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HICPMメールマガジン第519号(平成25年8月5日)

掲載日2013 年 8 月 5 日

HICPMメールマガジン第519号(平成25年8月5日)
皆さんこんにちは
「夏が来れば思い出す」もの

暑い夏がやってくると、私は38年前3年間生活したインドネシア時代が懐かしく、今年もバティック(ジャワ更紗)のシャツを着て出勤しています。皆様の夏はいかがですか。
しかし、平成22年8月10日の真夏日のことですが、、、諏訪2丁目住宅管理組合の加藤輝夫理事(建て替え担当)は国土交通省住宅局市街地住宅整備課長井上俊之(現住宅局長)のマンション建て替え円滑化法違反の行政指導により、違法なマンション建て替え事業の施行を実施しました。その結果、2人の老人(現在86歳と80歳)は自宅マンションからたたき出され、10日間も野宿させられました。その問題がまだ片付かず、仮住まいを強いられ、裁判が続いていますので、その思いも「夏が来ると、野宿を10日もさせられた冤罪者と同じ扱いを受けた82歳の老人の気持」とともに重くのしかかっています。法治国の骨格をなす中央、地方政府も、国民生活重視を唱える与野党も、司法も不正を糾そうとしていません。広告主と政府の宣伝機関と化した本位のジャーナリズムは一貫して無視し続けています。

本事件に関連する裁判は、訴えられた事件、訴えた事件を合わせれば、この違法なマンション建て替え事業が始まって以来10年間に法律違反で争った事件件数は30本ぐらいになります。敗訴が重なっているため、訴訟準備作業や訴訟費用の負担がずっしり重なっています。訴訟が好きだからではありません。住宅問題に関する法律に照らして間違った行政処分は、国民が住宅を通して幸福の実現を目標に活動してきた住宅生産性研究会としても私としても放置できません。従って、裁判を中途で放棄できません。
こちらの主張が法律に照らして間違っているならば、裁判官にその理由を納得の行くように指摘してほしいと訴えてきました。しかし、これまで法律の条文を根拠に、「私の主張を間違っている」と指摘した判決はありません。そこで今回は、行政事件訴訟とは制度上どのようなものか、また、実際はどのように実施されているのかについて、裁判所の中の実体を説明したいと思います。
その前に、何故私が裁判に拘るのかの理由をお話します。

法律とは何か。法律という概念に含まれるもの
日本は法律に基づいて国を統治する法治国です。争いは法律で定められた方法で解決することになっていて、私的暴力(リンチ)やお金(買収)で解決してはならないからです。裁判所という土俵の上で、法律で定められたルールにしたがって争い、裁判所がその争いに判決するというルールがあるからです。そのルールは法律として国会で私たちの代表者が(国会議員)が議決し、天皇陛下の署名により法律となります。裁判官は法律に照らし正しく判断し、争いはルール通り行うことで問題が解決されます。立法、行政、司法の3権が、法律の社会科学的合理性を尊重し「主権在民」の考え方で作り、使うことのより、国民の幸福が実現することになっています。私発徹底してルールに基づく闘争をしてきました。

そのためには法律の施行に必要な詳細は、法律に根拠を定めて行政機関で決めることになります。その命令には次のようなものがあります。閣議決定して決める政府の命令(政令)、法律を施行する省庁の省庁議で決定する省の命令(省庁令)、担当大臣が法律に根拠を置いて決める認可事項(大臣認可:告示)があります。法律および政令、省令、告示の行政命令は、全てが官報に告示されます。
以上が一般的に「法律」と呼ばれるものの全体像ですが、それに加えて判例(最高裁判所の判決、下級審の判決は判例に含まれない)、行政機関の長を経由して求められた法令解釈にたいする内閣法制局の法律解釈の公式見解(「有権解釈」という。)及び法律を施行する省庁の事務次官及び局長が都道府県知事や政令市等の長に対し、法律の適正施行のために行う法律施行通達も広義の法律です。担当課長以下の事務連絡や担当官による行政指導や法解釈は、文書でなされる場合も、口頭でなされる場合もありますが、いずれも法律ではありません。その中には次のような特殊なものもあります。

