戸谷の言いたい放題

官僚指導の犯罪としてのマンション建て替え事業

掲載日2012 年 7 月 2 日

訴状:平成24年6月26日

原告:坂元克郎、伊藤綾子、戸谷英世

被告:東京都知事、諏訪2丁目住宅管理組合

訴状

東京地方裁判所 御中

当事者の表示

原告

〒206-0025 住所 多摩市永山2-16-24ストークマンション小 2-103 電話番号 070-5016-5241 原告 坂元克郎

〒206-0012 住所 多摩市貝取4-2-6-206 電話番号 042-371-1886 原告 伊藤綾子

〒206-0042 住所 多摩市愛宕4-28,1-501 電話番号 042-337-4824(自宅)、03-3230-4874(事務所)原告  戸谷英世

被告

〒163-8001 住所 東京都新宿区西新宿2-8-1東京都庁 電話番号 03-5321-1111 被告 東京都知事 石原慎太郎


〒206―   住所 東京都多摩市諏訪2丁目2番

電話番号 042-319-6800、FAX042-319―6801 被告 諏訪2丁目住宅管理組合(代表清算人 加藤輝雄)

訴訟物の価格 金        円 貼付印紙額  金        円

訴訟提起の目的

事件番号 平成24年(行コ)第57号 裁決取り消し請求控訴事件及び平成24年(ネ)第664号所有権移転登記の両事件の東京高等裁判所の法廷において、いずれの審理も形式論に終始し、原告の求めている審理および判決が受けられなかった。

特に行政事件訴訟においては、違法な処分について究明する努力をしてきたが、公定力を口実に、時間の経過とともに違法な既成事実が積み上げられ、違法処分の回復ができず、建て替え事業が進むことで、原告が不利な状況に追い詰められてきた。

いずれの法廷においても、裁判長から、建て替え組合の認可が違法であること、並びに、原告の土地の所有権及びその区分所有権に対する補償等の不利益回復を主張するためには、より合目的的な訴訟を起こし、審理を受けなければ、原告の求めている裁判の判決は得られないことが示唆されたので、本訴えを提起することになった。

訴訟の趣旨

1.東京都知事(「被告知事」という。以下同じ。)が、諏訪2丁目住宅管理組合(「被告組合」と言う。以下同じ。)になした「建て替え組合の認可」処分を無効にせよ。

2.被告組合は、建て替え事業により、坂元克郎及び伊藤綾子の二人の原告に与えた土地の利用権及び区分所有権並びに移転補償に伴う損失補償額、金.6,318万円と、仮住居費用および慰謝料を補償せよ。

3.訴訟費用は被告の負担とする。

(訴訟の趣旨の説明)

被告組合は、被告知事による建て替え組合認可までの経緯の実態を検討すると、建て替え事業は、法令上定められた踏むべき手続きを踏んだように法令で定めた用語を使った文書を作成し、法令で定めた申請をし、建て替え事業に関する法令で規定された行政事務を全うしたとしている。

しかし、本事業で実際に行われた建て替え事業の実態は、法令の用語とは違った内容の事務を行い、法令要件をまったく充足していないものである。つまり、本事業はその認可の手続きにおいて、名称は法律で定めた用語を使っていても、法律で定めた実体規定どおりの実態が存在しないものである。よって、被告組合は法律で定めた利益を受けることができない組合である。被告組合は、法令要件手続きをあたかも具備したものであるかのように被告知事を騙し、または、被告組合に事務が虚偽を十分知る立場にいた被告知事と共謀して、建て替え組合認可を得たものである。

被告組合はマンション建て替え円滑化法による強制権を得て事業を行うため、認可申請上の書面(法形式)の体裁は整えられている。しかし、マンション建て替え円滑化法第4条および建物区分所有法第62条の実体規定で定める名称を使用しながら、そこで定めている実体規定の内容は存在せず、法律に違反した手続きを書面上、形式的に積み上げた事業である。

よって、建て替え組合認可申請は、マンション建て替え円滑化法第12条の建て替え組合の設立認可条件(認可の基準)の実体規定に違反し、第9条の実体規定に違反し認可されたものといわざるを得ない。即ち、被告知事の認可を受けた被告組合は、マンション建て替え円滑化法上、建て替え組合の認可を受ける正当な権限を行使する資格を持たない建て替え組合である。

この事業に対して被告知事は被告組合に対して行った事務が適法であるとして、マンション建て替え円滑化法および建物区分所有法に定める強制権を行使させた結果、本事業は憲法29条に違反した不利益を、建て替え事業に賛成しない原告に与え、その生活を破壊した。被告組合から申請され、被告知事の認可を錯誤によって得た被告組合には、マンション建て替え組合としての正当な権限を行使させてはならない。よって、これまで被告組合が原告に重大な損失を与えたことに対しては、原告に納得の行く損害賠償をしなければならない。本裁判で求めている上記の「訴訟の趣旨」をより具体的に説明すれば、以下の3点のとおりである。

(1)被告知事による建て替え組合認可に至るまでの法律上の基本手続きである被告組合のなした「建て替え推進決議」、「建て替え決議」及び「建て替え組合の認可」は、そのいずれの段階でも、法律に規定している実体規定に違反し、法律で定めた要件を基本的に具備していない。それにも拘らず、被告組合は、先ず、建て替え事業計画策定準備段階での国庫補助金申請手続き上の文書では、実体規定に適合したとする虚偽の文書で法的手続き(行政処分)をかいくぐり、建て替え事業計画を作成するための国庫補助金、金.5億1,270万円を詐取した。

その後、被告組合は、国庫補助金を使って建て替え事業計画を作成したが、その建て替え計画で組合員から「建て替え決議」を行うに必要な組合員の5分の4以上の賛成が得られないこと(70%以下の程度の支持)が判明し、「建て替え決議」は不可能と判断された。そこで、国庫補助金を返還することをしないで、あたかも補助金を交付されていないかのように装い、建て替え事業を強行した。

その建て替え事業強行の方法は、実施するべき建て替え事業計画自体が存在しないが、建て替え事業を実施することを了承した東京建物㈱に事業を実施させるという不正な約束を前提に、建て替え決議に先立って建て替え事業者を選定するセレモニーをした。その手続きは法律の規定によるものではない。法律上「建て替え決議」は、組合員の希望する建て替え事業計画を前提に行なうもので、行うべき事業計画が存在しないで「建て替え決議」も建て替え事業者の選定もあるはずがない。」

しかし被告組合は、まず建て替えを実施する業者を選定することを選考させ、その既成事実の上に、建て替え事業者の希望する事業をやらせようとする法律では全く予定していない違法な方法を選択した。そこで、東京建物㈱を組合員に選ばせる方法として、被告組合が談合して定めた訴外東京建物(株)と共謀して、多額の移転補償費(1世帯当たり、金.500万円)の支給条件を組合員に提示させ、建て替え業者に選定した。その結果東京建物㈱は建て替え業者に選考された。

その後、東京建物㈱は建て替え選定され、それの代わる業者が現れることがないことを確認してから、「リーマンショックによる経済環境が悪化したこと」を理由に、「移転補償費に支給をしない条件を組合員が呑まなければ建て替え事業から撤退する」と組合員を脅し、建て替え業者選考の鍵となった「1世帯当たり、金.500万円の移転補償費、総額、金.32億円」を支給しないことにした。

その組合員があっけにとられ怯んだ隙に、組合員の希望する建て替え事業計画とは全く関係のない建て替え業者・東京建物(株)の実施希望する事業を前提に「建て替え決議」を行った。被告組合は、この「建て替え決議」をたてもの区分所有法第62条に定める「建て替え決議」であると主張するが、それはマンション建て替え円滑化法が制定され、その関連改正で成された建物区分所有法に登場する文言で定める「建て替え決議」ではない。マンション建て替え円滑化法第4条基本方針の内容を定めたマニュアルの中で定めた「建て替え決議」とは、組合員の意向を反映した建て替え事業計画に基づいて決議するものである。それは、被告組合の行った「一世帯当たり、金.500万円の移転補償金」をおとりに使って、東京建物㈱を建て替え業者を選定させ、選定後、事業放棄を脅しに使って、業者選考の決め手となった移転補償金を引き上げて、組合員の逃げ場を塞いでから東京建物㈱の利潤中心の事業計画をもとにして裁決をする「建て替え決議」でよいとするものではない。

被告組合は、その名称だけの「建て替え決議」を根拠に、被告知事に「建て替え組合」の認可を申請し、組合員からの異議申し立ても出されたが、その間の経緯を知る立場にいた被告知事は、「建て替え組合の申請事務が、法律に違反しているから認可してはいけない」という組合員からの不服申請に対し、被告知事は説明責任を果せる理由も付けないで、不服審査請求を却下処分にし、被告組合の申請どおり認可した。その不正の嫌疑を晴らせない限り、マンション建て替え円滑化法および建物の区分所有法上、被告組合には、「強制権を行使して建て替えを実施する権限」はない。つまり、被告知事による建て替え認可が無効であることを本裁判において明らかにすることを求める。


(2)被告組合が原告の資産を強制的に取り上げるために供託した、金.1、117円の供託金は、「マンション建て替え円滑化法第15条に定める時価補償額及び第75条に定める損失補償額に違反した供託金、または、建物区分所有法第62条に違反し、建て替え事業で権利変換を求めない人に対する強制的に地区外に排除する者にたいする損失補償金」ではない。

よって、この供託金を供託したことによって、控訴人二人の所有権を移転することはできない。即ち、不動産登記法上、当事者間での合理的取引が成立しておらず、仮にマンション建て替え円滑化法で定められた正規の手続きにより供託金が供託されたとしても、裁判上所有権移転の判決が成されていない財産を一方的に剥奪することはできない。ましてや、土地の利用権及び区分所有権の時価補償をしない供託金を供託したことでは、原告のマンション所有権を、強制的に被告に移転することはできない。これは憲法29条(私有財産権の保障)を実態規定として定めた不動産登記法に対する重大な違反である。

マンション建て替え円滑化法第15条で定める損失補償金の額は、被告組合が東京地方裁判所立川支部の裁判において証拠として提出した甲第8号証を根拠として、原告一人につき土地の利用権、区分所有権及び区分所有権以外の住宅の専有部分の権利を合算した補償金として、金.3,159万円を目安として被告組合は原告に対し支払ように命じる判決を求める。それに加え、目下、原告が仮居住を余儀なくされている費用及び真夏日に原告を自宅マンションから仮住居も用意せず追い出し、10日間近く野宿を余儀なくさせ、人権を侵害されたこと、および、現在まで原告に対し仮住居を用意せず、不当な訴訟にその生活を縛り付け、常に生命の危機を感じる不安にさらされてきたことにより、原告二人の心身両面にわたる多大な損失に対する慰謝料を、被告組合はそれぞれ原告二人に支払うよう命じる判決を求める。

(3)本裁判費用は、被告が支払え

訴訟の理由

1.「組合の認可」条件を全く具備しない建て替え組合

被告知事が被告組合に与えた建て替え組合認可にあたって、その申請に係るマンション建て替え円滑化法に定めた手続きは、法律(マンション建て替え円滑化法第4条)で定めた実体規定(国土交通大臣が定めたマニュアル)に対応する実態が存在しない。被告組合の建て替え組合認可申請は、法律で認可の条件として定めている驥足行為の事務に関し、その法的実態手続きを行っていない。すなわち、必要とされる事務の法律用語を使って、形式手続きを踏んではいるが、その実体の伴わないもので、詐欺行為により被告知事の認可を騙し取ったか、または、被告知事と共謀して得たものである。よって、被告知事の認可は無効とされなければならない。

本件に関し、東京高等裁判所に原告が提起した裁判は、その原因となっている被告知事の建て替え組合認可に対し、認可申請内容が法律に定めた実体規定に違反しているにも拘らず、実態が法令に適合しているかの審査をしないで、形式的に法令上の体裁が整っているとしてなされたものである。原告が求めた国土交通大臣に求めた不服審査請求は、被告知事の建て替え組合認可は、法律に定められた実体規定に対応する実態がないので、被告知事の処分を無効にせよとする不服審査請求であった。しかし、国土交通大臣は、被告知事になした処分に対する原告の不服審査請求を、被告組合の法律詐欺の実態に踏み込まず、法律条文上の手続き規定の審査のみで却下した。そこで、その却下の原因となっている実体規定違反に立ち返って、国土交通大臣による却下の裁決を取消すことを行政事件として求めたものであった。

