メールマガジン

メールマガジン第449号

掲載日2012 年 3 月 26 日

メールマガジン第449号(3月26日)
皆さんこんにちは
日本の法治国を根元から狂わせている組織は、裁判所ではないでしょうか。

刑法上の犯罪者を幇助する東京地方裁判所立川支部の判決
1.今回の裁判の事実関係

先週3月15日には東京地方裁判所立川支部の修繕積立金の判決が出されました。結果は却下の判決でした。平成22年3月マンション建て替え決議がなされ、平成22年12月に東京都知事の建て替え組合認可がなされ、諏訪2丁目住宅管理組合の解散が事実上決定されました。これまで住宅管理組合がマンションの区分所有者全員から、管理を任されていたマンションの修繕積立金をマンション建て替え決議がなされた日に在籍していたマンション管理組合員に均等配分することが住宅管理組合総会で決りました。

2.諏訪2丁目住宅管理組合による違法建て替え事業
しかし、住宅管理組合は、4人の建て替え事業に反対してきた組合員には修繕積立金を配分しませんでした。所有権移転登記が法的に実行されていないにも拘らず、区分所有権を組合に譲渡に反対した2人の組合員に対して、裁判所は明け渡し断行仮処分を認め、強制執行を認め、マンション自体を取り壊してしまいました。そのときの供託金は、法律で評価される「時価」の3分の1程度です。その明け渡し仮処分断行の結果、84歳の老人は仮住まいも見つからず、10日間もの野宿生活を余儀なくさせられました。

3.住宅管理組合による修繕積立金の詐取横領
そのうえ、住宅管理組合は、マンションの区分所有権は組合が供託した時点で組合のものになっていると主張し、それを裁判所が認め、組合が供託したマンションの区分所有権を権利変換計画により建て替え組合に移しました。その際、住宅管理組合は、「修繕積立金の分配を受ける権利も、区分所有権と一緒に住宅管理組合から建て替え組合に移転する」という違法な主張をして、修繕積立金まで取り上げてしまいました。

4.刑法上の違反(詐取横領)を幇助した東京地方裁判所立川支部
区分所有権は建て替えの権利変換計画により建て替え後の建築物に移転しますが。修繕積立金は取り壊す前のマンションの修繕積立金であるから、マンション建て替え円滑化法第4条の内容を定めたマニュアルの定めに従い、「建て替え決議をした時点の区分所有者に分配するべきこと」は、当然のことです。しかし、住宅管理組合は、建て替え反対者に修繕積立金の分配をせず、詐取横領したのです。裁判所は、刑法上の犯罪を犯して修繕積立金を詐取横領した住宅管理組合の主張をさらに補強する形で違反幇助をした判決をしました。

5.東京地方裁判所立川支部だけの異常か、それとも司法全体の問題か
これまでの三つの東京地方裁判所立川支部の判決(所有権移転、明け渡し仮処分断行、修繕積立金分配)は、全てにおいて、「マンション建て替え事業主のやりたいとおりの違反幇助」を繰り返してきたといわざるを得ません。事業自体が違反が繰り返されましたが、裁判所は、違法な建て替え事業を審理対象として全く取り上げず、建て替え推進の方向で住宅管理組合の嘘で固めた主張にさらにその違反を補強する形の判決を繰り返してきました。司法が建て替え事業の肩を持つ理由は、一体何でしょうか。
日曜日の午後に、控訴を提起するための最終打ち合わせをしました。月曜には控訴します。

ニューアーバニズムの調査報告(前号の続き:その4)

DPZ(アンドレス・ドゥアーニーとエリザベス・プラター・ザイバーグ)による最初のTND(伝統的近隣住区開発)シーサイドと隣接ウォーターカラーと10年後のマリーローズビーチ

