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HICPMメールマガジン第505号(5月9日)

掲載日2013 年 5 月 9 日

HICPMメールマガジン第505号(5月9日)

皆さんこんにちは、皆様はゴールデンウイークをいかがお過ごしでしたでしょうか。今回はベイエリアの建築デザインをよく調査してきましたので、デザインについてお話しします。

スタンフォード大学の「世界遺産級」のキャンパスデザイン
私はこの連休は、娘が「東京裁判」の歴史研究でフェロウシップとして研究にやってきているスタンフォード大学を訪問することにしました。娘の研究所見学を口実に、娘の協力を得て、専門家の説明を依頼してもらって、世界でも最も芸術的なデザインで造られているフデレリック・オルムステッドによるキャンパスのランドスケーピングと建築デザインの見学をしました。フデリック・オルムステッドは、ニューヨークのセントラルパークの設計者として、ピクチャレスクな公園のランドスケープを公園計画で最初に本格的に実施したランドスケーパーとして有名です。それだけではなく、その息子・フレデリック・オルムステッド・ジュニアーを優れたランドスケーパーとして育て、息子は、米国のホームプランの草分け的な設計者アンドリュース・ジャクソン・デービスと共同して優れた住宅地開発計画を実践したことでも有名です。

見学してきたベイエリアのデザイン
スタンフォード大学の創設者は、巨万の富を鉄道事業とゴールドラッシュとで手に入れましたが、その息子の死を契機に、その巨万の富を世界最高の芸術性のある宗教建築(教会)を中心にした大学を創設することに投じました。19世紀末と20世紀初めの2つのサンフランシスコの大地震を経験し、多くの建築物は壊滅的な被害を受けましたが、それらを震災以前の建築として復興し、建設当時のすばらしいデザインを現代に伝えています。今回はスタンフォード大学のすばらしいキャンパスのデザインとそこに調和して形成されている建築デザインの見学とあわせて、サンフランシスコベイエリアの街造りと建築デザインと街並みデザインを見学して回ることにしました。いずれも今年中にHICPMビルダーズマガジンにはご紹介しようと思っています。

4度目のクロッシングズ(TOD)訪問
サンフランシスコはこれまでに10回以上訪問していますが、都市の一部に立ち寄って程度で、どれだけ分っているかといいますと、20世紀末のサンフランシスコ地震の被災地調査、現在は「ゲイ」の人たちが多く暮らす「虹の旗」がはためく地域です。有名なゴールドラッシュ時代の派手な建築群・「ペインテッド・レイディ」の町並み、フイッシャーマンズワーフ・ピア1からピア39のマ-ケッとストリートの左側にあるベイエリア再開発などを上っ面しか見ていませんでした。有名な場所で多くの人が良く訪れるところを観光客の目で見学したにとどまっていました。
都市再開発事業として話題となったサンタナロウ、やピーターカルソープのTOD開発クロッシングスも今年訪問したところでしたが、今年のツアーで県縛したところは、どうも場所を間違っていたようでしたので、これらのところを娘の協力を得てマウンテンビュー市の「先に訪問したところ」と依然見学した「クロッシングス」とをみて回りました。今年のツアーでの訪問したところは間違いであることを確認し、以前2度ばかり訪問したクロッシングの成長した姿を確認することが出来ました。

ゴールドラッシュでつくられたサンフランシスコの都市デザイン
サンフランシスコ平和条約は日本の戦後の原点ですが、その場所がどこであったかも知りませんでした。今回は「サンフランシスコ平和条約」と1950年日米安全保障条約」とが調印が行われた建築物(シティホールの裏手にある建築物)を見ることが出来ました。それは世界最大級のドームを持つゴールドラッシュのお金が投じられたシティホールや、官公庁外の威容と一緒に一連の官公庁施設建築群としてみることが出来ました。サンフランシスコを大発展に導いたゴールドラッシュとそれを象徴する歴史建築としての専門家のツアーの行われている「パレスホテル」で、一時間程度の時間をかけたホテル内歴史ツアーに参加することが出来ました。国際連盟の創設のため全米を行脚した纏めの会議が開かれたところも、「パレスホテル」でした。この1906年のサンフランシスコ大震災やその影響などサンフランシスコと知るためには驚くほど沢山のことがあると思いました。そこには現代も盛んに変化し続けているサンフランスコ中心街の「モダンアートミュージアム」、公園や私たちが宿泊した超高層建築物の「マリオットホテル」など都市のスカイラインやストリートスケープを変化させている建築が、いかに歴史的なサンフランシスコの街並み景観と調和することに努力をしているかを改めて知ることができました。