マンション建て替え円滑化法が挙党一致で賛成された「党利党略」の理由
現在私が10年近く争っているマンション建て替え円滑化法(以下「円滑化法」と略す。)は、憲法第29条の私有財産権の保障の条文に抵触しながら、小泉内閣の都市再生政策の一環として、経済的利益を求めるために個人根権利を犠牲にしてもよい。つまり、景気刺激策は公共性のある事業になるとして、「公共性」の理屈は別につくり、マンション建て替えを強制的に実施できる法律としてつくられました。
金儲けのためであってもマンション区分所有者が建て替えに向けて、法律で定める手続きを経て区分所有者の5分の4以上の絶対多数で合意形成が出来たなら、残りの5分に1未満の区分所有者を強制して建て替えを強制しても良いという法律です。この法律は平成14年円滑化法が立法されるまでは「国民の最低限の権利(私有財産権の保障)」を定めた憲法29条を根拠に「弱肉強食をしてはならないことが定められていました。小泉・竹中内閣の経済活性化のための都市再生事業は、国会では、小泉・竹中の大企業の利益本位の政策であるとして、国会では表向き野党は反対し大いにもめ、各党が「わが党こそは弱者の味方という演技をしました。

その上で、自民党・公明党から社民党・共産党まで、どの政党もマンションの建て替えによって利益を受ける者が、区分所有者の80%以上賛成であると言う事業の票を自分の党に引き付けようと、この法律には挙党一致で賛成しました。しかし、経済的利益の陰で弱者を切り捨てることを認めれば、その議員も政党も国民から人道上の批判を受けることが分かっていました。そこで、各政党も議員もこぞって弱者保護の救済措置を義務付けることで、残り20%の票を手に入れようとして全党・全議員が「切り捨てられる人の立場に立っている」と国民に思わせる姿勢を国会で示しました。その結果、円滑化法第4条基本方針として、区分所有者が建て替えに向けて民主的な合意形成をするという条文を作りました。そしてその条文の規定を、具体的な合意形成の手続きとして定めるため、国会の審議を反映し、円滑化法を施行する国土交通省が「マンション建て替えに向けた合意形成に関するマニュアル」(以下「マニュアル」と略す。)として定めました。この「マニュアル」も判例や、英米法における慣習法同様、法律です。この「マニュアル」を根拠に官僚は多額の国庫補助金を交付し、組合の建て替え事業に公共事業並みの助成をすることで、弱者保護をする制度にしました。官僚は国庫補助金を使ってマンション業者を操り、政治家の世紀献金を配り、官主導で政治家を動かして、官僚の地位向上を図りました。

法律である法律施行者が国会の意向を反映して制定した「マニュアル」
この「マニュアル」に定められた「建て替え推進決議」をすれば、優良建築物等整備事業補助金が交付できる制度を、現在の国土交通省住宅局長井上俊之が法律違反をして不正な建て替え事業を進めました。「マニュアル」どおりの決議をしなくても、「建て替え推進決議」という名称だけの決議をすれば、補助金を交付すると東京都、多摩市、諏訪組合に詐欺により国庫補助金を詐取するように教唆・指導しました。そして、実際に国庫補助申請をさせ国庫補助金等適正化法に違反して補助金を不正に交付し、全体で5億円ものお金の詐取を幇助しました。その後さらに18億円もの国庫補助金が交付されています。
民間の通常の建て替え事業ではありえない額の補助金で、それは建て替え事業者に提供される全額利益となるお金です。この種の補助金を政治家と官僚が、政治献金やパーティ券の購入、政府の外郭団体の会費というマネーロンダリングの方法でキックバックするやり方が「政官主導の政治・行政」です。

