メールマガジン

HICPMメールマガジン第493号

掲載日2013 年 2 月 12 日

HICPMメールマガジン第493号(2月12日)
皆さんこんにちは

今日は最高裁判所が「いかに国民の幸せ」に敵対する機関かという事実を考えてもらおうと思います。
多摩ニュータウンにある諏訪2丁目住宅団地建て替え事件について、最高裁判所第一小法廷が、憲法に違反する判決を下した。多分このメールを読んだ99%以上の人が、「最高裁判所が憲法違反の判決など下すはずはない、戸谷が間違った勝手な自己主張をしている」と考えるかもしれない。その人たちに如何に説明をするか考え、半月が経過した。それは、順を追ってその事実を語るほかないと考えた。

反対者が2人になってしまった理由
国庫補助金を受けて旭化成ホームズ㈱が作成した「建て替え決議」のための授業計画窯と蹴られたとき全組合員の30%以上はその案に賛成せず、法律上は強制建て替え事業はやってはならないことになった事業である。当時190人を超える建て替え反対者を押し切って、国土交通省は円滑化法の解説として定めた「マニュアル」には従わなくて用という見解を示し、マニュアルによらない事業者選定コンペという違法な方法で東京建物㈱を建て替え業者として決定し、組合員に500万円の移転補償費を支給するという約束を一方的に保護にし、組合員がひるんだすきに建物区分所有法による「建て替え決議」を締結した。実は、この決議自体は円滑化法制定禅の法律を根拠にするもので効力がないにもかかわらず、東京都知事はその決議を根拠に強制建て替え事業のできる組合認可を行った。
組合は都知事の認可で居丈高になり、旭化成ホームズ㈱が建て替え事業者としての暗黙の了解を与えられていた当時は、建て替え事業に参加できない社のマンションは1,500万円と言っていたのに対し、組合と東京建物㈱は1、117万円と言い、多くの反対者は、都知事まで違法な建て替えを認めては勝ち目がないと判断し、少しでも高くマンションを売却し転出した。(売却者は反対者でなくなる)その結果、法治国を信じ違法な建て替えはできないと考えた2人の老人が大きな被害を受けることになった。

事件の当事者(上告人)
86歳と80歳の二人の老人は、40年ほど前に自分の老後を考え、自立して生活できるような人生設計として、日本住宅公団が建設した分譲住宅を「終の棲家」として購入し、ローンを返済した。80歳の老人は、建て替えが始まる3年前に内装を始め、台所など全面的なリモデリングを行い豊かな生活空間を演出した。86歳の老人は、弟が入院し、その洗濯物を持ち帰って洗濯するなど、つましい生活で少しお金が貯まったので、内装工事をしようと考え、何とか生活を続けていた。2人とも、自宅マンションのローンを支払い終わっているので、毎月の住居費は団地管理費として6千円程度であるため、毎月12万円程度の年金生活でも、他人からの支援を受けることなく生活していた。

訴訟事件:修繕積立金返戻の性格
今回の最高裁判所の判決は、目下係争中のマンション建て替え事業が法律違反であると言う裁判とは別件として、修繕積立金の返戻を扱った事件である。マンションの修繕積立金とは、マンション居住者が全員、建設したときと基本的に同じ状態を恒久的に維持できるように、修繕積立計画に従って積み立てることが義務付けられるお金である。マンションに使われる全ての建材やその加工に要した労務は、全て有限の寿命しか持たないから、その物理的寿命が来る前に修繕を繰り返し、理論的にそのマンションが恒久的に利用できるようにする費用である。マンションは共同住宅であるから、居住者全員が共同財産としてのマンションの維持に共同責任がある。欧米のアプレイザル(不動産鑑定)の経済理論では、第1が原価積み上げ方式(コストアプローチ)といって、「マンションの価値」と「修繕積立金」を合算したものが、その「マンションの推定再建築費」である。なお、日本の不動産鑑定理論は、行政施策追認の小道具であって、社会現象を分析する上で、理論的に破綻している。

