メールマガジン

メールマガジン第436号

掲載日2011 年 12 月 26 日

メールマガジン第436号(12月26日)
みなさんこんにちは
世界の財政危機
今年最後のメールマガジンです。
連日の新聞やTVを賑わしている記事は、来年度予算では、民主党が政権に付くために国民に約束したマニフェストを守らず、その中心は無限に拡大する赤字国債です。欧州ではギリシャの国家財政破綻がきっかけに、ユーロ全体がその経済基盤が危険視されているにもかかわらず、破綻に瀕しているヨーロッパの経済破綻国よりも、はるかに大きな国債発行残高を抱えている日本の政府は、理由はよく分からず、国民に説明ができず、円高傾向が持続しているため、全く危機感がありません。新年度予算は昨年同様、税収の2,5倍以上の予算を組み、財源の60%は国債に依存しています。

「国債大国」日本は大丈夫か
個人の家計で考えれば、所得の2,5倍の家計支出を続けていて、その将来が成り立つわけはありません。国債比率がこのように高いにも拘らず、なぜ円高が続いているかという説明は、国債の消化が日本の場合には、国家が護送船団方式で金融機関を支配し、金融機関に対し国債を購入させ、また、政府がその一般会計の2倍以上の規模の財政投融資によって、郵便貯金、生命保険、国民年金、厚生年金を運用する中で、これらの国民の広義の貯蓄を、「国債の購入」に当ててきました。その結果、海外の金融機関や外国に日本国際を購入させないで消化しているため、海外から見ると、日本は海外に対しては、信用力の高い「無借金国」です。

国民の1400兆円が国の返済不能の借金証書に
分かりやすく言えば、日本の国債、つまり、国の借金のほとんどが、国民の預金を使って肩代わりされているのです。日本では個人の貯蓄が大きいといわれますが、その貯蓄の中には、通常の金融機関に対する貯蓄のほかに、各種保険や各種年金、各種証券や各種株券の全てが含まれています。そして、これらの金融機関に預託されている国民の貯蓄は、その運用機関が国(主として国債を発行してきた財務省)から天下り人事で支配され、半強制的に国債の買取を強制されてきました。その国債の保有残高が200兆円に昇っており、建設国債30兆円と赤字国債の発行は毎年20兆円に拡大するため、5年後には、300兆円に拡大することが予想されています。

「税は何処に使われているか、」日本と欧米の基本的な違い
一方、国民の貯蓄総額1,400兆円に比べると、まだ国債の消化能力は十分あるとされることが、日本の信用力には、まだ十分余裕があるという説明です。そのうえ、消費税率は、軒並みに20%を越える高水準にある欧米に比べ、日本は5%と低い水準にあることをもって、日本の担税力には、未だ十分余裕があると説明されています。しかし、消費税の高いヨーロッパの工業先進国では、「国民の生活基盤の整備に必要な家計支出で負担するもの(支出)は、国家で集める税によってその共通する部分は、基本的に、支出をする」という考え方があります。国家から国民に、納税と税支出の関係が解り易く説明され、税負担が大きくなっても家計支出が減少するということで、税額が絶対額として大きくなっても、それを納得して受け入れてきています。税が国民の収入から国民と無関係なところに使われるものとして奪われているという感覚はありません。

税金は「護送船団関係者の食料費」に消費されている日本
日本の場合には、税収は公共事業、医療・薬事事業、福祉事業、景気刺激のための補助事業、軍需産業、などいずれも国家の経済政策その他役人が主導権をもって、財政支出で支えてきた産業支援のための支出になっています。それは住宅産業も同じで、国民の住宅購買力の支援と言うのは口先だけで、その実体は、産業、政治、官僚で構成される住宅産業界を自分の利益を守る地盤(護送船団)と考えている人たちの利益誘導を可能にする税金支出でしかありません。説明としては、国民の住宅水準を維持向上させるための住宅産業補助金と言っていますが、それは決して住宅を購入する国民に還元されるものではなく、それらの産業を廻って、最終的には護送船団の構成メンバーに利益が還流する仕組みになって、採集の国民のところまで行き届かないようになっています。そのため、税金として現在以上に高くすることは、それだけ国民の家計支出を圧迫するだけになり、事実上、国民には、「これ以上増税を受け入れることは、不可能な状態」になっています。

