メールマガジン

メールマガジン第455号

掲載日2012 年 5 月 7 日

メールマガジン第455号(5月7日)
みなさん、こんにちは!

期待を超えた「荻浦ガーデンサバーブ」が完成しました。
住宅生産生研究会が、創立以来18年目を迎えますが、これまで多くの住宅地開発事業に関係してきました。その中で最も住宅購入者の立場で住宅開発に取り組んできた事業が、目下、福岡県糸島市で㈱大建が取り組んでいる「荻浦ガーデンサバーブ」です。
この開発と営業状況を見て、㈱大建は、対象とした住宅購入者層の現在から将来の利益を考え、現在の不況と経済環境が悪化する事態に対し、「住宅をもつことで生活の基盤を造る」という欧米の経験を福岡の地で誠実に実践してきました。
しかし、日本の住宅産業の狂いが国民の判断を狂わせ、住宅購入者に正しい選択をできなくさせており、その矛盾がうしろに住宅販売の大きな障害となっています。そこで今回は、日本の住宅産業を狂わせて来た背景を説明し、皆さんに考えてもらいたいと思います

資産価値を備えた欧米の住宅と「騙しの詐欺価格住宅」
住宅購入者と住宅供給者の立場は、共通する面と対立する二つの側面があります。その対立する面とは、取引上の需給関係での「売り手」と「買い手」の関係です。しかし、この関係は、基本的に、社会的な取引関係で「利益率」という自由主義経済の市場関係で大きな枠組みで決められます。それは住宅の取引が消費者の求める効用(品質)と、住宅供給会社が得ようとするお金(価格として表示される価値))の関係で決められるためです。
しかし、日本では、住宅の「価格が価値を表していなくてもよい」という住宅政策が戦後一貫して実施されてきました。住宅の価格は、供給業者が勝手に決め、住宅金融機関は住宅の価値に縛られずに、融資を受ける人の個人信用(生命保険契約額)を基本に決められてきました。最近は生命保険会社の不安もあり、所得の審査が強化されています。
日本以外の国ではモーゲージローン「不動産抵当金融」といって、住宅の価値を不動産鑑定評価制度(アプレイザル)に基づく評価に基づき金融機関が融資します。そして政府が金融機関の融資を債務保証し、その証券(MBS)を市場で取引する形で金融機関に資金回収をさせています。市場取引される住宅の価値と価格の関係を自由市場の経済原理で安定させています。
日本でも、似非「MBS」という名前で住宅ローン(クレジット)債権の証券化が行われていますが、政府の不動産評価(住宅を償却資産としたときの残存価値)とすれば、木造住宅の住宅ローン再建を担保にした「MBS」は、20年目には担保価値ゼロの無担保証券になります。それを住宅金融保証機構が発行した「MBS」を、国家は、郵便貯金や保険資金に購入させています。

建て替え政策により「住宅を駄目にした」日本の住宅政策
日本の住宅市場では、政府が過去半世紀以上も住宅市場を混乱させてきた「スクラップアンドビルド」政策により、「住宅は償却資産」であり、その資産価値を「残存の価値である」として、既存住宅の「スクラップ」を促し、建て替えを推進してきました。これは既存住宅の価値の評価の計測方法を分からなくするだけでなく、不動産取引が住宅の取引を支配する需給関係常識を機能しなくしてきました。
先進工業国で広く実施されている新築住宅供給方法として、プランブックを使った注文住宅制度があります。それは日本のハウスメーカーが使っているカタログ住宅販売とは基本的には違っています。なぜかと申しますとハウスメーカーのプランブックは、住宅の設計図と使用材料や使用の全体がセットで販売価格を決めたもので、設計図ではないのです。
欧米のプランブックは、住宅地開発業者が住宅地開発の基本計画と関係付けて住宅販売するときにホームビルダーが使うものと、既に消費者が保有する宅地にプランブックを見て住宅を建てるとき消費者が使う一般的なものとがあります。そこでは同じプランブックでも見積もりには、松・竹・梅のような価格差のある材料と仕様の違いでの選択ができるようになっています。

「見積書」に記載され、確かめられる「住宅の価値」
ホームプランは住宅のデザイン、機能、性能を特定するものです。住宅購入者はホームプランで自分の好きな住宅を選択しますが、その後決められた住宅の見積価格を業者に求めますと、カスタム(松)、スタンダード(竹)、バジェット(梅)仕様の見積書が送られてきます。3種類の見積書を比較して分かることは、デザイン、機能、性能と住宅の価格とは関係がないことです。住宅価格の違いは何で決まるのでしょうか。
価値の違いは、日本の見積書では曖昧にされていますが、住宅に使用される材料と労働力の価値の違いなのです。高級な価値(価格)の材料が沢山使われているか、有能な価値(高い技能を必要とする)の高い労働者が長時間投入される住宅であるかは見積書から伺えます。分かり易くいえば高価な材料と高い技能を持った職人が手間を掛けて造る住宅が高級住宅ということです。(日本では性能が問題にされ、材料や労務は、「材工一式」その数量や単価の詳細な内訳が見積書に明記されません。)