修繕積立金の帰属
修繕積立金は共有部分の修繕積立金で、全区分所有者に納付義務があるが、その修繕積立金に対する権利は、マンションの物権と一体不可分の関係にあり、マンションと分離できない。マンション所有者が譲渡等で所有権が移動することがあった場合、修繕積立金の過去の納付額や居住期間の如何に関係なく、その区分所有権の持ち分相当の権利を持つことになるが、マンションと区分して譲渡の対象とすることはできない。そして、修繕積立金を滞納した場合、その滞納額は区分所有者の債務不履行額として、債務を弁済するまで追及される。しかし、修繕積立金を支払っていないマンションを、それを知らないで購入した場合、「修繕積立金の債務を継承した」という特別の契約がない限り、その債務がマンションとともに新規購入者に自動的に移転することはない。既存マンションを販売するとき修繕積立金はマンション本体と分離して売買の対象とされることはなく、マンションは修繕積立金が正常に積み立てられたとみなして取引の対象とされる。修繕積立金はマンションの物理的な存続のために必要不可欠なもので、その納付とは別の修繕計画に従い、または、緊急な修繕の必要に従って支出されるものであるからである。修繕積立金の残高は修繕の実施により変動し、修繕工事を実施する前には大きな積立金が残っていても、修繕工事により残高がゼロになることも、不足してマイナスになることもある。

法律(マンション建て替え円滑化法)での規定
マンション建て替え円滑化法により強制建て替えを実施することができることになり、二人の老人が昨年の8月11日の真夏日に自宅マンションから強制的に仮住宅も用意されないまま叩き出され、一人の老人はビジネスホテルに緊急避難したが、もう一人の老人は10日間の野宿を余儀なくされた。
建て替え組合の不法行為を、東京地方裁判所は代執行で幇助し、多摩市、東京都、法務局人権委員会、各政党の誰一人その処分を不当とせず、救済の手を差し伸べなかった。ジャーナリズムも、その事実を知っていて全く報道をしなかった。そのうえ、二人の老人には修繕積立金が一切返戻されなかった。マンション建て替え円滑化法(以下「円滑化法」という。)が憲法に違反する法律であることは別の機会に説明するが、今は「円滑化法は正当である」という前提で事態の説明をする。円滑化法は、その独自の法律で強制権を建て替え事業者に持たせる構成をとり、その根拠を第4条基本方針で定め、第4条を国土交通大臣がマニュアルとして解説している。このマニュアルは判例(最高裁判所の判決)同様の法律と同じ効力を有するものである。その中で、修繕積立金は住宅管理組合が「建て替え決議を実施した時点での区分所有者全員に区分所有権の割合に従って分配し返戻すること」と定めている。

住宅管理組合による修繕積立金の詐取

二人の組合員は建て替え事業に反対した。住宅管理組合は供託金を供託し、それを根拠に「供託金を支払った住宅管理組合に修繕積立金は自動的に移転する」不正な理屈を付け、2人の老人に返戻することを定めたマニュアルに違反し、修繕積立金(一人111万円)を騙し取ってしまった。(ほかの居住者にも、建て替え反対者の修繕積立金は騙し取り、建て替えに賛成をすれば返戻した。)
マンション自体が消滅するわけであるから、「修繕積立金はその決定時点の区分所有者に返戻せよ」というマニュアルの規定は、至極当然の規定である。この規定がなくても、修繕積立金はその性格上、建て替え事業に賛成反対に関係なく、「建て替え決議時点の区分所有者に返戻する」しか処理する方法のないお金である。しかし、東京地方裁判所立川支部は、「マニュアルは単なる指針に過ぎず、それに従う必要はない)と言う組合の主張を追認し、「建て替え決議により維持する必要のなくなった」修繕積立金が、「修繕をする必要のなくなった」区分所有権と一緒に組合に移動するという摩訶不思議な理屈を、全面的に認めて、「2人の供託金を供託された組合員には支払いをしなくてよい。」という判断を示した。区分所有権にはその対象となるマンションを維持する必要はなく修繕は不要である。修繕積立金を受け取る権利のない組合が詐取してもよい、という円滑化法に照らして違法な判決した。
東京高等裁判所は、「第1審の判決でよい」と公訴を棄却した。そこで最高裁判所に上告した。その間、マンション建て替えに反対していた人で、建て替え決議後、組合にマンション建て替え事業には賛成をし、マンションの譲渡に応じた結果、修繕積立金の返戻を受けた人の事例があることがわかったので、その事実も半鐘として最高裁判所に提出した。

