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HICPMメールマガジン第603号(2015.03.16)

掲載日2015 年 3 月 16 日

HICPMメールマガジン第603号(2015.03.16)
みなさんこんにちは

週末の土曜と日曜は北九州市で第6回大工塾が能力開発大学校で開催されました。HICPMの田島さんの計画で、だ屋塾でCM(コンストラクションマネジメント)のセミナーを行う機会を作っていただき、九週の工務店関係者と経営問題を話し合うことができました。時間くらい時間をいただきまして、工務店経営にCMが不可欠であるという基本理解はいただけたように思えます。コンな運動を地道に続けないと思いました。

前回に続き、住宅地のデザインについてお話しします。
中小零細工務店で出来る「購入者にとって資産価値が形成できる住宅地経営」の提案(第3回)
第13問:前回までの説明内容を説明してください。

第13問の答え:最小限の住宅地環境としては、ハーフエーカー(2,023㎡)を考えてみると、周辺の環境が悪化しても、住宅地環境として何とか守られると考えられています。

第14問:住宅環境と住宅の資産形成との関係を説明してください
日本では住宅を販売するときには、「資産価値の高い住宅」というキャッチフレーズを使った住宅販売が行われていますが、実際に「この住宅の資産価値が上昇した」と言う「実話」は、大手ハウスメーカー以下中小工務店でも、ほとんど存在しません。その理由を説明してください。

第14問の答え:住宅の資産価値は基本的に住宅取引における需給関係によって決まります。その取引価格(市場価格)が住宅の価値を表しています。だから、資産価値が向上するためには、住宅市場で売り手市場となる条件を維持することがなくては資産価値の向上はできません。
市場価格は、常に、需給関係を反映して変動する訳ですが、その平均値としての価格を、経済学では「自然価格」と言います。「自然価格」は不動産鑑定評価制度(アプレイザル)では、コストアプローチ(原価方式)と読んでいて、その住宅を現在の時点で建設した場合、その住宅不動産を建設するために必要とされる土地代、材料費及び労務費に粗利(平均利潤:販売価格の20%)を加算した価格(推定再建設費)と言われています。建設業法第20条で規定されている見積もり額と同じです。

第15問:国土交通省では、「住宅は償却資産であって、住宅は経年減価償却をする」と言っていますが、その説明は正しいですか。国土交通省は住宅の現在価値は、「減価償却資産として扱ったときの残存価値として評価される」と説明し、大手ハウスメーカーから購入した住宅を中古市場で売却しようとして、建設後10年程度たった住宅は半額程度にしかならないことを「当然」だと説明しています。
「国土交通省の説明」ですと、「住宅の資産価値が向上することはありえない」のではないですか

第15問の回答:「国土交通省の説明」は国の以下のような政策の結果で、国の住宅政策の結果説明としては正しいと言えますが、その説明は社会科学的に間違っていることは、「国土交通省の説明」では、欧米の既存住宅価格(価値に見合った価格)の説明できないことで、その間違いが証明されます。

第16問:「国土交通省の説明」を教えてください。

第16問の回答:「国土交通省の説明」
国土交通省は、「住宅建設業は、建設サービス業である」と定義し、その代表的な企業が大手ハウスメーカーであると説明しています。「建設サービス業」は、建設サービスを販売することで利益を挙げる企業経営であるから、以下のような「サービス業による経営利益を追求する業者」を言っています。
(1)    下請業者は、それぞれの下請け工事として実施したものを元請に対してサービスする。そのため、工事を実施してそれに対し粗利を取るほか、自ら工事をしなくても、その手配サービスに対して当然サービス利益を取ることができる。そのモデルが公共事業である。重層下請けによる中間請負業者が、手配手数料を受けることを正当な利益を得ることとして認めている。そのため、100億円の公共事業の中の重層構造でのサービス業経費の合計は70億円程度になっている。その結果、日本の公共事業費は、同じ工事が、欧米の2倍以上の費用である。

