メールマガジン

メールマガジン第397号

掲載日2011 年 3 月 28 日

メールマガジン第397号(2011年3月28日)
みなさんこんにちは

東北・関東大震災の概要理解
東北関東大震災は陸地での震度は7程度で、建築物の被害はさほど大きくはありませんでした。
しかし、地震の規模事態はマグニチュード9という地球規模でも最大級のもので、それが海中を震源地にしたため、大きな津浪を引き起こした。この被害としての最大のものは、「町や村が津浪の高潮で消滅した」ことであった。最終的には、予想として3万人近い死者、20万戸の住宅の損壊、流出、都市及び産業インフラの崩壊という被害にあわせて、福島原子力発電所が大きな被害を受けたことであった。
福島原発事故は、高放射能が観察され、その原因がわからないなど、いまだ、炉心のメルトダウンの危機や、ばら撒かれた放射能の影響が明らかになっておらず、危険は拡大し続けている。政府は、自己責任を回避するため、専ら社会不安を押さえ込むことに政官学が口裏を合わせたような発言を繰り返しているため、正確な情報を聞くことができない。

福島原発を政府と東電は理解できているのか
東京電力や文部科学省の原子力委員の方達が、テレビに登場して発言している内容は、「放射能の危険があって、事故現場にまでは近づけない」ということが理解できても、ほとんど推測に基づく説明でしかない。放射能漏れが起きているという事実があり、その危険性が原子力発電の設計当初から十分に検討していたはずである。政府も東京電力も放射能レベルの計測も正確にできなくて、その危険性をチェックする仕組みができていないとすれば、大変お粗末な計画であるといわれても仕方がない。原子力発電の管理者と政府、御用学者に何がわかっていて、何がわかっていないのかが、国民にはわからない。
しかも、この2週間、事故は拡大し、放射能の危険は増大している。この進展を観察していると、原因究明が、当事者が発表するような説得力の弱い推測に終始しているとしたら、彼等はこの原子力発電所の機械を米国から購入したというだけで、本当はシステム自体をよく理解していなかったのではないか。

日本政府の理解の仕方
かつて、中央大学でMBS(モーゲージ・バックド・セキュリティ)の会議があったとき、傍聴した私にとって、韓国のMBSは米国のMBSの通りであるにもかかわらず、日本のMBSは「MBSに似て非なるもの」であることを確認できた。そこで、韓国学者に米国と同じシステムであることを確かめたうえで、「どうやってこのようなシステムを作ったのか」と尋ねたところ、つぎのような面白い回答が帰ってきた。「アメリカ車を作ることができなくても、アメリカ車を運転することはできる。韓国はMBSのシステムを米国人専門家に作ってもらった。」そこで会議に出席していた日本の国土交通省の住宅政策課長補佐に「MBSをどのように研究したのか」と尋ねてみた。彼は、「米国に出かけて11ヶ月掛けて米国のMBSを調査し、日本のMBSを作った」という説明であった。そこで、「11ヶ月のアメリカでの調査で、米国のシステムがどれほど理解できたか」という質問をしたところ、「米国のMBSの仕組みを基本的に理解できなかった」ことを説明してくれた。その理由はMBSの債権の証券化のシステムは理解できても、モーゲージ自体のベースとなっている不動産鑑定評価が理解できなかったことにあった。しかし、MBSのシステムはできたことで「日本的なシステム」として米国に匹敵するものと説明している。

菅内閣の危険性の認識レベル
今回の原子力発電所事故に関し、その機械を購入し、運転技術を習うことで運転できたが、事故に直面して、狼狽しているように思えて仕方がない。何故、製造者である米国に助けを求めないのか。米国発の情報では福島原発の危険区域は80キロであるといっており、米国からたまたま日本に公費で学術調査に来ているものに対しては、「米国への帰国旅費は、米国負担で帰るように」という警告と対応がされている。
原発の機械製造者である米国が危険であると判断し,危険の範囲を80キロと指摘したことを、どのような根拠で日本政府は菅首相自身が否定しているが、その理由はなぞで、説明責任を全く果していない。菅首相や枝野官房長が、盛んに「モニタリング」を口にしているが、原子力発電事故に対するモニタリングが基本的に原子力発電所のメカニズムと、事故のメカニズムとが分かっていないため、行き当たりばったりで、騒ぎが起こって調査をしたら、放射能レベルが高かったといった程度であるため、国民の不安は増す一方である。

