戸谷の言いたい放題

マンション建て替え円滑化法違反を政府は容認するのか

掲載日2011 年 2 月 28 日

東京都知事石原慎太郎は、マンション建て替え円滑化法に違反した「諏訪2丁目住宅団地建て替え事業組合」の設立認可をおろしました。

その認可の前提になっている建て替え決議に至る過程が、建物区分所有法に違反した組合運営と、マンション建て替え円滑化法における強制権付与を衆参両院の付帯決議をしてまで条件付けしたところを蹂躙して建て替え組合の設立認可を許したものです。

東京都はこれまで都市計画法及び建築基準法違反を繰り返して、一部の開発業者の不正利益追求を幇助してきましたが、本件の場合は、補助金適正化法違反により旭化成ホームズに不正利益供与したもので、その原因究明がされなければなりません。

多摩中央警察はこの事件の告発を受け、当検察庁立川支所に書類送検をしましたが、検察官は、諏訪に耐える証拠を手にできなかったという理由で起訴猶予としました。つまり、検察官もまた、捜索権を持ちながら、行政の犯罪を隠蔽することに手を貸したのです。

(1)強制建て替えの法的正当性のない組合認可
憲法29条は私有財産権を国家が守ることを保障しています。この条文により、共同住宅の建て替えは、全員同意がなければ出来ないことになっていました。しかし、地価の高騰を利用して、建て替えで利益を挙げようとするデベロッパーや、マンション所有者が経済的負担なしで建て替えをするべく、政治家や御用学者をたきつけて、できた法律が、マンション建て替え円滑化法です。
しかし、金儲けのために、建て替えを望んでいない人を強制的に建て替えさせることは法律上できません。そこで、阪神大震災を口実に「新耐震設計法以前のマンション」「コンクリートの中性化」を持ち出し、もう一方では、「土地の高度利用」して建て替えをすることが社会的に良いことであるというムードを作り、「居住者に経済負担がなくて建て替えができるのに、それに反対する人は、逆に多数の利益に反対している人」だから、大多数の建て替え要求があれば、強制建て替えをできるようにすることになりました。

国会でも自民党から共産党まで挙党一致で、「5分の4の賛成で強制建て替えができる」という憲法違反の立法を成立させました。しかし、さすがに恥ずかしかったと見え、衆参両院では弱者救済のための付帯決議をしました。それは「建て替えをするために2つのマニュアルを作成し、そのマニュアルどおりの民主的手続きを実施した場合のみ、強制的な事業ができる」としました。そのマニュアルには2つの節目が設けられました。
1.マンション建て替え推進決議:団地組合が自費でマンション建て替えに関する事業計画と概算を下に、「建て替えに絞って検討する」ことを5分の4以上の賛成で決定する。
2.マンション建て替え決議:最終の建て替え決議をするためには、国庫補助金を得て、実際のマンション建て替え事業の設計と積算を実施し、その結果に基づいて、「団地組合員が共通の検討成果」を下に5分の4以上の賛成でマンション建て替えを決定する。
諏訪2丁目のマンション建て替え事業は、上記2つの手続きがなされないという法律違反を前提に建て替えを決定したもので、その建て組合自体に法律上の正当性はありません。

(2)国庫補助金不正使用の疑惑と「建て替え決議」の不当性
諏訪2丁目住宅団地組合は、旭化成ホームズの指導により、「マンション建て替え円滑化法を根拠にする建て替え推進決議」の手続きを経ない「名称だけの建て替え推進決議」を根拠に、「優良建築物整備事業補助金」の補助金交付申請をしました。このように重大な「国庫補助金を申請する」組合決議は、団地の総会決議で決めるべきことが、区分所有法の規定で定められています。しかし、一部の組合幹部が共謀して「優良建築物整備事業という国庫補助金受け入れ決議」をしないまま、総会決議があったかのような文書を作成し、国庫補助金の申請を多摩市長に提出しました。多摩市長もその事実を知りながら国庫補助金を申請し、国、都、多摩市、団地組合員を騙して補助金を受領しました。その補助金は建て替え決議をするために諏訪2丁目団地組合員が共通の判断材料とするための実際のマンション建て替え事業の設計図と見積り書を作成するためのものでした。
しかし、そのための5億円近い費用がかけられたが、その成果の建て替え事業の設計図書は、建て替え決議の検討材料としては使われず、単に旭化成の費用として消費されただけでした。つまり、補助金及び組合費は、補助金適正化法違反の補助金の交付目的外に使用され、建て替え決議は、東京建物(株)に決定しました。組合幹部が旭化成につぎ込んだ補助金と組合費用は、国、都、多摩市及び組合員に返還されなければなりません。
この補助金の不正使用の問題に関し、多摩中央警察所から東京地方検察庁立川支所に調書の送検はされましたが、疑惑はあるが決め手が弱いという理由で起訴猶予になっています。
巨額の補助金と組合費を使った「強制事業に正当性を与える根拠となるべき」建て替え決議に使うべき優良建築物当整備事業補助金の成果を、組合員の建て替え決議の基礎資料としないで、東京建物が「500万円の上乗せ」を事業化の条件に建て替え提案をし、参加組合員の地位を得た「建て替え決議」には、強制権を付与したマンション建て替え円滑化法に定めた条件を全く満足しておらず、正当性は認められません。
マンション建て替え事業組合を東京都知事が認可したが、その前提となる建て替え決議がマンション建て替え円滑化法に違反してなされたことは、組合自体に法的正当性がないということです。


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