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HICPMメールマガジン第605号(22015.04.06)

掲載日2015 年 4 月 6 日

HICPMメールマガジン第605号(2015.04.06)
皆さんこんにちは

初夏を思わせる暖かい日和に近くの千鳥ヶ淵は連日さくら見の方がごった返しています。

「中古住宅市場活性化ラウンドテーブルの報告書」が国土交通省から発表されました。
すでにご覧になられた方もいらっしゃると思いますが、私も断片的に検討をしている話や資料を見て知っていましたが、改めて全体を見て唖然としました。少なくとも欧米人が見たら「信じられなーい」と言うに違いありません。日本の住宅政策は、知性がないというべき低レベルの内容です。仕方なくその問題点を解説するセミナーを、今月(4月)22日(水曜日)PM13:30~17:00HICPM会議室で開催することにしました。
そこでセミナーでご説明する話はこの問題だけに限らず、日本の住宅産業を国民を犠牲にして一部の産業と政・官が中心になった護送船団メンバーの餌食にしている仕組みを、国民が理解し、改めようとしない限り、部分的な対応では問題の解決ができなくなっていると感じました。国民が正しい対応をするために全体像を分かりやすく解説する必要があると確信をもちました。これは、天下国家のことではなく、国民を相手にお仕事をしておられる住宅産業関係者が、顧客の利益を侵害していないつもりでも、自らの業務をするために結果的に国民を犠牲にすることになるからです。

「建築のデザイン教育セミナー」の一環として
このメールマガジンで2月頃から建築デザイン教育についてHICPMメールマガジンを送付してきましたが、その内容も今回の中古住宅市場活性化の問題を理解してもらうためのセミナーと同じ根をもっている市場セミナーのつもりでした。それは住宅を取得することにより国民が資産形成を実現するための建築デザイン教育だからです。「建築デザイン教育セミナー」が尻切れトンボになってしまわないように、今回はその人区切りとして「リースホールドに関する提案」をすることにしました。
住宅を取得することで資産形成をすることを住宅地経営によって可能になるという発明をした人がエベネザー・ハワードです。その経営指南書が『明日へのガーデンシティ』です。それはハワード自身が自らを「住宅地経営の発明家」と言っていることでもわかります。日本で多くの人が『明日へのガーデンシテイ』を読んではワードの思想を紹介していますが、ハワードが主張しているように紹介したものは皆無です。
そこには日本には土地と建築物を別の不動産であるとする欧米とは違った民法があり、都市計画法も日本は現状追認の都市計画であるのに対し、欧米の都市計画はまさにこれから作ろうとする都市の計画という事業を牽引するもので、名前は同じ「都市計画」でも、実体は全く違っています。その違いを明らかにせず、日本と欧米の都市計画は同じであるという前提で都市の議論をしているため、表面だけを繕って欧米と同じことをしているようで、実際は似て非なる取り組みとしかなりません。

日本の高地価問題への対応策
HICPMとしては、日本の高地価は国家が土地担保金融を使って色々な形で介入して操作された地価であり、自由市場で決められる地価ではないと確信しています。その根拠は1980年に私が住宅都市整備公団時代にランドサットの10m角まで悉皆で分かるデーターと国が把握している都市開発計画を悉皆で検討し、2000年の住宅地需給推計を行いました。その結果、大東京圏の住宅宅地でネットで約9000haの宅地余剰が発生することが分かりました。その2000年の実態を20年後に建設省計画局担当官から聞くことができ、公団の推計との誤差が5%以下であったことを確認できました。
現在は高齢化・少子化が進行し、世帯数が減少し、宅地需要は激減する傾向にあります。実は宅地価格も暴落する環境にありますが、土地担保金融の上に構築されている日本経済は、その金融構造を維持することに固執することになると思います。先日TVに登場した元国土交通省次官と元総務大臣が、空き家を取り壊し、租税特別措置を適用しなくなった土地に6倍の税金を掛けることに拘っていました。需要がない土地の地価は税負担しか残らないマイナスの資産ですから地価はゼロに収斂するはずです。しかし、元大臣時間は税収増ができると話をしていました。それは日本の公示地価や課税標準地価が市場価格ではなく、国家が操作した地価を取っている現実を説明しているのです。