1.シーサイド
3月の研修ツァーの際、シーサイド現地ツアーが始まるまで、ツァー参加者はそれぞれシ-サイド内の街並み景観調査・見学を行い、午前9時、シーサイド内の公式ツアーが始まりました。
シーサイドのタウンセンターから約3時間掛けてシーサイドの計画の重要な道路計画(歩車道の区分とその計画の仕方、フットパスの計画)、街並み景観計画、植栽計画、建築計画、を見学しました。シーサイド計画では、共通して、「誰を対象に、どのような生活文化ニーズを満足させるか」という本事業の目的や対象を意識的に絞り込んだことに特色があります。例えば、「シーサイドにはスパニッシュコロニアル様式の建築は許さない」、「自由なデザインでも、フェンスは必ず白で造る」、「造園は、当地の自然植生に拘る」とかに現れていました。全体の「基本コンセプト」を徹底して守り、これらの技法を繰り返すことで街並みのリズムが作られ、一体感のある街並みの特長をつくっています。

計画は、「基本コンセプト」を守る前提で、「個々の住宅購入者の創意工夫を引き出」し多様性を生み出し、帰属意識の高い住宅地としています。シーサイドの生活空間は、5分間(徒歩距離)で街の中心に辿り着けるフットパスを軸に、居住者(生活者)が相互に干渉をせずに、相手を尊重し、相手の生活に関心を持つような街を形成している。
リゾートコミュニテイでも重要なことはセキュリティである。そのため、多種多様な方法でパトロールが行われ、鍵を掛けずに出かけても、不安を感じないほどの安全が実現されていた。もし、セキュリティの不安が発生したら、コミュニティの資産価値は失われます。セキュリティは、資産価値を決定する重要な要因です。
シーサイドには、地域の公立の学校や、商業、業務施設なども取り入れ、周辺の地域に開放された住宅地」として計画されています。道路計画も、外部からこの地域に必要があってやってくる交通に関しては、その量と速度を規制し、シーサイドの環境は守られるとして、あえて自動車の進入を拒否せず、むしろ積極的に受け入れています。

2.ウォーターカラー
シーサイドを取り囲むように造られたウォーターカラーは、塩水で囲まれたコミュニティと、淡水で囲まれたコミュニティーにより構成されています。ツァー参加者は住宅地の中心にあるワインレストランで昼食をし、街の雰囲気を味わってから現地を見学しました。ウォーターカラーの計画は、地元植生を利用し水彩画を描くように、苗圃で育てた植生をパレットから画板に移す水彩画を描く方法で造られた街並みです。ウォーターカラーは、世界的な人気を博したシーサイドと居住者が往来し合える特色を生かしながら、シーサイドとは違うリゾート開発として個性を主張し、集客に成功してきた。
シーサイドとは違った個性豊かな既存の自然環境を生かした住宅地を造り、シーサイドとの相乗効果をあげるリゾートの魅力を発揮しています。
「どのような人たちのニーズに応えるか」という視点で、特色をつくることが、如何に重要かということをシーサイドと比較し、理解できました。「建築のデザインや植生が担っている歴史文化を居住者がどのように享受できるようにするか」という重要性と難しさを教えてくれる事例です。住宅地の設計者の能力が、魅力的な生活の文化性を提供しています。

3.ローズマリービーチ
シーサイドやウォーターカラーとも違うヨーロピアンテイストのローズマリービーチには、その豪華さによって別の魅力を感じました。この地区の計画は、1995年シーサイドの計画者であるDPZが担当しました。シーサイドの計画と基本的に同じニューアーバニズムによるものですが、都市のデザインとしては、全米で人気のニューオリンズのフレンチクオウターのイメージで取りまとめられました。
ローズマリービーチはシーサイドとも全く違ったラテン系の街の雰囲気を持った個性の強い都市空間で、同じニューアーバニズムによるリゾート開発として、多様な街を造る可能性を見せ付けてくれました。
この計画では、米国のニューオリンズの人気が、サンランフランシスコ、チャールストンと並んで高く、ローズマリービーチのデザインにフレンチクオーター(ニューォリンズ)のデザインが持ち込まれました。
シーサイドにはチャールストン様式のシングルハウスが多数建築され、ラスキンスクエアーのようなロンドンのテラスを連想させるアングロサクソンの街として造られたものとは対照的に、ラテン系のデザインの街とし、シーサイドと相乗効果を挙げるリゾートを造り上げました。ローズマリービーチの街並みの雰囲気の奥行きは、ラテン系の街の歴史文化の面白さを建築のディテールに拘って取りいれ、来訪者にリゾート地を満喫させることに成功しています。
(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世)



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