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HICPMメールマガジン第537号(2013年12月9日)

掲載日2013 年 12 月 9 日

HICPMメールマガジン第537号(平成25年12月9日)
皆さんこんにちは、

バブル崩壊の付けの矛盾を「小泉竹中内閣の都市再生」で国民に転嫁
今回は前回お約束した小泉竹中内閣の規制緩和事例「ラ・ツアー・ダイカンヤマ」を取り上げることにしました。日本のバブル経済が崩壊したとき、それまで地価神話を背景に金融緩和に踊った日本経済は、一挙に経済不況に突き落とされたわけです。それは米国の住宅バブル崩壊のような分かりやすい経済不況と違って、極めて不明瞭な「債務の隠蔽」でバブル崩壊の対応がなされたため、「不毛の20年」と呼ばれる長期不況が国民を苦しめ、その傷は25年経過しても癒されませんでした。政治・官僚・金融癒着構造の中で、米国の住宅バブルが日本への外資導入をもたらし、「日本史上例を見ない経済成長」といわれる巨額の利益が、「隠ぺい負債の清算」と「護送船団構成員の利益の拡大」に使われました。国民は史上例を見ない繁栄を感じず、その裏で都市環境の破壊という国民に大きな皺寄せを及ぼす形で、規制緩和策はリーマンショックで終焉を迎えました。

ラ・ツァー・ダイカンヤマ
渋谷区鶯谷は、旧石器時代や弥生時代の都内最大の住居址跡が発見されたところであるだけに、昔から優れた住宅地であった所です。近代都市においても中高所得者が居住する低層住居専用地域の土地利用計画が都市計画として定められた高燥な住宅地です。都市計画として土地利用計画が定められている理由は、すべての国民が貧富の差なく「居住の自由」を保障するという憲法の規定を実現するためです。所得の高い人は中低層な住宅地で高い固定資産税を納めて、自分の希望する土地付き住宅に居住でき、所得の低い人は中高層共同住宅により、土地を専用利用できなくても立体空間を利用することで、少ない土地費負担で都市居住できるように都市計画で定めています。
日本以外の近代都市計画による都市計画では、土地利用に関し、土地を専用利用する住宅(シングルファミリーハウス)と土地を共同利用する住宅(マルチファミリーハウス)とは、都市計画法上別の土地利用として扱われ、戸建て専用住宅地に共同住宅は建設できないように定められています。日本の都市計画法自体の欠陥(戸建て専用住宅地に共同住宅建設)を突いた共同住宅の横暴は、過去にも行われてきました。しかし、低層住居専用地域に対する形態制限によって、何とか低層住居専用地域の環境が守られてきました。そこに小泉内閣の規制緩和を持ち込んで、高所得者向け高層利用空間を容認することで、巨額の賃貸収入を上げようとする住友不動産㈱の計画を、都市計画法及び建築基準法に違反して国家(東京都、渋谷区)が不正に幇助し、規制緩和に紛れた考えられる限りの違反建築としてつくられてきた開発事業が「ラ・トゥアー・ダイカンヤマ」です。

法律違反の規制緩和に便乗した違反行政処分
「ラ・トゥアー・ダイカンヤマ」開発事業で住友不動産㈱が違反を犯して不正利益を上げようとすると同様なことは、多くの利潤追求を目的とする民間の事業で行われていることです。しかし、法治国では個人・企業による利潤追求が法律に逸脱して行われないように行政法(都市計画法や建築基準法)が制定され、法律を施行する行政庁によって開発事業が適法に行われるよう監視・監督することになっています。しかし、この開発で行われたことは、開発許可権者(東京都知事)および特定行政庁(渋谷区区長)が、建設業法上の特定建設業者に登録を開発業者(住友不動産㈱)及び一級建築士事務所(日建設計㈱)と共謀し、「都市計画法及び建築基準法に違反した手続き」及び「法律に定められた基準に違反する計画」を定め、開発許可申請及び確認申請を行い、その後、東京都知事及び澁谷区長が手筈通り、許認可権を持っている法律に違反した手続きと実体規定違反の計画に対し許可し確認を法律を蹂躙したことです。行政庁による許可及び確認の違反は、この地区の都市環境を守ってきた住民から法律に基づき、行政不服申請されました。しかし、開発審査会及び建築審査会は、いずれも行政庁の処分を容認しました。そこで、行政事件訴訟が提起されましたが、司法は法律に違反して、行政庁の処分を容認することで最高裁判所まで三審の裁判で不正処分が司法により、「行政処分が不正になされたこと」を裁判で否定せず、不正処分が確定しました。棹版判決は、司法の不正事実を公表したもので、恥(国家権力の闇)を公表したものであることを国家は知るべきで、法治国の看板に泥を塗っていると同じで、司法が裁かれているのです。

