メールマガジン

メールマガジン第429号

掲載日2011 年 11 月 7 日

メールマガジン第429号(11月7日)
みなさんこんにちは
「明渡し断行処分決定」の異議申し立て裁判
先週の東京地方裁判所立川支部の「明渡し断行処分決定」の異議申し立て裁判の様子をお知らせします。8月12日から真夏日の続いた一週間、85歳と70歳の債務者の老人2人が自らのアパートから、地方裁判所立川支部の執達吏の手によって強制的に追い出され、入居できる住宅がなく、野宿を余儀なくされたた事件の後日談になります。

黒澤明の「用心棒」
マンション建て替え円滑化法に再三違反し、組合の認可を東京都知事から得た諏訪2丁目建て替え組合は、昨日11月6日も明治学院大学法科大学院で「日本マンション学界第20回大会のミニシンポジウム」という形で、「大規模団地建て替えにおける住民自治と合意形成」というテーマで実施されました。このシンポジウムのメンバーは、不正な建て替え事業を進めてきた関係者(建て替え推進専門家、多摩市、建て替え事業コンサルタント、建て替え事業者、設計事務所、建て替え組合理事長)で実施することになっています。
私がもう少し若かったら、黒澤明の「用心棒」じゃないが、殴り込みを掛けて、建て替え事業の関係者の罪状を暴いてやらなければ済まない気持ちになりましたが、今はそのようなやり方は「労多くして益がない」ことも分かってきて、出掛けることを止め、「情報を公開すること」に専念し、最終的に事態の判断をし、行動するのは国民であり、法治国の国民に自発的な最終的判断を委ねることにしようと考えました。

最判所の判決に対する「異議申し立て」裁判
裁判所で民亊保全法に基づき、債権者(建て替え組合)が債務者(2人の老人)に対し、債権者が本来の債務者の財産に対し、法律で定めた時価補償をすれば、2、600万円するべきところを、1、117万円だけを供託し、「明け渡せ」として債権者が請求した事件に対し、債権者の言いなりの「マンション明け渡し断行仮処分決定」が7月28日に出されました。今回の裁判は、その決定に異議申し立てを行った事件に対する裁判です。
断行処分決定から二週間後の8月12日に東京地方裁判所立川支部は執達吏を差し向け、債務者の老人2人をマンションから強制排除をしました。異議申し立てに対する決定がないにもかかわらず、強制執行を行ったことは、刑法であれば、「推定無罪」(如何なる被告も刑が確定するまでは無実の扱いを受ける)の考えを援用すれば、債務者は「推定非債務者」であって、その法律上債務者と確定できていない者の財産を強制的に奪うことは国家権力による犯罪(暴力行為)であるとして、被告発人村田裁判長を、目下、刑事告発もしているところです。多摩中央警察は、裁判官の告発に難色を示し、捜査は止まっています。

「公定力」を知っていることが裁判官の誇る法律知識
強制執行自体法律上の行き過ぎであるとの異議申し立てを行ったことに対し、本事件の裁判官は、民事訴訟法上の補佐人として出席した私に対し、「あなたは『公定力』と言う言葉を知っていますか」という質問をしました。「知りません」と答えると、鬼の首を取ったかのように、「『公定力』というのはね、公権力が決定したことには、基本的に間違いはないとされて、その決定に関係者が反対をしても、公権力のなしたことの異議があっても、それらに公権力自体は縛られないで、その決定どおりやれることを言うんだね」といい、「東京都知事の組合認可に反対をしても、最判所の決定に対し異議申し立てをしても、その決定は尊重されて、事業を進めることも、決定を実行することもできるということを言うんだよ。傾聴に値しないしようもない異議申し立てもあるからね...」東京地方裁判所がなした仮処分もそれ自体法律上やっていい、という不可解な回答でした。

弁護士との出来上がった裁判
これまで債務者から2本の準備書面(陳述)を裁判所に送りましたが、その中で裁判所を厳しく糾弾してきたこととあわせて、今回が裁判官(氏名は未確認)と最初の面接をする法廷でした。そこで、私が「何故、私が補佐人を勤めているか」という説明で、私自身が本事件の内容に精通していることと、債務者からの全面的信頼を得ていること、私自身立法にも関係したことがあり、私の専門分野に関しては法律上の対応ができるといった事前の自己紹介が気に入らなかったようでした。私は、「債務者には憲法で保障された裁判を受ける権利があり、高齢で、過去の法律に縁が薄かった債務者が、不正な債権者の言いなりに権利を蹂躙されていることは許されず、私は法治国としての債務者の裁判での権利が守られるために補佐人を債務者に依頼されてなっている」と説明しました。裁判官は、私に対して、「俺が神様だ」といわぬばかりの高飛車な態度で、「刑事事件と民事事件とは違うんだよ。推定無罪なんてことは、刑事事件だけのことで、民亊事件にはないことだよ。補佐人は少しは法律のことは解っているかもしれないが、君たちは弁護士を雇わないから、こんな初歩的なことが分からなくて、まともな裁判にならないのだよ。」と言いました。