東京高等裁判所の裁判長は、原告が、被告組合に対する建て替え組合認可申請自体が違法であることを審理することを求めたことに対し、その訴訟は、法律の形式論として、「法律上不服審査請求ができない」と定めている条文を無視して「審査請求の採決の無効」を争っているものであるから、形式的にも却下せざるを得ないと言明した。

その上で、被告知事の認可に関し、全く法律上の事実によらないで、文書の捏造など明確な事実に基づき、違法があると主張するならば、建て替え組合の認可条件自体の不存在を証明することによってしか争えない、と言う趣旨の示唆を行った。

それは、東京地方裁判所の裁判官から原審で東京高等裁判所と同様の示唆が成されていた。原告は、被告知事の成した建て替え組合の認可自体が、法律で定めた実体規定違反であるので、控訴審では法律の形式論ではなく、実態に踏み込んで審理されるべきであると考えて控訴していたものである。なぜならば、法律で定めた国家と国民の間の社会契約は、その実態こそ問われるべきで、形式ではなく、実態を実定法に照らして審理し、詐欺を正当化するものであってはならないからである。

2.原告2人に支払われるべき時価補償金と不当に低額の供託金

原告中、坂元克郎及び伊藤綾子の二人は、前項の違法な建て替え組合認可を前提に、マンション建て替え円滑化法第15条に基づく原告の所有するマンションの買収費(時価補償額)として、金.1,117万円が供託され、それと併せて、民事訴訟法による所有権移転訴訟と、民事保全法によるマンション明渡し断行仮処分訴訟が被告組合より提起されていた。この件に関し、被告組合は、いずれも法律上の不動産登記法による権利の移動をしないで工事をしようとする限り、憲法29条および不動産登記法に照らし、財産の侵奪になる。そのため、原告に対し、所有権移転登記の訴訟を提起していた筈の訴訟であった。

しかし、今回の東京高等裁判所における控訴審で、裁判長の裁判の指揮もあったが、被告が原審の所有権移転登記の訴えを取り下げたため、控訴審も消滅してしまった。

原告のマンションに関する所有権移転登記をしないでも、被告組合が供託金を供託したという事実があれば、その供託金の額が不当であっても、かつ、不動産登記法上の権利者の同意が得られなくても、または、裁判所の決定を受けなくても、被告組合は原告のマンションを収奪することができるということになってしまう。要するに、被告組合は所有権移転の裁決を受けないで原告の土地を侵奪することになる。

2-1.不動産の所有権と不動産登記と不動産侵奪

本件に関し、東京高等裁判所裁判長は、「原告らのマンション自体は、既に、東京地方裁判所におけるマンション明渡し断行仮処分で除却させられており、マンション工事も始まっており、供託金が供託され、所有権移転登記をする対象自体が消滅しているのであるから、被告組合はその訴えを取り下げたらどうか」と誘導し、また、原告に対しては、「原告らの争うべき対象は、訴え自体が被告組合から取り下げられ消滅しているから、裁判は今日でおしまいである。」と裁判の終結を宣言した。

東京高等裁判所裁判長の法廷の指揮は、被告の訴訟原因、即ち、土地の利用権および区分所有権を法律の手続きで、原告の意思とは別に、被告組合が、「所有権移転登記がなければ、不動産侵奪になるため、事業をすることができない」という理由で法律上の移転登記をする決定を求めていた。東京高等裁判所の裁判長はその事実を見落として、「区分所有財産が消滅したため、区分所有権と同時に土地の利用権も、取り壊されたマンションの区分所有権も消滅した」と錯誤してなしたものである。

東京高等裁判所裁判官は、法廷の指揮をし、被告に訴えを取り下げさせたため、判決は存在せず、裁判官の法廷指揮の結果を争うことはできなくなった。

控訴審での被控訴人である被告からの訴えの取り下げ後、法務局多摩支所で登記内容を調べたところ、原告2名の所有権は、原告の知らぬうちに、原告の同意も、弁国への通知もなく、裁判の決定によらず、抹消されていた(平成24年6月18日現在)。どのような経緯で抹消されたかに関し、目下調査を始めたところであるが、判明次第、本訴訟で明らかにする。

若し、このようなことが認められるならば、見せ掛けの供託金さえ積めば、その額の適正化,不適正化にかかわらず、他人の財産を自由に侵奪することができることになる。そうすれば憲法第29条で定められた私有財産権は守られないことになってしまう。少なくとも憲法第29条は、不動産登記法と刑法とも連携し、以下のような方法で国家権力により、国民を守ることになっているはずである。

(1)区分所有権に関しては、適正な損失補償をしないで建設廃棄物として処分すれば、刑法上の不動産侵奪罪となる。

(2)土地の利用権に関しては、不動産登記法上の登記の移転をしないで、他人財産を利用する現状は、不動産登記法上不動産侵奪にあたる。

法律上マンション明け渡し断行仮処分がなされても、供託金が供託されていても、その供託金が適法な額であることに関し、当事者間の合意がなければ、または、裁判所の決定がなければ、被告組合が原告の了解なしで、所有権移転登記を強行することは出来ない。また、被告組合が所有権移転登記の決定を裁判において求めていた訴訟事件で、被告組合が訴訟を取り下げてしまえば、その合意を法的に確定することは、法治国の論理として出来ず、原告の了解なしに不動産登記法上の所有権自体の移転登記をすることは出来ない。

東京高等裁判所で裁判所から訴訟の取り下げを指示された被告組合弁護士は、「所有権移転登記に関する訴訟を取り下げたことで、土地の利用権及び区分所有権に関する所有権の問題は全て決着した」と原告に対し主張し、再び、「原告の財産は不動産登記法上の登記がなされなくても被告組合のものになった」と明言している。

しかし、被告組合が最初に東京地方裁判所立川支部に提訴していた所有権移転登記訴訟は、原告の同意なしに所有権移転をしようとする場合には、裁判による決着が必要であるとし、最判所のその訴えを正しいとして裁判の審理をしてきたではないか。原告の同意もなく、裁判での判決もなく、原告の財産を被告組合が自分の財産として登記を移転することは、それ自体、財産の侵奪以外の何ものでもない。

2-2.被告が原告に損失補償すべき内容と所有権移転登記

本建て替え事件が違法になされたものであることから、不当になされた建て替え事業により、既に、原告二人の財産は破壊されて、回復することができないので、建て替え事業で奪われた損失は、その所有権の内容を確認して、被告組合は原告に対し補償しなければならない。その補償すべき内容としては、本事業が、仮に法律上正当であるとした場合の正規の損失補償と、不正に行われたことによる慰謝料を含む損害賠償とに分けられる。法律上、正規の建て替え事業で行われた場合には、同法第15条に規定されている区分所有権と土地の利用権に対して損失補償をすることになる。

東京地方裁判所立川支部においてなされた二つの裁判(所有権移転とマンションの明け渡し断行)において、被告組合は、かつて、「自らが適当と考える供託金の供託をしていることを以って、所有権は既に移転している」と原告に対し主張した。しかし、その不当を指摘されて、裁判長同席のもとで裁判長の説明もあり、被告組合は途中で法廷での審理の中で「供託金の供託により被告組合の資産になった」とする説明を翻した。しかし、先に述べたことの繰り返しであるが、控訴審後に再び、原告が「被告組合が所有権移転訴訟を取り下げたら、それは所有権侵奪になるのではないか」と問うたのに対し、被告組合代理人弁護士は、改めて、「所有権は供託により被告組合に移っており、単なる登記事務手続きが残っているだけである。」と不動産登記法を無視した回答をしてきた。本裁判ではこの点を明確にすることを要求する。

強制建て替え事業の場合であっても、不動産取り引きは等価交換の経済的な合理性がなければならない。東京地方裁判所立川支部の裁判官が、本事件で強制執行したことに対し、その不当性を訴えたところ、「供託金の額は実態と大きな差があったとしても供託をしていれば、供託の効力は認められる」というようなことを述べている。しかし、それが、仮に公定力を維持するためであるとしても、供託金の額を正当化するものであってよいはずはない。

少なくとも、本事件でマンション建て替え円滑化法第15条を根拠に供託されるべき区分所有権および土地の利用権に関する価値の額は、被告組合が供託した額をはるかに(3倍も)上回るものであって、それによって第15条による時価補償額とすることはできない。資本主義国に置いて憲法第29条に定める個人の財産の不可侵とは、強制建て替え事業を行う場合に置いても、正当な補償を行わなければならないことを指している。正当な補償金が供託されていないならば、正当な取引きが成立したことにはならず、所有権を移転することはできない。

2-憲法29条と平仄を合わせた建て替え条件の変更

マンション建て替え円滑化法は、平成14年、それまでの建物区分所有法において建て替えの条件となっていたマンション自体の老朽化条件を外す代わりに、2つのマニュアルを定めた建て替え事業を組合員の民主的手続きによる合意形成を条件にした。強制建て替えを実現するための手順は、次の二つの段階における事務に分けられる。

第一は、住宅管理組合独自の費用によってマニュアルに定める検討作業をした後、組合独自の費用で定めた事業計画を作成し、それをもとに組合員の5分の4以上の合意を得て具体的に大きく計画に踏み出る段階(「建て替え推進決議」という。)

第二は、実際に建て替え工事を実行する住民の意向を反映した事業計画に基づいて、組合員の5分の4以上の合意を得て、事業に踏み出る段階(「建て替え決議」という。)

特に、建て替え工事を決断するためには、住民の意向を十分に反映した事業計画に基づいて遺漏のなく実施するべく、事業計画作成のために国は、優良建築物等整備事業補助金制度を使って、その事業費の3分の2を補助することにした。

しかし、被告組合の場合、この二つの組合員の議決である「建て替え推進決議」と「建て替え決議」のいずれもが、マニュアルに定める条件を前提にした決議ではなく、マニュアルに定められた要件を全く備えていない。即ち、

第一段階では、被告組合による作業を前提にした建て替え事業計画不存在のままの「建て替え推進決議」であり、また、

第二段階では、組合員の建て替え要求を一切考慮せず、「1世帯当たり、金.500万円の移転補償金」詐欺で建て替え業者に選考された東京建物㈱が、同社の利潤本位で立案した建て替え事業を前提にした「建て替え決議」である。

組合員の意向を反映するはずの旭化成ホームズ㈱による建て替え事業計画は作成されたが、その事業計画であれば、70%以上の賛成は得られず、「建て替え決議」はできなかった。つまり、本建て替え事業は、マンション建て替え円滑化法上、「強制事業として建て替え事業をやってはならない」という結論の筈であった。それにもかかわらす、マニュアルに定めた名称と同じ名称の決議がなされたため、あたかもマニュアルで定めた内容を持つ決議と被告組合は国および被告知事に説明し、いずれをも騙し、または、共謀して不正な建て替え組合の認可を行なった。

2-組合の合意形成条件を無視した違法な補助金交付

事業計画に取り組む際の国庫補助金の交付条件になっている「建て替え推進決議」は、組合員自体の費用で、マニュアルに定めてある「修繕か、建て替えかに関する検討」をして、組合として建て替えに絞って今後の検討をすると言う決議が、「建て替え推進決議」である。しかし、被告組合では、その検討が全くなされておらず、「国が建て替え推進をするために紐の付かない補助金を出してくれるが、その補助金を受ける条件は、『建て替え推進決議』と言う名称の決議が必要である」と虚偽の説明を組合員に行って決議したものである。

建て替え事業に踏み切るときは、組合員の建て替えに対する要求が十分事業計画に反映されるよう、国は優良建築物等整備事業補助金で事業費の3分の2を補助して組合員の意向を反映した事業計画を作成し、それに基づいて組合員の「建て替え決議」をすることになっている。そして、被告組合は、国庫補助金、金.5億2千170万円を不正に受けながら、その費用は建て替え事業反対者の切り崩しや、あらかじめ建て替え事業者に内定していた旭化成ホームズ㈱の利益本位の建て替え計画図書作成費に消費していた。

2-5.マンション建て替え円滑化法上できない事業の事業化

旭化成ホームズ㈱が国庫補助金を受けて作成した建て替え事業計画は、その事業計画で30%以上の反対が見込まれたことから、マンション建て替え円滑化法および建物区分所有法上の「建て替え決議」は成立しないことが明確になった。

被告組合は、急遽、旭化成ホームズ㈱の建て替え案を反故にした。それに代わるものとして、今度は東京建物(株)に「1戸当たり、金.500万円の移転補償金の供与」を条件に工事業者の選定競技を行わせた。その、金.500万円の移転補償金は、被告組合と東京建物(株)とが共謀して、組合員の固有の財産である土地の利用権の額から、1戸当たり、金.350万円の不正評価をすることで捻出し、それを移転補償金に振り替えたものである。

