戸谷の言いたい放題

国土交通省井上俊之住宅局長によるマンション建て替え円滑化法蹂躙事件

掲載日2014 年 4 月 14 日

ここに掲載するマンション建て替え円滑化法に関する控訴状は、国土交通省住宅局長がk住宅整備shつ朝時代に行なった違法な行政指導により東京都及び多摩市が行った円滑化法違反の行政処分に対する行政事件訴訟の一部である。

控訴状(修正分平成26年4月14日
(旧平成26年2月17日)
東京高等裁判所第22民事部書記官 木暮 理 様 

平成26年2月17日の控訴状、平成26年3月17日の控訴理由書を取り入れて、今回の4月14日提出の控訴状(修正分)に、新たに「第3.本案審査前の控訴人からの裁判所に対する確認と要求」を加え、「第4。控訴理由」として取りまとめ、整理し、控訴上全体にページ番号を振りましたので、既提出分を、本控訴状に全面的にお差し替えしてくださるようお願いします。(控訴人:坂元克郎、伊藤綾子、戸谷英世)

当事者の目録
控訴人 坂元 克郎、控訴人 伊藤 綾子、 控訴人 戸谷 英世 、被控訴人 多摩市長 阿部裕行

訴訟物の価格.333万円(旧評価額160万円)徴用印紙額.追加納付分:16,500円(33000円÷2)
郵便料、納付済み分  10,200円(6,020円+2,090円×2)
上記、当事者間の東京地方裁判所民事第3部B2係平成25年(行ウ)事件名不詳(甲事件、乙事件及び丙事件)第297号、同第299号及び同第300号につき、同裁判所が平成26年2月14日に言い渡した判決については、原告の訴状に対して全く説明責任を果たしていないもので、憲法第30条に定める国民の裁判を受ける権利を蹂躙するものとして不服であるから、控訴を提起する。

本事件は、多摩市長によるマンション建て替え円滑化法(以下、「円滑化法」と略す。」による諏訪2丁目住宅管理組合(以下、「諏訪組合」と略す。)に対する被告多摩市長による行政が、円滑化法違反幇助をするもので、適正ではないので、その是正を求めた行政事件訴訟である。被告多摩市長の円滑化法違反全体の是正を求めたものであるが、その中で諏訪組合が行った取り壊したマンションの修繕積立金の返戻の扱いが、円滑化法の内容を解説した「マンション建て替えに向けての合意形成に関するマニュアル」(以下、「マニュアル」という。)に定めた解説に違反している明らかな事例の是正を求めて、被告多摩市長の円滑化法違反行政の是正を求めた訴えである。
控訴人は、本控訴事件に関し、控訴事件名称を、「多摩市長による円滑化法違反行政是正を求める行政事件」とすることを希望する。

第1 原判決(主文)の表示
1.    本件各訴え(甲、乙、及び丙事件において(多摩市長は、本件管理組合に対し、甲、乙及び丙事件の原告に111万円づつを支払うことを命ぜよ)をいずれも却下する。
2.    訴訟費用は各事件被告らの負担とする。

第2 控訴の趣旨
1.    原審判決を取り消す。
2.    被控訴人多摩市長は、本件諏訪2丁目住宅管理組合精算人(代表者 加藤 輝雄)に対し、控訴人3人に、それぞれに、111万円づつを支払うことを命ぜよ。
3.    訴訟費用は、被控訴人の負担とする。

第3.本案審査前の控訴人からの裁判所に対する確認と要求
1.    控訴人に対し、「説明責任を果たす判決」の要求

(1)    控訴人は、本事件に関連してマンション建て替え円滑化法をめぐる行政事件訴訟を、平成16年以来、10年以上にわたって多数提訴したが、その判決は、悉く却下等であった。そこで、それらの判決を、再度仔細に検討した結果、以下のことが判明した。
判決では原告(又は控訴人)の訴状及び被告(又は被控訴人)の答弁に関しては、ほぼ適正に要約してあるが、裁判所の見解は基本的に被告(又は被控訴人)の答弁どおりでよいとし、原告(又は控訴人)の訴えが法律に照らし違法である説明は、皆無であった。法治国の裁判で根拠となる法律解釈を示さないで行う判決は公正といえず、司法の行政追従で納得できず控訴及び上告したが、裁判結果は基本的に同じであった。国民には裁判を受ける権利があり、訴えを却下するならば、裁判官には、原告の訴えを否定する法律上の条文を根拠にする判決とするべき責任がある。その説明責任を果たさずに下した判決は、国民の裁判を受ける権利(憲法第30条)を蹂躙したものといわざるを得ない。

(2)    行政事件訴訟は、法律上の根拠のない行政処分の不当をめぐって争われるものである。制定法の国では、法定刑罰主義の原則に立ち、「法律に根拠をもたない行政処分は、無効」にされなければならない。紛争当事者3者(原告、被告、裁判官)の法律解釈が共通にすることが、説明責任を果たす裁判の前提である。法治国の裁判では、裁判当事者3者が共通の法解釈の上で裁判を行うことである。裁判官が紛争当事者に対し、円滑化法の法解釈に疑義がある場合にはそれを明確にすることは、審理を円滑に進めるために不可欠である。これまでの判決は、「裁判官の円滑化法の解釈を示さないで、被告の処分を追認するもの」で、判決に説明責任が果たされているとは言えない。控訴人の控訴審に対する不安を取り除くため、裁判官は以下の控訴人が抱く「多肢選択の疑問」に回答され、控訴人が安心して審理に臨めるよう、本案審理に先立ち、「2.円滑化法の解釈」を示されるよう、裁判官にお願いする。

2.    円滑化法の解釈
(1)    円滑化法は強制事業法であるが、その根拠は、以下のうちどれか?
一、    円滑化法に定める事業には、憲法第29条第2項に定める「公共性」があるとされるから。
二、    それ以外。

