メールマガジン

メールマガジン第435号

掲載日2011 年 12 月 19 日

メールマガジン第435号(12月19日)

皆さんこんにちは。

法治国の恥

「法治国」のはずの日本は、どうなっているのでしょうか。目下、私が関係している裁判についてお話しましょう。建築基準法及び都市計画法違反の事実が明らかな日本で最も高額な賃貸マンション、ラ・ツアー・ダイカンヤマは、日建設計、住友不動産及び渋谷区が結託し、「建築基準法と都市計画法違反」を「違反ではない」と渋谷区長が言い、開発許可にも、建築確認に違反した建築物を建ててきました。もし、建築基準法を正しく適用したら以下の行為がどうして可能になるのでしょうか。


「嘘は大きいほど真実味を帯びる」(ヒトラー顔負け)」の違反のデパート

(1)法律上、延べ面積1万8千㎡しか建てられない建築物が、どうして、約1万㎡以上の2万9千㎡も大きな延べ面積の建築物が建てられるのでしょうか。それによる不正利益は、少なく見積もっても、100億円になります。

(2)用途上、機能上、構造耐力上、一般構造上、一体の一棟の建築物が、地下階に造られた「一体の2階」の構造の上に、10塔(棟)のマンションとして建設され、どうして「一階平面を建築面積とする10棟の建築物」として扱うことができるのでしょうか。

(3)開発許可を受けようとすれば、当然設けなければならない開発道路と。その開発地から、幅員9メートルの道路まで取り付ける道路部分を「一団地の住宅」とすることで、そのすべてを「道路」ではなく「敷地」の扱いを何故認めることができるのでしょう。

(4)開発許可が下り、開発行為が始められる前に、建築敷地の実体が存在していない状態(建築敷地が未整備の段階)で、どうして敷地を確認し、建築確認済み証の交付ができ、建築行為の着手を許すことができるのでしょうか。

(5)「一つの玄関、一つのレセプション、一つの廊下」を通らなければ、10の住宅(塔)棟に出入りすることのできない確認申請上「一棟の建築物」を、工事最終段階で「設計変更」という形式で、最終段階で「連絡廊下」が造られ一体の建築物に変身している。

(一体、渋谷区長はこの建築物は、「10の建築物」、または、「一の建築物」のいずれと判断しているのか。多分、「どちらでもかまわん」と知らぬ顔の半兵衛を決めている。」

(6)開発許可と同時に始められた建築工事がされ、開発許可の内容を確認することができないのに、どうやって開発許可の完了公告が出せるのでしょうか。開発許可による完了公告と、ほぼ同時期に、確認に関する工事検査済み証が交付されている。


官民癒着の違反開発と違反幇助の「護送船団方式」

開発許可や、建築確認に関し、渋谷区長は大手業者に対しては、違反業者の立場を擁護して違反幇助に努め、部下の役人たちは、基本的に卑しく、違反業者に卑屈になって好意的に対応します。その理由は、財政が厳しい現在、固定資産税収が上がる仕事と、住民税の拡大する事業に対しては、積極的に誘導するようにする指示を受けているからです。

一方、大手業者は違反で得た不正利益を政治家に献金をし、また、役所の外郭団体に帰属し、役人のOBの骨拾いをする費用を不正利益から負担しています。支部役職員は区長の覚えや、関係する政治家の引きで昇進します。役人全体が自分たちの「ムラ(村)の利益」のために組織的に取り組んでいます。指定確認検査機関はこの制度ができたとき以来、懸念されたとおり、不正幇助を営業手段にしているため、不正は拡大こそすれ、少なくなる様子がありません。

「法律解釈」と行政関係者が言っている法律施行は、いつもダブルスタンダードで、自分に利益をもたらす人に対しては緩和(脱法)できる解釈を持ち込み、国民一般で、特に行政に楯突いているように思える人に対しては、厳しく法律解釈をし、国民の利益を削ぐように適用しています。今回の手品のやり方は、次のような方法です。


「違反開発」の手品のからくり

第一段階のからくりの序曲(思い込ませの方法):

手品師は、敷地に10棟のマンションの1階平面図と、10棟のマンション塔(棟)があります。配置図をご覧になればお分かりのとおり、10棟のマンションにはそれぞれ対応する敷地があり、建蔽率、容積率ともに建築基準法に定められた法定基準値に適合しています。つまり、建築確認申請は、「10の建築物」として行います。


第2段階のからくり(手品の中心):

