メールマガジン

メールマガジン第434号

掲載日2011 年 12 月 12 日

メールマガジン第434号(平成23年12月12日)
皆さんこんにちは
GKK・HICPM「荻浦ガーデンサバーブの研修ツアー」
12月7日は、GKK(グローバル研修企画)とHICPMによる国内住宅見学研修会が開催されました。今回は、九州福岡の㈱大建が目下取り組んでいる「荻浦ガーデンサバーブ」を見学しました。
この計画は、これまでに日本でHICPMが創設以来取り組んできたサステイナブルコミュニティのの理論と歴史をまとめた

「サステイナブルコミュニティの実現」(NPO法人住宅生産性研究会刊行、定価¥1,500)

の中で紹介されている事業の総括的な、そして最初の本格的なニューアーバニズムの進んだ取り組みである。アサヒグローバル㈱の「泊山崎ガーデンテラス」(四日市)および工藤建設㈱の「ガーデンヒル」(横浜)で実現できなかった夢を実現しようとした事業です。

その概要は、以下に紹介するとおりのプロジェクトです。先に実施した2つのプロジェクトは、いずれもHICPMがコンサルタントとして計画を担当したもので、第1回長期優良住宅(まちつくり部門)で国土交通省が認定したものです。このいずれの事業もこれまでのわが国で取り組まれた住宅地経営事業としては最も優れた事業の一つであると確信しています。
「荻浦ガーデンサバーブ」は、多分、現在ニューアーバニズムによる計画として、わが国で最も進んだ計画で、今回の研修参加者は、工事中のもっと見分かりやすいところを研修でき勉強でき、満足度も高く、年末の忙しい時間を割く価値のあった研修になったのではないかと思っています。

㈱大建の住宅産業取り組みの経緯とHICPMとの関係
事業を実施した㈱大建は、九州において長年にわたり、公共事業の中の補償事業を実施した企業ですが、3年ほど前、公共事業の先行きを考え、新しい事業として日本の中で遅れている住宅産業に取り組む決意をし、まず、国内外の住宅産業と住宅事業の調査から始めました。住宅生産性研究会との接点が生まれたきっかけは、㈱大建の松尾社長が、地元の革新塾(経営塾)とHICPMの共同のセミナーで共通する「消費者を中心に考える」、「米国の社会の資本主義社会としての合理性と先進性に学ぶ」という共通した視点があり、住宅生産性研究会の指導を素直に受け入れられた素地ができたためと思います。

欧米の住宅産業による経験の学習
松尾社長は、GKK/HICPM研修ツアーで、米国のニューアーバニズムにより開発された多くの住宅開発を見学し、さらに、住宅地開発の原点とも言うべき英国でレッチワース・ガーデンシティ、ハムステッド・ガーデンサバーブ、ハーロー・ニュータウンを繰り返し訪問しました。その理論と100年以上の歴史を経た現在の住宅地経営の状況を見学しました。その後、さらに、環境都市フライブルクで英国のガーデンシティに倣って開発されたガルテンシュタットやヴォーバンのビオトープを見学しました。このように世界の工業先進国の150年の住宅産業の進んできた住宅地経営を学ぶことにより、理論と実践の成果を等身大の消費者の感覚で経験しました。

㈱大建の社内の一体的住宅産業参入の体制作り
さらに、松尾社長は、HICPMが約10年間にわたり実施したハウジングアンドコミュニテイ財団において実施した「資産形成を実現する住宅地開発研究」に参加しました。そこで現在世界が取り組んでいる最先端の住宅地開発理論を日本に応用する研究に参加し、現代の住宅産業の課題の勉強もしました。それとともに、会社内幹部とカリフォルニアに出かけ、米国内では最も土地の高度利用をしている住宅地を見学する一方、社員にも米国のニューアーバニズムによる住宅地の見学ツアーに参加させ、会社として進むべき方向を社員に明確にすることをしたことが、「急がば回れ」の取り組みになりました。

㈱大建が会社の総力を発揮させた方法
住宅生産性研究会は、この「荻浦ガーデンサバーブ」プロジェクトの最初から顧問として参画し、計画の立案から工事の施工まで、これまでの会員に対するアドバイスやコンサルタントでできなかった「夢」を、この事業で実現しようと考え、㈱大建と一体的に取り組んできました。
まず、社員の知識の向上と、社員のもてる能力の発揮できるようにすることが最初の取り組みでした。「仕事は人がするものである」ということを、今回ほど学んだことはありません。
松尾社長が社員の多様な能力を発揮できる環境づくりをし、多様な社員の力が同じ方向性を持って相乗効果を発揮し、これまで事業を組み立ててきたといえます。会社の方向付けを社員がはっきり確認するようにできたのは、松尾社長のリーダーシップと並んで、畑専務が「住宅地の模型」を作ることで具体的な事業のイメージを社内で共通でき、河野プロジェクトリーダーが確信を持って事務的な纏め、中でも福岡県との対応をしっかりやってきたことがあります。

「荻裏ガーデンサバーブ」の計画概要

住宅所有者の住宅による資産形成
福岡県糸島市で㈱大建が開発中の「荻の浦ガーデンサバーブ」は、居住者の世帯年収(年収約600万円)の3倍以下の価格(平均1900万円台)で「資産価値の維持向上できる住宅」(住宅所有者が売買差益の得られる住宅)の建設を進めてきました。
敷地2,700㎡の土地に、半地階を断熱型枠を使い蓄熱機能を持った「鉄筋コンクリート造の船」として、軟弱地盤でも地震に強い構造の人工地盤として造っています。人工地盤の上部には、木造2階建てのタウンハウス18戸(延べ面積約150㎡)が敷地境界線に接して建設しています。