「税と福祉の一体改正」の本質
野田内閣は、その税収の内容が、「国民からの収奪にしかなっていない」という説明を、「税と福祉の一体的改正」と、あたかも今回に限り、「増税分は国民の福祉に仮って使う」と説明しています。その説明は、裏を返せば、これまでの徴税は、「国民のためではなく、護送船団の構成員の利益のため」と言うことにもなります。しかし、今回の消費税の増税が国民のためではなく、やはり、「護送船団の利益に使うべきだ」という政治と官僚の強い圧力があるため、国民の税負担の苦しみを「徐々に進める」といっただましの策がエスカレートするように講じられています。表向きは景気刺激、国債発行額の縮小、国民福祉の拡大と言った建前を説明し、それを御用学者に賛美歌として歌わせて、税痛を少し筒高めていくやり方を取ろうとしています。御用学者も護送船団の仲間として国民の利益を奪う仲間の一部です。福島原発では、御用学者の果たした役割がばれてしまいましたが、これは御用学者に共通したことです。

「国民の貯蓄を返済不能が危惧される国債購入に充てる」正当性
そのようにしても、国債残高の急増に対し、政府は表向き、消費税の拡大で、国債発行額の拡大を押え、国債残高の膨張を抑えようとしています。しかし、それは国債の減少分を国民に消費税として税負担で拡大しようとするだけで、見せ掛けの手品でしかありません。そのような手品をしても、なお、国債残高は拡大し続けます。その国債は税収で対応できず、その消化のためには、さらなる赤字国債の発行は避けられません。そこで、これまで同様、国民の貯蓄を国民の知らぬ間に、各種貯蓄を集め運用管理している郵貯、厚生年金を始め、各種金融機関、各種保険、各種保険機構に天下りしている官僚OBが、「資産運用」を口実の財務省の指導で国債を買い続けることになります。

国民の貯蓄による国債買い支えの限界
その国債が確実の返済が出来る間は、約束の金利を支払ってくれる優良債権ですが、国民の貯蓄残高を国債が食いつくし、国民の貯蓄によってその国債を買い支えることができなくなったときには、国債は破綻(デフォルト)することになるのです。その時期が何時やってくるかは、国民の貯蓄の内訳とその運用の実態と国債残高の増加の傾向を見れば、容易に想定することができます。多分、今の状況ですすめば、国民の貯蓄総額1,400兆円の中で、国債の購入に向けられる余裕はその3分の1にも満たない額と考えられますので、そんなに長くもつことはできません。仮に大きく見積もって利用可能額が450兆とすれば、10年とか、長くても20年持つかどうかと言った期間になると思います。

政治とは、国民の生活の将来に向けての舵取り
野田内閣のやろうとしている、「マニフェストをなぜ変えなければならないか」と言う長期展望を捨て、目先の政権維持のため、護送船団と言う取り巻きの利益を拡大することに財政を湯水の如く使い、国民からは消費税を拡大し、国債を発行し手国民の貯蓄を使い続ける財政は、あまりにも自分勝手な政策ではないでしょうか。国際的な支持を高めるために、中国国債を買い、ビルマを始め発展途上国にはODAを使い、国際的な関係を国民の借金で進め、延命を図ろうとして目先の国際的指示をとるいるやり方には、賛成できません。

今年の民主党の政治を総括すると
民主党内閣は、東日本大震災で始まり、年末まで被災地は、全く手つかずの状況です。建てられた仮設住宅だけが、護送船団の利益のための公共事業で、住宅は建てられて利益を得た者の建て逃げで、仮設住宅は空き家が一杯です。護送船団関係者の利益のために赤字国債の大発行で今年を締めくくろうとしています。そこにはひとかけらも国民の生活実感が政治として反映されていないように感じられます。国民の目をあっちこっちに振り回して、ジャーナリズム向けの仕事をしてきただけの政治です。しかし、悔しいのは、その体たらくの民主党に、適切な対応、批判をどの野党もできていないことです。日本に政治はなく、官僚が中心となった護送船団だけが国内を荒しています。来年に向け何らかの対策を考えなければと思っています。

(NPO法人住宅生産性研究会理事長 戸谷英世)



コメント投稿




powerd by デジコム