金.500万円の移転補償金の原資の捻出のカラクリは、被告組合と東京建物(株)と多摩市、旭化成ホームズ㈱の4者が協議し、組合員の土地評価に操作を加えて、100%利用できる土地を78%しか利用できないという虚偽の評価を、訴外財団法人不動産研究所に筋書き通りの評価書を作成させ、1戸当たり、金.350万円相当の費用を捻出させたものである。1戸当たり、金.500万円の移転補償金を提示することで、東京建物㈱は謀議した筋書きどおり、建て替え業者として決定された。

東京建物(株)は建て替え業者として選考されてから、突然、「リーマンショックの影響で、金.500万円は支給できない、それを求めるならば事業から撤退する」と組合員を脅し、組合員が怯んだ隙をみて、「金.500万円の移転補償金」の支給約束を反故にして、名称だけで実体のない「建て替え決議」と言う決議を断行した。この猿芝居(詐欺行為)は、あらかじめ被告組合との間で仕組まれたもので、「金.500万円の補償金がなければ建て替え事業者として選考されなかった業者である。このことで、東京建物は、金.32億円の利益を得たことになる。また、組合員はこの猿芝居で1戸当たり、金.350万円を東京建物(株)に騙し取られたことになる。

2-7.組合員の「建て替え要求事業計画」を前提にしない「建て替え決議」

実施された「建て替え決議」は、建物区分所有法第62条を根拠とするとされるが、それはマンション建て替え円滑化法第4条の内容として定めたマニュアルに定めた「建て替え決議」の条件内容を全く具備していない。

区分所有法の「建て替え決議」とマンション建て替え円滑化法第4条の内容であるマニュアルで定める「建て替え決議」とは同じであることは、マンション建て替え円滑化法の立法と建物区分所有法の関連改正としてなされた経緯を見る限り、当然のことである。しかし、この二つの「建て替え決議」とは、お互いに別のものであるとする被告組合の主張は、論理的に説明できないだけではなく、その主張自体が不当である。

マンション建て替え円滑化法でいう「建て替え決議」は、その決議の判断の前提となるべきものが、組合員の求める建て替え事業計画である。組合員の意向を反映した建て替え事業計画を持たないもので、住民の合意の実態が存在するものではない。

東京建物(株)の経営上、都合のよい計画住宅の中から組合員がそれぞれによいと思う住宅を選べというものである。東京建物の建て替え事業計画には、組合員の求めているような住宅が希望通りの戸数がない。つまり、東京建物㈱からのあてがい扶持の計画の中で組合員が抽選するというような組合員が求める条件の住宅がない状態で、法律が定めている建て替え事業と言うことはできない。このような住宅供給条件で行う「建て替え決議」は、およそマンション建て替え円滑化法で定めている内容とはかけ離れたもので、組合員が求める事業内容をもとに建て替え事業を決定するための「建て替え決議」の前提条件にしたのではない。

2-8.強制建て替え事業を実施する場合の補償

被告組合は、法律を無視した「建て替え推進決議」および「建て替え決議」と言う虚偽の事務を「公定力」を口実に積み重ねた上、被告知事に対して建て替え組合の事業認可申請を行った。この事業申請は、事業内容を記載したものであるから、当然、建て替え事業に賛成できない人に対しては、その損失を補償しなければならない補償費の予算を計上しなければならない。しかし、実際にはその予算を事業計画には全く組んではいない。

建て替え事業は、一般的に住宅を建て替える人にとっては、その取り壊す住宅は「建設廃棄物」というマイナスの資産である。しかし、この住宅に住み続けたいと思っている人(原告)にとってこれまで住んできた住宅は、「効用をもつ資産価値のある住宅」である。その住宅に対して、建て替えを希望する人の犠牲になり住宅を壊される人に適正な補償をしない限り、建て替えに応じられない人は、移ることのできる住宅を手にすることはできない。

しかし、被告組合はそのような建て替えに賛成できない者(原告)がいるにも拘らず、そのための補償費用を全く計上しない事業計画を作成し、建て替え組合の認可を申請した。その不当な事業計画に対し、被告知事は建て組合認可までの個々の違反を「公定力」で既成事実化し、建て替え組合認可の基準に違反した事業計画をもとにした申請に認可を与えたのである。

2-9.盗人猛々しい被告による建て替え事業

被告組合は、本事業の準備段階から不正な行為を繰り返してきた。その上でさらに、これまで本事業の被害者である原告を、あたかも被告組合の利益を得る妨害をする加害者のように扱ってきた。法律上は、強制建て替え事業をするために、建て替え事業者の都合で明渡し断行する場合には、仮住居を用意するのが事業を推進する側の義務である。しかし、被告組合は原告に対する強制明け渡しをその決定後2週間で断行しながら、仮住居を全く用意していなかった。

原告を、昨年の真夏日に炎天下に10日も投げ出して放置し、住宅の用意をしないだけではなく、未だに、原告を仮住居生活で苦しめている。このような不当な建て替え事業を進めることを、被告知事は容認し続けてきた。

3.本事件における時価補償額の算定

被告組合が、本事業をマンション建て替え円滑化法に違反していても、どうしても計画通り実施したいならば、補償によって原告の損失を償うことで事業を進めるしか途はない。既に、原告のマンション自体が取り壊され復元は不可能であるから、原告は、適正な「損失補償」の判決を本裁判において受けない限り、権利が侵害される。即ち、損失の適正補償を求める以外に原告の建て替え事業を強要される損失から救済される途はない。東京地方裁判所立川支部で、本事件の被告が法廷に提出した平成23年7月20日付甲8号証は、明らかに原告を愚弄し、被告の不当な主張を繰り返すものでしかない。このような証拠は、被告組合の不当性を立証するもので、裁判所はこの証拠を、不正を証明する「証拠として認めること」をしなければならない。つまり、甲第8号証を現状に沿って評価内容を正しく修正すれば、そこに補償の条件が示唆されている。それは以下の理由による。

3-1.建て替えに応じる者の現在資産

被告組合に提示したマンション価格は、マンション建て替えを前提にしない通常のマンション流通がされているときの土地の利用権と区分所有権の「時価」補償でなければならない。しかし、本鑑定書の価格は、取り壊しをして権利変換を受ける建て替えに応じる組合員の平均資産価値、つまり、更地価格から既存マンション取り壊し費用を差し引いた額を640戸で除した平均値として計算している。この価格はマンション建て替えに賛成した組合員の現在資産額の計算である。

一方、時価補償額としての原告の土地の利用権の価値は「更地価格」であって、そこからマンション取り壊し費用を差し引く前の「取り壊すべき建設廃棄物の存在しない」更地価格でなければならない。

3-2.正当性が認められない土地評価の減価率

本開発地の更地価格の評価としての比準価格の査定は、この土地の規模と開発計画の弾力性を考慮しなければならない場合に適用される。しかし、本敷地の法地部分や、規模の大きい不整形地等を理由にする減価率は、適用する余地はない。

実際になされた開発計画を見れば明らかな通り、敷地面積は、64,399.93平方メートルに対し、開発延べ面積は153,292.95平方メートルとこの土地に指定されている法定容積一杯の開発が出来ており、土地利用上の減価させなければならない理由は存在しない。即ち、土地利用が土地の形状によりできないという理由で78%にまで減額しなければならない理由はない。

しかし、財団法人不動産研究所による不動産鑑定評価では、法廷容積率一杯利用されているにも拘らず、社会科学的な合理性もなく、その根拠を示せないで、以下のような査定減価率がかけられている。

減価率の査定(価格修正率条件)

・法地で開発ができない土地条件:マイナス3%

・規模が大きい不整形地等の条件:マイナス20%

不動産鑑定書の評価自体、不動産評価上の経済的合理性にかける根拠のあいまいなものでしかなく、この評価は、東京建物が業者選定を受ける時点で、「組合員に対し1世帯当たり、金.500万円の移転補償金を提供することにしたときの費用を捻出するための操作として、被告組合が財団法人日本不動産研究所に依頼した」陰謀によって作られたこじつけによるもので、ここで採用されている減額補正は適切ではない。よって、標準価格を格差修正する必要はなく、比準価格は、金.7,280百万円ではなくて、減額修正をしない前の、金.9,338百万円としなければならない。よって、金.9,338百万円を全住宅640戸で除した1戸当たり平均土地価格は、金.1、459万円である。

3-3.傍証東京建物㈱によるマンションの取得権利額(土地の権利額)

現在、建て替えを実施する東京建物㈱が、建て替え後のマンションを販売のために、一般不動産市場に対し、東京建物㈱が先に購入したマンションの購入者に、権利変換により新規マンションを提供する販売促進事業を実施してきた。そのときの権利変換を得られるとして名義上の従前住宅所有者となる権利として、1戸当たり、金.1,570万円で既存マンションを販売している。この権利変換額は、事実上、上記(2)の土地の権利の額を指しており、東京建物㈱が考える既存マンションの土地の権利と、更地土地の価値(2)との差額は、以下のとおりである。

1,570万円-1、459万円=111万円

東京建物㈱によるマンション購入価格(権利変換額)が、金.1,570万円で、その費用からマンション取り壊し費用を、金.86万円支出すると考えると、土地の権利の額は、金.1、484万円ということになる。その差は金.25万円で、その差は1.7%である。よって、1戸当たりの平均土地の利用権の価格、金.1,459万円は、東京建物㈱の取引に比較して安いが、被告が東京地方裁判所に提出した資料からも適当とされる範囲にある。

本建て替え事業で、被告との間で建て替え事業者となるという被告組合の内諾を受けて事業を進め補助金の不正受給を受けていた訴外旭化成ホームズ㈱は、本事業にあたり、既存住宅に関する土地の利用権を、金.1,500万円として評価すると組合員に説明していた理由も同じ根拠である。

以上から三つの資料を比較考量して、土地の利用権の額は、金.1459万円と推計することができる。

3-4.建て替え参加から奪う当な既存マンション除却費

建物解体撤去費用、1戸当たり、金.86万円は建て替えを希望する人にとっては必要な費用であるが、明け渡しを求められる人の住宅購入費から控除するものではない。よって、金.86万円は建て替えに参加を希望しない人の「土地の利用権」から控除することは理屈に合わない。被告の理屈からしても土地の利用権は、不正な減額操作をしたとしても、1,117万円+86万円=1,203万円にはなる。原告に対する供託金の根拠として、土地の評価の騙しに加えて、原告のマンションを奪った上、その取り壊し費用まで原告に負わせるという徹底した不正を行っている。

3-5.区分所有権の価値

それに代え、区分所有権の価値とは、マンションを手放すことを要求されている原告たちにとって、補償の対象になる価値のことである。原告にとって、既存マンションは現実に効用を発揮しているものであり、その提供している効用を実現するために、現在存在するマンションと同一のデザイン、機能、性能を実現するものを現時点で建築した場合の費用を推定再建築費といい、それが補償理論に基づく「補償されるべき区分所有権の価値」である。現在の取り壊された程度の低い品質のマンションであっても、その推定再建築費用は、本マンションの建設時のマンションの再建築費を低く見積っても、構造躯体相当分として、金.20万円/㎡は必要であると想定して、1戸当たりのマンションの床面積を、45平方メートルとすると、区分所有権の額は、金.900万円となる。そこには組合事務所をなどの共有財産も含まれるが、それらを捨象しての概算である。

3-6.土地の利用権と区分所有財産の価値

二人の原告は、この所有するマンションを、それぞれ終末まで快適に生活することのできるマンションとするため、住宅ローンを支払い終えたとき、AC(エアコン)その他暖冷房施設等を新設し、インテリアをやり変え、快適な生活環境にリモデリングしており、そのための費用として、それぞれ少なく見積って、金.300万円程度支出しており、それらに対しても当然補償されなければならない。この額は居住者により個別に違う額である。

上記、3-2及び3-5より、被告が原告に対し時価補償すべきマンション建て替え円滑化法第15条、又は、建物区分所有法第62条に基づく土地の利用権、並びに、区分所有権及びインテリア等付属施設費の合計した不動産買収費用は、甲第8号証を根拠に原告が補償されるべき額を計算するとすれば、1戸当たり平均額が、1,459万円+900万円+300万円=2,659万円支払わなければならない。

3-7.移転補償費等

本件の場合、建て替え希望者は強要されて明け渡す(買収に応じる)ものであるから、不動産の売買および引越しに伴う費用をそれらと別途に補償するべきことは、過去の民亊紛争処理と同じである。東京建物㈱は、業者選定に当たり、その費用として、業者選定に当たり居住者に仮住居補償を含んで、1戸当たり、金.500万円の補償金を支給すると約束していた。この内訳は全く説明されていないが、仮住居へ移転し、その仮住居から建て替え住宅への2度の引越料と、上記、3-6以外の移転に伴いこれまで利用していた冷蔵庫や厨房機器その他多く住宅設備等が新しい住宅に適合しないため、廃棄せざるを得なくなる。また、家具什器を買い換える必要があり、その買い替えも移転補償費に含まれると考えることもできる。

