ビルダーズマガジン

HICPMビルダーズマガジン第243号

掲載日2016 年 11 月 10 日

20161110185857_00001本号の特集は、「住宅・建築・都市デザインと人文主義」です。これまでの住宅政策では、「住宅性能が顧客の住宅選択の鍵である」と政府は考えて、性能表示制度を通して政府は「差別化政策」を展開しハウスメーカーを支援してきました。しかし、顧客の心を掴むものは、「性能ではなく、デザインである」ことが認識されるようになり、デザインが住宅産業界の中心的関心になっています。しかし、日本ではデザイン教育が学校及び職業教育により行われておらず、ほとんどの建築士は、自分たちの感性でつくるデザインで顧客の心をとらえられると勘違いしています。建築士資格を得ると自らを建築家と言いデザイン能力が発揮できると勘違いをしています。日本の大学の建築学科を卒業しても、建築士の試験に合格しても、デザイン能力は備わるわけではありません。そこで、欧米の建築教育で学ぶ建築デザインを特集で扱いました。

明治の日本では、欧米から見下されないように、当時欧米で各国が競い合って建築していたルネサンス様式の建築を日本の建築家が設計できるようにするために、英国から当時、欧米社会で有名な建築家・ジョサイア・コンドルを工部工学校(東京大学の前身)建築学科の教授に招聘し、ルネサンス建築デザインが正確につくれる教育をしました。現在、中国が「国の宝」と誇り、大切にしている「大連の中山広場を囲んで立っているルネサンス建築物」は、すべて当時の日本の優秀な建築家が設計したものです。いずれも、建築形態、装飾、詳細のすべてにおいて、西欧の建築に匹敵する内容を誇っています。
しかし、1923年の関東大震災でそれらの西欧建築物が多数倒壊してことから、東京大学建築学科の佐野利器教授は「意匠か、構造か」という疑問を造家学界に投げ掛け、建築学科創設以来行われてきたルネサンスデザイン教育を放擲し、建築構造学に転換しました。他大学もそれに倣い、日本の大学の建築教育は、建築デザイン教育をせず、建築構造学になり、洋風はもとより和風建築デザインも教えるテキストもなければ、教師もいなくなり、学生はデザインに関し、無学、無知の状態で卒業しています。
HICPMでは欧米の建築学教育が人文科学教育として行われている原点に戻って、ホームビルダーが洋風建築に関しては,欧米の建築教育で行われている知識を知ってもらうよう、断片的ではありますが継続的に「建築デザイン情報」を掲載してきました。「インターナショナル・アーツ&クラフツ」と、「ア・フィールド・ガイド・トゥ―・アメリカン・アーキテクチュア―」のほか、「竹山清明の街並み講座」と、「渋谷政教の住宅デザインのワンポイント」を連載し、全体の2割の紙面を割いてきました。本号では、「特集:住宅・建築・都市デザインと人文主義」と、「米国固有の住宅デザイン:ヴィクトリアン様式」を行い、全体の半分をデザインの記事に充ててきました。建築の形態(フォルム)と装飾(オーナメント)と詳細(ディテール)の建築ボキャブラリーを駆使して住宅のデザインをしてください。

2.インターナショナル・アーツ&クラフツ

ー–ルイス・F・デイ:染色布地のためのグロテスクデザイン、1886年

3.カレントトピックス

-–消費者が求めている住宅とライトのデザイン

4.若本修治のレポート

—ゼロ金利政策の弊害と旺盛な住宅需要の犠牲

5.本誌特集のためのグラビアページ

—米国固有の住宅デザイン:ビクトリアン様式

6.特集:住宅・建築・都市デザインと人文主義

—建築・住宅・都市デザインは人々の思想を反映したもので、その形態(フォルム)、装飾(オーナメント)詳細(ディテール)は全て歴史・文化を反映したボキャブラリーとしての意味を持っていて、それらのボキャブラリーを使いこなすことで設計者の意思を訴pレを見る人に伝えることができる。喜怒哀楽を伝えることは動物でもできるが、意思を伝えるためにはボキャブラリーが必要となる。

10.竹山清明の街並み講座

—アンドレア・パラディオによるラ・ロタンダの空間

11.澁谷政教の住宅デザインのワンポイント(49)

—日米の設計管理の違い「設計管理は日本より厳しい」Building Systems Commisioningとは何か

12.オランダ・アメリカ・日本の住宅(第22回)

—米国の住宅制度、住宅金融制度・不動産鑑定評価制度

14.「聖域なき構造改革」第26回

---住宅産業政策、世界最長住宅ローン、減価償却論

16.ア・フィールド・ガイド。トゥー・アメリカンアーキテクチュア―(83)(84)

---宗教建築

18.実践的CM(コンストラクションマネジメント)講座第28回

---見積書と日報と工事データ管理

19.新連載:「街づくり教科書」講座(1)

---都市工学、建築工学で無視されてきた人文科学的な視点

20.書籍注文・編集後記



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