10棟のマンションは、「一団の土地」にあります。よって、建築基準法第86条に定める「一団地」をなしていますから、開発地全体を「一の敷地」として扱うことが出来ます。この手続きは、国土交通省も「都市施設としての都市計画決定をしなくても特定行政庁の権限で、地域地区の都市計画決定を蹂躙してよい」と法律違反を認めているので、その例に倣って「一団地」の扱いをします。(敷地の地下の建築物をこの手品では見せません。)

種も仕掛けもありません。第86条という「一団地の魔法」を掛けますと、敷地内の「開発道路」も「取り付け道路」も、ご覧のとおり、見事、すべて「通路」になり、法律上の「敷地」になって、容積を56%も大きくできるようになりました。」

(渋谷区長、住友不動産、日建設計共同制作手品の「種」の解説です。


第3段階のからくり(手品の仕上げ)

このマンションは、起伏のある敷地に建っていますので、その地形を利用し、マンションの周囲に空堀を掘り、地下建築部分であっても光を取り入れ住宅を建てることができます。

(からくりは、本当は、空堀ではなく、地盤面の切り下げです。建築基準法では、建築物の高さを地盤面の高さから計測します。建築物が土地と接する部分の高さが地盤面です。)

しかし、この建築物では空堀を造り、その空堀を盛り上げて外からマンションの高さを高く見えないように計画しています。空堀を囲む周辺道路は幅員4メートル未満の2項道路ですので、4m.に拡幅しても道路からの仰角で、高層階を見えないように造りました。平均地盤面を操作しても、とても法定高さ(12メートル以下)には納まりません。

それでも、法律に適合する「ウルトラC」として、「総合設計制度」を使います


総合設計制度

「総合設計制度」は、建築基準法第3章(「一敷地一建築物」の規定で、第59条の2を根拠にする規定です。第2段階で、都市計画決定として「一団地の住宅施設」の都市計画決定をせず、都市計画法第8条(地域地区)を無視して第3章規定を適用しなかったと同様のやりかたです。今回は、第6章雑則第86条「一団地の総合計画」という扱いをしていたことを「忘れてもらって、第3章規定の第59条の2を根拠とする総合設計精度を適用します。

第59条の2は、開発地の周辺地に対して、周辺地には存在せず、周辺地が希望し利用できる空地を提供した場合には、開発地を含む意団の地区としての法定容積率の範囲で容積と高さの移転緩和ができるという趣旨の扱いができる、いう条文です。

そこで、「一団地の総合的住宅計画」に呪文を掛けますと、「一団の土地」が、「一建築物のために一一敷地」に変身し、第59条の2が適用できるようになります。そこで全ての仕上げがきれいにできあがりました。

しかし違反を重ねてきたこの事業では、法律の趣旨などどうでもいいことで、第59条の2により特定行政庁権限で「総合設計制度」を使ってできることは、「何でも認めてしまえ」、

「建築物の高さも、事実上、20m.にもなりましたが、地盤面の操作をして、18mに納め、適法な建築としてたてることができました。どうですか、皆さん、第2種住居地域にふさわしい高さに見えるはずです。」


東京地方裁判所及び東京高等最判所の判断

行政事件訴訟法に基づく裁判に当たって、裁判官は行政に関する知識経験が不足している上、行政法規の背景になっている都市、建築、住宅に関する専門知識を持たないため、基本的に市井の一般国民と同じ素人の恣意的判断を予見として抱き、法律ではなく、通達、内部規則、行政実例、行政庁の判断に従って裁判をしてきました。それでいて、法律の専門家であるという「歪んだ誇り」で裁判に臨むため、枝葉末節的な法律論理をごり押ししようとしてきました。

開発許可処分の違反や確認処分の違反を争うという場合、その違反として争われていることではなく、処分の争える期間は、「処分の確定時期まで」という法律に根拠のない土俵を先に決め、処分が確定したら「その処分自体を訴える期日が過ぎた」ので訴えることはできないという、驚くべき判例を最高裁判所が作ってきました。そのため、本裁判でも。東京高等最判所は、処分の違反の事実を審理せず、処分を行政が確定したので、裁判所はその審理自体をする必要はない、という馬鹿げたことをやっています。行政処分が確定したことは、違反の事実が確定しただけのことで、国民の訴えの利益は全く消滅していません。

目下最高裁判所への上告審の準備中です。どこまでやれるか、原告サイドとしては、反省のない最高裁判所の判事たちに、いかに憲法違反の恥を国民の前にさらしているかということを自覚させなければなりません。

司法、行政関係者及び行政学者の方ででご意見、反論をお持ちの形はご縁了なさらないでお申し出下さい。

(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世)



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