今回の場合、二人の原告は強制執行で自宅マンションから追い出され、仮住居に持ち込むこともできず、多くの財産処分を強要されたため、目下仮居住に強制移転させられ、目下、長期居住する住宅が見つかるまで小さな仮住居での生活をしている。

これらの仮住居の家賃保証は、引越料とともに、被告・諏訪2丁目住宅管理組合によって支出されるべき費用である。さらに、家具や住宅設備の一部は、既に強制退去の機会に処分され建設廃棄物扱いにされた。しかし、それらの廃棄物扱いされたものは、二人の原告にとって有用な家財道具であり効用を果たしていたものであるため、ここでの補償金で補填する費用に含まれるべき費用にあたる。

その額は、通常の引越し以上に、緊急な明け渡し強制執行であったため、多額な費用が掛かっており、東京建物㈱がかつて提示していた、金.500万円以上の費用が支出されることになるが、移転補償金としては被告組合と合意を形成するために、金.500万円とする。

3-8.原告に被が支払うべき時価補償額

以上の経緯を考えると、原告は被告に対して明け渡しを求めるならば、引越料を含むが、東京建物㈱の論理としても、それを組合員が認めて東京建物㈱を建て替え業者として選定した経緯を考慮すれば、3-7とし、金.500万円を移転補償費として計上するのが、本事件の場合、最も適当である。よって、平均値としての住宅補償額として、上記の計算をすると次のとおりとなる。

「土地の利用権の額、金.1,459万円(3ー2)」+「区分所有権等の額、金.1,200万円(3-6)」+「移転補償費、金.500万円(3-7)」=「土地建物の補償費及び移転補償費の合計額、金.3、159万円」

この金額は、マンション建て替え円滑化法第15条及び第75条に関連して、「公共事業等の損失補償基準要綱」に照らして算定した場合の損失補償額である。この金額が補償金として合意をする場合の原告として基本的に譲れない金額である。補償金は、原告に対して如何なる条件を提示するかによって、交渉する余地はあるが、その基本として、被告の建て替え事業の犠牲となる原告に対し、当然なすべき損失補償を切り下げることはあってはならない。

平成24年6月25日 原告 坂元 克郎 伊藤 綾子 戸谷 英世

(本訴状に関する詳細な原告の主張の説明は、以下の参考資料のとおりである。)

(参考資料)

原告の主張の説明:上記の原告の主張に対する裏づけ説明

目次

1.原告の求める補償金額の算定根拠

1-1.「時価」と「時価補償額」と供託額

1-2.土地の利用権

1-3.建て替えによる権利変換恵王ける者の既存資産の評価

1-4.強制的に排除される原告に対する「区分所有権に対する補償額

1-5.インテリアに対する取り壊し費用と補償費用

1-6.移転補償費用

2.建て替え組合認可にるマンション建て替え円滑化法違反の事実

2-1.「マンション建て替え円滑化法」と憲法第29条との調和

2-2.「建て替え推進決議」:修繕か、建て替えかを決定するマニュアル

2-3.「優良建築物等整備事業補助金」詐取横領の事実

2-4.多摩市による国庫補助金詐取幇助

2-5.補助金等適正化法違反の行政訴訟と刑事告発

2-6.「建て替え決議」:建て替えを実施するためのマニュアル

3.優良建築物等整備事業補助金の詐取横領及び金.32億円の詐取横領

3-1.国庫補助金適正化法違反を曖昧にし、責任を取らない手口

3-2.組合員を騙した移転補償金(1戸当たり、金.500万円)

3-3.東京建物㈱と組合幹部による32億円の詐取横領

4.被告・東京都知事の建て替え組合認可の違法性

4-1.マンション建て替え円滑化法違反による建て替え組合認可

4-2.建て替え組合認可申請書を審査しないでなされた認可

5.強制事業実施の根拠となる法律条件

(憲法29条とマンション建て替え円滑化法及び建物区分所有法の関係)

5-1.憲法第29条との関係

5-2.原告が要求する「国が指導した補助金等適正化法違反」の審理

5-3.法律上の実体のない「建て替え推進決議」による補助金の詐取・横領

5-4.国土交通省住宅局が仕組んだ実績造りのために仕組んだ不正事業

5-5.国庫補助金を得て進められた不正な建て替え事業

5-6.建て替え組合認可の前提にした実体規定違反の「建て替え決議」

5-7.組合の民主的手続きを定めた2決議の解説(以下、国土交通省がマンション建て替え円滑化法第4条定めた説明した「マニュアル」の解説の転載)

6.被告知事が事業計画として認可する事業の合理性)

6-1.「建て替え決議」の意義

6-2.強制事業の権利と義務

6-3.法律に違反した供託金による裁判所の強制執行

6-4.債務者の人権蹂躙した裁判所の決定

6-5.杜撰な被告・東京都知事の建て替え事業計画審査

7.詐欺(建て替え事業の詐欺、補助金事業の詐欺)を前提とした建て替え事業

7-1.国庫補助金の詐取・横領

7-2.原告の自宅マンションの詐取及び修繕積立金の詐取・横領

7-3.強制建て替え事業の鍵を握る「建て替え決議」

7-4.国庫補助金の詐取横領

原告の主張の説明

1.原告の求める補償金額の算定根拠

-1「時価」と「時価補償額」と供託額

被告組合は、原告同様、「円滑化法第15条第1項に基づき、被告組合により本件建物の区分所有権及び土地の利用権を時価で売り渡すべきことを請求されたものである」といっている。しかし、それが建て替え賛成者の現在のマンションを取壊して更地にしたときの価格であるかのような主張をしているが、それは第15条の時価ではない。時価とは時価補償額をいい、被告組合の言う時価は、被告組合が恣意的に設定したものであって補償額ではなく、その供託額は法律上適正なものではない。また、既に説明したとおり、建て替えに賛成した者の権利額と、建て替えに賛成できない者の補償額とは、同じ時価でも住宅所有者が建て替えの意思を持って既存住宅を建設廃棄物にするのと、その効用を認めて居住し続けたいと考えている住宅を強制的に奪い取る損失補償とは、計算内容は異なる。つまり、マンション建て替え円滑化法第58条(権利変換)に関する資産額の評価(第63条)と第75条(補償金)に関する補償資産の評価(第62条)の算定に関し、第62条及び第63条の文言上は同じように記載されているが、実体は別の内容である。

第15条による時価を供託しようとする場合、法律に定めたとおり、民法に規定により、土地の利用権、建物の区分所有権及びそれに関連する補償金をそれぞれ独立した補償対象として供託金を供託することにより所有権を取得できる。しかし、合理的な根拠に基づかない補償金では、供託をしても、それによりマンション所有者の権利を奪い取ることはできない。

-2.土地の利用権

建て替え後の土地利用を前提にして、そこに開発される住宅団地の販売価格を決定する根拠となる更地としての取引価格を言い、本事件の場合は、都市計画として新しく決定された土地利用計画として、容積率200%、建蔽率60%により期待される地代を資本還元することで計算される地価である。その額は路線化評価をもとにして決められるが、本件の開発内容は、土地が広くて容積率一杯の開発が可能であるために、評価地価100%の利用が可能になっている。そのため、第15条にいう時価は、全体の地価評価額を区分所有者640世帯で均等分割した額となる。

-3.建て替えによる権利変換で恩恵を受ける者の既存資産の評価

建て替えを希望する者にとっては、マンションに限らずすべての建築物の建て替えに関し、既存の建築部分はすべて建設廃棄物として取り壊しと廃棄物処理費用及びこの地区から強制退去をする人に対する補償費用を必要とするマイナスの資産である。その結果、更地の土地と、使用しなくて済むようになった土地の修繕積立金が資産として残ることになる。その計算は以下のとおりである。

(第63条による「建て替えにより権利変換を受ける人」の資産)=(更地の土地評価額)+(修繕積立金)-(既存マンション取り壊し及び建設廃棄物処理費用)-(強制的に地区外に排除する人に対する補償費用)

-4.強制的に排除される原告に対する「区分所有権に対す補償額

強制排除される原告にとっての既存マンション(区分所有権)は、現在の住宅が原告の生活をするうえで十分満足のいく効用を提供している住宅である。原告は、既存マンションを取壊さないで、そこに居住し続けたいと希望している。原告に建て替えを強制することで、現在、原告自身とって十分効用を発揮している住宅を奪われるわけである。その犠牲(損失)を補償するため、「原告が現在享受している住宅」と「同じ効用を提供している住宅」を取得するための費用を補償しなければならない。この補償の理論は、「公共事業の施行に伴う損失補償基準要綱」(閣議決定)に倣って行われなければならない。つまり、「明け渡しを求めている住宅」を現時点で「建設するために必要な費用」を補償することである。そのためには、土地を取得し、現在のマンションと同じ設計内容の住宅を現時点で建設するために必要な費用をもって計算した推定再建築費として見積ることになる。

(補償額)=(団地の敷地更地の評価価格)+(既存マンションの推定再建築費+修繕積立金)全体の640分の1となる。なお、(マンション建築物の現在価格)+(修繕積立金)=(推定再建築費)の関係があるが、修繕積立金はなくなったから、建て替え実施を住宅管理組合が決定した時点で、「マンション所有者全員の組合員に均等に分配」しなければならない。

住宅は償却資産ではない。税法上または会計法上償却資産扱いをすることも可能であるが、補償理論に基づく不動産価値評価は、推定再建築費として評価されなければならない。欧米の不動産鑑定評価(アプレイザル)では、「コストアプローチ」と呼ばれる方法である。

-5.インテリアに対する取り壊し費用と補償費用

マンションは、居住者によって、そのインテリア(住宅設備や家具・什器)は多様に変化する。インテリアは建物との関係で決められる場合が多いため、建て替えによって住宅が変わると、従前に使われたものの多くが、建て替え後の住宅で継続的に使用できず処分される。

建て替えに賛同した人は、それらの家具什器を含むインテリアに関しては、基本的に建設廃棄物となるため、その評価は建設廃棄物処理費用として算定されるマイナス資産となる。しかし、原告にとっては、そのまま生活をする上に必要な資産である。それを建て替えによって利益を得ようとする者が、その利益のために強制的に取り壊すわけであるから、被告組合は、そのインテリアに関し、推定再建設費用を補償しなければならない。

本事件の場合、被告組合は東京地方裁判所の力を借りて、原告を自宅マンションから仮住居を用意せず原告を強制排除し、家財道具自体を一時的に倉庫に収容したが、維持し続けることが出来ず建設廃棄物扱いにせざるを得なかった。その損失は補償されなければならない。

-6.移転補償費用

移転補償費用に関しても、建て替え事業に賛成した世帯の場合には、その費用負担を被告組合で負担するか、または各所帯で負担するかは、建て替え事業計画の中で決められるもので,建て替え事業において移転補償費用を負担しなければならないとは限らない。本事件の場合、東京建物㈱が被告組合に対し移転補償費用、金.500万円の支給をしないことで合意したことで、建て替え賛成者に対して移転補償費の支給をしなくできる。

しかし、原告に対しては、建て替え事業を望んでいないから、建て替え事業を強要することで損失補償をしなければならない。補償対象はこれらの世帯が定住地を決定するまでの仮住宅補償と移転のための移転補償費がその主たる費用となる。本事件の場合、被告組合は、二人の原告は老人であるため、入居するべき住宅市場は狭められているにも拘らず、住宅の世話を全くせず、原告を投げ出したまま苦しめてきた。そのため、目下借り住居生活を余儀なくされており、そのために掛かる費用は、当然、被告組合が負担しなければならない。

2.建て替え組合認可にるマンション建て替え円滑化法違反の事実

-1.「マンション建て替え円滑化法」と憲法第29条との調和

マンション建て替え円滑化(平成14年6月19日施行)は、マンション建て替えを円滑に進めるため、それまでのマンションの老朽化条件を取り外し、「住宅所有者の5分の4以上の合意が得られれば、基本的に強制的な建て替えができる」法律として制定され、建物区分所有法も関連改正された。この改正どおりの施行が、憲法29条に適合するとされている。