(2)円滑化法による事業には、「公共性」があるとされる根拠は、以下のどれか?
一、円滑化法は長期の経済不況を離脱するために小泉・竹中内閣が実施した規制緩和を軸として都市再生事業の一環として経済政策に公共性を認め、立法された行政法であるから。
二、上記一、に加えて、円滑化法第4条基本方針に公共性があると判断されたから。
三、絶対過半数の「建て替え議決」で決定した事業であるから。

(3)    円滑化法第四条の法律の内容は、「マンション建て替えに向けての合意形成に関するマニュアル」(以下「マニュアル」と略す。)に解説されてあるとされているが、そのマニュアルの性格は、以下のうちどれか?
一、「マニュアル」は国会の審議の経過で、円滑化法施行者である国土交通省がその法律内容を解説したものであるから、「マニュアル」は法律同様、厳密のその内容は守られなければならない。
二、「マニュアル」は、単なる「指針」に過ぎないから、法律同様に厳密に守る必要はない。

(4)「マニュアル」の中に二つの重要な決議がある。一つは区分所有者の80%以上の賛成で強制的に建て替え事業計画を実施することを決議する「建て替え推進決議」である。その解釈に関し、正しい決議は、以下のうちいずれか?
一、「マニュアル」に定めた手続きどおりの組合としての検討結果に基き、組合総会で80%以上の賛成で議決するものでなければならない。
二、「マニュアル」に依らなくても、組合総会で「建て替え推進決議」と言う名称の決議をすればそれで条件を満足している。

(5)    優良建築物等整備事業補助金の補助金申請条件として、「マニュアル」に定めた「建て替え推進決議」が添付されていることと定められているが、その「建て替え推進決議」とは、以下のうちどちらか。
一、(4)の一によるマニュアルで定めるとおりの手続きを経た「建て替え推進決議」でなければならない。
二、(4)の二による名称としての「建て替え推進決議」でよい。

(6)「マニュアル」のなかで区分所有者を強制させて事業実施に踏み切らせる決議として「建て替え決議」がある。その解釈として正しい決議は、以下のうちどれか。
一、「マニュアル」で定めたとおり、優良建築物整備事業補助金を受けて作成した建て替え事業計画に対する80%以上の区分所有者の賛成による「建て替え決議」でなければならない。
二、「マニュアル」に定める決議の前提になる建て替え事業計画が存在しなくても、組合総会で「建て替え決議」と言う名称の決議を、区分所有者の80%以上の賛成で行う決議であればよい。

(7)「建て替え決議」の法的根拠として区分所有法第62条に定める「建て替え決議」であるとされている。その「建て替え決議」の解釈は、以下のうちどれか。
一、円滑化法の制定に伴い区分所有法は関連改正されたので,平成14年の改正区分所有法による「建て替え決議」の内容は、「マニュアル」で定められた「建て替え決議」の通りに用語の定義が変更されているのであるから、「マニュアル」のとおりにしなければならない。
二、円滑化法が改正されても、区分所有法第62条の「建て替え決議」の法律上の文言は同じであるから、その「建て替え決議」は、平成14年円滑化法の制定に伴う関連改正された区分所有法には縛られず、昭和58年改正の区分所有法どおりの「建て替え決議」でよい。

(8)円滑化法による強制事業を実施する建て替え組合の円滑化法第9条による認可は、第12条の認可基準によるが、その中の「建て替え決議」は、次ぎのうちのいずれか?
一、(7)の一、による「建て替え決議」でなければならない。
二、(7)の二、による「建て替え決議」であればよい。

(9)取り壊すことになったマンションのために積み立てられてきた修繕積立金の返戻すべき対象者の取り扱いの解釈は次のうちのいずれか?
一、「マニュアル」に定めた通り、「建て替え決議」を実施した時点の区分所有者だけが、修繕積立金の返戻を受ける権利がある。
二、取り壊すマンションの区分所有者の権利と一体に移動するので、「マニュアル」の規定には縛られず、権利変換を受けない人には、修繕積立て金の返戻を受ける権利はない。

控訴人の法解釈は(1)及び(3)から(9)までは、全て「一、」であるが、(2)は、二、である。
一方、被控訴人の判断は、(1)及び(2)不明、(3)から(9)までは二、と判断される。その解釈が間違っているとされるときは、法文上の根拠を付けてご教授願いたい。

3.    控訴人の求めている「被控訴人による円滑化法違反の行政」の審理
控訴人は控訴の趣旨で述べている通り、修繕積立金の返戻金を訴外諏訪2丁目住宅管理組合(清算代理人加藤輝雄、以下「諏訪組合」と略す。)が、円滑化法第4条基本方針を解説した「マニュアル」に違反して修繕積立金の返戻金、333万円を横領したことに対し、円滑化法の施行者である被控訴人が、「マニュアルには法的拘束力がない」と主張し、諏訪組合の違法な横領を容認し続けてきた。
訴外諏訪組合は、本建て替え事業が強制権を付与されて実施できる根拠である円滑化法第4条に違反して、マニュアルに規定された二つの決議に違反した実体の存在しない二つの決議を、法律上監督する立場にある被控訴人多摩市長は適法であると幇助し、そのマニュアルに違反した決議を適法な決議として、違法な国庫補助金申請および東京都知事による建て替え組合認可に違法な認可申請を行った。
このように諏訪組合の実施してきた違法行為は、それを行政法上監督すべき被控訴人が諏訪組合の言いなりの違法を容認してきたから発生したもので、本建て替え事業も実施できなかったはずである。控訴人はこれまで本建て替え事業が違法であることを行政事件訴訟として争ってきたが、司法は円滑化法の施行が違法であることを円滑化法に照らした審理をせず、行政庁の処分を裁判官の裁量で容認する判決であった。被控訴人の犯した行政法違反の処分は、被控訴人に反証を挙げさせれば、行政処分記録は残っており、いずれも容易に証明されることばかりである。