土地で資産形成をした英国の貴族の経験を生かしたエベネザーハワード・

高地価の税負担や取引の経済負担をせられたら、国民はたちどころに破産に追いやられることになります。その状況に最も有効な対策提案がハワードの『明日へのガーデンシティ』で提唱されているリースホールドによる住宅地経営だと思います。住宅居住者が適正な住居費負担で豊かな生活を営むことができることがまず約束されなければなりません。その次に、住宅不動産は基本的に土地の住宅加工ですから、土地を保有している人が住宅により富を得られるようにすることがなければなりません。土地を売買により利益を得ようとする人は土地ブローカーの立場であって、土地所有者の立場ではありません。土地と株式とは基本的に共通しています。土地所有者は土地を手放したら土地所有者ではありません。土地を売り抜けて利益を得ようとする考え方は土地所有者の考え方ではありません。土地を経営していてそこから地代を得るという考え方が地主の考え方です。土地の売り買いで利益を得ようとする人の考え方は、ブローカーの考え方です。

株主と㈱屋(証券会社)地主と土地ブローカー

株式についても同様です。株式の売り買いで金を儲けようとするのは株屋(株ブローカー:証券会社)の考え方です。株式を持っている人の考え方は、優良株を購入し増資と配当を期待する考え方です。株式で資産を増やしている本当な株式投資家は、株式の売買ではなく株式のキャピタルゲインを考えてきました。英国の貴族はランドロードと言い、土地を買い集め、リースホールドにより資産を拡大しました。その方法を住宅地経営に展開した人がハワードでした。ハワードの『明日へのガーデンシテイ』の考え方ほど、現在の日本に有効性を持っていることはないと思います。それをこれまでも誌上セミナーで説明してきましたが、ここで改めて地場の工務店が、地場の地主置手を組んで消費者に住宅による資産形成ができる方法として以下の提案をすることにしました。

リースホールドに関する提案(NPO法人住宅生産性研究会 理事長戸谷英世)

現在の社会経済環境
1.    地価は下落の傾向をたどり、その傾向は人口減少に伴い長期的に継続することになる。
2.    国民の所得は世界的な規模で見て、発展途上国と賃金は平準化に向かうため、基本的に下落傾向をたどる。
3.    国及び地方公共団体は税収を確保売ることが大きな団体の経営問題になっており、徴税がさらに困難になる。
4.    国においては沿う非税に対する期待(大衆課税)がそのウエイトを大きくするのに対し、地方税では固定資産税への期待は大きく、課税標準地価評価が大きな問題になっている、
5.    土地不動産は保有することで必ず税および管理費用を必要になる「マイナスの資産」である。会計上資産扱いをするのは「清算」するときの(プラス)資産であって、保有するときは、(マイナス)の資産である。

『明日へのガーデンシティ』が提案している対応策(読み替え提案)
6.    英国の貴族の考えを住宅地経営に応用したエベネザーハワードは「明日へのガーデンシテイ」の中で、リースホールドのよる住宅地経営をすることにより土地所有者が保有する土地をプラスの資産にすることを提唱し、それを実現した。
7.    ハワードの理論を現代に日本に当てはめた提案は、以下のとおりである。
(1)    土地を課税標準価格で計算した国債とみなせば、土地所有者にとって国債の運用利益以上の配当が得られれば、国債以上に有利な資産となる。
(2)    国債の運用利回りが0.8%といわれているので、それに土地の管理費用を加算しても2%以上の利回りが得られたら、土地所有者にはプラスの資産になる。課税標準額の3-4%の時代も地価水準により可能になる。
(3)    住宅購入者に対しても100年の定期借地権付住宅経営を行えばその地代は、現在の定期借地権で行っている不当な権利金の徴収を行わなければ、消費者の家計支出で負担できる大きさとなる。
(4)    福岡県糸島で㈱大建が辞視している「荻浦ガーデンサバーブ」では、人工地盤(巨額な造成費を掛けても)を建設しても、月額地代は1万円程度である。
(5)    人工地盤を構築した「荻浦ガーデンサバーブ」では、人工地盤内の建築区画を造ることで大きな利益を得ている。
(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世)



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