すことができないと考えているために私のできることで「正義の実現」のために努力しようと思っています。訴訟好きと悪口をたたく人がいることを知っていますが、暴力で解決をすることはいやですから、法律で定められた土俵で法律で定められた手続きに従って、闘うことは使用と思っています。


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