タウンハウスによる土地の高密度利用と雨水のビオトープ循環利用
タウンハウスにより通常の宅地分譲であれば12戸が最大の敷地に、18戸の住宅(1住戸に1台の自動車駐車場つき)を建設する土地の高密度利用が可能になり、その敷地内部には約400㎡の泉水のある2段の池をもったビオトープのある公園を計画することが可能になりました。さらに、公園の地下には100トンの敷地内降雨と家庭で使用した雑排水の一部を貯留するタンクを設置し、敷地内のビオトープの水源として活用しています。各住宅にアプローチする道路は、幅員6メートルの浸透性舗装と芝で覆われた緑道に、この地域に昔から生育する在来種の樹木の並木を取り入れ、在来種の鳥や小動物昆虫の計測できる森の緑で囲むように計画しています。敷地の南側には、太陽光発電パネルが45メートルの長さに設けられています。

地域の動植物によるエコロジカルな体制の強化
道路内部にも、樹木により立体的な森林公園にし、開発敷地の全体の3分の1は、事実上公園になるように計画されています。その中央には地下タンクから汲みあげられた水が流れ始める水源池を造ります。そこには、地域の水生植物、動物、鳥類、昆虫などの生息を促し、休息する場所となるように計画されています。開発地自体は米国に調査に出かけ、ニューアーバニズムの経験を学び、リースホールドによる住宅地経営の原点を英国に出かけて学び、環境としフライブライクに出かけ、ビオトープを取り入れた街造りを学び、糸島市の荻浦の地域の自然環境と人間の絆の回復プロジェクトとして展開されました。

九州大学との共同研究
水と緑の計画は、地元の九州大学との共同研究として取り組まれてきました。これまでの地域開発により環境破壊が進んできた反省に立ち、開発により地域の環境回復をするという逆転の発想で、小さな開発ごとに破壊された環境を修復連結し、サステイナブルコミュニテイの実現が進められています。大学には研究費用や研究能力があっても、研究対象とする実験体を造る費用は少ない状況です。住宅開発業者自身が実験体になることで、大学と民間事業者双方が望んでいる国民のニーズに応えた実験が可能になりました。

微小地区の気候形成とエアコンを必要としない住宅計画
豊かな緑による炭酸同化作用により太陽熱消費と、地中の水の蒸散により気化熱が奪われ、この敷地の微小気候として、地方気象台発表に気温より2℃程度気温が引き下げられます。また、断熱型枠を利用したコンクリートの船の外殻蓄熱、建築物のエンベロップ(外殻)の断熱および屋根のアルミ鏡版による遮熱(反射)により、外部気温より3℃引き下げられます。その効果を合算することで、真夏日でもエアコンに頼らない住宅の提供が期待されています。この計画は、ヒートアイランドを逆転した発想が計画として実践されています。

住宅地経営管理協会と黒子になったデベロッパー
本計画では、住宅所有者全員参加の住宅経営管理協会が形成され、住宅地を計画し建設してきた開発業者を環境の維持管理会社として、開発後も、継続的に維持管理の行政部門を専門知識と経験で担います。そのことによって、入居時に約束された住宅地の熟成を果たし、多くの人たちの憧れの住宅地とすることができます。その結果、需要者が常に供給者を上回る売り手市場が形成され、不動産価格(資産価値)が上昇する良循環が形成されることになります。

資料の有償頒布と現地見学開設の有償サービス
現在計画され建設工事が進んでいる現場を多くの人達に見ていただきたいと思い、今回現地見学研修を企画し、25名の参加者がありました。私はもっと多くに人たちに見学して欲しいと思っています。そこで㈱大建にお願いしまして、「資料代を見学者に負担していただいて、見学者に説明サービスをしてくださるよう」にお願いしました。また、「現地の出かけることができなくても、基礎資料サービスを有償でして欲しい」とお願いしました。
松尾社長からは、「お役に立てていただけるなら喜んで協力いたしましょう」と快く受け入れられましたので、本メールマガジン読者の方々に置かれましては、是非、本計画にご関心をもって、まず、資料をお取り寄せいただくか、ご都合がつけば、現地にお出かけになられたらと思っています。

なお、㈱大建の連絡先は、:電話番号092-820-3900、住所、福岡市早良区南相丁目9番12号、広報担当者名、橋本広大

GKK(グローバル研修企画)には、来年には、また、工事の節目と、完成段階での研修ツアーを計画してもらおうと思っています。そのときはまたご案内をすることにします。

PS
「蓼科便り」で安江さんが、youtube(ユーチューブ)で「英国ドイツ街造り」で、GKK-HICPMツアーの現地報告に、+HICPMの岡田さんが作成したビデオ編集に、に安江さんが解説を加えた西欧住宅・都市・建築セミナーが掲載されていますので、ご覧になってください。

今回の㈱大建の「荻浦ガーデンサバーブ」セミナーの松尾社長のセミナーを聞いて、小林さんが「戸谷さんの説明よりずーと分かりやすかった」と言わせたと同様に、画像と解説によって、私のセミナーより分かり易いものになっていると私自身、「わかりやすい」と評価しています。



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