(2)    大手ハウスメーカーの経営実態を調べると、販売価格の中の直接工事費は40%程度で、広告宣伝、営業販売等の経費の合計が60%になっている。これ等の経費は住宅販売に要した費用であるので、国土交通省はそれらの中間下請け営業サービス業経費を販売価格で回収することを、建設サービス業として正当な利益を得る経営であると言っている。

(3)    国土交通省は大手ハウスメーカーに対して建設業法上の建設業者登録を要求し、建設業法に従うべきことを求めていますが、なぜか大手ハウスメーカーは「建設サービス業」と言う産業分類にない業種分類が行われ、建設業法第19条に基づく請負契約に関し、見積額を定めた建設業法第20条違反を行っていることを放置している。第20条には請負価格の中にサービス業に掛かる重層下請け経費を紛れ込ませてよいという規定は建設業法から認めることはできない。

第17問:日本の住宅の価値が下落する理由は、いかなる理由ですか

第17問の回答:第8問の回答の通り、大手ハウスメーカーの住宅の価値は住宅の半外価格ではなく、その40%程度の価値です。しかし、住宅ローンは大手住宅会社の販売価格通りのローンが行われるために、住宅購入者は「金融機関が大手ハウスメーカーの住宅価格だけの価値を認めているから住宅ローンを組んでくれた。」と勘違いさせられています。
金融機関の融資額の限度は、担保に押さえた資産額を上限にするもので、融資対象とする住宅の価値は問題にしていない。日本の場合、住宅金融なのに、その住宅とは、民法上、別の不動産である「土地」とローンを組む人に「住宅販売額以上の生命保険」に加入させ、その総てを担保に取るため、担保総額は住宅販売額の3倍程度になる。その担保額こそ融資額を担保するもので、日本の場合過剰担保である。

住宅の取引市場では、それが健全に機能していれば、大手ハウスメーカーの住宅であれば、販売価格の半額が直接工事費40%と10%の適正粗利を加算して、適当な価格になる。実は、欧米の金融機関が欧米のモーゲージと言う融資対象物件を担保に取って実施している住宅ローンでは、日本の大手ハウスメーカーの住宅に対しては、日本の販売価格の40%にローンしか認めてはくれない。

第18問:日本の大手ハウスメーカーの住宅では、住宅による資産形成は不可能と言うことですか。

第18問の回答:大手ハウスメーカーの住宅を購入したら、まず、半額は損をすることになります。
しかし、その実際の価値(大手ハウスメーカーの住宅の場合、その販売価格の半額)で購入した住宅で、欧米のような住宅地経営がされている場合には、米国の住宅同様の資産形成ができます。
そのためには、まず新築住宅価格が、サービス経費粉飾販売価格ではなく、市場価格で、建設業法第20条に定められている見積額(直接工事費+20%の諸経費)で販売されることが前提条件になる。
資産形成が実現するということは、住宅の市場価格が上昇するということである。欧米の住宅による資産形成は、次の二つの方法で住宅の市場価格が向上している。
(1)    住宅の現在価値は、一般的に、推定再建築費であるから、物価上昇分は上昇し続ける。
(2)    住宅地が熟成してより高いサービスが得られるようになると、取引価格が上昇する。

第19問:米国でこれまで重視されてきた資産価値上昇の対策はどのような対策ですか。

第19問の答:防犯(セキュリティ)対策と学校教育施設です。
米国で一般的に言われていることは、住宅の資産価値を最も強く引き下げる要素は、住宅地の犯罪であり、逆に最も高く引き上げる要素が、学校教育施設のない湯であると言われている。
犯罪に弱い街は、居住者の資産が脅威にさらされていることでもあるから、住宅の取引価格に大きな影響を与えている。その一方、子どもの教育に対する関心が高く、良い学校が地域にあることが住宅の資産価値形成に大きな役割を担っている。
(次回に続く)
(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷英世)



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