諏訪組合が修繕積立金の返戻金を横領したことに対し、裁判は、円滑化法の解釈であるマニュアルの記載を無視し、容認した。本事件は、円滑化法違反を行ってきた諏訪組合による円滑化法違反事業を、円滑化法に基づき監督すべき立場にある被控訴人多摩市長が、破廉恥にも違反を幇助した結果、実施された強制事業の行政上の監督を問題にするものである。
建て替え事業の違反を争うことはこれまでの裁判で敗訴してきたことを考えると、被控訴人の違法の全貌を裁判所で理解するのは難しいと判断された。そこで、その中で最も明確な円滑化法違反と考えられた修繕積立金の返戻問題に絞って、本訴訟を提訴した。しかし、被控訴人が円滑化法違反幇助をしてきたこれまでの経緯を無視することはできず、諏訪組合と被控訴人による円滑化法違反は共同正犯であると言わざるを得ないので、控訴審では被控訴人による円滑化法違反幇助を、審理の対象に拡大するようお願いする。

第4.控訴理由
はじめに:

原審では、原告が法律上の根拠を上げて「多摩市が、マンション建て替え円滑化法違反行政の是正を求める訴状に関し、被告の弁明もなく、裁判所の見解の中に原告の訴えを退けるに足る法律上の根拠」が説明されていない。このことは、原審では訴状の審理がされたことにはならない。この説明責任を果たしていない判決には、全く納得できないだけではなく、裁判費用を納付し、訴状で明確にした訴えに対する判決理由が示されていないことは、国民の裁判を受ける権利を事実上侵害している。そこでまず被控訴人による法律違反幇助に関係する被控訴人による「14項目の控訴理由」を列挙することにした。

第4の1、被控訴人による「14項目の控訴理由」
1.    公共事業としての円滑化法及び「マニュアル」の違法な解釈

円滑化法は、憲法第29条に定める私有財産権の保障の例外としての公共性の認められた事業(第29条第2項)として、私有財産を強制的に従わせる強制的な事業執行権が付与され、かつ、国民の血税を投入できる優良建築物等整備事業補助金(以下「優良補助金」という。)を潤沢(23億円)に供与(交付)されている間接補助事業の根拠となるマンション建て替え円滑化事業の行政法である。本事業は諏訪組合が実施する民間の事業施行者による建て替え事業ではあるが、円滑化法(行政法)に根拠を置く強制事業執行権を付与された公共事業でもある。本事業は国民の権利義務に重大は関係をもつ公共事業として、円滑化法の施行者・被控訴人多摩市長が、法律の厳密な施行を行うべきことは当然のことである。行政法規そのものは、準刑法とも言われている通り、国家権力がその施行を適正に行うことを前提に、国民に法律遵守を義務付けているもので、円滑化法施行を担う被控訴人・多摩市長が、円滑化法を解説したマニュアルを蹂躙し、又は、恣意的な裁量により施行をしてよいわけはない。

2.    諏訪組合に対する円滑化法による施行義務付け責任(行政権)の放棄
被控訴人・多摩市長は、原審において円滑化法に基づく本事業が、単なる民間による任意の事業であるかのように扱い、その間違った理解の程度を恥ずかしげもなく原審で披瀝し、「被控訴人多摩市には、円滑化法の施行を諏訪組合に義務付ける法的根拠はない」、と開き直った答弁を行っている。その答弁は、行政庁の責任回避をするための言い訳として述べたものか、その意図は分からないが、理解に苦しむ答弁である。円滑化法に定められた施行者被控訴人・多摩市長が、諏訪組合に円滑化法通りの事業をさせる監督責任があるのは当然である。被控訴人多摩市長が円滑化法の適正施行を諏訪組合に義務付けて行わせるべきことは当然であり、被控訴人・多摩市長が主張するように、諏訪組合に任意に事業を行ってよいというようなことがあり得る筈はない。

3.    被控訴人による円滑化法第4条の法律解釈である「マニュアル」の蹂躙
円滑化法は強制権行使の根拠を、同法第4条で区分所有者の合意形成の手続きを定めているわけであるから、手続きに遺漏のないように施行することは当然である。被控訴人・多摩市長は、諏訪組合に対し円滑化法および同法を解説したマニュアルを遵守させるべき義務を負っている。円滑化法自体に個別の手続き(行政行為)を個別に義務付ける記述がなくても、被控訴人・多摩市長が円滑化法で定めた条文を諏訪組合の遵守義務を守らせるべきことは、円滑化法施行の前提である。

4.    強制権行使の根拠となっているマニュアルの蹂躙
被控訴人・多摩市長の行政上の重大な法律違反の事実は、円滑化法の強制権の根拠が第4条で定める基本方針を解説したマニュアルに定められた手続きを「マニュアルは単なる指針に過ぎず、法的拘束力を持たない」誤った説明をして、マニュアルで規定された区分所有者の合意形成の手続きを蹂躙したことである。円滑化法により建て替え事業を強制的に実施できるとした法的に裏付は、円滑化法第4条に規定である。第4条の解説は、衆参両院の円滑化法の審議の中で、国土交通省が具体的な手順の解説をマニュアルとして作成することとした。そして、マニュアルで定めた徹底的な民主的手続きを踏む関係区分所有者の合意形成の手続きを踏むことで、強制建て替え事業の公共性を担保することにしている。マニュアルなしでは公共性を担保する具体的で合理的な手続きは存在せず、円滑化法の強制権を行使できる憲法上の根拠は失われる。

5.    憲法第29条第2項との関係にある円滑化法の理解に誤りのある被控訴人の行政
マニュアルは、マンション建て替え工事に着手するまでの区分所有者の合意形成の過程を14のプロセスでまとめ、その中の大きな節目とされた「区分所有者を強制して建て替え事業計画を作成させる決議(建て替え推進決議)」と、「そこで作成された建て替え事業計画に基づいて、区分所有者全員を強制して建て替え事業に踏み出させる決議(建て替え決議)」の2つの決議を区分所有者の5分の4以上の賛成で行うべきことを定めた。そのマニュアル通りに「建て替え推進決議」を行った住宅管理組合に優良補助金の交付を認め、さらに、その優良補助金を受け、区分所有者の意向を十分反映した建て替え事業計画を作成する。その建て替え事業計画に対して5分の4以上の賛成を得て「建て替え決議」を行った事業組合に、建て替え事業執行に必要な強制権を、憲法第29条第2項に基づき付与する事業制度である。被控訴人は諏訪組合はこの二つの決議をマニュアルどおりに行っていないことを知る立場にいて、不正な手続きを容認し、あたかも適法な手続きと扱い上申した。

