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HICPMメールマガジン第618号(2015.お6.29)

掲載日2015 年 6 月 30 日

HICPMメールマガジン第618号(2015.06・29)
京都セミナーの成功の御礼

皆さんこんにちは先週土曜日の京都での6団体で実施したセミナーは受講者の皆さんがその経営改善に取り組もうという6団体の皆様の意欲と、HICPMの運動を御支援しようという気持ちが良い方向に組み合わさって、実りのある会合とすることができたと思います。6団体の代表者の方々からはそれぞれの団体のご活躍とご関心の紹介があり、業界の情報交流としても大変良かったと思います。
HICPM近畿支部の前野さんと岩本さん、株式会社LIVの波多野社長には、このセミナーの準備から当日の運営まで社員の方までセミナー参加者の動員をしてくださって、かつ、当日のセミナー運営のため、特別のご尽力をいただき本当に感謝しています。

実施したセミナー
私は今回のセミナーでは、まず、日本の伝統木構造が確立した江戸元禄時代に大工棟梁が国民から尊敬されていただけではなく、その時代の経済的にも最も経済的に優れた産業的地位を維持していたことを思い出してもらおうと話しかけました。その後に続いて、米国のホームビルダーやカーペンターが江戸時代の日本の大工棟梁のように尊敬されている事実をお話ししました。江戸時代の大工工務店を高い社会的地位に押し上げていた理由は「段取り8分に仕事2分」という高い能率を上げて仕事をし、高い利益の高い賃金を得るとともに、資産価値として年を追って向上する住宅を供給していたことにありました。また、米国のホームビルダーやカーペンターが現在高い社会的信用と社会的地位を得ていることは、2×4工法の高い生産性を活用して、国民に高い品質の住宅を合理的価格で供給し、国民の住宅による物価上昇を上回る資産形成を実現してきたことにあります。その技術はホームビルダーの住宅建設業経営管理技術(CM)によって高い生産性を挙げることを可能にさせているからです。
日本においても住宅生産性研究会のメンバーがCM技術を使ってサステイナブルハウスの建設を通して多くの優れた住宅建設事例を作ってきたことを紹介することをしました。そして欧米によるCMの理論がいかに社会科学的に合理的なものであるかを紹介し説明しました。会場にお集まりの方々の受け止めてくださった感じは、非常に好意的で、今後もこのセミナーを継続することができるのではないかという希望を抱くことができました。別の言い方をすると今回御集りの方は、まじめの工務店の経営改善のできるようご関心を持ってくださったようで、今回全米ホームビルダー協会のテキストを参加者全員に「是非お読みください」とお願いして定価3、500円のテキストを、HICPMとして無償で差し上げましたので、きっと読んでくださると思います。その結果、次回以降のその説明・解説をして欲しいというような真面目な要望が出ると確信しています。工務店経営をCM技術を学んで努力して改善しようと「狭き門から入ろう」とする人たちに差し上げたテキストです。差し上げたテキストを読もうとしない、それを学ぼうとしない努力をしない人は「滅びに向かって安易な詐欺師の道を政府の指導に従って進む人」です。
私はNHKTVで放映している「花燃ゆ」で吉田松陰が言っている「あなたの志はなんですか」という言葉は、住宅産業界の人に聴き質しているというように感じています。

京都セミナーの総括
京都セミナーに対するHICPMの基本的な立場は、日本の住宅政策及び住宅産業政策が、消費者の立場になってその業務を行っていないのではないかという問題提起をして、それに共鳴していただくことにありました。経営が厳しくなっていると言われている背景に少子高齢化や人口総数の減少という観強化で先行き住宅需要が減少するという状況の中で、工務店経営として集客が一層厳しくなるので、「工務店経営の重点は集客にある」というおかしな理屈があります。工務店は建設業で、住宅を建設した地修繕、増改築をする工事店です。「工務店経営は、集客をする業である。」という不動産取引や営業販売する「客引き業」ではない筈です。「何時の間に客引き業をする業務」が工務店の中心の仕事になったのでしょうか。現在はどこへいって大手もハウスメーカーがやっている客引きを行う業務が工務店経営業務であると言った的外れの経営になっています。客引きのために「差別化」をすることがその経営の潮流を作っているように思えます。
「差別化を行うことがどうして建設業の経営になるのでしょうか。」建設業は、お客さんが造って欲しいと願う住宅を「建築士事務所が設計管理業として設計図書にまとめたもの」を、「建設業者がその設計図書を住宅の生産図面として正確に理解し、建築主の支払い能力の範囲の価格で、所定の契約期間内で生産する」という工事請負契約に基づいて、契約通り造る業務ではなかったか。その中には、どこにも「差別化」によって、建築主を欺罔して、住宅の価値の2倍もの価格で住宅を売り抜ける。というような業務はないはずです。その疑問をしっかり話さないといけないと考え、率直に訴えました。

