メールマガジン

メールマガジン第405号

掲載日2011 年 5 月 23 日

メールマガジン第405号(5月23日)
皆さんこんにちは
HICPMによる東日本大震災対策の提案
東日本大震災対策に対して、HICPMがホームページで提案を行っています。この提案は資産を失っていく都市や住宅地、衰退しつつある町の再生の考え方を提起しています。

被災前の不動産資産価値を国家が保証
日本国憲法は、国家と国民との社会契約であり、「国民の納税義務に対して、国家は憲法で保障した生命財産の保護」の契約義務を果たさなければなりません。これは災害の有無と関係なく、総ての場面に適用される「国家の原則」です。村や町、都市は歴史文化の積み上げられたもので、被災地は全面的に津波で流されてしまいましたが、この土地は歴史的にみて、かつての町を築き上げる「都市形成の潜在力」を持っています。この土地の安全対策を考慮し、復興し、再利用することが最も理に叶った土地の生かし方です。
HICPMの提案は、被災地の再利用・復興を前提に、津波によって資産を失った人たち不動産に対しては、国家が責任もって保証するため、不動産の経営管理特別目的会社(SPC)を設立します。その会社(SPC)は、不動産課税額相当の額面の株式を発行し、国家はその土地のインフラ整備のために発行株式の20%相当の額の株式を額面価格で購入し、公共施設整備の管理者負担金を出資として補助し、出資金で公共施設の整備をします。

津波に安全な「ノアの箱舟」
特別目的会社(SPC:Special Purpose Company)は、管理地を対象にマスタープランを立てます。その土地利用は、現在、福岡県で㈱大建が「荻浦ガーデンサバーブ」開発で建設中の半地下工作物「ノアの箱舟」を、津波対策を考慮して建設し、その上にリースホールドによる土地利用計画を立て、計画通りの建築物を建てます。最初、土地は実質的に「地価はゼロ」ですから、建築する人は「ノアの箱舟」という鉄筋コンクリート造半地下工作物(内部空間は利用可能)を購入するだけで、地代なしで建築物を建てられます。経済的には地価負担がゼロですから、恒久的な住宅だけではなく、経済活動は活性化され町は急速に成長します。
建設廃棄物造りとなる仮設建築物の建設を止め、仮設住宅代金分を補助金として恒久的な住宅を建築すれば、それだけ無駄はなくなります。上物を建築する費用がないときには、最初は床面積50平方メートル半地下工作物内を住宅利用し、そこで居住し、その後、その上層に木造2階建ての150平方メートルの住宅として完成させることも可能です。

急激に向上するSPC株式価格
町はマスタープランが先行するため、急速に経済活動を拡大し、10-20年以内で、破壊された当時よりすぐれた町を造ることは容易に想像できます。そのときには、地価は津波で都市が破壊する以前に戻っていることになります。その結果、津波で失った資産は、地価が回復し、被災前の価値を取り戻すことができます。町が復興したとき、従前の不動産所有者は、昔の不動産を取り戻すのではなく、それと同等以上の価値をもった特別目的会社の株式を保有することになります。特別目的会社は地価の回復に合わせ、保有する土地を賃貸し、地代を手に入れ、地代収入は株式配当となります。
最初20%の管理者負担相当額の投資をした国に対しても、地価上昇は同様に株式配当及び株価として還元され、必ず投資額以上の見返りを国にも、もたらします。津波で不動産を失った人は10-20年でゼロから被災前の不動産価値にまで回復すると予測できる株価を持ちますが、その株式は高い上昇率が期待され、「投資対象となる優良株式」となり、被災者である従前の土地所有者が当面の生活が苦しいという場合には、株式を売却することで生活費に充当することもできるはずです。