6.    円滑化法で定めた「絶対過半数の決議」の法的内容を蹂躙した被控訴人
マニュアルは、区分所有者の合意形成の節目となる決議を行うための作業を、区分所有者の十分な審議と、建て替え事業専門家の参加を前提とした作業成果に定め、それに対する区分所有者全体の5分の4以上の絶対過半数で行う決議をもって公共性がある事業とした。それにもかかわらず、円滑化法の施行者である被控訴人多摩市長は、「マニュアルを指針に過ぎず、遵守する義務がないもの」と言い、上記2つの決議がマニュアルに違反したものであることを知る立場にあり、かつ、知っていて、諏訪組合のマニュアル違反を、それでよいとマニュアル違反の決議を容認し、適法扱いを幇助した。

7.    法律上の要件を具備しない2つの決議の無効を違法にも適法とした被控訴人
本諏訪組合は、マンション建て替え事業は強制権の根拠となるマニュアルに定めた2つの決議を行っていない。正確に言えば、マニュアルに定めた2つの決議は、いずれも存在していない。諏訪組合が円滑化法に基づくと称する決議は、いずれもマニュアルで定めた手続きを無視した不正な方法の「決議の名称」だけを「円滑化法で定めたマニュアルに定められた名称」としたものである。その決議の背景には、現在の国土交通省住宅局長井上俊之が、当時住宅局住宅整備室長(以下、「井上室長」と略す。)であったとき、被控訴人・多摩市長に不正な補助金申請を教唆し、諏訪組合及びその建て替えコンサルタントである旭化成ホームズ㈱に指示し、不正な国庫補助金の申請を行わせたものである。

8.    国土交通省井上室長の違法な指導を執行した被控訴人
諏訪組合も被控訴人・多摩市長も、井上室長の違法な行政指導をもって円滑化法に適合していると主張してきた。ただし、井上室長は円滑化法の施行担当責任者ではなく、円滑化法で定めた「建て替え推進決議」を条件として優良補助金を交付する事業予算交付担当室長であり、円滑化法の施行指導をする立場にはなく、国庫補助金等適正化法に違反し不正な優良補助金申請を教唆した。被控訴人・多摩市長は、円滑化法の施行者として、違法な円滑化法違反の事業は阻止すべき立場であったにもかかわらず、違法な手続きを阻止せず、逆に、井上室長の違法な指導を受け、それに従い諏訪組合を幇助し、違法な「建て替え推進決議」を行わせ、違法な優良補助金の交付申請を行った。

9.    円滑化法上執行できない替え事業を、不正にでっち上げる不正幇助をした被控訴人
被控訴人・多摩市長は違法なマニュアルを蹂躙した二つの決議を違法として認識できる立場にありながら、それを適法として優良補助金の不正交付を行った。その後、その補助金を利用して諏訪組合が作成した建て替え事業計画は、区分所有者の30%以上が反対し、「建て替え決議」を実施することが不可能とされた。マニュアルではそこで「建て替え決議」の裁決を行い、区分所有者の5分の4以上の絶対過半数が得られないときには、強制権を有する建て替え事業は実施してはならない。諏訪組合は強制建て替え事業ができない判断がなされることを怖れ、建て替え事業計画を反故にし、その事業計画に基づく諏訪組合総会での「建て替え決議」を行わなかった。「建て替え決議」をするための基礎資料として優良補助金受けて作成された建て替え事業計画の補助金は、補助目的のために使われなかったから、国庫補助金等適正化法に基づき、国庫へ返還されなければならない。被控訴人は諏訪組合の国庫補助金返還義務を行わせず、諏訪組合の補助金横領を幇助した。

10.国庫補助金等適正化法違反を行った被控訴人
諏訪組合で建て替え事業の取り組みが始まった当初、建て替え賛成者は区分所有者の約60%しかなかった。しかし、建て替えを進めたい組合員と井上室長が、当時、歴史的な江戸川アパートの建て替えを成功させ、NHKでその成果が放映されたた旭化成ホームズ㈱を使えば、反対者の切り崩しによって建て替えが実施できると判断し、強引に違法な建て替え事業を進めた。しかし、建て替え決議ができなかった理由は、国庫補助金の多くは建て替え反対者切り崩し費用に使われ、区分所有者の希望を反映した建て替え計画ではなかったためである。被控訴人・多摩市長は、諏訪組合が優良補助金を不正に使うことを幇助し、円滑化法による事業を民間事業であるとして監督せず、その不正支出を容認してきた。

11.廃止された改正前の区分所有法の規定を有効とした被控訴人
円滑化法上、建て替え組合は建て替え事業の強制権を得なければ事業を遂行できないため、マニュアル及び平成14年建物区分所有法で「建て替え決議」の用語の定義が改正された。それにもかかわらず、既に、廃止された昭和58年区分所有法に規定する「建て替え決議」という名称の諏訪組合総会決議をもとに、被控訴人多摩市長に強制権をもつ建て替え組合の認可申請を不正に行った。被控訴人多摩市長は諏訪組合からの申請が違法であることを知っていて、行政法上の経由庁として審査したふりをして、違法な申請を幇助し、「適法である旨」の誤った副申をつけ、東京都知事に申請し、認可を得た。

12.諏訪組合の円滑化法違反を全て知っていてそれを適法であると幇助した被控訴人
被控訴人多摩市長は、井上室長の指導どおり諏訪組合と共謀し、諏訪組合が作成した不正な「建て替え推進決議」名称の詐欺文書を使って、国庫補助金不正申請を行い、かつ、不正な「建て替え決議」名称の詐欺文書を使って建て替え組合の申請を行った犯罪の共同正犯である。さらに、不正なマンション建て替え事業を強行した結果、取り壊すことになった既存マンションの3人の区分所有者に返戻すべき修繕積立金の返戻金の扱いが定められたマニュアルの解説に違反し、諏訪組合が区分所有者に返戻すべき修繕積立金の返戻金333万円を諏訪組合が横領した事実を知っていて、それを監督すべき立場にある被控訴人はそれを正当であると諏訪組合による控訴人に帰属するべき返戻金の横領を幇助した。