マンション建て替え円滑化法では、憲法29条との関係から第4条基本方針を定め、内容を2つのマニュアルとして定めた。このマニュアルは、単なる運用指針ではなく、英米法における控訴審判決を束ねた「慣習法」や最高裁判所の「判例」同様、第4条の基本方針そのものを定める内容として作成された。その内容は、マニュアルで定めた民主的手続きを経て5分の4の賛成を2段階のプロセス、即ち、「建て替え推進決議」(組合自身の費用での作業を基にして、建て替えに絞った検討をする決議)と「建て替え決議」(組合員の意向を反映した国庫補助金を受けて立案した建て替え事業計画に基づいて、建て替えを実施する決議)の手順を取るべきことにより、憲法との調和が図られたとした。

-2.「建て替え推進決議」:修繕か、建て替えかを決定するマニュアル

建て替え事業は、先ず、組合の費用でもって、建て替え事業の大雑把な計画を立て、権利変換の概要を知った上で、組合員全員が「建て替えに絞って検討をする」意思決定をする。それを「建て替え推進決議」と言う。推進決議が行われた組合に限り、組合員の要望を反映した建て替え事業計画に進むことになる。事業計画は、実際の建て替え事業内容を決定するから、国は「優良建築物等整備事業補助金制度」を適用し、事業計画の作成に要する費用の3分の2を国庫補助した。つまり、「建て替え推進決議」は国庫補助金交付条件となった。

-3.「優良建築物等整備事業補助金」詐取横領の事実

諏訪2丁目建て替え事業では、国土交通省住宅局井上俊之市街地整備室長(現在、住宅局審議官)が東京都及び多摩市に出向き、市長に名目の「建て替え推進決議」をすれば国庫補助申請の形式上の書類が整うので国は補助金を交付すると口頭で約束し、東京都及び多摩市に国庫補助金受け入れ制度の整備を命じ、建て替え事業の実績作りを指揮した。

被告組合との間で「建て替え事業者となる約束」を裏で得ていた建て替えコンサルタント旭化成ホームズ㈱は、国土交通省井上室長及び渡辺多摩市長の意向を受け、組合が不正を行うように指導した。組合総会では「国は建て替え推進をしているから、5分の4以上の賛成で建て替え推進決議をした組合には、紐の付かない国庫補助金を交付する制度ができた」と組合員を騙して「建て替え推進決議」を行わせた。そして、被告組合理事長名で、平成16年7月、偽の「建て替え推進決議」を添付して、金.5億1、270万円のうち、金.8百万円の国庫補助金申請を行った。その費用で、組合と建て替え事業者となる裏約束を得ていた旭化成ホームズ㈱は、建て替え反対者の切り崩し工作と、同社が希望する建て替え事業の設計図書を作成し、その建て替え計画に従うように組合員を説得した。

-4.多摩市による国庫補助金詐取幇助

国庫補助申請には、建て替え事業をする総会決定が必要な書類であるが、総会決定も理事会決定も存在しない。多摩市の質問に答えて提出した補助金申請の裏付け資料は、被告組合幹部が、「理事長の代表執行権」なる「法律上根拠のない権限の行使」を理屈とするものである。それは被告組合理事長以下一幹部6名が共同謀議を証明する「意思決定原義」で、民法及び区分所有法に違反した被告組合の意思決定であった。多摩市長は被告組合に申請の正当性の根拠を求め、その事実を知ったが、同時に総会及び理事会の賛成が得られないことを知り、違反を承知の上で国に対し、被告知事を経由し国庫補助金申請を行い、被告組合の国庫補助金の詐取を幇助した。

-5.補助金等適正化法違反の行政訴訟と刑事告発

旭化成ホームズ㈱は、「江戸川マンションの建て替え事業を実施した実績」を売り物に、自社の計画した建て替え事業計画をばら色に描き、建て替え反対者を孤立させることに国庫補助金を湯水の如く使った。危機を感じた2名の組合員は、国庫補助金の不正申請と交付を問題にし、多摩市会計監査委員会に不服審査申請をした。監査委員会は違反の事実を認めたものの、建て替え事業をする方向は、国、都及び市として認めているとして、容認出来る手続きの瑕疵として、審査請求は却下された。

その後、組合員は東京地方裁判所に行政事件訴訟法に基づく補助金等適正化法違反の訴訟が提訴をした。原告の主張する事実確認はされず、「国庫補助金は目的どおり使われている」という多摩市長の主張を東京地方裁判所は認め、事実調べをせず、原告の訴えを却下した。

決定に先立ち、提訴した二人の組合員は平成18年1月国庫補助金の不正交付申請と交付事実を問題にし、「優良建築物等整備事業補助金詐取事件」として、多摩市長、旭化成ホームズ㈱社長及び被告組合建て替え推進理事等を告発した。多摩中央警察署は告発事件として扱ったが、行政事件訴訟の結果、原告敗訴であったことから、原告らの告発事実の操作の要求にもかかわらず、多摩中央警察署刑事課は着手していた捜査を打ち切っていた。

-6.「建て替え決議」:建て替えを実施するためのマニュアル

「マンション建て替え円滑化法第4条の内容を定めたマニュアル」では、マンション建て替えを実行に移す最終の判断は、組合員の建て替え要求を反映した建て替え事業計画に基づき、5分の4以上が賛成する「建て替え決議」により、強制的な建て替え事業が可能になると定めている。つまり、「建て替え決議」は、実態のある事業計画を前提にした裁決と定めている。それまで、多摩市長の東京地方裁判所で、旭化成ホームズ㈱が国庫補助金を受け、組合員の意向を受け作成した建て替え事業計画に基づいて「建て替え決議」をすると説明した。

被告組合の場合、国庫補助金を投入して作成した建て替え事業計画での裁決を求めれば5分の4以上の賛成は見込めず、「建て替え決議」の裁決をすれば法律上は、強制建て替えはできないことになった。被告組合は法律上建て替え事業ができないことを知って、建て替え事業を強行したもので、これは犯罪である。

3.優良建築物等整備事業補助金の詐取横領及び金.32億円の詐取横領

-1.国庫補助金適正化法違反を曖昧にし、責任を取らない手口

旭化成ホームズ㈱の作成した建て替え事業計画では、組合員の30%余の賛成が得られないことが明らかになった。そこで、建て替え事業を「ごり押し」した被告組合幹部は、旭化成ホームズ㈱の作成した事業計画によらない「別の方法」で、建て替えを実施しようと考えた。

偶々、先の刑事告発していた建築物に関し、国庫補助金を受けた、金.5億1,270万円を使った成果が放棄されたわけであるから、「国庫補助金等適正化法違反は、証明された」ことになった。そのため、告発人の証明を無視できなくなり、多摩中央警察署は、多摩市長、旭化成ホームズ㈱社長及び建て替え推進組合幹部の国庫補助金等適正化法違反を認め、組合員の告発どおり東京地方検察庁立川支部に書類を送検した。

訴追を恐れた多摩市長は、「再選を断念」し、旭化成ホームズ(株)は「事業からの撤退」を明確にした。しかし、補助金の不正横領が表向き「判らないようにする方法」として、旭化成ホームズ㈱が作成した事業計画より「より組合員によい計画が現われた」ことにし、多摩市との関係の深い東京建物㈱に建て替え事業者となる不正な約束を禅譲することを決めた。それが、被告組合、多摩市長、旭化成ホームズ㈱、東京建物㈱の謀議に基づき、形式的な業者の提案コンペ(競技設計)として実施された。

-2.組合員を騙した移転補償金(1戸当たり、金.500万円)

東京建物㈱は組合員全員に、「1戸当たり、金.500万円の移転補償金を給付する」という条件を提示し、組合員は圧倒的多数で東京建物㈱を建て替え業者として選考した。この、金.500万円のうち、金.350万円は、虚偽の理屈を口実に78%の減額をすることで組合員の土地を不当に安い価格で購入できるように工作し、騙し取ったものである。

つまり、諏訪2丁目の建て替え用地は、法廷容積率200%を完全に利用できる土地であるが、財団法人に本不動産研究所に依頼し、「標準各地と比較した増減か要因」という理屈で組合員の財産を過小評価したもので組合員の財産の詐取横領である。残りの、金.150万円は2度の引っ越しその他移転引越し関係の移転補償等補償金である。1世帯当たり、金.500万円の移転補償費用を提供する条件で、被告組合の事業者提案協議(コンペ)で建て替え事業者に選ばれた。

-3.東京建物㈱と組合幹部による32億円の詐取横領

旭化成ホームズ㈱が無事舞台を降り、多摩市長も再選出馬しなくなり、建て替え事業の不正の張本人が舞台から消えたことを確認したかのように、東京建物㈱はかねてから被告組合幹部と申し合わせたとおり、「リーマンショックの影響で、金.500万円の補償金は給付できない。それを要求するならば建て替え事業から撤退する」という被告組合との間で了解されていた詐欺の通告をしてきた。

被告組合幹部は、「東京建物㈱の要求を無条件に呑むことをしなければ、建て替え事業はできなくなる。」と組合員に脅し、組合員が怯んだ虚を衝いて、建物区分所有法第62条による「建て替え決議」を平成22年3月28日に実施した。この決議で東京建物㈱は、金.32億円(500万円×640戸)を「濡れ手に粟」したのである。

4.被告・東京都知事の建て替え組合認可の違法性

-1.マンション建て替え円滑化法違反による建て替え組合認可

被告組合が、建物区分所有法第62条を根拠に行った「建て替え決議」は、マンション建て替え円滑化法第4条で定めた基本方針で定めたマニュアルで定めた「建て替え決議」としてやるべき内容(組合員の建て替え要求を反映した事業計画として優良建築物等整備事業補助金、金.5億1,270万円を使った事業計画)に基づいた「建て替え決議」の採決ではなく、その実体のない名称だけの「建て替え決議」である。

よって、「建て替え推進決議」同様、法律要件としての実態を踏まえない名称だけの決議であるから、それによって建て替え事業に強制権を与えることはできない。そのように考えていたから、被告知事による認可は得られないと多くの組合員は考えていた。

被告組合自身が、平成22年3月に実体のない「建て替え決議」をしながら、平成22年11月までの間、既存マンションの存続を前提にした修繕積立金を10ヶ月も不当に徴収し続けた。その理由は被告知事の認可に不安を抱いていたためである。

-2.建て替え組合認可申請書を審査しないでなされた認可

被告知事の組合認可は、マンション建て替え円滑化法第12条に定める建て替え組合認可の基準に違反して認可された。それは上記の被告組合がなした「建て替え決議」自体が、第4条の内容を定めたマニュアルに規定された建て替え決議の実体をなしていないだけではなく、第12条第10号で念押しのために定めてある第4条に定める「基本方針」に適合している条件に違反していたのである。さらに、被告組合が、被告知事に申請した申請書には事業計画が添付されていたが、その中で、建て替えに参加することのできない組合員に対するマンション建て替え円滑化法第15条(建物区分所有法第62条)時価補償額は、金.3,159万円でなければならないにもかかわらず、その3分の1弱の、金.1,117万円であるとした。そのような時価補償をしない不当で不合理な事業計画を多摩市長が経由庁として審査して上申し、それを被告知事が違法に承認した。

一体、多摩市長及び被告知事は建て替え組合認可申請書を審査したとはいえない。事業計画の中で建て替えに賛成できない原告に対する補償費について検討していない。供託額そのものに、建て替え事業主の考え方が現れているだけではなく、その法律に違反した事業計画を多摩市と東京都が容認しているところに官民癒着の不正があるといわざるを得ない。その後、建て替え事業に参加できない2人の老人原告を暴力的な方法で自宅マンションから追い出し、酷暑の真夏日(8月11日)から一週間野宿を余儀なくさせたのである。

5.強制事業実施の根拠となる法律条件

(憲法29条とマンション建て替え円滑化法及び建物区分所有法の関係)

5-憲法第29条との関係

憲法第29条の規定では、一般のマンション建て替え事業では、住宅管理組合員全員の賛成がなければ、建て替え事業は実施できない。その理由は、憲法第29条の規定に私有財産権の保護が定めてあるからである。マンション建て替え円滑化法及び建物区分所有法は、憲法第29条に抵触するとの見方もある。しかし、「憲法の規定に沿った条件下における例外」を、マンション建て替え円滑化法の適用制限条件と定め、それを遵守することで憲法に抵触しないと説明され、適法とされてきた。即ち、立法の経緯を見る限り、マンション建て替え円滑化法の中で憲法が定める民主的な手続きを定め、各実定法(マンション建て替え円滑化法及び区分所有法)の立法趣旨及び法律の実体規定に適合する実態がある場合は、憲法第29条に違反しないとするものである。国土交通省は、平成14年マンション建て替え円滑化法の制定に合わせて、同法第4条基本方針の具体的内容を二つのマニュアルとして定めた。このマニュアルは政令、省令、大臣命令のように条文の中で同法から授権して制定するものではなく、法律の内容自体を説明する判例や、英米法における慣習法同様なものであると説明されてきた。そのため、事実上マンション建て替え事業の基本方針を定めているマニュアルの法律上位置づけは、第4条の条文中に記載されていない。