具体的な違反手続きと違反計画
この開発計画は全体が、用途上、構造上一つの建築物として計画され、完成されている共同住宅を、建蔽率、容積率をごまかすために、次の4段階の手品のような誤魔化しをしました。この誤魔化しは誰でも確かめることができます。「完成建築物」が「計画建築物」と違っているからです。
(1)10棟の建築物として10棟のマンションであるとする「虚偽の計画」による確認申請をし、その敷地が建築基準法第42条の接道条件に適合していることは隠し、棟ごとに敷地と建築物の関係が法律に適合していると証明して見せました。
(2)、(1)と並行して10棟の建築物を、建築基準法の規定である第86条「1の敷地と見なすこと等による制限の緩和」の規定を「法律に違反して国が運用してきた違反行政」を利用し、「1敷地10建築物」の扱いを持ち込みました。第86条は都市計画施設にしか適用できません。
(3)接道義務は(2)の扱いで、10棟の共同住宅は免除されるという虚構をつくりました。建築基準法第3章の規定は都市計画法第8条(地域地区の規定)にしか対応しません。
(4)「1敷地に10棟の共同住宅が建築される」土地に建築基準法第59条の2を根拠として、小泉竹中内閣が規制緩和の目玉に取り入れた「総合設計制度』(準則)を根拠に、高さ制限容積率制限建蔽率制限を悉く取り払い、敷地に定められた法定都市計画とかけ離れた建築を建築しました。
(行政庁の悪質な違反
都市計画法第8条地域地区の規定に対応する建築基準法の規定が第3章規定で、都市計画法第11条第1項第8号に対応する規定が建築基準法第86条です。第86条の扱いをした敷地に第59条の2を適用することはできません。当然、規制緩和の適用は第86条に他適用できません。
都市計画法第8条か、第11条かは、サブディビジョン(マスタープランに基づく敷地と建築物の関係を規定する建物規制)、PUD(プランド・ユニット・ディベロップメント都市施設としての住宅地開発)という「全くカテゴリーの違う法規制」で、建築基準法の3章規定と86条(6章)規定の「良いとこ取り」は法律上できません。都市計画法と建築基準法の「姉妹法」の関係は暗黙裡の了解条項(インプライでクローズ)です。それを知っていての行政庁の悪質な違反です。

