メールマガジン

メールマガジン第414号

掲載日2011 年 7 月 26 日

メールマガジン第414号(2011・07・24)
皆さんこんにちは
先週は福岡県の(株)大建に「荻浦ガーデンサバーブ」の建築確認申請の準備にいってまいりました。3月末に(株)大建が、確認申請の事前相談のため、日本ERIに出かけてから4ヶ月を経過しようとしています。日本FRIは、大建の説明に対し、法律上の間違いが指摘できなかったにもかかわらず、申請者の計画が法令上の違反がないにもかかわらず、危険であるという不安のないことを分かっていながら、「前例がない」という理由で、福岡県(特定行政庁)に「下駄を預け」ました。福岡県の出先も同様で、「本庁の見解を聞かないと判断できない」ということで、直接本庁に説明に出かけることにしたわけです。
菅内閣同様、法律を粗末にし、自分が持たされた権力を法律どおり使えないことを日本の行政はどこでもやっています。㈱大建の仕事に、HICPMが顧問として関係して、毎月出かけていますが、その最大の目的は住宅購入者が、「住宅を購入して、資産形成ができている欧米の住宅地形成システム」を日本の法律に照らして適正に実現するためです。法治国のモデルになるような仕事をやって、住宅購入者を幸せにすることです。

「仏作って魂入れず」
足掛け3年(株)大建と仕事をとおして、欧米の社会で実施できていることを、日本社会でも実施したいと願ってきました。日本の法律は、立法者が立法時には意欲的に、欧米の法律制度を意欲的に取り入れているのですが、法律どおりの施行がされないため、「仏作って魂入れず」となっていることを再三味合わされてきました。その理由は、施行者が導入した欧米の法律を知ろうとせず、その精神が理解されないで運用されているためです。
日本の都市計画法及び建築基準法のモデルとなった代表的なものとしては、英国、ドイツ、米国の3カ国の法律制度があります。いずれの日本のモデルになった都市計画法も、日本以外の国々では、その法律の中だけで、建築物の土地利用計画から工事の完成まで、一体的行政事務のもとで、計画、誘導及び規制されてきています。しかし、同じ行政事務が、日本だけは例外的に、都市計画法と建築基準法という二つの法律に分解され実施されています。近代化の付け刃の法律制定が、官僚機構の縦割りで守られてきたためです。
「建築物を建築するまでの敷地の整備まで」を都市計画法が、そして、「建築物の建築に関しては建築基準法が担う」という法律の構成として仕切られてきました。建築物に関し、都市計画法では「予定建築物」と記載し、建築基準法では「建築物」と記載することでその法律の縄張りを区分したことにしています。
都市計画法と建築基準法は事実上一体不可分であることから、海外ではその関係を「サイアミーズベイビー(シャムの双子)と呼ばれる関係」と説明されますが、日本では「姉妹法の関係」と説明されてきました。先の3カ国の法律制度から、日本の法律として取り上げられたものは、「形骸としての行政行為」を条文として取り入れていますが、その行政行為をしなければならない魂(趣旨目的)が全く伝えられておらず、現実の行政担当者からは無視されてきました。

欧米3カ国の都市計画の導入内容
第1:英国の「都市農村計画法」が1968年日本の都市計画法のモデルとして採用され、英国の「計画許可制度」が日本の新都市計画法の「開発許可制度」と建築基準法の「確認制度」に分解して取り入れられています。しかし、開発許可と建築確認とは建築物を建築する一連の行政事務で独立して完結しているわけではありません。しかし、最高裁判所が開発許可と建築確認を、それぞれ計画段階と講じ段階の4段階が独立した行政事務であるという「法律違反の判例」を作り、法律との矛盾を大きくしてしまいました。

第2:1980年にはドイツの都市計画法の「Bプラン」(地区詳細設計制度)が、都市計画法と建築基準法に「地区計画制度」として導入されています。Bプランは「土地の所有権の及ぶ範囲と都市空間の社会性との矛盾を解決」するために、土地所有者が排他独占的に利用できる3次元都市空間の設計を都市計画決定したものです。しかし、日本では建築の計画基準を詳細に規制する詳細基準を定め、土地所有権と空間利用の矛盾を解決するための具体的な都市の空間設計によって社会的調和を実現すること役割を果たしていません。

第3:1950年には建築基準法がGHQの指導の下に制定されたとき、米国のPUD(計画的開発による一団地)が都市計画法による「一団地の住宅施設」と建築基準法の受け皿としての「一団地の設計制度」(建築基準法第六章第86条)として取り入れられました。そして、CC&RSの読み替えが建築協定(建築基準法第4章)として取り入れられました。しかし、現実の行政は、都市計画決定のない「一団地住宅施設」に第86条を適用したり、建築協定を確認要件にしないといった違法処分が特定行政庁により行われています。

