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メールマガジン第461号

掲載日2012 年 6 月 25 日

メールマガジン第461号
皆さんこんにちは
2項道路でできている街

先週、大田区の住民から、新しく、もう一つの開発許可の問題が持ち込まれました。
先週大田区池上本門寺の門前町で、再びマンション業者の法律違反が始められようとしています。問題は、法律違反による利潤追求の都市破壊を、大田区自身が幇助し発生しています。この地域はもともと古くから開発されたところで、街並み全体が幅員4メートル未満の「2項道路(建築基準法第42条第2項)」で構成されています。そのため既存の街は3階建てくらいの高さの建築が建っています。先般世界遺産になった平泉市もそうですが、町全体がヒューマンスケールでできていると、歴史文化を担った景観を楽しめます。

歴史街破壊マンション
池上本門寺は、西郷隆盛と勝海舟が江戸無血開城を決めた場所で、日蓮宗の総本山でもあり、歴史文化の詰まったところでもあります。車の登場する時代前に開発された街ですから、全体が9尺(2.7メートル)程度の狭い道で構成されています。これらの道は、歩行者の生活する道路としてむしろ適正な散策路といえます。このような地区に対して、沿道の建築物に対する道路斜線制限は、道路を挟んで建てられる街並みを形態規制する上では適当な高さ規制として、街並み景観をつくる上に有効・有益なものです。

役人とつるんで二枚舌を使う開発業者
偶々、河川沿いの道路に面した土地に、建築基準法上の道路の建築緩和規定を悪用した業者が6階建てのマンションを建てることになり、周辺地区は日影が大きく地区を覆い、敷地をマンションから覗き込まれるため困っていました。偶々、敷地を囲う道路が私道であったので、開発業者は大田区の指導で、「単に通行の用に供するため」と私道所有者を騙し、「土地利用は未定」といって、開発業者の代理人が使用許可の署名捺印を集めました。署名捺印を集めた後にそれを添付して確認申請と紛争事前審査書を作成し、大田区に提出したようでした。その後建築計画概要書を地元に配布し、住民が困るマンション建設を公表し、それに苦情を言った住民には、「既に、道路使用の了解を得ている」と開き直りました。

法律を骨抜きにしてきた行政
地元住民は突然の開き直りに困り、大田区に出かけましたが、「法律的に問題はない、私道土地所有者には、署名捺印した承諾書を翻そうと考えるなら訴訟を提起しなければできない」といい、大田区の都市、建築行政による円満な解決に取り組む姿勢は全くありません。困った私道所有者は私のところに相談にこられました。
敷地は2項道路に3面囲まれています。敷地面積は496平方メートルですが、その開発対象の土地の規模は500平方メートルを超えています。そこで、この土地は開発許可を受けなければならない土地であることを指摘しました。しかし、大田区は、「開発許可をうける必要はない」と違反を容認しています。多分、そこの建築敷地面積が500平方メートル未満であるから、開発許可は要らないといったと思い、「開発許可の規模は、建築敷地の規模ではない」と指摘させたところ、今度は、問題を逸らして、[既存宅地であるから開発許可は要らない]といったそうです。

都市計画法の条文と立法時の開発許可の目的
都市計画法第29条で定めている開発許可は、既存宅地であるから開発許可を不要とはしておらず、その「開発計画が都市計画法だ33条に定めた開発許可の基準に適合するものであるかどうかの許可受けかなければならない」と規定しています。それは、500平方メートルを超える規模の開発の場合には、その土地のある地域地区の都市施設との間で矛盾を発生するかどうかを事前にチェックせよというのが法律の趣旨なのです。

大企業の走狗と貸した行政と司法
小泉内閣の規制緩和時代以降、不良債権を良債権化する意図の下に都市計画法と建築基準法に違反して、法律違反の開発が官民癒着して進められてきました。渋谷区鶯谷の住友不動産違反マンション、セコム千歳烏山の違反マンション、目黒区青葉台の違反マンション、板橋区常盤台の違反マンションと私が関係した巨大で有名な違反マンションは枚挙に暇がありません。しかし、これらの違反マンションは、住友不動産のような大手マンション会社、日建設計のような大手建築設計事務所が都市計画法上には開発許可権限を持たない特別区長と共謀し実施してきました。東京都自身が違反を容認して、違法な開発許可をおろして、住民税と固定資産税を増大できるという理由で、違反を容認してきました。

「鼠が猫を食った」ら大事件
法律違反であるといって不服審査請求を行っても、行政機関のOBが開発審査会と建築審査会を指揮する委員となっていますから、行政機関の成した処分に対する住民の不服審査請求は、全て却下です。日本は三権分立であるから行政処分の不正は行政事件訴訟で司法に訴訟を起こしても、司法権者(裁判官)は行政法の知識が貧しく、行政機関の言うなりの判決しかかけない。司法の判断が間違っていて控訴し、上告しても、司法は司法同士傷をなめあい、判決は覆りません。時々、初級審、控訴審の判決が覆ると大きな新聞記事になります。それは「鼠が猫を食った」ら大事件になるように、通常は起こらないことだから大きなニュースになるのです。

法律専門業者のに対する法的保護と専門知識
私は弁護士資格を持っていませんから訴訟代理人はしてはいません。しかし本人訴訟を支援したり、弁護士を技術的に支援し、多くの行政事件や民事事件を取り扱い、裁判官、弁護士らの法律能力を見てきました。弁護士や判事は訴訟手続きの専門家ですが、行政法の専門知識は浅く、専門技術知識は驚くほどで貧しいのです。しかし、判事は判決を出す権限を持っていますので、司法権を能力と勘違いし「狂人が刃物」を使うように驚くほどいい加減な判決を出しています。私は行政官から出発して、行政機関内部にいい加減な行政官が沢山いると思ってきました。しかし、中央官僚との関係で国会議員たちを見て、官僚と比べると議員の能力はひどいと思いました。この20年、裁判に関係して弁護士のレベルと裁判官のレベルを見て、取り扱う問題に対する専門知識の低さと、権力の濫用に仕方では、裁判官や弁護士のレベルは驚くほど低く、モラルの低さに驚かされてきました。

それでも国民を不正の餌食にはできない
地方公務員の専門知識に関する行政法のレベルは大都府県でも恐ろしくひどいと思いますが、弁護士や判事はそれ以下です。知識とモラルが低く、国家権力に裏づけされた資格や権力を濫用する連中とこれまで20年近く訴訟という場を通して闘って来ました。今回の問題もまた大変な消耗戦になるとうんざりしています。しかし、市民が困っているのですから放置するわけにはまいりません。全力投球をするだけです。国民の生活文化を育てる都市空間は、一朝一夕にできるわけではありません。都市計画として決めているもの、決めるべきものと、それを実現する建築設計指針としての建築行政がその力を問われていると思います。今月末の現場調査をして行政闘争を支援するつもりです。
(特定非営利活動法人住宅生産生研究会理事長戸谷英世)



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