ニューアーバニズムによる都市再開発開発(サンタナロウ
わたくしの息子もヤフーに働いていてサンホセに住んでいますので、この機械に息子のお勧めの「サンタナロウ」に出かけ、その熟成した都市再開発の様子を楽しむことにしました。「サンタナロウ」や「クロッシシングス」は、20世紀末を飾る代表的な都市再開発の事例で、それらが計画当事の話題性と同時に、その後どのように市民に受け入れられているかを見ることは重要なことです。わたくしはこれまで4回くらい訪問していますが、その都度、都市としての熟成を見ることが出来優れた開発は時間を追って何度も訪問することが以下に重要であるかを改めて感じさせられました。これらの多くに知見は、今後のHICPMビルダーズマガジンで紹介して行きたいと思います。出来ればHICPMで映像見学会でも今年の秋口にでも企画したいと思っています。今年のNAHBツアーのとき訪問したクロ品具は、場所違いでした。訪問された方にはご迷惑をおかけしましたが、訪問したマウンテンビューの街並みもニューアーバニズムで開発されたもので訪問した価値はあったと思います。しかし、クロッシングスが訪問できたらもっと強烈な印象を受けたに違いないと思いました。

素人(観光客)の観光と専門家による研修の違い
HICPMではこれらの街並み見学を、住宅地開発の「オン・ザ・ジョブ・トテイニング」と位置づけて、米国で1980年代から実践されてきたTND からニューアーバニズムガどのような空間造りやデザインになっているかを説明してきました。多くのツアー参加者の中には、「自分で見ればわかる」と思っている人もいます。しかし、自分で楽しむだけで、デザインの理論や構成の仕方の見方が分らないと、単に見たというだけで、「自分の力として実践する力」にはなりません。
GKK・HICPM共催ツアーでこれらのプロジェクトを見学するようにしていますが、同じところを見学地に入れても,そこを「繰り返し訪問しようとする人が少ない」といって、GKKの計画は拡大できないということで繰り返しの研修訪問は実施できなくなっています。HICPMとしては、GKKで新規訪問地と組み合わせることで集客の出来る範囲に止めざるを得なくなっています。しかし、新しいものを観るだけのツアーであれば、一般の観光ツアーで、参加者が楽しんでお仕舞いです。
プロのツアーはそのプロジェクトが一般の住宅購入者に入居時の満足だけではなく、資産形成できる満足さを与えるためにはどのような計画としなければならないかを学ぶことでなければなりません。HHICPMとしては、新しい都市や地区を追っかけてみて回るのではなく、プロに必要な知識を学ぶツアーをしないといけないと思っています。集客との関係が大きな悩みとなっています。

HICPMで実施する研修ツアーの実施方法
日本から欧米に多くのツアーで見学に行かれる方があります。そこでデザインをつまみ食いをして帰ってくる人がほとんどです。それらの欧米偏見学者は、勝手な自分に都合の良いデザインのつまみ食いをすることで満足していますが、それらが結果的に日本中に欧米人から見ればおかしなデザインをはびこらせる原因となっていると思います。欧米の優れた町やプロジェクトを観光して回れば楽しいに違いありませんし、一般消費者の感覚で街並みを楽しむことも重要です。しかし、優れた住宅デザインを目新しさや奇抜さと勘違いしていたり、自分が気に入ったという身勝手な判断基準では困ります。現実に、これまで驚くほど多数の建築家、設計者、ビルダー、デベロッパー場欧米に旅行して、そこで学んだものを驚くほどたくさん建設してきました。それなのになぜ、日本の街並み景観は改善されないのでしょうか。むしろ、街並みを破壊するなど改悪されていると言ってもよいと思います。
長い歴史文化で多くの人の支持を得たデザインを学ぶことがプロには求められているのです。HICPMのツアーでは毎晩セミナーを実施し、それぞれの観てきたことを発表し、私がそれに対し、なぜそのようなデザインが長い命を持っているかをコメントすることを続けてきました。

