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HICPMメールマガジン第681号(2016.09.25)

掲載日2016 年 9 月 26 日

HICPMメールマガジン第681号(2016.09.25)

みなさんこんにちは

「世界1周」旅行を満喫してきました。

この旅行前に私が読んでいたエドワード・ベラミー著『顧みれば』(岩波文庫)を実際体験したような2つの「不思議の国」への旅行でした。この一部は来年NAHBの実施するIBSの機会にその中の一つの「不思議な国」に皆様をご案内する予定でいます。

私が帰国したとき、妻が「あなたが出かけたところは、ミュンヘン(ドイツ)ではなくて、ハルシュタット(オーストリア)だったのではなかったの」と言われ、旅行中、毎日書いたツアー日誌の2つの「不思議な国」の一つが、ヨロッパの中のどこであったか探す作業に追われました。

エドワートベラミー著『顧みれば』

この本は、10年以上前から書名とその扱っているテーマに関心があり、出版当時35万部売れたその時代第3位のベストセラーで、是非読もうと思っていたが、一日延ばしにしていた本で、読み始めて一気に読んでしまった。19世紀に生きていた著者が、眠りから覚めたときは130年後の20世紀という19世紀から産業革命で急成長を始めた文明社会で、そこに生きている人たちはいかなる文明社会を築き上げていたかという社会を知り、その社会でまた夢で19世紀に戻り、そこで再度夢の中で20世紀に戻り、やっぱり20世紀の社会に戻れてよかった。という物語であるが、そこで構想されている文明社会は、『リップ・バン・ウインクル』『浦島太郎』とは全く違って、文明によって新しく造られる文明社会を独創的に構想している点で、多に例なないユートピア・サイエンス・フィクションである。

世界が追い求めてきた豊かな生活環境

この書籍の影響で、この本が出版された19世紀末は、ベラミーの高層を現実社会に作り上げようという運動が欧米各地に惹き起こされたということであった。私は学生時代に、当時日本の大学では「猫も杓子」も議論の対象にしていた「共産主義」や「社会主義」社会の到来を信じ、「その社会とはどんな社会か」という議論をした時代で、同署を読んで、懐かしく思い出した。「日本は、英国の戦後の福祉国家政策に倣うべきである」という議論が社会的に広く議論された。そして、英国労働党政権が実践した都市計画や公営住宅や都市環境政策としてグリーンベルトやガーデンシテイが日本の都市環境政策の理想と学生たちは口角泡を飛ばして議論をした時代であった。

私はカール・マルクスやフリードリヒ・エンゲルス、イリイチ・レーニンの著作を片っ端から読み、我々の戦後の国づくりは合理的な経済開発と誤の成果の公平な「日本国憲法第14条」に基づく分配により、豊かな福祉国家を作り上げることにしなければならないと考えたものである。その志は基本的に今も同じである。

「不思議な国」の訪問

私が迷い込んだ「不思議の国」は、『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台とされたハルシュタット湖の街ではなかったか、妻から指摘され、改めて確認した渡されたツアー案内には、ミュンヘン郊外で、ザルツブルグの近くの湖畔ということであった。帰国が確かめて分かったことはミュンヘン空港からタクシーで2時間ほど行ったところということである。

私の留守中に会員の平山さんがドイツに旅行されることでお話にをしに、HICPMの事務所に立ち寄られ、私の旅行先を尋ねられた。そのとき、妻が「ミュンヘンのようだ」と答えたところ、「そこはドイツでしょうか」と確認され、同室で働いていらっしゃるグローバル研修企画の小林さんに「私の行き先」ではなく、「ミュンヘンの所在する国名」を「ミュンヘンのある国はドイツですよね」確認したところ。欧米の旅行で土地感や空港のある国名は、当然、ご存知の筈の小林さんが、間髪を入れず「私は知らない」と対応され、平山さんも妻も、それ以上聞くこともできず、驚かされた話を、帰国後聞きました。そのようなこともあり、私の旅行はますます「不思議な国」への旅行だったと感じさせられた。

相互に繋がっている欧米の「夢の実現」都市の努力

考えて見ると私の半世紀は住宅問題との関係で、未だに、「国民が優れた住宅地に、優れた住宅を持つことで、幸せな人生を送ることができる。」と信じ、世界中の素敵な国に出掛けることを楽しみ、その実現の仕組みを学ぼうと書籍を読み、その理論を実践することに取り組んできました。その明確な取り組みの原点は、『顧みれば』の影響を受けたともいわれるエベネザー・ハワードの「ガーデンシテイ」であり、それが米国で最初に実践された「フォレストヒルズ・ガーデンズ」(ニューヨーク)、「カントリー・クラブ」(カンサスシテイ)、「ラドバーン」(ニュージャージー)であり、また、戦後の「レービットタウン」(ニューヨーク)であり、1980年代以降に取り組まれたTNDの「シーサイド」(フロリダ)、「ケントランズ」(メリーランド)「セレブレイション」(フロリダ)であり、エコロジカル・タウンの「ビレツジホーム」やサステイナブルコミュニティである「ランチョベルナルド」「ラグナ―ウエスト」(カリフォルニア)と「ボードウインパーク」(フロリダ)であり、HOPE計画(スラム改善計画)「ハイポイント」や「イサクワハイランド」(ワシントン)などTND,ニューアーバニズムに繋がる「CID」による住宅地開発である。