建設サービス業といういかがわしい産業分類
国土交通省は、何時ごろからか、住宅建設業を「住宅サービス業」とか、「建設サービス業」とか言って、「差別化」することで客引きをし、住宅の販売価格を価値の2倍にも引き上げて住宅販売をする大手ハウスメーカーの経営を、住宅建設業を代表する経営のように正当化することになりました。大手ハウスメーカーの住宅は、広告宣伝を通して顧客集客を行い、かき集めた顧客に「差別化」というマインドコントロールのシステム販売を通して、住宅を営業販売する方法を採っています。その方法として「客引きをすること」が、「建設業経営の最重要課題だ」という考え方が建設業界を汚染してきました。
要するに「建設サービス業」という国が考えて「建設業法違反をしている大手ハウスメーカーが行っている業務」が、いつの間にか「建設業の中心業務」とすり替わってしまってきました。そして、「営業販売、広告宣伝に掛けた費用を住宅の価値の一部であると住宅購入者を欺罔して回収する業務」が、建設業であるかのように説明し始めました。しかし、国土交通省が所管している建設業のなすべき業務とは、建設業法で定めている業であることが棚上げされてしまいました。それに代わって「客引きを中心とし、金もうけ本位の大手ハウスメ-カーの行っている業務が建設業とされてきました。「建設業の中心が客引き業務である」と言えば、それは建設業法違反になるので新しく「建設サービス業」という名前を付け、「大手ハウスメーカーの行っている業務は建設業法で定めている「建設業法上の業務」以外のサービス業務も行っているのだから、「建設サービス業」であれば建設業法違反ではないと言っているのです。

この2カ月のセミナー準備で分かったこと
HICPMが創設以来20年にわたって実施してきた建設業者に必要な建設業経営管理の基本知識として、欧米の大学や高等専門学校や業界団体がホームビルダーの経営に必要な知識として基本の教育が、基本的に我が国の工務店に全く根づけなかった理由は、これまでの日本の学校教育、職業境域、建設行政のすべてにおいて、「建設業という業務自体が明確に定義づけられていなかった」だけではなく、その業務に必法な知識、時術の学問体系が、日本には存在せず、工務店経営者にその知識が知らされていなかったということでした。日本の建設業者に「建設業経営管理という学問体系がある事自体が知らされておらず、その業務を行うために必要な知識技術であることも知らされていないことが分かりました。そのため、HICPMが20年間にわたってCM(コンストラクションマネジメント)技術を説明してきても、それが建設業経営に必要な技術とは考えず、聞き流されてきていたことが分かりました。
建設業経営管理技術という学問体系が日本にはありません。欧米ではコンストラクションマネジメントと言う教育を行っている大学や高等専門機関があり、そこの卒業生が建設業経営を行っています。米国では10年前の話になりますが130以上の大学及び高等専門学校で建設業経営管理の学問が実施され、その卒業生が建設業の経営を担ってきています。

日本でCM教育をしてこなかったのか
では、なぜ日本では建設業経営管理の教育をしないかと言えば、政府自身が行ってきた公共事業が実際の工事費をその2倍に水増しし、そこで水増しした費用(国民の税金を、公共事業における建設業者の請負工事費をマネーロンダリーに使って)で官僚と政治家がそのお金で天下り人事や政治家の集票、政治資金を捻出してきた建設業に関する護送船団経営の行ってきたことにあります。
住宅産業は公共事業の実施してきた方法を「差別化」という憲法第14条違反の差別によって不当な欺瞞を行って利益を上げる方法に置き換え、それを「住宅サービス業経営」に一般化し、「真面目に働くより、詐欺をした方が儲かる」という社会が作られてきたからです。「住宅工事費からムリ、ムダ、ムラによって逃げていくお金を最小に管理し、利益を上げる」という真面目な建設業経営ではなく、「差別化」と言って建築主が求めている住宅の効用(デザイン、機能、性能)と言ったお金では計測できないものを提供したからと言って、経済的な価値の高い住宅となっているからと建築主を欺罔して、実際の住宅の価値(建設業法第20条で明記されている)の2倍で住宅を売却して利益を上げてきたのです。

建築主を欺罔してきた証明:中古住宅価格
大手ハウスメーカーが販売した住宅が販売期間に売却できないと「新中古」と呼ばれ30%以上値引きをしないと売れず、もう少し経過すると半額以下でなければ売れない理由はどうしてでしょうか。住宅の自由の需給市場で決められた市場価格が住宅の価値を表しています。すると、中古住宅こそその住宅の価値(市場上価格)を表しているのです。その中古住宅の価値しかない住宅に新築住宅であると言って、その2倍の価格を付けている行為は、詐欺以外の何物でもありません。
一般の工務店を政府が大手ハウスメーカーの住宅経営を正当な住宅経営であると求め、その最大大手の大和ハウス工業会長に国家大綬章を与えたのですから、日本国の正当な営業と国家が認めたということで、工務店もその経営を真似をしてもよいだろうと考えるようになったに違いがありません。国がどのような言い訳をしようとしても、そこで「建設サービス業」や建設サービス業」という業種に行わせてきたことは、国土交通所が所管する建設業法第20条にはっきり違反し、憲法第14条に違反し、刑法及び民法で定める「詐欺の定義」に該当する商売を正当化することはできません。詐欺によって高い利益が得られ、国家がそれを容認していれば、国家が腐っていくことは当然です。真面目に仕事をすることよりも、不正により、楽をして儲けるようになれるため、まじめに仕事をするより、誤った道に流れて、当然です。政府自身が、日本では国民は住宅を購入することで例外なくその資産の半分を失うと、政府が実施した「中古住宅の流通合理化を巡るラウンドテーブル報告書」で認めていることは驚きというより、あきれる以外にありません。この間違った住宅産業政策をゴリ押ししてきた結果、日本の工務店は再起不能の経営に突き落とされてきているのです。詐欺経営をするしか生きられないような住宅産業政策を敷いて、国民を貧困にし、工務店経営を行き詰まらせていることは絶対に許せません。

(NPO法人住宅生産性研究会理事長戸谷英世)



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