マニュアルの中で建て替え事業を進める手順に従って、「住宅管理組合が建て替え事業に絞り検討作業を進め、建て替え事業計画を作成する決議」(「建て替え推進決議」という。)と、「住宅管理組合が取り纏めた建て替え事業計画をもとに、建て替え事業を実施する決議」(「建て替え決議」という。)の二つの段階で、管理組合員の5分の4以上の圧倒的過半数の支持を要することを、建て替えに向けて事業を進めることのできる条件と定めている。これらの各法律の定めた境界条件を「強制権を付与する民主的な二つの決議」、即ち、「建て替え推進決議」及び「建て替え決議」の実体規定に違反している場合は、強制権を有する建て替え組合自体の設立認可は認められず、住宅管理組合はマンション建て替え円滑化法の強制規定を使うことはできない。ここで「建て替え推進決議」及び「建て替え決議」は、単なる名称としての決議ではなく、マニュアルに定めた規定に適合した実態がなければならない。平成14年のマンション建て替え円滑化法の制定に関連して行われた区分所有法の改正は、同法第62条の「建て替え決議」の条件が大幅に変更された。それは以前のマンションの物理的老朽度を建て替え条件から外し、マンション建て替え円滑化法で定めたマニュアルどおりの民主的な手順を踏んで建て替え事業を進め、「建て替え決議」を実施したものに対し、強制権を付与できるとしたものである

東京地方裁判所立川支部における所有権移転登記訴訟においては、マンション建て替え円滑化法第4条の内容として定められたマニュアルが、被告により、「単なる参考とする事業指針のような指針」と説明され、裁判長はその根拠も示さず、被告の主張を確かめもせず、その主張に迎合し、そのまま追認した。そして、区分所有法の「建て替え決議」は、「マニュアル」で定めた「建て替え決議」と別に存在するかのような、立法経緯から見ても、法律の構成見ても間違った解釈により、法律違反の被告を正当化する判決がなされた。

憲法 第29条

1.財産権は、これを侵してはならない。[1]

2.財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。

3.私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。

国土交通大臣が定めた二つのマニュアル

・マンションの建て替えか修繕かを判断するためのマニュアル

・マンションの建て替えに向けた合意形成に関するマニュアル

5-.原告が要求する「国が指導した補助金等適正化法違反」の審理

被告組合が進めてきた本建て替え事業は、マンション建て替え円滑化法に定めた手続きに従って事業を実施した体裁を採っている。しかし、本事業はマンション建て替え円滑化法が強制事業として実施できる根拠は、以下の二つの節目の決議、即ち、「建て替え推進決議」及び「建て替え決議」にある。この決議に関し、被告組合は、マンション建て替え円滑化法(第4条、第9条から第15条)及び区分所有法(第62条)に定めた実体規定に悉く違反した建て替え決議、事業計画、建て替え組合の認可申請、並びに土地の利用権及び区分所有権の時価補償を行い、それらを行政が被告組合の言いなりに認めたものである。被告組合の実施した建て替え事務の実態は、上記2法の実体規定に違反している。マンション建て替え円滑化法及び区分所有法では、「建て替え推進決議」及び「建て替え決議」それぞれについて、マニュアルに定められた内容に対して決議をするのでなければこの二つ法律の基本となる建て替え事業を進める決議にはならない。つまり、マニュアルの要件を具備しない名称だけの「建て替え推進決議」や「建て替え決議」に対して「80%以上の組合員の賛成」があっても、マンション建て替え円滑化法及び建物区分所有法による強制権を付与された事業の法律要件を満たした決議として扱うことはできない。

5-3.法律上の実体のない「建て替え推進決議」による補助金の詐取・横領 国土交通省はマンション建て替え円滑化法により、「マニュアル2」で定めた「建て替え推進決議」をした場合、住宅管理組合が組合員の納得した建て替え事業計画を作成するための建て替え事業計画作成費用の3分の2を国が補助する「優良建築物等整備事業補助金」制度の補助金交付申請条件として定めた。被告組合は、この補助金を不正に手に入れようと、本事業では上記マニュアルで定めた2決議の実体規定に対応する実態は存在しないにも拘らず、被告組合は名称としての「建て替え推進決議」を行い、「マニュアルで規定された実体規定を満足している」と虚偽の説明し、国庫補助金の不正申請を行い、補助金を詐取した。  国土交通省住宅局井上俊之市街地整備室長及びその意向を受け、国庫補助金の申請条件である「建て替え推進決議」の実態が法律違反であることを多摩市長、被告知事及び国土交通大臣は知っていた。被告組合と、その間で暗黙裡に建て替え事業者となる了解があったコンサルタント旭化成ホームズ㈱の指導に従い、国庫補助金の申請を行った。そして訴外国土交通大臣は、被告組合の不正を容認し、金.5億1,270万円の国庫補助事業を認めた。       被告知事はその不正を貫徹するために建て替え組合の認可を押し通した。同様に、被告組合の行った建物区分所有法第62条で定める「建て替え決議」は、マンション建て替え円滑化法第4条基本方針の内容を定めたマニュアルに定められた「建て替え決議」の要件を備えたものでなければならないにも拘らず、その要件を全く具備しない名称だけの実態の伴わない「建て替え決議」として行なわれたものである。「建て替え決議」は、組合員の意向を事業計画に反映した建て替え事業計画について採決をするものでなければならない。    しかし、本事業で行われた「建て替え決議」は、事業計画を決議の対象にするのではなく、先ず建て替え事業者の選定が先行して実施された。事業者選定の焦点は、事業計画から組合員の関心を外し、1世帯当たり、金.500万円の移転補償金が建て替え業者選考の中心課題に摩り替えられた。その中で、東京建物㈱が「金.500万円の移転補償金の提供」を条件に、建て替え事業者として選考された。しかし、選考された事業者が決定された段階で、「リーマンショックで経営環境が悪化したから、金.500万円の補償金は提供できない。それが受け入れられなければ建て替え業者から撤退する」と組合員を脅し、組合員がひるんだ虚を突いて「建て替え決議」を行った。区分所有法第62条の「建て替え決議]は、マニュアルで定める内容を持った決議であって、建て替え業者選定を選考させ、その条件で選ばれた業者が組合員を脅して決議をさせる「建て替え決議」ではない。また、本建て替え業者選考の手続きはマニュアルで定めた「建て替え決議」の実態を持たない「詐欺」である。

5-4.国土交通省住宅局が仕組んだ実績造りのために仕組んだ不正事業 行政機関の違法事務が強行された背後には、以下のような原因がある。国土交通省住宅局のマンション建て替え円滑化法担当井上俊之市街地建築室長(現住宅局審議官)は、平成15年マンション建て替え事業実績を作るため、多摩市長に対し「建て替え推進決議」の書面さえ添付してあれば補助金を交付することを示唆した。被告組合に対する建て替え事業のコンサルタントになった旭化成ホームズ㈱はそれを受け、組合理事を指導して、総会で「国は建て替え事業の推進を図るために、「建て替え推進決議」をすれば、建て替え推進の検討作業に必要な費用の3分の2を補助する制度を開始したと組合員を騙す説明をさせた。そして、「マニュアル」で定めた実体のない「建て替え推進決議」という名称の決議を行なわせた。被告組合は上記「マニュアル」を組合員に説明せず、「建て替えか、修繕かの検討を含めて検討できる」補助金申請条件の説明で「建て替え推進決議」という名称の決議を実施させた。

それ以前にも被告組合は5回ほど「建て替え決議」や「建て替え推進決議」を行ってきていた。しかし、マンション建て替え円滑化法第4条の「基本計画」で定めた上記マニュアルとは別の決議であるため、法律上の効力をもたなかった。今回もマニュアルに定めた実体規定に適合しないため、法的効力を持ち得ないことは同じことである。しかし、国土交通省住宅局井上俊之市街地建築室長が優良住宅物等整備事業補助金の交付条件として、組合員の5分の4以上の賛成を得た「建て替え推進決議」を添付すれば、国庫補助金を交付すると示唆したことに従い、事態は全く違った展開をすることになった。旭化成ホームズ㈱は、江戸川アパートの建て替え事業を成功させた実績を売り込んで被告の建て替え推進理事と建て替え事業者となる了解を取り付けた。旭化成ホームズ㈱が被告組合のコンサルタントに入り、「建て替え請負人」として、不正な国庫補助金の申請が行われた。補助金を騙し取れば、その補助金を使って建て替えに向け組合員を切り崩し、締め付ける活動資金として資金を使うため、組合員を騙して形式的な「建て替え推進決議」を行なわせたものである。

5-5.国庫補助金を得て進められた不正な建て替え事業 当時、組合全体では建て替えに絞って取り組む合意は存在せず、そのため「建て替え推進決議」をする際の説明は、国庫補助金は建て替えか、修繕かを検討する作業にも使い、「建て替え」については、検討結果を見て組合内部で決定をすると説明がなされた。「優良建築物等整備事業補助金」制度の適用は、「建て替えに絞って検討をすることを決定した住宅管理組合」に、建て替え事業計画作成のために国庫補助金を交付する制度である。被告組合は、虚偽の「建て替え推進決議」を補助金申請書に添付し、多摩市長宛に申請した。多摩市長は国土交通大臣宛の補助金申請書を作成し、被告知事を経由して申請した。被告組合から申請を受け付けた多摩市長は、国庫補助金申請書に被告組合としての総会決定も理事会決定も経ていない国庫補助金申請では困ると被告組合に指摘した。                               しかし、被告組合は理事会決定も総会決定もしていない国庫補助金申請をした事実を組合ニュースに掲載し、追認する議決はできない状況にあった。そこで被告組合の代表者名の国庫補助金申請は、「住宅管理組合理事長の執行権」として補助金を申請するものと建物区分所有法に違反した説明した。被告組合は、理事会及び総会決定に代わるものとして理事長の執行を実質的に支持する理事長の「意思決定原義」を作成し、理事長を含む建て替え賛成の理事及び組合員で構成した任意の組織であった。多摩市長は国土交通省住宅局井上俊之市街地建築室長の指示で補助金申請ができると旭化成ホームズ㈱のコンサルタントの指導に従い、被告組合の説明どおりの書類で補助申請を受付け、補助申請を行った。これらの一連の事務は、国庫補助金等適正化法違反及び建物区分所有法に定める決済規定違反である。国庫補助金等適正化法違反に関し、当時、組合員戸谷英世(本事件原告)及び坪井道郎は、平成16年国土交通省に出向き、同省住宅局会議室で、国土交通省住宅局井上俊之市街地建築室長及び2人の職員同席のもと面会し、不正な国庫補助金申請であるから受け付けないように要請した。このことに関し井上俊之室長は、「国庫補助申請は、多摩市、東京都および国土交通省地方整備局の審査を経てなされたものであり、国庫補助金の申請条件の『建て替え推進決議』が添付された文書であり、補助金申請は、法律上問題はない。」と断言した。その上で、「『建て替え推進決議』の正当か、どうかといった『神学論争』はやめようではないか」と言い、最後に「先輩(戸谷英世は井上俊之の建設省入省16年先輩)もご存知のように、本省では提出された書類上の審査しかできないので、本省の責任など追及できるはずはない。私は先輩の要求する調査はやりません。」と断言した。   そのような経緯があり、意図的に犯罪をし、その証拠を押えられなくしている。国土交通省の国庫補助金交付の違法を直接問題にすることを、組合員であった戸谷(原告)と坪井はあきらめ、国庫補助金を不正に申請した渡辺幸子多摩市長を多摩市監査委員会に地方自治法による会計監査の審査請求をすることにした(17多監第53号 平成17年「多摩市職員措置請求」)。

