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HICPMメールマガジン第602号(2015.03.09)

掲載日2015 年 3 月 9 日

HICPMメールマガジン第602号(2015.03.09)
みなさんこんにちは
急に春めいてまいりました。

東日本大震災から4年経って罹災者の皆様に対し本当に御気の毒と思っていますが、私達納税者の気持ちが政治として行われておらず、腹立たしく思っています。現時点の被災者は日本の政治の被害者です。

前回に続き、住宅地のデザインについてお話しします。
中小零細工務店で出来る「購入者にとって資産価値が形成できる住宅地経営」の提案(第2回)

第7問:前回までの説明内容を説明してください

第7問の答え:欧米的な「住宅により住宅購入者が資産形成のできる住宅地開発」を日本で実践できるようにするためには、土地の所有者・地主の理解が「すべてである」と説明してきました。
第1回は、欧米の不動産経営は土地建物一体で、建物は都市を土地利用計画に合せて建築加工した工事部分であって、「住宅は、土地から独立した不動産ではない」こと、そして、地主の土地経営として住宅地経営により地主が資産形成をしてきたことが、結果的に住宅所有者の資産形成になってきたことを英国のレッチワース・ガーデンシテイから知ることができます。その上で、中小零細な工務店が取り組むことのできる「住環境として、その外部からの影響を受けないで、環境を自衛できる規模」は、「コモングリーンを囲む6戸の住宅地空間」または「道路を挟んで向こう3軒両隣」で形成されるハーフエーカー以上(2,024㎡)の空間である考えられてきたことまで説明してきました。

第8問:ガーデンシティの理論を使った中小零細な工務店が、住宅による資産形成ができる開発を行おうとするために中小規模の工務店で実施することのできるリースホールドによる住宅建設事業とは、どのようなものですか。

第8問の答え:その基礎条件として住宅の資産価値が上昇し続けることのできる開発規模をハーフエーカー(約2,000㎡)程度の土地が対象にされます。その手順は以下の通りです。
(1)工務店の事業とした考える以前に、地主が「リースホールドによる住宅地開発方法」が、土地からの地価に見合った配当を半永久的に受ける「金のなる木」に遊休地を転換する事業であることを理解されることです。その後、地主に「金のなる木」を育てる土地にする判断を行わせます。

(2)地主にとって適正利益の得られる土地利用としてリースホールド事業を取組みたいと言う認識をもたせ、そのためには人々が魅力を感じる街並み景観の優れた住宅を計画し、経営管理することを理解させることです。米国の「三種の神器」に基づく住宅地経営の理解をさせることです。

(3)住宅地の計画段階で地主と工務店との間で、敷地全体の基本計画と建築設計指針を地主側が用意し、工務店側は建築設計指針に見合った標準設計図集と材料供給オプションを共同事業として計画します。HICPMがかつて「サステイナブルハウス・ホーム・プラン・システム」として実践した方法を採用します。

第9問:既成の区画整理地で可能な手法とは、どのような方法ですか。(

第9問の答え:その実例の一つは、宮崎市でアービスホームが「東宮花の森で」実践した方法です。
既存宅地で住宅の立ち上げができていない土地を対象に考えたらよいのです。既成宅地には潜在的に住宅地として利用できる可能性があると判断された土地ですが、そこが住宅需要者のニーズを満足させることができなかったために開発されなかった訳ですから、まず、住宅需要者のニーズを考えて、そのニーズに合った住宅地を計画します。ニーズの基本は、住宅を売り手市場に維持する次の2点です。
(1)住宅価格が年収の3倍以下またはローン返済額が所得の30%以下であること
(2)常時、人々が住み続けたいと願うデザインと機能と性能の優れた住宅地経営が行われること

第10問:英国で行っているリースホールドによる住宅地経営は、第8,9問の回答との関係で、顧客を確保するということが大きなカギを握ると思いますが、その方法はどのようなものですか。

第10問の答え:英国のレッチワースガーデンシティにおけるリースホールドの住宅地経営は、レッチワースガーデン経営株式会社が地主であり、ガーデンシティの設計者・施工者・経営者でもありました。ガーデンシティ株式会社には住宅及び住宅地経営の高い技術集積がありました。
わが国で実践する場合、地主と住宅を建設する工務店が共同事業で行い、保有していない技術力を外部からアウトソーシングすることで実行は可能になります。HICPMの会員で欧米の技術導入で実現に成果を上げてきた会社が多数あります。いろいろの方法があり日米での経験を参考にするべきです。

第11問:需要者を確保する方法に米国ではどのような方法を取っているのですか

第11問の答え:米国では顧客と想定し対応するとき、2つの面からアプローチ(取り組み)をします。
(1)    住宅の販売価格の上限の設定:顧客の収入および購買力として年収の3倍かまたは所得の30%以内で取得できる住宅不動産を供給する。
(2)    住宅地の設計計画内容と経営管理:顧客のライフステージに対応したライフスタイルに応えることのできるデザイン、機能、性能を有した住宅環境を作り経営管理する。
(比較参考:日本の現況)
(1)    住宅価格と住宅ローン:住宅価格:年収の5-6倍、ローン担保:住宅価格の3倍近い担保。
(2)    住宅の品質:「差別化」を理由にした新材料、新工法、居住者のライフスタイルに対する配慮は少なく、居住者の生活に対応せず経年的に社会的劣化し、資産価値を失い住宅。

第12問:日本の定期借地権事業と英米のリースホールド事業とどのように違っていますか

第12問の答え:日本の定期借地事業と英米国のリースホールド事業とは似て非なるものです。
(1)英国のリースホールド事業は、地主も借地人も利益になるため住宅所有者に借地人組合を結成させ、住宅地経営を行わせるものです。その住宅地経営方法は、115年の経験を踏まえて確立したものがあり、その方法を、日本の借地権事業との比較で地主に知ってもらうことです


(2)日本には住宅地経営と言う概念がないため、定期借地に建設された住宅は、資産形成ができず衰退する危険が多くあります。そこで日本の借地経営を概観します。

日本の借地経営
(1)    定期借地権保証金(地代の前払い)と相続税の減税と言う目先の利益で地主を誘惑します。

(2)    宅地開発事業で雛壇宅地という土木事業で建設サービス事業により儲ける仕事をしています。

(3)    土地活用事業:住宅会社が住宅(アパート)を建設し、地主に原価の2倍以上で買い取らせ、「定期借家事業経営補償と言っても、家賃を下げないと空き家が生まれると言い、入居者が得られるまで家賃を切り下げ、結果、地主が予定した家賃が得られず、損を被ることになります。

(4)    定期借地権付き住宅:住宅会社が自分の供給する住宅販売のための土地を確保するために定期借地事業を地主に勧め、定借造成地で住宅販売をして建設サービス業の商売をするものです。地主は造成宅地が埋まらなかった場合は、その分だけのマイナス資産を抱えることになります。
(次回に続きます)
(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷英世)



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