都市空間の横暴な利用
渋谷区鶯谷の法定都市計画では、第2種低層住居専用地域の高さ12メートル、容積率200%の制限に定められてきました。低層低密度な住宅地として法定都市計画が定められている所ですから、道路、河川下水、公園などの都市施設も法定都市計画に合せて造られています。事実上、高さ20メートル、容積率400%(申請上200%としている空間は、法定高さの中には、計画できない空間で、法定容積率の2倍としなければ実現できない)の、巨大な真っ黒な戦艦を連想させる日本一高額な賃貸共同住宅ラ・ツア-・ダイカンヤマが建設されました。都市計画法上、建築基準法上その形態規制に違反している建物が建設された理由は、違反建築を取り締まるべき特定行政庁(渋谷区長)が違反を幇助したからです。澁谷区長に限らず東京都の特別区長及び市長は、都市経営を行うために税収拡大を考えてきました。既存の住宅不動産は国の間違った指導もあり、建築物は償却資産と扱い、土地は土地余り現象を反映して下落傾向を辿り、固定資産税は縮小傾向にあります。そのため、建て替えを促進し固定資産税収を拡大し、大量の住居を建設することで住民税の拡大を図ることが、特別区長及び市長の都市経営の関心になっています。都知事、公選区長にとって政治献金を集めるため業者の不正利益幇助は日常茶飯事になっています。猪瀬知事が5,000万円の不正借金で問題になっているとき、都と利権で関係している業者を500人集め、政治資金パーティで1億円を集められるほどの利権を知事は支配しています。
建築基準法上一棟の巨大マンションは、確認申請書では10棟の共同住宅として申請されているが、開発許可では10棟とはせず、事実上1棟の予定建築物に対する開発許可とされているため、10の敷地を築造するという開発行為自体の申請はなされていません。しかも、開発許可申請とほぼ同時の確認申請がなされ、第86条による一敷地の認可を受け、認可がなされた直後から、建築工事と開発許可による工事が都市計画法第37条に違反して実施されました。都市計画法の制定時に、開発許可による工事が完了しないと建築工事に着手してはいけないとされた手続きに違反して建築工事が始められました。建築工事を完成させてから開発許可による工事完了検査が行われました。また、建築工事の完了検査が終了してから、10棟の共同住宅を計画通りの1棟の共同住宅に繋ぐ回廊の増築工事が行われました。そして不動産登記は1棟の共同住宅として登記されています。

法律に違反した行政庁の許可が司法に容認された理由
特別区内の開発許可は、都市計画法により東京都知事以外にはできません。それを青島知事の時代に地方自治法を根拠に東京都条例に定めたことに違反して、東京都規則で特別区長が東京都知事の権限を違法に委譲して、区長権限で開発許可を行うことを始めました。結果として都市計画法第29条に違反して澁谷区長が開発許可権限を執行する都市計画法第29条違反が強行されました。
一方、建築基準法では澁谷区長が建築基準法を執行する特定行政庁です。その結果、澁谷区長が都市計画法と建築基準法の両方の権限を握りましたが、それが姉妹法の関係を有機的に結ぶのではなく、逆に分断しました。開発事業者住友不動産㈱は、澁谷区長と共謀して、「ラ・トゥアー・ダイカンヤマ」の法律違反の開発許可と建築確認を実施しました。違反は業者だけではなく渋谷区の利益になることで、区職員に違法な許可、確認を、人事権を行使して実施させてきたのです。
その違法な処分に対して開発審査会及び建築審査会は、行政庁OBが委員を務め、これまでも行政庁の処分を追認する役割を果たし、住民の不服審査請求を却下してきました。行政内部の自浄作用は全く働かないので、行政を相手に司法の場で行政処分を争う行政事件訴訟が行われました。
司法には行政法を裁く知識と経験がなく、行政の前で恥をかかないためには、「行政庁に迎合することが司法権の安泰につながる」と考え、司法は行政判断に追従する判決をしてきました。司法の行政従属は司法の保身の術であり、今回の規制緩和という政治的方針がある場合、司法も行政同様、政治の流れに流されることになります。裁判所は、その判決文において、原告(国民)の言い分と被告(行政庁)の言い分を整理しますが、「原告に言い分が、法律上間違っている」と証明はせず、「被告の言い分でよい」という判決をします。これで国民の権限は蹂躙されることになります。

大震火災が発生したら安全化
渋谷区鶯谷は基本的に第2種低層住居地域という都市計画が決められている通り、人口密度も低い地域として都市が整備されているため、幅員4メートル未満の「2項道路」の道路網で街が形成されています。そこには幅員9メートルの都市計画道路幹線も整備されていません。そのため、最近のように自動車社会になると「2項道路」の中にはすれ違いができないようなことも発生し、交通渋滞が街中で起こります。「ラ・トゥアー・ダイカンヤマ」が開発されると、当然、発生交通量も多くなり、地域全体の交通も渋滞が多くなります。このような場所に大地震などが襲ったときには、交通事故が発生し、道路網全体に渋滞と混乱が引き起こされ、消防車や救急車が侵入できない事態となることは、阪神大震災の経験のとおりです。開発行為に関しては、法定都市計画に適合し都市施設整備に適合した開発基準に合致した計画をつくることを開発許可の条件として定めています。
本事件の原告は、都市計画法及び建築基準法第3章規定に関しては、都市の安全、衛生を対象にして都市計画区域の住民の利益として都市計画決定をした内容であるから都市計画区域内の住民には原告適格があると主張してきましたが、裁判官は自身の無知を棚に上げ、開発敷地の隣接地居住者以外には原告適格はないとの判決を書き、違法な処分の影響は原告にしか及ばないとしました。