「不当景品表示法違反(詐欺)」に該当する住宅性能表示制度
日本政府が「住宅性能表示」で高い性能表示されたものは高価である、と国民を騙し、大手ハウスメ-カーが大量生産で安くできる住宅部品を高額で販売価格(見積価格)に入れ、販売してきたのが「詐欺の小道具」である性能表示制度です。住宅性能表示制度が作成された目的は、住宅価格を高額にする理屈でしかありません。価格と性能とは直接関係はありません。そのうえ、住宅購入者が「実際の性能を確かめられない状態」にさせられ、「設計性能が実態性能である」と説明されています。実体性能を確かめる方法も示さずに、表示どおりの性能があるといって販売する商売は、「不当景品表示」による詐欺商売です。それが住宅の優劣であるとする住宅販売が、長期優良住宅であるとする政策です。

現代版「貧乏人は麦を食え」差別を推進している住宅政策
日本国憲法第25条で定められているように、国は健康で文化的な住宅を保障する義務があります。従って、貧乏人であろうが、金持ちであろうが、安全性や居住環境(気候)に対し「同じ性能の住宅」が供されるべきです。その性能の違いを住宅の優劣とし、その差別を商売に利用させることは憲法違反の住宅政策であるといわざるをえません。
欧米の住宅政策で、地域の機構環境に合わせてその地域の全ての住宅は国が定めた性能を持つべきことを要求し、その基準を地域ごとに別の基準として定め、その実体性能を評価する制度をもっている国は沢山あります。
しかし、日本のようにハウスメーカーの利益本位に、ハウスメーカーの作成した住宅は、設計性能どおりの性能を持っていることを確かめる方法も示さないで、国が「住宅には表示した性能がある」と認め、高い価格での販売を容認している詐欺幇助国は他の国にありません。このように政府が住宅購入者の住宅に不当な差別を持ち込んで、それにより住宅産業の詐欺商売を補助している国は他にありません。

政府の住宅政策は官僚と政治家が税金を不正に私物化する政策
政府は、国民に価値の低い住宅を高額で販売することを支援し、その住宅資産を20年で建設廃棄物にするやり方で住宅産業の不正営業を支援してきました。その方法は、外郭団体を作り、「住宅性能表示制度」を軸に、指定確認検査機関、住宅性能表示関係試験研究機関、瑕疵保証関係機関や関連する一般社団法人や民間企業を構築しました。そこに多数の官僚OBを雇用させて、そこに長期優良住宅を実施するという口実で巨額な財政支出(行政部費)を投入し、民間に詐欺商売を推進させ、その利益を吸い上げる組織に、事実上の行政官僚や公務員OBを雇用させてきました。政府自身が認めているとおり、長期優良住宅とする評価、審査関係で住宅購入者の負担は1戸当たり100万円以上高くなるので、それを「長期優良住宅」として住宅購入者に助成するという制度です。つまり、100万円の財政支出は「公務員OBのための助成」でしかありません。
公務員であれば国家公務員法や地方公務員法のモラル上の縛りを受けていた連中が、民間団体であればその縛りも外され、公務員ではできなかった不当な横暴な態度を「決められた制度である」といって、お仕着せるようになりました。しかし、これらの官僚及び公務員OBは、民間に業務が移っても、その人事権と行政部費による支配により、官僚支配を続け、見方によれば、官僚や公務員が直接業務をやっていたときより、官僚支配により脅えて、現職に隷属した仕事をするようになっています。
公務員であれば、一応その地位は公務員法により守られていますから、不等に命令や支持を拒否することができます。しかし、民間に公務員業務が移された場合には、民間事業を補助金や行政部費で締め上げ、職員を恣意的な人事により操り、特定の業者に便益を与え、特定な業者の邪魔をし、という違法な処分や扱いが、政治家、官僚、等の影響かで容易に行われることになります。
末端の民亊上の不正を刑事上の詐欺として扱うことは、刑事事件は警察(検察)の起訴権濫用で難しく、また、行政処分の不正も問題にした行政事件訴訟や行政手続法による不服審査も行政機関自体に自浄作用が働いていなく、まともに取り上げられていません。
行政の不正を司法の場で行政事件訴訟として争っても、司法は行政判断どおりの判決しか出しません。そうすれば、司法は行政法の知識専門性のないことを行政に見破られないで裁判能率を高められ、裁判官は昇進に有利であると言う利益が得られるからです。
(特定非営利活動法人 住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世)



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