つまり、建て替え業者の補助金として交付した費用の一部を政治家や官僚が巻き上げても、その関係者は誰も損をするわけではありません。政治家や官僚はいずれも、「財政資金は自分たちが勝手に使える『金の成る木』」と思っています。納税者だけが騙されて納税をしているのです。その違法な補助金を使い、建て替え事業が進められ、巨額な利益を得た旭化成ホームズ㈱は、得た利益の一部を政治献金として使い、政治献金を受けた議員が政治献金を準備した官僚を昇進させる暗黙裡の政官癒着が行われてきました。官僚の関心は、自分らの利益のために税金をどのように玉突きをして官僚の利益になるように使うかということになっています。それを操作できる官僚が組織の長になります。その一方で、年金生活に依存し建て替え後の住宅での生活が困難になる高齢者区分所有者に、大きな被害が及んでいます。

井上住宅局長は、「マニュアル」違反をして、詐欺の手段で「建て替え推進決議」を行なうことを教唆し、その実行を幇助したわけですから、法律違反を犯したわけです。「私文書不実記載」は刑法上の犯罪です。その指摘を私はこれまで主張し続けてきました。それに対して井上住宅局長は「マニュアルは指針であり、法律ではないから、それには拘束されない」と主張してきました。その主張が正しければ、「マニュアル」は円滑化法第4条の内容として強制権付与の根拠であったわけですから、恣意的な「マニュアル」を強制権を付与する根拠にすることはできず、「円滑化法は、憲法違反」になります。

これまでは諏訪組合の建て替え事業の犠牲者は、東京都、多摩市、諏訪組合を相手にしたいわば、円滑化法を違法に施行した国土交通省住宅局市街地住宅整備室長井上俊之に代わって、諏訪組合や多摩市長と争う裁判を行ってきました。違反を行うように教唆してきた井上俊之の指導で、諏訪組合や多摩市長らの連中は、その指導どおりの違法な答弁を法廷で繰り返してきました。そして、裁判では、私の方が敗訴を繰り返してきました。その理由は、日本の行政事件訴訟では裁判官に行政法の知識経験がなく、行政の言いなりになっている体質上の問題がありました。そこで行政事件訴訟の実態を説明することにしました。今度は井上住宅局長の行政法違反を刑事告訴して、その不正を糾すことにします。

行政事件訴訟の実態
訴訟の相手は、国、東京都知事、多摩市長、諏訪2丁目住宅管理組合など建て替え事業を推進する側の者ばかりです。裁判所の出す判決は、判決文の最初に「判決」としての決定した結果が書かれます。それに引き続いて訴訟内容に入る前に、両当事者の訴訟適格を整理します。そこからが裁判の審理の説明になります。そこでは先ず、両当事者の主張を書き上げます。その後に、「裁判所の見解」を書きます。両当事者の主張として裁判所がまとめた文書を読むと、どうしてこのような判決になったのかといぶかしく思います。両当事者の主張は、ほとんどが両当事者の提出文書をそのまま書記官が書き写すものですから、当事者の主張がしっかり書かれています。そこで「今回の裁判官は結構こちらの主張を理解している」と勘違いさせられます。「こんなによく理解していて、判決がこちらの主張を全面否定となっているのはどういう理由だろうか」といらいらします。

両当事者の主張の次に出てくるものが、「当最判所の見解」です。その瞬間、ガクッとさせられます。当最判所の見解は、冒頭から、「被告である行政庁の主張をオオム返しするもの」で、「行政庁の答弁どおりでよい、と裁判所が考える」と言う見解表明です。そこには、被告(行政庁)の尻馬に乗って「原告である住民の主張に行政庁が反論したとおり、裁判所も考える。」という趣旨が記載されているのが「当最判所の見解」です。原告の訴状に対する審理は基本的になされなかったことが判ります。
民亊調停にあっては当事者の意見が対立するとき、そのいずれかに軍配を挙げるために、裁判長はより適正と考える方の肩をもつことになりますが、この事件は行政事件であって、民事事件ではありません。しかし、ほとんどの現在の行政事件訴訟は、なぜか民亊部で取り扱われ、そこの裁判長は行政事件訴訟に対しても、仲裁事件の事件処理をしていると勘違いしているような判決を繰り返してきました。