民事訴訟と証拠主義
私は、「債務者(老人たち側)は、債権者(建て替え組合側)には原告適格がないということを審理することを求めてきました。村田裁判長はその審理をやらないで、債権者の言いなりの見解で裁判を進め、債務者の主張を一度として聞こうとしなかったことは、憲法で定めている国民の裁判を受ける権利を否定するものではないか。さて、裁判官の説明で『公定力』は分かったが、それならば、『公定力』で決定されたという建て替え組合の正当性の審理を求めている債務者の主張を、何故、事実調べをして、審理しないのか」と問題を投げかけました。すると、裁判官は「民事事件はだね、全て証拠主義だよ、君が求めている東京都知事の認可の証拠も、全て債務者側として出さなければ、審理の対象にも出来ないし、裁判官も裁判をやる前から提出されている書類は読んでいるのだから、公判を始める前から判決を決めていて、やる必要がないことはやらないのだ。」と言ってきました。

裁判長の職権
私は、「裁判官は憲法に決められた裁判をするために、本件における原告不適格(建て替え組合は、法的な正当性がなければ、原告:債権者ではない)ということに関し、裁判官の職権で資料の提出を要求することができるのではないか」と反論しますと、「その職権とは何かね」といいます。そこで私は「裁判官は法廷を仕切っているわけであるから、債権者に原告適格を立証させることをやるべき職権の行使であり、しかも本件の場合、民事事件ではあるが、強制権が付与されるのは行政権の介入があり、目下、行政事件としても本件は係争中であるが、裁判官は行政に対しても、事実確認を職権により求めることができるのではないか」と反論しました。裁判官はそれに反論できず、居丈高な態度を軟化させ、「この裁判はそれ以上聞いていても仕方がない、準備書面で、債務者は言いたい放題のことを言っているのであるから、裁判所としてはそれを見て判断する」との返答でした。

時価補償
私は、本裁判の元になっている明け渡し断行仮処分の前提になっている供託金が、時価補償になっていないことを追及し、「債務者の奪われる財産は2、600万円相当であるにもかかわらず、1、117万円という額を供託して財産を奪い取ることはおかしい。土地代として法定容積率100%使える土地に対して78%という減価率を掛けていることもおかしいし、住宅を奪われる債務者にそのマンション取り壊し費用を土地代から差し引くのもおかしい。区分所有法でも、マンション建て替え円滑化法でも土地と区分所有権との二つに対して時価補償せよと記述してあるが、区分所有権の保証がされていない。さらに75条の保証に該当しないという裁判所の判断自体が間違っている」ことを指摘しました。裁判長は「確かに補償金に関しては、債務者からの準備書面にあるとおり、いまひとつ検討する余地はあるかもしてないが、今回はそれ以上議論していても仕方がないので、これで結審することにし、後は、決定を待つように」ということで公判は打ち切られました。

組合員の財産の詐取をした建て替え事業者㈱東京建物
裁判の後、「何故、東京建物が1世帯当たり500万円の補償金を出すことを提示した理由」が分かってきました。それは建て替え組合が土地の鑑定評価を依頼した不動産研究所に働きかけ、組合員の財産である土地を、土地が適正な利用はできないという減価率という本件に適用することが適当でない指標を導入し、市場価格の78%という不当に低い財産評価で、約21億円を只取りし、実質的な移転補償両500万円のうち350万円はそれで充当し、移転補償料は150万円で済ませようとしたのではないかということです。そして建て替え組合を脅せば、500万円の補償金のすべてを支払わなくても済むと判断して、リーマンショックを口実の、「自治会が補償金の放棄をしなければ手を引く」と脅し、結果は組合員から、その財産権のうち350万円を騙し取ったということが分かりました。

国を相手にした裁判をする理由
最来週の11月18日は、東京地方裁判所で、国を相手にした裁判の第二回公判が開催されます。私は、HICPMが、住民を「法治国における居住の権利を守る」運動として、街造り運動とともに、納得の行くまで、この問題にも取り組んでいくことにしています。国民が、「憲法で決められたとおり」に、守られなければ、国民が国家と結んだ社会契約が反故になり、国民は納税義務を果たす必要もなくなり国家存立しなくなります。私としては、裁判の結果ではなく、法治国を守るために、全力を尽します。
私にとって意外なことは、日本のTV,新聞、雑誌のすべてが、この建て替え事業の不正を問題にした行政訴訟が、これまでに諏訪2丁目関連で5件以上行われていながら、その記事報道もなければ、当事者への取材もなく、専ら事業推進の提灯記事しか書かないのは、如何に広告宣伝を期待しているからといっても、あまりにも業者より過ぎると思います。
(NPO法人 住宅生産性研究会 理事長 戸谷英世)



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