メールマガジン

HICPMメールマガジン第484号

掲載日2012 年 12 月 3 日

HICPMメールマガジン第484号(12月3日)
皆様こんにちは
ホームビルダー協会の創設

11月27日名古屋で工務店を中心とする20社の住宅産業界ホームビルダー研究会創立総会が開催されました。この取り組みは、NAHBが米国で積極的に進めているホームビルダー20や、リモデラー20といって商圏の競合関係のないホームビルダーやリモデラーが共同して企業経営の改善のための合理化や経験交流、建材や住宅設備等の設計施工の技術の標準化、規格化、単純化、共通化、建材や住宅設備の共同購入を進めることでホームビルダーの体質強化を図る目的で実施されてきました。

経営危機に立つ工務店
わが国でも工務店は横のつながりがなく、建材商社の与信管理化に組織化され、フランチャイズに組織化され、ハウスメーカーの施工店に汲み組まれるなど、工務店の主体性が発揮できない状態の中にあります。
結果的に、工務店はその中で搾り取られることになるのではないかという危険を感じると思います。
工務店が大きな企業に組織化され、最終的に矛盾を被ることがないように、主体性を持って経営をすることが肝要です。米国の例ですが、米国のホームビルダー組織の全国組織であるNAHB(全米ホームビルダー協会)が1960年代に米国住宅都市省(HUD)の住宅生産工場化政策(OBT)に対抗して、政府の推進する工場生産よりもより高い生産性を建設現場で実現する方法に取り組みました。

NAHBによるCMの工場生産に対する勝利
1960年代から1990年代までNAHBとHUDとの間での技術は真っ向から敵対関係になり、協力することはありませんでした。1990年代にエネルギー問題が国を挙げて取り組まなければならない状況になり、政府は過去の工業化政策がNAHBのCM(コンストラクションマネジメント)による現場の生産性を高める方法に敗北したことを認め、以後に推進するエネルギー政策(PATH:先端技術をエネルギー政策のために官民で協力して進める政策)においてNAHBの全面的協力をすることになりました。

米国が日本に送ってきたCM
1985年プラザ合意後、日銀総裁前川春雄が輸入住宅の推進を前川レポートに書き入れ、日本政府もそれを推進することになったとき、米国政府は日本にCM技術の普及ミッションを派遣しました。
かつて、NAHBがホームビルダーの体質改善を図るうえで、CMが大きな役割を果たしたことをHUD(連邦住宅都市開発省))は認めましたので、輸入住宅の推進と一体的にCMの技術を日本に導入しようと、商務省、ワシントン州政府の協力でCMの技術移転をしようという取り組みを始めました。
そこで米国政府は、北は北海道から南は九州まで、ワシントン大学のCMの講師オッシンジャーさんが講演で回り、1万人以上の人がその講演を聞くことになりました。NAHBはHICPMと相互協力協定を結んだため、その後、NAHBのHBI(ホームビルダー研究所))のラクアトラ・コーネル大学準教授とHICPMが共同で、全国5箇所でCMのセミナーを実施しました。

建設製造業と建設サービス業
ホームビルダーは建設製造業者であるため、自動車や電機・機械産業と同様、生産性の向上を図らない限り期間当たりの利益を拡大できません。政府が公共事業で財政支出(税金)を重層下請け構造で使い、建設業協会への強制加入と受注業者に請負額に合わせて賛助会費を拠出させてきました。さらに、地元の国会議員のパーティ券の購入と与党国会議員の選挙時の集票を建設業協会が担う税金を、公共事業を介して政治家や官僚や公務員の天下り費用負担に使う構造にしました。そのため、公共事業を建設製造業ではなく、建設サービス業であると分類し、下請けの仕事に粗利という経費と利潤を載せる産業であると仕分けました。つまり、元請業者は製造業ではなく、下請け業者のやった工事成果に粗利を載せて元請に提供するサービスをする業者であると定義したのです。

日本の公共事業
建設業は、建材と住宅設備を建設現場で組み立て(製造)して住宅という全く新しい商品を製造する企業です。欧米の工業先進国ではいずれも建設業は製造業として扱われており、そこでは日本の公共事業のように公共事業の予算のうち材料費と労務費として支払われる額が30%にも満たない状態で、残りの70%以上が重層下請け構造の粗利となっている国はありません。
日本の公共事業費が欧米の2倍以上になっているのは、重層下請けによる粗利が建設業教会の会費や政治献金として使われ、結局官僚や地方公務員の天下り人件費と政治家という公務員の活動費に使われているためです。

税金の迂回収奪方式
現在の長期優良住宅政策で試験研究機関や、エコポイント、長期モデル住宅などと確認検査機関、瑕疵保証保険など全く住宅の品質向上に関係しない役人の天下り組織に対し、結果的に1戸当たり100万円以上の補助金が使われています。
これらの補助金は、全て、迂回して国民の税金を役人と政治家が手に入れる仕組みです。補助金は団体加盟の工務店に支出されることで、団体を強化し、役人の天下りと政治家の集票機能を果たす悪質な国民の税金を不正使用する政策です。政府の組織する工務店団体やハウスメーカーは、全て「魚心あれば水心」で、補助金を住宅購入者に渡す制度であっても、補助金分の価格切り下げをせず、補助金分高い価格付けをして、事実上、補助金を着服してきました。
そのため、住宅購入者には補助金の利益は及ばない。現在の政・官・業護送船団方式による住宅政策で実施されていることは、業者に対する利益補助の形を取って、その上前を政治家と役人か掠め取っています。

CMの実践
今回のホームビルダー研究会はホームビルダーが自立して将来に向け、その体質強化を図る取り組であると評価し、HICPMとしてはNAHBの経験を日本の現状に読み替えて実施するよう、また、CMの知識を学び、創立総会でCMの目的と効果と、今後工務店が材料の共同仕入れをする場合、工務店のCM能力によって得られる利益は違ってくることを説明しました。
今後ホームビルダー研究会が私の期待しているような形で研鑽をしてくれることを期待し、そのためには会員の方々に今後もCMの学習を積極的にするような機会を作ってもらうように働きかけることにしています。
(NPO法人 住宅生産生研究会 理事長 戸谷 英世)



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