法律も読めない「お粗末な」最高裁判所
上告後、最高裁判所からは、調査が必要であるから判決は遅れる、との通知があった。その2ヵ月後、次のような理由が書かれた説明責任を果たしていない「却下」判決が送られてきた。
却下の理由:「民事事件について最高裁判所に上告を許されるのは、民事訴訟法第312条第1項及び第2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、明らかに上記各項の規定する事由に該当しない。」(判決の内容は、全く意味不明で、裁判費用を支払っている上告人に分からない。)
民事訴訟法第312条をご覧になれば上告できることは明確である。説明責任を全く果たしていない杜撰な判決であるので、最高裁判所の判決理由は、推測するほかない。最高裁判所は下級審の判決を否定するだけの事実関係を調べることをしなかったのか、その能力がなかったのか、上告内容の事実を全くしていなかった。最高裁判所は事実関係の審査をしないということを自慢してきたが、それをしなければ間違った判決を正せない。
それができなければ下級審に差し戻せばよい。下級審が「マニュアルを単なる指針である」という組合の言いなりの判決をしたことを鵜呑みにして、「法律と同じ効力がある円滑化法4条を解説したマニュアルを無視」し、「下級審に迎合した判決をしていれば下級審から親分として頼られる」やくざの親分の思考である。

裁判官は「法律の専門家」とよく口にしするが、わたくしがこれまでの経験から、「それは正確ではない」と思っている。裁判官は単なる訴訟の場のジャッジに過ぎず、法律を作ったこともなければ、法律を施行したこともない。また、社会的事件を科学的に分析判断する社会科学の知識自体が十分ではない。それらの法律の実務を知らずジャッジをするわけであるから、立法に照らし、行政に照らし、社会科学の法則に照らし間違った判決を多数出してきた。今回の裁判はまさに、社会科学の無知は判事たちが法律も読めなく、行政運用も知らないで自分だけが法律の専門家であると勘違いして判決を出したとしか考えられない。鞭ほど怖いものはないという実例である。

恥さらしをした裁判官
わざわざ「調査をしている」という文書まで上告人に送りつけながら、何を調査したかというと、修繕積立金自体の法的性格や本事件の実態が社会科学的に合理的か、法律に照らして正しいかという調査をせず、「どのような根拠で上告を却下しようか」という調査をしていたのである。もし、最高裁判所が上告の法律上の理由が理解できて、上告人の上告理由を調べていたら、余程「マンション建て替え円滑化法の専門知識が不足」していても、社会科学的に間違った事実に気が付かないはずはないし、「日本が主権在民の民主国家である」ことを知っている裁判官ならば、上告人の訴えに対し理解できる判決を書けたはずである。
最高裁判所はこのような判決を書き、「組合による修繕積立金詐取の犯罪を幇助した」だけではなく、憲法第32条に定めた「国民の裁判を受ける権利」を奪い、「最高裁判所自体の権威を失墜させた」のである。本裁判に関係した山浦善樹裁判長以下5人の裁判官は、上告人を裁いたつもりでいるだろうが、実は杜撰な判決により、消えることのない「恥」を裁判史上に晒しただけである。昔から「寒暖計は寒暖計自身の温度を測る」という言葉があるが、裁判官自身の法律知識の欠如、事件の審査能力の欠如、裁判官としての果たすべき職務怠慢、国民に対する傲慢な恥さらしをしただけのことである。

冤罪事件と同じ
この事件は冤罪事件と同じである。2人の老人は、実直に生きてきて、このようなことが降りかかるとは、予想だにしていなかった。世の中に把握が満ち満ちているが、国家は法律に照らして正しいことをやってくれると信じて生きてきた。「まさか、起きない」と言う災難が国家の行政と司法が悪を幇助したことで起きている。多くの衣人達は他人事と思っている。冤罪事件と同じである。法治国で法律が間違って使われることが実際にあり、それが国民を不幸にしている。最高裁判所の判決が間違っていることを翻させる方法があるのだろうか。何か途があれば、お教え願いたい。HICPMは住宅問題に関し少なくとも法律が適正に施行されるための支援は続けなければならないと思っている。
(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世)



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