13.原告(控訴人)の訴えの事実関係を調べないことによる不正の隠蔽
控訴人がここで主張している円滑化法違反の事実は、調査すれば証明できる行政事務である。このような不正な行政が日本国で白昼横行していることは忌々しき問題で、法治国として許してはならない。行政事件訴訟は行政庁の間違った行政を、三権分立の民主主義の原則に立ち審査し、行政の誤りを正す役割を担っている。しかし本事件では、「司法は一貫して行政の不正幇助を容認する立場」をとり続け、「原告が提訴して不正事実を調べようとせず、つまり、原告の訴状で書かれた訴えに関し審理せず」、その訴えを却下した。判決において「裁判所は原告の訴状にこたえることのできる判決」を書いていない。この事件の修繕積立金の返戻に関する関連裁判は、控訴人の訴えを審理の対象にせず、かつ、訴状に対して説明責任を果たす裁判所の見解を記載しない判決である。このような判決は憲法30条に定める国民の裁判を受ける権利を基本的に蹂躙するものである。判決で行ったことは、違法な行政を容認し、違法な行政処分を公定力で守り、諏訪組合が実施してきた「不正な既成事実の追認」でしかなかった。

14.マニュアルの扱いを「毒食わば、皿まで」の不正な扱いをした被控訴人
本事件では、被控訴人が諏訪組合と共謀して不正を幇助する行政を行ったが、控訴人は本訴訟において、円滑化法違反を象徴的に明らかにしている修繕積立金返戻問題を扱った。この問題は単純で、社会常識としても、マンション事業経営としても当然「間違」と判断されたので、「修繕積立金の返戻金横領問題」に絞り、被控訴人の行政責任を追及して提訴した。それは被控訴人が行った円滑法(行政法)違反の「氷山の一角」である。しかし、原審は想定外の法治国では非常識な結果であった。

控訴審では、本事件の審理を通して、被控訴人多摩市長が極めて悪質な犯罪幇助とそれ以上の犯罪の共犯者として円滑化法違反を行い、その結果、円滑化法行政を汚染したことを明らかにする。

第4の2 「修繕積立金の性格」とそれを問題にする「本行政事件の控訴理由」
修繕積立金の返戻問題が過去の裁判の中で迷走して理由は、担当した裁判官自体がマンションの経営管理の専門知識と社会常識がなく、修繕積立金の性格が理解できず、マンションの経営管理が正しく理解されていないことにあった。そこで、本控訴審では審理に先立ち、その対象となっているマンション経営と修繕積立金のことが理解されなければ、まともな裁判ができるはずがない。そこで本控訴審では、以下のとおり、裁判で審理の対象に成っている修繕積立金の社会的性格と法的性格の説明から始める。

その1:円滑化法で定める「修繕積立金の性格」
修繕積立金とは、「いかなる性格のお金であるか」ということが、これまでの東京地方裁判所立川支部及び東京高等裁判所並びに最高裁判所に理解されていなかったのではないか。そこで、「修繕積立金の性格」を以下の通り説明する。

1.    マンションは一旦建築されるとその建築物は恒久的に維持されるべく、修繕積立金を徴収し、必要な修繕を繰り返すことで、建設時点のデザイン、機能、性能を維持することになる。当然、文明の発展とともにマンションに対する居住者の機能及び性能要求は高まるため、マンションは区分所有者の要求に合わせて改善する必要がある。その場合には、現在社会的な問題になっている耐震補強等の対応を含め、区分所有者の合意に基づき、総会で修繕積立金の増額を行うことで対応することになる。

2.    円滑化法が制定されるまでは、基本的にマンションを取り壊すことは、建物区分所有法上、一般的な想定に入っていなかった。マンションの居住者は、入れ代わり退ち代わり、変更することがあっても、マンション自体が恒久的な不動産として維持管理されるためには、マンション自体の共同部分の資産と修繕積立金残高とは一体不可分の関係にあるとされてきた。

3.    修繕積立金は、マンションに修繕の必要が生じた場合、その都度、組合総会の議決を経て修繕工事を共有の資産部分に対して行うため、すべて組合の共同資産に対し修繕積立金が使われ、修繕積立金の残高な変動するが、「マンションと修繕積立金残高の合算した共同住宅の共同部分の資産総額」は変わらないという論理の上に、修繕積立金が存在する。

4.    円滑化法の制定に伴い、マンションが取り壊されることが前提になると、マンションと一体不可分の関係にある修繕積立金は、修繕工事の対象に成るマンションが存在しなくなるわけであるから、修繕積立金の使途が宙に浮くことになる。そこで用途のなくなった修繕積立金はそれまでマンションを保有していた区分所有者が、その権利として取り壊しを決定したのであるから、その決定を行った時点、即ち、「建て替え決議」を行った時点の区分所有者が、その権利の持ち分に応じて残存する修繕積立金を区分所有者に返戻分配をすることになる。

5.    円滑化法に基づき作成された国土交通省が作成したマニュアルには、円滑化法に基づく「建て替え決議」を行った場合には、その決議を行った時点の区分所有者に修繕積立金を返戻するべきことが記載してある。

6.    円滑化法の中心は、「建て替え決議」後の、建て替え組合が行う建て替え事業計画と、それと不可分の区分所有者の権利変換計画の実施である。そこには、「建て替え決議」によって取り壊すことになったマンションの修繕積立金を、法律上、その後の建て替え事業で取り扱う余地はない。そのため、マニュアルでは、修繕積立金は、取り壊すマンションとともに使途が消滅する資産であるから、「建て替え決議」を行った時点の区分所有者全員に返戻し、「区分所有者の権利変換に混ぜて行ってはならない」ことが強調してある。