米国のニューディール政策の再評価
このような計画の考え方は1929年米国を襲った世界恐慌後にルーズベルトの採ったニューディール政策をHICPMが、今回の東日本大震災に読み替え応用です。ルーズベルトは完全に崩壊した国家再建のため、ケインズ経済学を始めて実践に使った政治家でした。財政的に余裕がない連邦政府が、ニューディール政策で明確に定めた到達目標に向け財政を合目的的に投資し、当面の職場を確保する方法で国家を救おうという考えです。
年間約100万戸の住宅を建設していた米国で、新設住宅が9万戸を切るところまで急落していました。当時の住宅ローン(融資率50%、償却期限5年)を融資率80%融資期間15年(やがて20年)に延長し、住宅購入費の30%の現金を借りることができ、返済額が従前の半分以下になったため、住宅購入者は救われました。
その犠牲になった金融機関は、長期のモーゲージを抱えて資金繰りに困ることになったわけです。金融機関に対しルーズベルトはFHA(連邦住宅庁)を創設し、銀行が抱えることになった長期モーゲージに政府の債務保証をしました。債務保証をされたモーゲージ証券(MBS)を、政府は同じく政府が創設したファニーメイに買い取らせました。金融機関はモーゲー証券を換金することができ、資金を用意に調達できるようになりました。その結果、MBSを基にした金融商品が生み出され、全米「確実な利息を生む有利子証券」として金融市場で取引されることになりました。2次金融、3次金融市場が成長したのです。

国家の政策:投資の方向付け(ベクトル)を揃えること
ルーズベルトはフーバーダムの建設、TVA(テネシー渓谷開発)や公共事業で国家の経済活動基盤を作る仕事で失業者に雇用に機会を与えました。毎日の日銭を稼いで家族の命を繋ぐ仕事が国家の将来の基盤を造るという政策が、恐慌からの立ち上がりを成功裏に進めることになりました。ルーズベルトはリーダーシップを持って、国民一人ひとりの労働力を国造りに生かすための政策の方向付けをしました。国民はルーズベルトの政策を信頼し、個々の小さい労働が国家再建に寄与しているという手応えを感じられたのです。ケインズ経済学はルーズベルトの強いリーダーシップにより大きな経済的成功を生みました。

日本の間違ったケインズ経済学の学び方
米国の経験を見て、都留重人等多くの経済学者が新しい日本国の経済復興の経済理論として、「ネコも杓子」も「ニューディール政策で成果をもたらしたケインズ経済学」を口にしました。石橋湛山に始まり、池田勇人の所得倍増計画は象徴的なものでした。日本におけるケインズ経済学は、「財政需要」を国家が国民の目の光る「国会での承認を必要としない」財政投融資をし、官僚主導の国家経済を拡大しました。
国家の主権者・国民に隠れ、政府・官僚(国の経営者)は自民党と結託し、日銀を使って金融界の経営を、会社の主権者・資本家を棚上げして支配し、金融機関が産業界と癒着し、経営者の利益を拡大する「護送船団」を形成し、経営者(官僚及び企業経営者)中心の利益を山分けしました。一部のおこぼれで、御用学者やジャーナリズム、一部の経営者に迎合する国民も潤しました。しかし、高度経済及びバブル経済で経済を拡大し、その崩壊で国民全体が見たとおり、ケインズ経済学の経済運営では、護送船団の関係者だけが潤った経済だったのです。日本経済破綻をケインズ経済学に責任を押し付け「ケインズ経済学の敗北」と言う人がいます。しかし、「狂人と刃物は使いよう」で、ケインズ経済学を経営者の利益誘導に悪用したかが問われなければならないのに、自らの責任を棚上げして総てをケインズ経済学のせいにしようとしています。

「サスティナブルコミュニテイの実現」
大多数の国民にとって住宅は最も大きな資産です。住宅資産が国民にとって健康で文化的な環境の一部として維持管理されるならば、経年しても価値が維持向上し、国民の資産形成が出来るだけではなく、国民資産の全体が国富であることから、国家も大きな資産を持つことになります。そのために重要なことは「資産形成の確実にできる住環境の形成、別の言い方をすれば「サスティナブルコミュニティの実現」となるわけです。HICPMでは、一人でも多くの人にその「理論と実践の仕方」を伝えるべく、HICPMがその会員とともに約12年間にわたって取り組んできた成果を冊子として纏めることになりました。また、冊子を一人でも多くの方に読んで活用してもらえるように、全頁カラーの簡易印刷で、印刷代の定価(通常のからコピー代と同じの1冊1,500円)で販売することにしました。その成果を広める事業をするためにHICPMの会員岡田幸一さんが、「プラスHICPM」を創設し、この『サスティナブルコミュニティの実現』をHICPMの販売条件で取り扱うことになりました。(NPO法人住宅生産性研究会 理事長戸谷英世)
PS:
Youtubeでパールバックの童話「つなみ」が多くの人に感動を与えて話題になっています
。その珠玉の短編が経書房から発行されています。Youtubeはご覧になってください。



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