米国における『ガーデンシテイ』の実践

これらの住宅地は、いずれもエポックメーキングの開発として歴史に名前が大きく記されているが、その中でなぜな「フォレスト・ヒルズ・ガーデンズ」と「レービット・タウン」と「カントリー・クラブ」は、まだ私自身は、実際に出掛けたはいなかった。会員の方にはお勧めし、訪問した方からは映像をお土産にいただいた。それを見ると一層、何とか機会を作って訪問してみたいと願っていた。

今回は、ドイツで夢のような美しい湖畔の都市で天候にも恵まれ、季節も良い所で5日間過ごし、そこから長年訪問したいと願っていた「フォレスト・ヒルズ・ガーデンズ」と「レービットタウン」をこれまで5回以上は訪問している「ラドバーン」と一緒に連続的に訪問することができた。その都市訪問は間違いなくベラミーの『顧みれば』を最も分かり易く説明して呉れる「不思議な国」の訪問であった。米国の住宅地開発理論を明確な形で進めたC・A・ペリーは、「近隣住区論」(ネイバーフッド・ユニット)により不動の都市計画理論を築いた人であるが、彼はラッセル・セイジ財団の研究者であり、「フォレストヒルズ」の住民であり、ラドバーン開発に大きな影響を与えた人でもある。

HIOPMと「サステイナブルハウス」による「夢の実現」

HICPM創設後、故成瀬副理事長とは「サステイナブルハウス」の計画をまとめるためにラドバーンやジョージタウン、ニュージャージー州のTNDのモデルとなった都市「ラドバーン」を一緒に歩き、TNDに取り入れられた計画技術を確認すべく、「ほっつき歩いた」ことを思い出した。そのときの旅行によく同行された淡路市議会議員竹中さんは、「淡路の夢」半ばで病床にあることを気の毒にも、残念に思い、今でも活躍できる健康を維持できている私は、その思いも一緒に実現しなければと思った。

来年1月に、NAHBがオランド{フロリダ州}で開催するIBS(インターナショナル・ビルダーズ・ショウ)には、グローバル研修企画にお願いしてHICPMとの共同開催ツアー事業では、今回私が訪問したベラミーの『顧みれば』を思い出させたエベネザー・ハワードにも影響を与えた『不思議な国』をツアー工程に入れることになった。そこで、参加者の皆様には、米国並みの住宅地開発を日本でも実現させたいという私の思いを込めた解説も聞いてもらって、現地の研修ツアーにできるだけ多くの高い理想をもって業務に取り組んでおられる住宅産業関係者にご参加をお勧めしたい。

「HICPMビルダーズマガジン」と新刊書にもご関心を

そのような気持もあって、HICPMビルダーズマガジンでは、これから暫く住宅に関する基本的な問題をF・L・ライトの「ユーソニアン」やコルビジュエの「単位住宅」、C・A・ペリーの「近隣住区」論(ネイバーフッドユニット)等、既に歴史の中では常識のように考え、扱われているテーマを、もう一度掘り起こして、19世紀末からの豊かな住宅地開発と住宅地経営の取り組みをこれからのわが国の住宅産業界で心ある人たちとともに、政府の妨害に対抗してでも国民の幸せのために、具体的な住宅地開発の取り組みを促していくことにした。

政府が戦後一貫して実施してきた日本国憲法に違反して「住宅政策により国民を貧困にしてきた『からくり』の解明は、ほぼ一段落し、今年内の単行本の出版に漕ぎ着ける目処が立ちました。その仮の署名は『産業本位から国民のための住宅政策』(仮題)で、目下HICPMビルダーズマガジンの校正者に専門的な構成を実施してもらっています。

この本は、昨年、日本の住宅をヨーロッパ(オランダ)、アメリカ、日本の3国比較を行うことで、日本の異常な住宅により国民を貧困にしてきた学問と行政の異常さを明らかにしてきた井上書院から出版した『フローの住宅、ストックの住宅』と対をなす5年越しで出版に向け努力している書籍です。この本では、歯に衣着せず、本音を私の官僚、公団や地方公共団体、民間住宅産業の経験を基にまとめたものに、HICPMでの4半世紀に亘る調査研究活動と、この10余年間、100件に上る「聖域なき構造改革」として行われた都市再生事業に関する行政事件訴訟の一区切りとしてまとめたもので、今後の日本の住宅政策や住宅産業に取り組むための跳躍台とするものである。

(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷  英世)



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