メールマガジン

メールマガジン第481号

掲載日2012 年 11 月 12 日

メールマガジン第481号(2012年11月12日)

みなさんこんにちは

「デンマークの政治」とは何か

前回デンマークの高齢者福祉の現地報告をしましたが、11月15日HICPMでその報告会セミナーを、映像を交えて、午後1:30よりHICPM会議室で実施いたします。今回はその紹介を兼ねてメールマガジンをお送りします。

デンマークの高齢者対策は、国家が高齢者の生活にどのような責任を負うかという立場で実施しています。国家には「金のなる木」があるわけではありません。資本主義国ですから、所得の高い人も低い人もあります。基本的に高齢者自身が労働をして所得を得る事例は少なく、仮に所得がある場合にも、その所得は資産運用による資本利益が中心になります。子どもや高齢者、障害者のように労働により収入の得られない人にも、国家が責任を持った対応をするか、どうか、という責任問題が政治の基本問題です。


「日本の大学で考える政治」のレベル

先日小学校の子供達から政治に関心を持つようにしようという試みがTVで放映されました。大学教授が計画し、大学生が、子供達に、信長、秀吉、家康を現代の政治家として立候補させ、政策を語らせ、選挙により最も優れた政治家を子供達が選ぶ>という教育実習を、「政治教育」として実施していました。

教育実習に参加した教える側の大学生が、「大変勉強になった。これからは政治にモット関心を持って選挙にも行こう」と言っていました。

日本の政治はTVで放映していた子供騙しのパフォーマンスとしての政治、つまり、民主党がやっている「守る意図のない政治家の公約政治(マニフェスト)」で政治ごっこ(劇場国家)で、国民も税金という高い入場料を強制的に支払わされて、不愉快な演劇を見せられている強制収用所での国家演劇と同じものです。


地方議会の議員報酬はゼロの国(デンマーク)

デンマークの社会を垣間見た程度ですが、デンマークでは高齢者に国家がどのような福祉を提供するかというレベルを、国民が支払う税負担の関係で、どのように決めるかについて、国民の選良(国会議員)任せではなく、国民自身が決定に参加することで政治が行われています。

自分自身のことを決める地方議会の議員は基本的に無給です。そのため、地方議会は午前7時以前か午後7時以降に開催されます。地方議会は、議員が考えたことを議会事務当局に作業をさせ、又は行政部局に資料提出をさせ、それをどのようにするかの判断をするところです。終日議会に詰めている必要などありません。

国会議員は有給ですが、普通のサラリーマンと大きく変わらないということでした。


税金の使途に合わせた税収の国デンマーク

デンマークでは所得税が所得の55%程度と高く、消費税が25%と高く、国民がその能力に応じて働き、国家の税収で、衛生・医療、教育・文化、福祉・健康、住宅など国民の生活必需とする出費を国家によって負担します。それは国民の選択であり、国民が「デンマーク国の政治」という「宝」を共有しています。税金が国民の生活の中にどのように使われるかを明らかにして税収の内容を決めます。財政支出と税収を一体的な関係で、国会で決定し、その内訳は、国が国民に保障する国民の生活水準との関係で説明されています。


日本国憲法と違った政治をやっている日本

日本で、国家と国民との関係は憲法で決められています。その基本は納税義務に対する国家の国民生活に対する国家の保証義務です。法治国が決定する方法は、法律による制度と予算の支出を法律で決めることです。日本国憲法の原則に立ってみた場合、国家の国民生活保障の関係で税金の負担額を決めることが、「政治としてなされること」でなければなりません。政治とは立法行為です。行政は法律で決められた政治を行うことです。日本では政府立法と言っても、圧倒的多数の立法は、行政府が立法作業を行い、立法府がセレモニーとして議決という政治をし、政治家が官僚に頭を下げて立法をお願いするといった不思議なことが行われてきました。


税収と財政を分断した政治

日本では国家が官僚機構を中軸とする政・官・業が護送船団を構成し、国家の政治行政がその人びとによって私物化されています。税金の殆どは政治家の利益(集票と政治献金としての還元)、官僚の生涯生活安定(退官後の就職の場としての外郭団体への資金分配)、業界への利益誘導・景気刺激(自動車減税やエコポイント、長期優良住宅補助金等購買力刺激策として給付される補助金は、企業利益補助金で、政治献金として政治家に還元)として分配されてきました。国民に税金の使途を知らさず、「政府が金のなる木をもっていて、国民は補助金を国家から授かるかのように行政にひざまずいて補助金を頂戴する」ものと考え、行政との天下りの関係をつくってきました。


護送船団構成員による税金の私物化国家

現在の官僚機構は官僚OBの再就職の機会として、各省の認可団体に直接補助金を給付した過去が問題にされ、現在は「一般社団法人、一般財団法人、NPO法人」に対し「形式的に監督官庁の影響を与えられない」という理屈で、そこの補助金が供給されています。当然そこに天下り人事が行われています。

団体は政治家にとっては集票機関ですから政治家は団体に関心をもち、官僚の人事への影響をちらつかせ、又は直接国会での審議を利用し官僚を支配します。国会議員会館では、連日、官僚、団体、政治家という護送船団構成員が利権をめぐり離合拡散を繰り返しています。それを日本では、「政治」といっています。霞が関や永田町の政治は、基本は国民の税金、預金、保険金の私物化の政治なのです。


政治とは「国家と国民の権利義務の決定」か、「口先だけのマニフェストの訴え」か

先に掲げたTVで紹介された大学教授が指導し、大学生が子供騙しの幼稚園製相手のような学芸会の政治教育を本当の政治であると信じ、それに大学生が感動し、日本国憲法と全く切り離された政治を日本でマニフェスト政治をするべきだと考える政治理解の低さ、教育水準の低さこそ、日本の文明度の低さである。それは60年日米安全保障条約締結後の政府が進めた「期待される人間像」という「考える機能(批判精神)を失い、政府のシナリオどおりに政治に参加させられたつもりになって、面白おかしく生きる」国民愚弄政策の成果です。

(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世)



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