7.    諏訪組合は「修繕積立金の返戻を受ける権利が、区分所有権と一体不可分の関係にある権利である」として、「区分所有権の収用と同時に修繕積立金の返戻を受ける権利も収用でき、権利変換を受けない区分所有者は、その返戻金を受け取ることはできない。」と控訴人の受け取るべき返戻金の横領を正当化した。被控訴人諏訪市長は一貫して、諏訪組合と同じ円滑化法違反の主張を繰り返してきた。控訴人の「マニュアルに従え」の訴えに対し、被控訴人は「マニュアルには従わなくてもよい」と諏訪組合の違法を容認する法施行を共同正犯として行ってきた。

8.    裁判における修繕積立金の返戻金の取り扱いに関し、基本的にマンションの管理における修繕積立金の上記の性格を前提にし適正な判断がされなければならないが、東京地方裁判所立川支部の裁判所の判断は、諏訪組合は単なる区分所有者から修繕積立金の管理委任を受けた団体であったにもかかわらず、「諏訪組合の裁量で、修繕積立金を建て替え関係に使うことができる。」と組合の不当な主張認めた。

9.    その上で、諏訪組合が主張する「修繕積立金の返戻を受ける権利は、取り壊すマンションの区分所有権と一体不可分に移動する」といったマニュアルでも禁止し、共同住宅の修繕積立金の性格上有り得ないドグマを持ち出して間違った判決を行った。東京高等裁判所も控訴人の控訴状を審理の対象にせず、下級審の誤審を追認した。

10.    裁判所はその後一貫して最高裁判所の判決で確定したと弁明するが、最高裁判所は控訴人が訴状及び準備書面で審理を求めた内容を審理しておらず、判決において訴状に対する説明責任を果たすに足りる判断の根拠が示されていない。下級審の審理が正しいという前提で却下したに過ぎない。「裁判の判決は一旦なされたら、覆らない。」という慣例ができているかもしれないが、その間違った判決が、その後の行政を歪めることになるので、判決は覆されなくてはならない。時効はやむを得ないとしても、誤審は糺す勇気をもたなければ、法治国の国家は成り立たない。判事が間違った判決を行ったことは、修繕積立金の性格上からも明らかである。

11.    原告(控訴人)は弁護士を使わなかったから、控訴人を法律の専門家ではないと勘違いし、違法な主張をした弁護士の言いなりの判決を下した判事は、判事の資質に問題があると言わざるを得ない。これまで裁判官は、自らおよび弁護士を法律の専門家であり、その見解に従えと言ってきた。それらの法律の専門家は司法官試験に合格し、裁判官に任官し、または、弁護士を開業しただけであり、担当裁判に係る行政法の専門家と限っていない。控訴人のうち一人は中央官庁で行政法の政府立法事務を担当し、国及び府県で建設関係の行政法の施行し、多数の行政事件訴訟を経験した実務経験者で裁判官及び弁護士の主張が理解できないわけではない。法律の専門家でなければわからない裁判ではなく国民に分かる裁判でなければならない。

12.    現に、本事件は、被控訴人である多摩市長が円滑化法第4条基本方針に違反して、国庫補助金適正化法違反を幇助し、建て替え組合の認可に際し、円滑化法第12条の認可の基準に違反している建て替え組合認可の不正申請を幇助してきた。その総ては国土交通省の井上室長が国土交通省設置法で定める職務権限を越え、「円滑化法第4条を基に国土交通省が作成したマニュアルを法律の解釈ではなく、単なる行政指針である。」とした違法な行政指導に始まった事件である。

13.    被控訴人・多摩市長が井上室長の指導に追従・迎合し、円滑化法の施行を歪めてきた法律違反の行政を行っていることを問題にしているものである。裁判官は本事件をまじめに解決しようとするならば、少なくとも控訴人が指摘している違反の事実を調査し、それに基づいた判決を下さなければならない。(井上室長を証人喚問してここでの主張を確認できればよいと考えている。)

その2:「本行政事件の控訴理由」:事実関係
修繕積立金返戻に関連する事実関係と多摩市長による円滑化行政の問題
修繕積立金の返戻に関する返戻金を受け取る権利の発生はその時系列を追って変化をすることになるので、以下、本修繕積立金県令事件の進行の節目ごとに、その権利の発生に関する問題(ボールドの文字記載)を、平成22年以降その時系列を追っ、以下に整理し、解説する。

1.平成22年3月28日: 諏訪組合総会による円滑化法第62条による「建て替え決議」
(マニュアルで定める修繕積建て金の返戻を受ける権利を持つ者の確定を行った総会決議。)

(1)この「建て替え決議」は、昭和58年建物区分所有法第62条を、平成14年建物区分所有法第62条に基づく「建て替え決議」のように不正にすり替え、即ち、名称だけが同じ「建て替え決議」として、被控訴人・多摩市長が違反幇助して行ったものである。平成14年建物区分所有法で規定している「建て替え決議」は、円滑化法の制定に伴い「建て替え決議」の「用語の定義」自体がマニュアルに定める「建て替え決議」に変更されている。円滑化法による「建て替え決議」の用語は「建て替え推進決議」を行って住宅管理組合が建て替え事業に絞って建て替え事業計画を作成し、その建て替え事業計画に対する区分所有者の合意形成を「建て替え決議」で行うことを定めている。

(2)諏訪組合の場合、優良補助金を得て作成した建て替え事業計画に対して、区分所有者の30%以上が反対の意向を示し「建て替え決議」を行うことができなかった。円滑化法上、その状態で「建て替え決議」を行おうとすれば、80%以上の賛成が得られないので、その強制建て替え事業はやってはいけないことになる。その結論を避けるため、諏訪組合は円滑化法制定以前の昭和58年建物区分所有法による「安全性が失われているマンションの建て替えを実施するときの条件」として、単なる区分所有者の意向としての「建て替え決議」を行い、その決議をもって建て替え組合認可申請を行った。