欧米で感激したデザインを日本で実現するために必要なこと
素人が街並み見学で楽しむということと、欧米で感動した建築を日本で造ることとは違います。それは街並み景観を造るための建築デザインを学ぶことで、欧米の建築デザインをつまみ食いして、個別の建物としてそっくり真似したり、または、個別の県築物の部分的な建築デザインを日本に持ち込むこととは基本的に違います。日本では建築デザインのまともな教育がなされていません。時代を先取りした有名建築家のデザインを世紀の建築デザインと勘違いしている人が沢山います。建築デザインは歴史文化の集積で、形にはそれぞれ意味があります。かっこいいとか目新しいということはデザインの優秀性とは関係しません。住宅の資産価値を高めることのデザインは時間の経過とともに住む人の生活によって、ますます熟成度を増し、多くの人が、建設後何年も建った住宅に対しても、「その住宅を手に入れたい」。「その地に住みたい」と思うような建築デザインでなければなりません。

歴史的、社会的に守られてきたデザインを知ること
建築物がその時代を反映して表現しようとしているデザインを正しく理解するためにはクラシックデザインの知識を基本に、それらが建築された時代の中でどのような形をとって実現されたかを知らない限り、正しいデザインを学んだことになりません。写真機で建築全体のファサードを写したり、優れた建築のディテールを採ることも重要なことですが、建築物がその街並み景観にどのように貢献しているか、ということとその建築のデザインに建築でぅテールがどのように関係しているかということとの関係を知ろうとしなければ、建築ディテールだけの写真をとっても、それだけでは意味がないと思います。そのために重要なことは、「心ここにあらざれば、観えども見えず、聞けども聞こえず。」といわれているとおり、見学者に何を学ばなければならないかという心構えがなければ、美しい建築物を造るために必要なもの(デザインとそのシステム)が分らず、欧米で観たものを自薦する
ことは出来ません。

ア・フィールド・ガイド・トゥー・アメリカン・アーキテクチュアー
HICPMビルダーズマガジンでは。新しく「ア・フィールド・ガイド・ツー・アメリカン・アーキテクチュアー」というアメリカで実際に建築された見地k図面により優れた建築デザインを照会することにしました。それはこれまでの「アメリカン・ハウス・スタイル」では、建築様式の典型的なデザインを同じ平面を使ってまとめた一種の「着せ替え」建築デザインの照会をしてきました。それは基礎的な知識としてまず学んでもらわなければなりませんが、それだけでは実践する上に不十分です。そこで今回はその応用として実際に建築されてきた優秀なデザインの権築物をその設計図面から具体的に学んでもらおうという企画です。いずれも私が選んだ優れた建築物に、私のデザイン知識で解説をしたものですから、建築学的には不十分なことは十分承知しています。「アメリカン・ハウス・スタイル」の本をよく読まれて、その本を参考にして、出来れば実物を現地を訪問してご覧になってみてください。

『アメリカン・ハウス・スタイル』(ジョン・ミルンズ・ベーカー著)は最高のデザイン入門書

HICPMで翻訳し井上書院から発行している『アメリカン・ハウス・スタイル』という本は住宅のデザインを歴史文化的な観点で学ぶことを分りやすく解説した本です。私はこの本の何十回も読みました。そして読む都度自分の建築デザインに対する知識が向上することを感じました。すぐれた図書(書籍)は、それを乗り越えるために書いてあることをそらでいえるほど読まないといけないと思います。読んでそれを実践し、失敗し、または、成功しという経験を繰り返さないとデザインの力はつきません。実践は必ずしも実際の設計をすることだけにとどまりません。実際のデザインを具体的に説明すること屋、デザインを模写し、批判をすることを通してもデザインの能力を伸ばすことは出来ます。(HICPMでは会員特別割引で取り扱っています)

今後のビルダーズマガジンにご期待ください
今回はサンフランシスコの街並み景観を建築物のつながりとの関係で調査してきました。特に、日本の街並みでは「建築物の隣棟間の意味のない隙間が、街並みをだめにしている」ことを感じてきましたので、「日本の街並み景観を改善すること」をどのようにしたら可能になるかということを念頭において全米位置美しい街といわれているサンフランシスコの建築デザインを調べてきました。その調査の結果は、今後のビルダーズマガジンで紹介しようと思っています。沢山写真を撮ってきましたので、写真解説の形を使って説明したいと思っています。ご期待下さい。



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