法律違反は不正利益の取得のため
「ラ・トゥアー・ダイカンヤマ」は、都市計画法上幅員9メートル以上の幹線道路に接する規定を満足せず、既成の2項道路にぶら下がった開発として計画されています。平常時には役立てられている道路等の都市施設が、非常時に機能するとは限りません。この開発は、事前に審査する計画が開発許可の基準に合わないで許可され、開発行為が完了しない以前に建築工事が完了し、その後に開発許可の完了検査なしに完了公告がなされています。開発及び建築確認上の違法行為は、不正利益を上げるために計画されたものばかりです。行政法は不正を犯す意図まで審査してはいませんが、違反は未然に抑え、違反が発生した場合、それを是正するために行政事務が行われます。
しかし、本事業で計画的に違反が起こされ、それを行政容認する異常づくめの違反が行われた背景には都知事や公選区長を巡っての不正なお金の動きがあるはずです。違反を容認することは、法律上禁止している安全基準を踏みにじるため、関係住民に危険を押し付けることになります。違反を取り締まるため、高い給与を得ている行政庁が違反を幇助していては、違反は取り締まれません。
「ラ・トゥアー・ダイカンヤマ」に、今、警告されている関東大震災並みの地震が発生したときに、警告通りの災害が引き起こされることを示唆しています。
この計画は小泉竹中内閣の考えたバブル時代に騰貴した高地価の不動産担保価格の売上総額以上に、現代の下落地価でそれを賄えるための容積率と建築高さに規制緩和をするものです。それは、当地に定められた200%の容積率を、高さ12メートルでつくろうとすれば、有効な屋外空地はなくなって実現不可能であるので、その高さを1.8倍の20mにし、道路面積を敷地面積に算入する手品を入れ、空地面積を算定することで建ぺい率60%と説明していますが、この住宅地を既存の法定都市計画の中につくろうとすれば、実質街区面積に対する全体の建蔽率は、略100%、容積率は略400%になり、現在つくられた建築物は現在の法律上では造れません。

小泉竹中内閣による規制緩和の狙いと利益分捕り合戦
規制緩和の大きな枠組みは、バブル崩壊によって土地担保金融と言われる日本の土地と金融機関との癒着関係が崩壊に直面した経済環境があります。ハードランディングと言われる形で、金融機関が融資を引き上げてしまえば、その融資で事業を進めてきた事業は、地価の急落により事業採算が取れなくなるため、金融機関からの借入額の返済が出来ず、倒産に追い込まれます。しかし、日本では表向き土地担保金融と説明されながら、実際は土地担保で清算する金融を行ってはおらず、もたれ合いの企業間信用で系列ごとでの救済を続けてきました。その中心になっている金融機関が、政治と官僚機構と癒着し、いわゆる護送船団を形成し、その集団全体で組織企業を守ってきました。政治家は官僚と結びついて国庫補助金の支給と規制緩和による特別な開発利益を開発業者に提供し、財政及び金融政策を使って企業を守る見返りに、業者はその期待された利益の一部を政治献金としてキックバックし、選挙の票を取りまとめ政治家を支援してきました。官僚は政治家(族議員や直接の利権に預かろうとする議員)を手玉に取り、行政権限を濫用して族議員たちの政治資金と票を支援する代わりに、官僚の利権を拡大する立法の制定を約束させ、関係する官僚に昇進や天下りのための組織拡大と地位向上とを裏で取引することになります。それらの事業を実施するために裏の力を持っているのが金融機関です。