(3)昭和58年の建物区分所有法による「建て替え決議」は、構造耐力上猶予のできない危険マンションを、修繕ではなく、建て替え事業にするための決議であって、円滑化法で定める「合意形成としての建て替え事業計画」を基にする決議ではない。円滑化法では、経済的な利益を追求するために、建て替え事業を公共性がある事業とするために、区分所有者の合意形成を前提にして、その建て替え事業を強制事業として実施できるようにするため、「マニュアルで定める区分所有者の合意形成のプロセス自体を公共性の根拠としてきたものである。依って、マニュアルに定めた合意形成のプロセスを全く踏んでいない事業に公共性が付与されるはずはない。

(4)東京地方裁判所立川支部、東京高等裁判所および最高裁判所が控訴人の訴えを却下したからと言って、諏訪組合が行った法律違反が適法な法律行為であったことにはならない。法律上、諏訪組合が行った「建て替え決議」は、その根拠となる法律にはないことを名称だけの「建て替え決議」をしたものであるから、法律上「建て替え決議」は不存在であって、時効や公定力で保護されるものではない。法治国では法律に照らして判断されるもので、誤った裁判所の判決は法律に照らして再度審査され、判決に誤りがあれば、その判決は可及的速やかに訂正去らなければならない。

2.平成22年5月23日: 修繕積立金の返戻額を決定
(上記1に基づき、区分所有者に対し修繕積立金として返戻する額の決定として、取り壊すマンションの床面積は均等であるから、修繕積立金は640世帯で均等配分することとし、その返戻金は、1世帯当たり111万円とすることを決定した。)

3.平成22年12月9日: 円滑化法第9条による強制建て替え権を付与された組合認可
(円滑化法による強制事業は東京都知事の強制建て替え事業組合の認可をもって始まる)。

(1)円滑化法第9条の組合認可は、円滑化法第12条に定める認可の基準に適合していなければならない。しかし、諏訪組合が被控訴人多摩市と共謀して行った建て替え組合認可申請は、前述した1で明らかにしたとおり、適法な「建て替え決議」は不存在で、円滑化法第12条に定める認可の基準に違反した東京都知事の認可であった。

(2)第12条で定める認可の基準で定める「建て替え決議」は、平成14年建物区分所有法第62条に定める「建て替え決議」を前提にしたもので、その内容はマニュアルで定めている「建て替え決議」である。諏訪組合による建て替え事業は、は円滑化法及び平成14年建物区分所有法に定める「建て替え決議」が不存在の状態で、「建て替え決議」という名称の決議(昭和58年区分所有法第62条を根拠とした「建て替え決議」)をして、それを建て替え組合の認可申請書に添付しただけのことで、円滑化法第12条に違反したものであるから、認可は無効である。被控訴人は諏訪組合の「建て替え決議」が円滑化法及び平成14年区分所有法に違反していることを知るべき立場にいて、それを適法なものとして東京都知事に副申を添えて申請した。

4.平成22年12月14日:(東京都知事組合認可で、強制事業を確認した後、売却)
(控訴人(戸谷英世)は、諏訪組合が行った違法な「建て替え決議」やそれを被控訴人多摩市長が違反幇助し、東京都知事がその違反を幇助するという行政の流れを見て、この建て替え事業を阻止することはできなくても、修繕積立金の返戻金は確保しようとして、上記1により円滑化法第4条に基づくマニュアルで定めた修繕積立金の返戻金を受ける権利が確定したことを確認してから、取り壊すマンションに保有する区分所有権の譲渡をした。そのマンション売却日である。)

(1)    諏訪組合は、違反を修繕積立金の返戻において、建て替え反対者に報復的措置に及び、返戻金は諏訪組合が横領した。控訴人(戸谷英世)がこの時点でマンションを売却しても、マニュアルに照らしても、諏訪組合の総会決議に照らしても、修繕積立金の返戻金を受け取る権利が失効することはない。

(2)このことに関し、これまでの裁判では控訴人に修繕積立金の返戻を行わなくてもよいという法的根拠は全く示されていないだけではなく、審理自体の対象にされていない。被控訴人多摩市長は建て替え事業が違法に行われていることを幇助してきたため、その反対者に報復措置を加えることを容認してきた。

5.平成23年1月15日:建て替え組合は、控訴人(坂元克郎及び伊藤綾子)にそれぞれのマンション売却を請求し、平成23年3月3日マンションを収容する代金(1世帯に対し1,117万円、合計2,234万円)を供託した。
(自宅マンションを強制収容することを前提にマンション代金を供託された控訴人(坂元克郎及び伊藤綾子)に対し、そのマンションを諏訪組合が円滑化法に基づいて収容するためマンションの区分所有権を強制買取する費用を供託日である。) 

(1)二人は、上記1のとおり、マニュアルで定められた修繕積立金の返戻を受ける権利を有する者であり、かつ、諏訪組合が供託した供託金は、取り壊されたマンションの区分所有権に対する代金であって、修繕積立金の返戻を受ける代金、1世帯当たり111万円、合計222万円は含まれていない。諏訪組合が2人に対してそのマンションの区分所有権を強制買い取りする供託金を供託しても、それは修繕積立金の返戻金を強制収容できることにはならない。

(2)この二人の控訴人(坂元克郎及び伊藤綾子)は、日本国が法治国であることを純粋に信じ、法律違反がこの世でまかり通ると考えてもいなかった。しかるに、諏訪組合は、法律違反を繰り返して、東京都知事の建て替え組合認可を得た結果、諏訪組合が自宅マンションの買い上げ金を供託した結果、自宅マンションを取り上げられることになった。しかし、修繕積立金はすでに取り壊しマンションと一体不可分の関係を解除されているから、を同時に失うことにはならない。区分所有権の買い取りに随伴することはない。

(3)ここでは供託による強制権行使の原因となっている東京都知事による建て替え組合認可自体の違法性を問題にしなければならない。諏訪組合は、円滑化法では区分所有者の合意形成としてつくられるべき建て替え事業計画は作成されなければならないところ、国庫補助金を使って区分所有者の意向を取り入れて造られたはずの事業計画に対し、区分所有者のうち、当初40%が反対した。