全体像の把握
世界では、今回の日本の原子力発電事故で、広範囲な汚染が発生したという理由で、日本への旅行者の旅行制限や、日本からの商品に対する汚染危険性を問題にしている。世界の目から見ると、80キロ圏まで放射能事故を広域にばら撒くことになったことを明確に指摘し、外国人に対し帰国命令が出されていることを、第三者の見方として知る必要がある。
放射能危険区域での農業はもとより、経済活動は将来的に期待できない危険区域が生まれたことに加えて、原子力発電に30%依存する国内では、電力供給が滞り、東北関東の産業基盤が大きな影響を受け、それが国際的に影響を与える。
これからの復興計画をしっかり立てるために気休めを言うのではなくて、実際の危険がどの範囲にあるのかの情報が示されない限り、国民は再建に取り組めない。

過去の経験を粗末にしてはいけない
政治家は目先の政治に汲々としているため、なかなか長期の展望を立案することはできないかもしれないが、チェルノブイリやスリーマイル島の原子力発電事故の経験から謙虚に学び、最悪のシナリオから最良のシナリオまで具体的に示すことが必要ではないかと考える。被爆危険性が高いところに人々が働く場所として利用することはできない。
O-157汚染事件、輸入牛肉の不安が問題になったとき、「危険性の疑惑はない」と大臣達がTVの前でかいわれ大根の試食をしたり、輸入牛肉の安全性を大臣達が試食するレベルのパフォーマンスを放射能事件でやっているのではないか。ほうれん草や地下水、牛乳に混じった放射能のあるヨウ素の問題は、その地域に住んでいる人たちは毎日24時間摂取させられている。枝野官房長官は、CTスキャンとの被爆量の比較をしているが、被爆時間が一日で比較しても、100倍以上も被爆時間は違い、この2週間合計で比べれば、1400倍も全く違うことになる。瞬間的な被爆量ではなく、合計被爆量が問題である。そのことを承知して詭弁を弄しているのが政府と東京大学の学者である。

東京大学の歴史的に果たした役割を冷静に見る必要性
東京大学という官僚を作る大学が、産学協同で日本経済を発展させてきた体質が、戦前の軍国主義を進め、戦後の護送船団のダイナモとなってきたことを皆知っている。その仕組みに組み込まれないと美味しい生活ができないことも日本の常識となっている。その東京大学の教授が知識人としてテレビに登場し、原子力発電の放射問題に関し、政府の発表と同じことを口にし、「政府の発表に従えば安全です」と言っている。国民は政府の判断に不安を持ち本当のことを知りたがっている。そのことを知りながら、政府の支配を受けたジャーナリズムが政府委員などをやってきた御用学者を動員し、政府の判断を追認している。しかし、実際の状況は、政府の発表や御用学者の説明とは違った事態の推移となって、国民は「東大の権威学者が予測できなかった事態」と感じ、不安は一層拡大している。

東京大学とその卒業生官僚とは
私は中央官庁の技術官僚として25年の経験の中で、多数の東京大学卒の官僚を見て、一人ひとりはすぐれた歯車として作られていて、官僚機構の中で大きな仕事を効率よくやってきたことを見てきた。しかし、官僚機構が果たしている機能を考えるときに、歯車としての官僚の利益になることを考えても、国民にどのように役に立っているかを考えないことを知っている。過去の歴史を冷静に調査し、その教育自体に反省し、「憲法を尊重し、国民を大切にする教育をすることがなければ、官僚製造大学の果たす東京大学の社会汚染の拡大は防止できない。そのためには、東京大学の教授は、「御用学者となって、政府からの利益を得ること」を自粛しなければならない。
私が関係した住宅都市問題においても同様のことが起こってきた。御用学者が開発審査会や建築審査会で都市計画法違反の規制緩和事業を容認することにより、住宅都市政策が如何に国民に資産をごみにし、都市を国民が住宅資産を失う場にしてきたかを、50年以上働いてきたことから自信を持って言える。国民がどれほどの苦しみを味わい、国民が住宅都市資産を守るためには、どれほど厳しい闘いをしなければならないかを身をもって感じてきた。原子力発電の現在及び将来発生する問題拡大の基本は、政官学の癒着により、官僚の無責任を御用学者が容認することで起きているのである。
(NPO法人 住宅生産性研究会 理事長 戸谷英世)


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