5-6.建て替え組合認可の前提にした実体規定違反の「建て替え決議」 マンション建て替え円滑化法第9条の条件とされる建物区分所有法第62条に定めた「建て替え決議」は、住宅管理組合住民の意向を反映した建て替え事業計画を前提にした内容に対する組合員の決議である。即ち、区分所有法で定めた「建て替え決議」は、マンション建て替え円滑化法第4条基本計画に定めたとおり、国土交通大臣が定めたマニュアルに定めた「建て替え決議」でなければならない。                                          しかし、被告組合が行なった「建て替え決議」は、その実体が全く存在しない名称だけの「建て替え決議」である。そして被告組合は名称だけの「建て替え決議」を、マンション建て替え円滑化法及び建物区分所有法で定めている「建て替え決議」であるとして、被告知事に対してマンション建て替え円滑化法第9条の建て替え組合認可申請を行なった。          この認可を得て被告組合がマンション建て替え円滑化法が付与する強制事業を実施できる建て替え組合の権限を不正に詐取するとともに、さらに、建て替え事業費の一部として、優良建築物等整備事業補助金を詐取する目的で不正な補助金申請を現時点でも行っている。建物区分所有法とマンション建て替え円滑化法第4条基本方針で定める内容をマニュアルで説明してある「建て替え決議」は、マンション建て替え円滑化法の制定時に建物区分所有法が関連改正されたものであり、その内容は同一なものでなければならない。被告組合は、「マニュアルは指針であり、従う義務はない」と根拠の暴言を原審で陳述し、建物区分所有法の「建て替え決議」は、実態がない形式的な名称としての「建て替え決議」でよいと主張した。しかし、そのような事実は存在しない。 「建て替え決議」は憲法第29条との関係でマンション建て替え円滑化法第4条ができた立法の趣旨、立法の経緯でマニュアルとして定められたもので、それを蹂躙してはならない。このような不正な「建て替え決議」を前提にした建て替え組合認可を被告知事は、「建て替え決議」自体が違法になされたことを知る立場にいて、被告組合の言いなりに認可した。それは違法な「建て替え推進決議」を前提に、これまで不正に国庫補助金交付を幇助してきたため、被告知事自身がその不正に加担したことが露見しないように、被告組合のなした不正を徹底して隠蔽するため、建て替え組合の認可を違法に認可したものである。

5-7.組合の民主的手続きを定めた2決議の解説(以下、国土交通省がマンション建て替え円滑化法第4条定めた説明した「マニュアル」の解説の転載)

「建て替え推進決議」及び「建て替え決議」は、それぞれ、被告組合が「建て替えに絞って検討をする際の決議」と、[建て替え事業計画を策定した際、その計画による建て替えを実施する際の決議」という建て替え事業推進時の重要な節目になる時点での決議である。

・「建て替え推進決議」(建て替えを計画することの合意):「マニュアル」、ステップ検討段階:建て替え構想の検討、〔8〕建て替え推進決議 建て替えか、修繕・改修か、それぞれの場合の改善効果と所要の費用の比較結果を受けて、多数の区分所有者が得られた時点で検討結果の最終目的である建て替えを検討するか、どうかの合意形形成を行います。建て替えを選択する場合、「管理組合として建て替え決議に向けて本格的な建て替え計画の検討を行なっていく」旨を理事会が議案として提案して、管理組合の集会〔総会〕において決議を行うことになります。これを一般に「建て替え推進決議」と称します。区分所有法で定めた手続きではありませんが、こうした決議を行い、合意形成を着実に進めていくことが望ましいと考えられます。決議に当たっては、次の計画段階における組織の設置、活動費用の拠出について議案として提起します。又建て替えの必要性についての検討成果を取りまとめて示します。

・「建て替え決議」(建て替え計画を前提にした建て替えの合意):「マニュアル」、ステップ:建て替え計画の策定、[14]建て替え決議 建て替え計画の内容がほぼ固まり、それに対する区分所有者の理解も可能な限り最大限にえられた段階で、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成により、区分所有法に基づく建て替え決議を行ない、建て替え事業を実施するプロセスへと進むことになります。これまでの区分所有法では、区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数により建て替え決議(第62条)を行うためには、                                                  ①建物が老朽、損傷、一分の滅失等の状態にある、                            ②建物の効用を維持または回復(修繕・改修)に、建物価格に比べ可分の費用を要する。  こと等が要件とされており、要件の具体的内容や判定基準が不明確であったことから、区分所有法に基づく建て替え事例はわずかしかありませんでした。しかし、平成14年12月に区分所有法が改正され、建て替え決議を行うための建物についての要件が必要なくなり、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成のみで建て替え決議をすることができるようになりました。

6. 被告知事が事業計画として認可する事業の合理性) 6-「建て替え決議」の意義 「建て替え決議」は、組合員が建て替えに絞って事業計画を立案する決定に基づき、組合員の意向を十分に取り入れ策定した事業計画案に対し5分の4以上の組合員の賛成を前提にし、全組合員を強制する建て替え事業の決定で、前記「マニュアル」では「4.建て替え決議」で次のように解説している。建て替え決議の意義(「マニュアル」の解説)                 建て替え決議はそれが成立することにより、建て替え事業に円滑に着手することができるために、建て替えに参加しない区分所有者の区分所有権と敷地利用権とを時価を持って売り渡すよう請求する権利を建て替え参加者側に認めています。即ち、建て替え決議に反対した者には、決議成立後に、再度、建て替えに参加するかどうかの意思決定をする機会がありますが、その段階で反対した場合は、「建て替え事業に参加しない者」として扱われ、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡し転出しなければなりません。このように全ての区分所有権及び敷地利用権を建て替え賛成者に帰属させることにより建て替え参加者のみで建て替えを円滑に実施することができるのです。建て替え決議の意義とその後の手続きについて十分に理解し、区分所有者全員に周知徹底を図ることが大切です。

6-強制事業の権利と義務

「建て替え決議」は、その事業計画に十分な合理性があることを前提に、組合員の5分の4以上の圧倒的な多数決を前提に強制権の執行を認めている。事業計画には事業に賛成することができない組合員に対し、所有する区分所有権と土地利用権それぞれに関し、強制買収できるようにする代償として、その損失補償(第15条:時価補償)を法律で明記している。そこで住宅を建て替えに賛成しない人には、現在効用を有しているマンションを強制的に取り壊すため、マンションが提供している効用と同様のマンションを取得するために必要な土地の利用権と、建物の区分所有権(そこに存在するマンションを建設するために必要な建設費用:推定再建築費)とそれに関連する移転補償等の補償しなければならない。それがマンション建て替え円滑化法第15条の規定である。事業を実施するためには、事業の実施に伴い犠牲を負う(建て替え事業計画では権利変換を受けない)者に対する損失補償費を事業計画の中に計上しなければならない。しかし、被告組合が作成し、被告知事に申請した事業計画には、建て替え事業の賛成することのできない原告に対する損失補償の予算は全く計上されていない。このような事業計画を認可した被告知事の認可自体にも「建て替え決議」の扱い同様の間違いがある。

6-法律に違反した供託金による裁判所の強制執行

しかし、被告組合は、「時価」とは「時価補償ではない」と東京地方裁判所立川支部における裁判(所有権移転登記裁判及び建物明渡し断行審尋)と一方的に主張した。また、裁判長も「マンション建て替え事業を実施するために被告組合が必要であると算定した額が、第15条の時価であり、補償金ではない」と被告組合に迎合した。そして、原告二人のマンションからの明け渡し断行を裁判所に申請し、村田裁判長は被告組合と事前に情を通じていたかのように、その申請に従った。供託金には第15条で明記された土地の利用権の一部及び建物の区分所有権に係る費用の全額並びに移転等に係る損失補償の全額が含まれていなかった。原告二人に対する供託金には、「建て替え事業に参加する者の保有する区分所有者の保有する権利変換相当額」しか含まれていなかった。事業計画において「原告に対する損失補償金(第15条)」は計上されておらず、法律に違反した供託金を供託したことで原告二人のマンションの所有権を取得することはできない。

被告組合は、原告二人のマンションを所有権が原告のものであるにも拘らず、供託金を供託したから、被告組合に所有権が移ったと称して、明け渡し断行仮処分を申請した。東京地方裁判所立川支部は、第15条に定める供託金の内容の審査もせず、その申請を全面的に認めた上、建物明渡し仮処分断行決定を認め、同裁判所が強制執行を認めた。そのマンション自体の所有権移転はなされておらず、現時点においても係争中である。これは憲法29条に違反し、不動産登記法に違反する決定であり処分である。それにも拘らず被告組合は、原告に仮居住する住宅も提供せず、マンションから強制排除をした上、マンション自体を取り壊してしまった。東京地方裁判所は真実を審理せず、原告の主張を聞こうとせず、事実関係を認めないで、被告組合の主張を全面的に認め、原告に対し、非人道的な居住する場所を用意しない強制執行断行を幇助した。

6-債務者の人権蹂躙した裁判所の決定

被告組合は自宅マンションから立ち退きを強制された原告二人の仮住居を用意していなかっただけではなく、そこで受ける仮住居を借りる費用のすべてを、立ち退きを強制される原告二人に負担させ、それを当然であるとした。老人に対する住宅市場は厳しく、原告二人が希望する条件での住宅は発見できず、その結果、原告は平成23年8月11日の真夏日から10日間に野宿を余儀なくされた。裁判所の決定は人権侵害で、それに対し法務局の人権保護を求めたにも拘らず、法務局は「裁判所の決定に対しては保護できない」と憲法に違反した対応をした。

「建て替え決議」による強制権は、マンション建て替え事業に賛成できない原告二人を犯罪者のように扱ってよいということではない。被告組合が供託金を供託すれば、所有権が自動的に移転するものではないし、債権者になったわけではない。民事保全法上、被告組合に対する被告知事による建て替え組合の認可が法律上正しくて、かつ、供託金が法律上根拠のある額である場合に、被告組合が債権者となり得るに過ぎない。本事件の場合、訴えの前提が適法であるとしたうえで、訴訟手続き上、原告が債務者の立場に立たされたに過ぎない。しかし、原告は被告組合の債権者の立場を認めることはできず、それを含めて本訴訟の対象にしてきた。さらに、被告組合の建て替え組合の詐欺申請により、被告知事が建て替え組合認可を幇助したことにより、原告が被告組合の詐欺申請と被告知事の詐欺幇助という2重の犯罪により債務者の立場に立たされたに過ぎない。

被告組合は「盗人猛々しく」原告を債務者の立場に立たせただけで、仮に法律上正しい手続きを経ていたとしても、建て替え事業における加害者であることには変わりない。建て替え事業により利益を追求する建て替え賛成者から見れば、建て替えに参加できない原告はその被害者である。そのため、建て替えを進める者(被告組合)は建て替えに参加できない原告(被害者)に、これまでの生活と遜色のない住環境を斡旋紹介する義務は残っている。建て替え工事を急ぐための明渡し断行決定に関しても同様である。明渡し仮処分決定後2週間で、原告に短期間に仮住宅を見つけることができるはずはない。仮処分を強制的に行う場合、被告組合が原告に対し仮住居を提供するのは当然なされるべきことが、なされていなかった。

6-杜撰な被告・東京都知事の建て替え事業計画審査

被告知事は建て替え組合認可に当たり、原告の私有財産にかかる重要な決定をする認可事業であるという認識が欠如していた。強制建て替え事業として認可するに当たり、最も重要なことは、憲法29条の関係で私有財産を拘束することになるため、先ず、被告組合によって行われた「建て替え決議」の実態が、マンション建て替え円滑化法どおりなされていたことを確認するとともに、建て替えに賛成する人同様、原告に対し、法の上の平等を実現するための権利補償と権利変換が適正に行われる事業計画が作成されているかを審査することである。しかし、被告知事は、被告組合の法律上の適格性を審査せず、事業計画において事業の犠牲となる原告の経済的合理性を審査せず、被告組合の言いなりに押印し,建て替え組合認可をした。

上記、9-4で指摘したように、建て替え事業による利益を求めるために作成された建て替え事業に賛成しない原告二人を非人間的にしか扱えない事業計画を東京都知事が認可したことが、結果的に事業計画を実施する段階で明らかになった。被告知事の事業認可は、明らかにマンション建て替え円滑作法及び区分所有法に違反した「合理性のないもの」であったか、又は、被告知事の本事業に関する「審査に違法性があった」か、いずれかであった。被告知事は、建て替えに反対している原告を「兵糧攻めし、痛めつける非人道的な状態」を一刻も早く解消し、従前の住居費負担で生活できる仮入居のできる住宅の供給などの対応を取るべきである。

東京都は「建て替え決議」が違法になされたことを、事業計画を組合員に供覧した時点で、原告からの異議申し立てを受けたにも拘らず、実態が違法に行われた事実を調べようとせず、または、異邦の事実を知っていて被告組合を幇助して原告の異議申し立てを却下した。また、被告知事はこの事業において権利変換を受けない組合員(原告)に対し、マンション建て替え円滑化法第15条に定める時価補償額が適正に事業計画に計上されていることを審査すべきであった。