本省の矛盾が法律体系を破壊
私が今でも悔しく思っているのは、建築基準法第五次改正を担当しているときのことです。私は建築指導課で、建築基準法の第1章総則と第2章単体規定を中心に担当し、第3章集団規定関係は市街地建築課が担当していました。都市計画法が2年前に英国の都市農村計画法に倣い、施行主体の国から都道府県に移行させました。国が知事に都市計画権限委譲に直面し、都市計画課は大童の状態でした。都市計画法と建築基準法の関係も開発許可制度の創設により、建築確認制度のうち第3章規定に関する審査が、開発許可制度でも実施できる法律構成になったため、住宅局では開発許可制定には反対を主張することになりました。しかし、都市化を都市混乱の圧力から健全な都市開発に転換するためには開発許可制度が必要であることを認め、大筋では都市計画法の成立に賛成することになりました。しかし、多くの矛盾は覚書で調整することがなされました。そのどさくさに紛れて、本来建築行政は都市計画決定されたことを実現する役割を担うべき立場にあったのですが、住宅局の中には都市計画決定に縛られなくて、住宅局独自で権限を行使したいと言う欲望が頭をもたげていました。官僚の権限行使の欲望が法律の体系を破壊していったことを阻止できなかったことでした。

住宅局官僚による姉妹法の蹂躙
それまで「一団地の住宅施設」として都市施設として都市計画決定したものに対しては、「地域地区」の都市計画決定による規制(建築基準法第3章規定)がかからないという法律構成上から、「一団地の住宅施設」に対する建築規制の根拠を建築基準法第六章雑則第86条がおかれてきました。住宅局の和田専門官と蓑原係長は、都市局を騙して、「『一団地の住宅施設』は既にルーティン化しているので、都市計画決定の手続きを省略して、住宅局で定めた『一団地の総合的設計』制度(要綱)でやらせて欲しい」と法律上できないことを都市局に要望しました。新都市計画法の施行で忙殺されていた都市局は、それを事務の簡素化程度に考えて、申し出が法律違反になることに気が付かず、その申し出を受け入れました。2人の住宅局官僚は、法律上できないことを知っていて都市計画課を巧く騙せたことに驚いて、「こんなにうまくいくとは思ってもいなかった」とその戦果を誇り、その後、建築基準法を口実にした制度要綱を作ることで都市計画法計画決定にしばられない事業を可能にする法律違反を推進することになりました。

護送船団方式の犯罪幇助を推進した小泉規制緩和
置き引きに始まった犯罪が、「発覚しなければ何をしてもよい良い」と、だんだんずうずうしくなって、略奪に及ぶと同じ行動が、「総合設計制度」(建築基準法第59条の2)です。今では、特定行政庁の権限で都市計画決定内容に平気で「穴をあけること」が、常態化し、「総合設計制度」のように国土交通省として、法律(都市計画法および建築基準法)に違反した準則まで作ってやらせるようになりました。この制度は小泉内閣のときの不良債権を良債権化する規制緩和の手段として始まり、やがて、都市計画法違反を犯して不正利益を手にする業者の不正幇助の手段として使われるようになりました。都市計画法違反による不正利益を追求する違反建築物が、既成市街地のスカイラインを変更させてしまうほどの違反を、行政が幇助してきました。行政法は違反を防止するもので、行政の強力・幇助なしには違反を行い、不正利益を上げることはできません。
政治・行政による違反の幇助は、その不正利益配分に与るためのものです。これらの業者を外郭団体に加入させ会費を支払わせるか、または、これらの業者に直接官僚OBを雇用させてきました。政治家は行政に違反幇助をするように圧力をかけ、政治家のパーティー券の購入や政治献金をすることで、不正利益の分配を強要してきました。
地方公共団体は住民税及び固定資産税、都市計画税の増収を意図して、公共団体が組織的に都市計画法及び建築基準法違反を幇助してきました。また、裁判所もまた行政の違反幇助を正当化して、行政法を良く知らない裁判官の裁判処理を共謀して促進し、自らの昇進と結びつけ、または退官後の天下りの可能性を拡大してきました。

千々に乱れた都市・建築行政
行政が法律を蹂躙し、司法が違反幇助した行政を幇助するようになると、法律で何を定めているかが分からなくなって、その調整を行政連絡会議のような法律の文理解釈とは外れた判断基準を前提にした法律違反の行政に終始することになります。法律の文理解釈を避けるため、法律違反の判例、行政通達、申し合わせ、前例と言った「法治国の法律判断の基礎にはならないもの」により行政実務が振り回されています。
福岡県の(株)大建では、「法治国の原点に立ち返って、行政指導や前例にしばられることなく、経済合理性を実現するために、立法の趣旨目的と法律の文理解釈、法律を支えている都市及び建築の合理的な知識に忠実に計画し、その実現を目指して行政手続きを採ってきました。紆余曲折がありましたが、これまでのところ大きな道草を食わされたことも事実です。しかし、今回の福岡県との議論を振り返って、「現状の行政に疑問をもって我々の真摯な取り組みに真面目に対応しよう」とする中堅の地方公務員が福岡県にはいてくれるということを観て、「まだ、腐りきってはいない」という救いを感じました。大建職員は、毎月のように私と法律論を繰り返してきました。元々補償事業をやっている会社で、合理的なものの見方のできる人材がいる会社ですが、都市計画法や建築基準法に関し、行政関係者にひけを足らない筋の通った議論をするように成長している姿を見て、「必ず事業を成功させることができる」という確信を深めています。

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大建が経験した問題の一部は、ビルダーズマガジンの「読者の質問のページ」にも掲載されていますので、是非ご覧下さい。



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