(4)そこで諏訪組合は、違法な建て替え事業を強行するため、建て替え事業計画に投入すべき国庫補助金を使って替え事業反対者の切り崩しを行ったが、30%以上の区分所有者が反対して「建て替え決議」に持ち込むことが、上記1の説明のとおり、できなかった。

(5)そこで諏訪組合は、円滑化法上実施することができなくなった事業であったので、円滑化法に記載されていない違法な「事業者選定競技(コンペ)」という手法を持ち込んで建て替え事業を強行した。区分所有者の合意された事業計画が存在しないのに事業者選考競技(コンペ)を行うというようなことは円滑化法の合意懸性の考え方に矛盾するものである。

(6)そこで区分所有者に何を選考競技(コンペ)するかを示すことなく、「物取り主義」の競技が行われた。最初から東京建物㈱が先行される筋書きができていて、東京建物が圧倒的多数で選ばれる方法絵お諏訪組合が被控訴人多摩市長らと合議したものであった。

(7)そのとき、被控訴人多摩市長を含め、諏訪組合は、旭化成ホームズ㈱及び東京建物㈱等建て替え事業を違法に強行突破しようとした関係者が謀議を凝らし、「1世帯当たり500万円の移転補償費の支給する」を条件に、東京建物㈱が、建て替え事業の計画に関する区分所有者の合意が存在しないにもかかわらず、建て替え業者に選考された。

(8)500万円のうち350万円は区分所有者の土地を不正に日本不動産研究所に鑑定評価書を作成させ、法定容積率一杯の利用ができる区分所有者の保有する土地に根拠もなく不当な理屈をつけ、23%減額評価させることで捻出したものであった。しかし、円滑化法に照らして、全く違法な方法で先行された東京建物㈱は、選考後、「リーマンショックにより経営が悪化した」という理由で500万円の移転補償費の支給をしないことを一方的に通告し、合計32億円を横領してしまった。

(9)区分所有者が強引な諏訪組合と東京建物㈱の建て替え事業推進に怯んだとき、諏訪組合は、昭和58年建物区分所有法というすでに平成14年建物区分所有法の制定により廃棄された法律を根拠にした「建て替え決議」を行い、それを円滑化法第12条に適合する認可の基準に適合するとして認可申請を行い、それを被控訴人多摩市長が法律に適合するものという副審を付けて東京都知事に申請した。

2人の控訴人は、そのような不当な事業が、憲法第29条第2項で定める公共的な事業として行われることはないと法治国家を信じていたが、結果的には裏切られることになった。

6.平成23年5月29日:諏訪組合総会において、修繕積立金としての返戻額を111万円とし、上記1に該当する者に修繕積立金引出口座に修繕積立金返戻金を振り込むことを決定した。
(この決定は、修繕積立金の管理を委任されている諏訪組合が、事務委任している区分所有者に対し、事務処理を明確にし、組合総会で承認を受けたものである。)

(1)この決議により修繕積立金の返戻を受ける権利が変更されるものではない。3人の控訴人はこの総会決議に照らしても修繕積立金の返戻金が支給される条件は満足しており。諏訪組合が修繕積立金の返戻をしなかったことは、刑法上の横領以外の何物でもない。

(2)被控訴人・多摩市長は円滑化法の施行者であり、この間の事情を知るべき立場にあり、違法な修繕積立金の横領を容認してきた違反幇助者である。現に、控訴人らがこれまで再三にわたり本事業が円滑化法違反である訴えを行ってきていて、それらを知らぬ立場にあったということはできない。

7.平成23年10月10日:本事件の3人の控訴人は、修繕積立金の支払いを求めて民事訴訟を東京地方裁判所立川支部に提起した。
(諏訪組合が上記1に定めるマニュアルに定めた修繕積立金の返戻金を受け取るべき3人の控訴人の銀行口座に、上記6で定められた修繕積立金返戻金が振り込まれていないので支払うように請求したところ、「建て替え事業に反対した者は、諏訪組合は支払いを受ける権利のない。」として支払い請求に応じなかったため、民事訴訟を提起した日である。)

(1)その後、諏訪組合は修繕積立金を支払わない理由を、「マンションの区分所有権と一体的に移動すると言い、控訴人(戸谷)に対して、マンション譲渡人に支払ったと言い、控訴人(坂元及び伊藤)に対しては、供託金の支払いでマンション区分所有権を取得した建て替え組合に移転した」と説明した。

(2)この民事訴訟に対し、東京地方裁判所立川支部は原告の訴えに対してその訴えの内容を、法律に照らして行うべき審理をせず、被告である諏訪組合の弁護士による答弁(「マニュアル」は単なる行政指針に過ぎないから、マニュアルに拘束される必要はない)のとおりでよい、という説明責任を果たさない不当な判決を行った。

(3)その判決を不当であると控訴したが、東京高等裁判所は控訴人の法令を根拠にした提訴をまじめに審理の対象とせず、下級審の判決でよいという不真面目な説明責任を果たさぬ判決であった。最高裁判所は上告を最高裁判所の審理の対象にするものではないと却下した。

(4)日本は法治国であるから少なくとも本修繕積立金の返戻に対する扱いに関し、円滑化法の所管省・国土交通省が作成したマニュアル通りの取り扱いを円滑化法の施行者である被控訴人多摩市長が施行することが当然である。

(5)裁判所が裁判権の行使と言って、いかなる言い訳を付けても、「強制法として円滑化法の適正な施行を担保するために国土交通省が作成したマニュアルに裁判所が従わなくてもよい。」と判断をしてよい理屈はない。

(6)日本は法治国である。裁判所がこの民事裁判で行った判決を正当化することは、法治国の法秩序を破壊することになる。

8.平成23年11月10日:マンション建て替え事業に係る権利変換計画に関し、東京都知事に認可された。権利変換計画はマンションの区分所有権の権利変換で、そこには修繕積立金は含まれない。
(権利変換計画の認可以降の事務は、修繕積立金の返戻とは全く無関係な事務となる)。

以上。



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