行政事件訴訟の裁判所の行うべき審理
私の関係する事件は行政事件訴訟といって、「行政庁のおこなった処分が、行政法に照らして正しいか、どうか。」を争うものです。そこには行政法という「準刑法」とも言われる国民を国家権力によって強制的に従わせなければならない法律(行政法)です。行政法に基づいてなされる行政処分または不作為(行政庁が法律上しなければならない処分をしないこと)が行政法に照らして間違っている場合、住民が行政庁を相手取って行う訴訟が行政事件訴訟です。

行政事件は、原告が住民で被告が行政庁という図式です。逆に被告が住民で、原告が検察官と言う裁判が刑事訴訟です。行政事件訴訟と刑事訴訟に共通することは、司法(裁判所)は、そのほとんどの場合、よほどのことがない限り、「馴染みの客」(行政庁)のいいなりの判決を下すことです。裁判所は行政事件では被告である行政庁の、刑事訴訟では原告では検事の言うとおりの判決を書くのです。

その理由は行政法も刑法も非常に複雑な法律で、裁判官の知識経験が行政官や検察官の知識経験にはるかに及ばないことが挙げられます。裁判官が行政の実務経験がないことはやむをえないとしても、行政法をその立法に遡ってしっかりした文理解釈ができていないからです。行政官は、行政実務を既成事実化する目的で、違法な処分が行政実績を形成する「公定力」で既成事実化した違法処分を、解説書に記載し、そこまでの違法は行ってよいという主張を解説書でします。時には業界が求める法律違反を正当化する法律解説を、官僚が原稿料稼ぎの目的かで書く行政法解説(その多くは所属する省庁には監修制度がないにも拘わらず、省庁監修と書かれているものが多い)もあります。行政事件担当裁判官はこれらの解説書を参考に、行政の実情に合ったと称する判決を書くことも多くあります。
これらの裁判官はその生半可な知識で行政官(検察官も含む)と闘ってもほとんど勝ち目がないことを知っていますから、行政官を敵に回すような判決は書きません。それで、横着な裁判官は、「行政事件訴訟の被告である行政庁の主張を繰り返すことで行政庁と同程度の行政法知識があると思ってもらえると勘違いをしています。行政庁(検察官を含む)の中には、それをいいことに、「おれが法律だ」と勘違いして、この事件の井上俊之のように、違法に権力を濫用する例も少なくありません。

井上俊之住宅局長は法律の専門家ではなく、立法作業や行政法の施行の経験もなく、その権力と自分の能力と勘違いし、補助金お力で政治家を操り、末端の行政機関に指示を出し「おれが法律だ」と言わぬばかりの行政をしてきました。そのような明らかに法律を蹂躙し行き過ぎた行政処分に対しては、迎合することがあまりにも見苦しくて、馴染みの客であっても司法はそれに軍配を上げないこともあります。それが行政事件訴訟の例外的に行政側敗訴のケースです。
東京地方裁判所でも高等裁判所でも、行政事件粗放の判決言い渡し日に放置に出かけてみると日本の行政事件訴訟の実体が判ります。20件の判決言い渡しがあっても、原告(住民)勝訴はありません。訴訟をする人はほとんどが裁判官と同じ程度の法律知識を持つ弁護士を雇い、法律上勝訴すると確信して裁判を起こしています。司法が行政庁に迎合しているからこのような結果となっているのです。
(特定非営利活動法人 住宅生産生研究会 理事長 戸谷 英世)



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