実質の「不良債権」を「良債権」とみなす帳簿上の扱いによる経営の悪化
金融機関はバブル崩壊で事実上無担保金融化担保割れ金融の状態に陥ったわけですから、金融機関の財務体質を健全にするためには不健全な状態にある融資は引き揚げます。もともと金融機関と系列企業との金融はもたれあいの金融であるため、融資が健全な融資であるという体裁が付けられれば、金融機関は不健全な状態を隠蔽して、健全は融資が行われていることにして金融を継続します。土地担保と言いながら、担保となっている土地を鑑定評価する技術は基本的に出来ていません。不動産鑑定評価制度はありますが、まず土地建物を独立した不動産とみなすという社会科学的に間違った制度であるため、不動産鑑定を基本的に合理的に実施することが出来ません。不動産鑑定制度自体が科学的合理性を持たないことが、結果的に不動産鑑定を政治、行政、または金融制度がその力の大きさを背景に恣意的に操作することを可能にしてきました。言い換えれば、政治、行政または金融機関の都合にあわせ、不動産鑑定制度が運用されてきました。偶々、戦後の日本は右肩上がりの経済成長をしてきたことから、不動産鑑定評価もまたそのトレンドのなかで大きな間違いを犯さずに使われてきましたが、決して社会科学的に正しい評価が行われたわけではありません。評価は依頼者の要求を受けて行われたため、同じ不動産に対し2倍以上に価格差のある評価自体不思議とされないで行われてきました。不動産価格には、取引価格としての不動産評価、不動産担保としての不動産評価、租税のための課税標準地価評価、相続税のための不動産評価が、それぞれ違った評価としてされてきました。日本の不動産金融は、世界のモーゲージではなく、クレジットであるということは、不動産の資産価値を融資との等価交換の関係で行ってはいないということです。

贋「土地担保金融」と帳簿操作による問題の隠蔽
バブルが崩壊してバブル以前の高地価による不動産事業は不可能になった段階で、金融機関は貸し付け金の回収を求めることになります。その返済ができなければ、本当の土地担保金融であれば、金融機関は担保の土地を差し押さえることになります。しかし、わが国の土地担保金融では、その土地を差し押さえても土地の処分で貸し金の回収は出来ず、またはする意思もなく、担保で貸し金の清算をしていません。モーゲージローンを行っている国の金融機関にとっての貸し金の清算は、債務者を破産させて金融機関が損失を出すか、債務回収出来ない不良債権を持つことになります。金融機関から借金をした事業者側も、その高い地価を前提にした事業は実施出来ません。そこで考えられた不正な問題処理の方法は、帳簿上地価が維持されているとして、貸し金の金利だけを継続的に支払い続ける方法です。そうすれば金融機関としては帳簿上金利返済がなされている優良貸付になります。しかし、実際上、その高い地価では事業を進めることはできないため、融資金は金利支払いだけを求められる債務として事業主の経営を圧迫することになります。
「ラ・トゥール・ダイカンヤマ」が不良な土地担保金融で塩漬けになっていた土地かどうかは知りませんが、小泉竹中内閣の規制緩和に便乗して、少なくとも売却床面積を法定都市計画で計画できると同等以上の環境として高さを利用して床面積を増やすことができたため、従前地価総額の2倍以上の売却益を上げることができた事業はかわりません。

都市再生事業の代表事例としての「ラ・ツアー・ダイカンヤマ」
住友不動産と日建設計が得た不正利益とともに、渋谷区の税収を拡大し、アベノミックスに貢献し、経済界は喜んでいるのと対照的に、この開発周辺の住民のこれまでの環境やこの地区周辺の眺望は悪くなり、関東大震災級の都市災害時の生命財産に対する不安は拡大しています。既存の法定都市計画を蹂躙しても、当面の利益が上がれば、これまで都市を守り育ててきたことなど蹂躙してもよいという考えに立つか、都市を文化遺産として守り育てていくべきかという選択なのかもしれません。目先の利益の拡大のために、長期を睨んだ都市計画を安直に目先の利益追求のために破壊してよいのか、現在日本ほどの経済力を持っている国で、日本ほど貧しい都市空間しか持っていない国はない理由を考えてみてください。目先の利益で経済的繁栄に目を奪われ、都市災害が来た時に向けての法律で定められた準備を怠り、それを運命にしてしまったら、都市計画の政治・行政・司法はいらなくなってしまうのです。
(NPO法人 住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世)



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