被告組合は東京建物㈱と共謀し、権利変換を受ける者の土地の利用権の額から、訴外東京建物㈱を建て替え事業者として組合員から選考させるための決定的条件である「金.500万円の移転補償金」捻出するために組合員の土地の減額評価という不正な工作をした。その方法は、法廷容積率一杯の利用ができているにもかかわらず、実際の土地の利用権から、根拠なく22%減額した。さらに、区分所有権を建設廃棄物とした時の取壊しに要する額を差し引いて金額を時価と偽り決定した。

建て替えに賛成して権利変換を受ける者は、通常の住宅の建て替え同様、既存の取り壊す住宅は建設廃棄物処理代のかかるマイナス資産である。そのため、建て替えを希望する者には、区分所有権の権利はゼロではなく、建設廃棄物取り壊し費用を要するマイナスの額になる。しかし、自宅マンションの効用を認め、将来的に継続使用する効用を認めている原告にとってのマンションの価値は、「そのマンションを再建築する費用」を補償されなければ譲ることはできないものである。マンション建て替え円滑法で土地の利用権と区分所有権と両方に対して時価で補償するように記載してあるのはそのためである。被告知事は事業計画に置いて本来計上すべき建て替え事業に賛成できない原告に対する補償金を一切計上しないで、組合認可を行ったこと自体、国民の人権を著しく侵害する不当な事業認可と言うべきである。被告組合が原告に提示した時価とは、実際に補償すべき時価の半額程度を供託した。それに移転補償費用と慰謝料を合算すると、原告に供託すべき供託金は、実際に供託された額の約4倍となる。

7.詐欺(建て替え事業の詐欺、補助金事業の詐欺)を前提とした建て替え事業

7-国庫補助金の詐取・横領

被告組合が実施しているマンション建て替え事業は、マンション建て替え円滑化法に定める実体規定に違反している。それにもかかわらず、建て替え事業は適合しているとして、同法の利益を騙し取っているもので、刑法上の詐欺罪を犯していると判断される。この事業が始まる時点で被告組合は、組合員の意向を無視して、建て替え事業を実施する意思決定をしたが、被告自体で「マニュアル」で定める「建て替えか、修繕・改修かの検討」がなされておらず、「建て替え推進決議」を実施できる状態ではなかった。

しかし、訴外国土交通省住宅局井上俊之市街地建築室長は、自ら所管する国庫補助金申請書に関し、「建て替え推進決議」と言う名称の添付書類があれば国庫補助金を交付すると、多摩市長及び被告組合理事に対し違法な法律運用を示唆し、優良建築物等整備事業補助金を使ったマンション建て替え事業の実績作りをしようとした。その結果、本建て替え事業が国庫補助金を使って不正に実施されることになった。

本建て替え事業は、優良建築物等整備事業補助金制度要綱に基づき、金.5億1,270万円の補助事業で得たお補助金(国:3分の1、都及び多摩市:それぞれ6分の1の補助金ならびに組合員の組合費:3分の1)が使われた。被告組合は旭化成ホームズ㈱に「建て替え事業者となる了解」を裏で与えたうえで、建て替えに絞って検討をする決議(「建て替え推進決議」)がなければ得られない補助金を、旭化成ホームズ㈱に対し、建て替えに向けての組合員の切り崩し・説得と併せ、同社が希望する建て替え設計図書作成費として補助金を使わせた。この補助金交付申請から補助金の交付及び補助金の額の確定まで、すべて国庫補助金等適正化法違反である。

この法律違反に対し、多摩市長を相手に地方自治法を根拠にした行政事件訴訟が争われた。訴訟時点では、建て替え事業は国の方針であるとして「建て替え推進決議」自体の審理は棚上げされ、交付された補助金の使途に絞って、それが適正であるか、どうかに問題が掏りかえられていった。多摩市長は旭化成ホームズ㈱に作成させた建て替え事業計画をもとに「建て替え決議」が行われるという説明を行い、それに裁判所は「公権力の判断は正しい」と納得し、国庫補助金は補助目的には使われていないという組合員の実態を踏まえた訴えは却下された。(東京高等裁判所平成19年(行コ)第95号損害賠償(住民訴訟)等請求事件、原審:東京地方裁判所平成17年(行ウ)第522号

旭化成ホームズ㈱が補助金を受けて行った業務は、被告組合として建て替えを実現する組合員の切り崩し工作と、旭化成ホームズが建て替え業者として利益の得られる事業計画の作成であった。そのまとめた建て替え事業計画では、70%程度の支持しかえられなかったので、「建て替え決議」は望めず、旭化成ホームズ㈱の建て替え事業は消滅した。マンション建て替え円滑法によれば、国庫補助金を得て纏められた事業計画で、80%以上の支持が得られなければ、強制建て替え事業をしてはならないことになっている。

その時点で、被告が国庫補助金を旭化成ホームズ㈱に不正に使わせていた国庫補助金等適正化法違反が明確になったので、住宅管理組合員の一部は、多摩市長、被告組合、多摩市長及び旭化成ホームズ㈱を刑事告発し、多摩中央警察署から東京地方検察庁立川支部に書類送検された。しかし、本事件の違法性の確定を急ぎ「多摩市長を告発人から外せば、起訴の可能性が高まる」と検察官の不適切な指導に従った。その結果、補助金を供与した多摩市長が被告発者からなくなり、補助金を収賄した旭化成ホームズ㈱だけが残るという不自然なことが起こり、控訴全体の構成が崩れ、不起訴扱いとなってしまった。(刑事告発事件:事件番号21-8159,8167、詐欺、背任、詐欺未遂(処理罪名 詐欺)事件)

7-.原告の自宅マンションの詐取及び修繕積立金の詐取・横領

本事業は、マンション建て替え円滑化法に定めた「マニュアル2」で規定された「建て替え推進決議」及び「建て替え決議」の要件等の実体規定を持たないで、名称だけの決議を条件に被告知事の建て替え組合認可を詐取したものである。その虚偽の申請によって得た被告知事の認可を根拠に原告の自宅マンションをだまし取ったものである。その根拠として供託した供託金は、マンション建て替え円滑化法第15条に違反したものであるにも拘らず、被告知事はその事業計画は適正であるとして、建て替え事業計画を認可した。被告組合は、被告知事に対する建て替え事業計画において、原告の奪われる財産の損失補償をしない不正な時価による事業計画に被告知事が与えた組合認可を前提に、被告組合は供託金を供託し、明渡しを断行した。東京地方裁判所立川支部は、違法な価格の供託金を被告組合の言いなりに適正と認め、建て替え反対者をマンションから強制的に明け渡しを執行した。

また、被告組合は「マニュアル」に違反して、「建て替え決議」を実施していた時点での組合員全員に返戻すべきと定められていた修繕積立金を、建て替え事業に反対していた組合員(原告)には返戻せず、中でも本訴訟中の原告二人に対しては、マンションを組合が取得するため供託金を供託したことで、マンションの区分所有権と一体に修繕積立金を横領する詐取横領がおこなわれた。その事実を知る立場にある行政機関(多摩市、被告知事、国土交通省)は被告組合の詐欺横領を放置し、監督官庁として「未必の故意」と判断される犯罪に手を貸してきた。

7-強制建て替え事業の鍵を握る「建て替え決議」

被告組合が建て替え組合の認可申請を被告知事に提出したときの最大の鍵である「建て替え決議」(区分所有法第62条)が、国土交通大臣が定めた「マニュアル」に定めた「建て替え決議」とは同じものでなければならない。しかし、原審をみる限り、被告組合も原審判事もそれらが別でよいと考えているかの疑問に、本裁判であきらかにされなければならない。

憲法第29条の例外として被告組合の全員によらなくても、無条件(それまでのマンションの老朽化条件を外して)、組合員の5分の4以上の賛成で強制権を付与してよいとされた。そのマンション建て替え円滑化法の立法にあたり、憲法第29条との関係で大変な議論を経て、「建て替え決議」の内容が、同法第4条基本方針の内容として定められた。マニュアルの中で定められた「建て替え決議」は、マンション建て替え円滑化法だけではなく、そのとき関連改正された区分所有法で定めている「建て替え決議」と同じものであることに、法律上の異論を挟む余地はない。

「建て替え決議」は、その前提となるべき組合員の総意により作成すべき建て替え事業計画なしでなされた決議である。組合員の希望を取り入れた事業計画が存在しない。そこで、先に建て替え事業者が「事業者選定コンペ」により、「金.500万円の移転補償費」を条件に選定された。建て替え事業計画自体は建て替え組合認可後にも、建て替え業者の一存で自由に変更されている。

建て替え業者の選定の鍵を握っていたものは、被告組合が中心となり、刑事訴追を受ける危険を感じていた渡辺幸子多摩市長、旭化成ホームズ㈱岡本利明社長及び住宅管理組合小沢満寿夫(理事長:故人)加藤輝雄(副理事長)、(理事)杉田昌義、布施良一、高橋善幸、中村公二、櫨川 謙(監査委員)阿部秀寛が、建て替え事業の禅譲される東京建物㈱との間で謀議をし、「1戸当たり、金.500万円の移転補償金の配布」を条件に選考させた。この金.500万円のうち80%は、被告組合の組合員の所有する土地の利用権を不動産研究所に22%も減額した不当な評価をさせ生み出した費用である。

その、金.500万円の補償金も東京建物㈱を選考させるための見せ金(詐欺)で、東京建物㈱が選考された後は「リーマンショックで会社経営が困難になったといい、組合が、金.500万円を放棄しなければ、東京建物㈱は事業から撤退する」と脅し、総額、金.32億円を不当に着服(詐取)した。被告組合は東京建物㈱と共謀し、組合員の利益を32億円剥奪したことになる。このような業者選考の方法がマンション建て替え円滑化法上も、区分所有法上も正当であるはずがない。

また、このような組合員の意向を反映した事業計画ではなく、「金.500万円の移転補償金」を選考理由で選んだ東京建物㈱の脅しで決議した「建て替え決議」が正当であるはずがない。被告組合が区分所有法第62条による「建て替え決議」により建て替えを決定したというが、それは単に「建て替え決議」と言う名前の決議をしただけであって、マンション建て替え円滑化法や区分所有法で定めた「建て替え決議」の実態は存在しないものである。

7-国庫補助金の詐取横領

重要なことは「建て替え計画の内容」をもとにした組合員の合意形成である。マンション建て替え円滑化法立法過程での衆参両院における政府委員(三澤住宅局長)は、建て替え事業は十分組合員が納得する建て替え計画が作れるよう「建て替え推進決議」を補助条件に、その計画費に対しては、補助率3分の2という「優良建築物等整備事業補助金制度」に基づく補助金を交付して、後戻りすることのない計画を立案すると説明した。本建て替え事業は、「マニュアル2」で定めた要件を具備しない名前だけの「建て替え推進決議」で被告組合は、金.5億1,270万円の補助金を詐取し、それを旭化成ホームズ㈱に不正供与し、旭化成ホームズ㈱の利潤追求本位の建て替え事業計画を作成した。それを多摩市長による国庫補助金等適正化法違反の行政事件訴訟で、多摩市長は「マニュアル2」で定める「建て替え決議」のための基本資料であると説明をしてきた。

その建て替え計画では、組合員の30%以上が反対の意向を示したため計画全体を反故にした。金.5億1,270万円の国庫補助事業を受けた事業費は、旭化成ホームズ㈱に詐取横領された。その段階で多摩市長渡辺幸子が、東京高等裁判所において「補助金は『建て替え決議』に使うための建て替え事業計画作成費である」と「目的外使用を、目的に適合した使用」と騙しおおせた国庫補助金等適正化法違反は、虚偽の説明であることが明確になった。それは東京高等裁判所の間違った判決(東京高等裁判所平成19年(行コ)第95号損害賠償(住民訴訟)等請求事件)が出された後で、国庫補助金が目的外に使用されたことが判明したが、「後の祭り」であった。

しかし、国土交通省はそれをいいことにして、事実が明らかになった後も国庫補助金の返還を命じることをせず、詐欺幇助のダーティハンドを隠しおおせると思い、本事件に置いて違反がなかったと臭いものに蓋をし続けてきた。被告組合が、第4条、第2款(第10条から第15条まで)でやってきたことは、悉く、その条文で規定された実体規定に違反したものである。

さらに、現在、進められている建て替え事業に対して、それがマンション建て替え円滑化法に適合している事業であるとして、仄聞するところによると、今年度18億円程度の国庫補助金事業が実施されるとして国庫補助金申請がなされている。財政危機が国家の問題になっていなくても、違法な事業に国民の税を使ってはならない。当然、既に交付した補助金は罰金を加算して返還されなければならない。

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