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HICPMメールマガジン第702号(2016.12.26.)

掲載日2016 年 12 月 26 日

HICPMメールマガジン第702号(2016.12.26)

みなさんこんにちは、今年度最後のメールをお送りします。

日本の現在の政治

安倍首相は今日、パールハーバーを訪問しています。日米大戦の最初の戦闘が奇襲攻撃として始まったことで日本人は卑怯な国民とされ、山崎豊子著「2つの祖国」に記されたような不当な差別に多くの在米日本人は苦しみました。戦後米ソ冷戦に始まった東西対立が、日本を米国と軍事同盟を結んで5兆円を超す軍需予算を計上する軍事国家として育ててきました。そして、発展途上国の優秀で安い労働力を国家の安全保障の下で利用すべく、ODAによる工業団地開発などで日本国が安全を約束して土地で、発展途上国の安くで優秀な労働力をふんだんに使うことができる仕組みを作ってきましたが、その海外投資の安全担保は、「商戦は軍艦を呼ぶ」という昔からの例えのとおり、日本国の軍事力を背景にした日本資本の安全保障です。安保法制はそのための国家の保険と言われています。

今年で終わった私の行政事件訴訟

小泉内閣のとき380兆円の国債を抱えて始まった政権は第6次内閣のときには700兆円に迫る国債に膨張し、その返済のめどは立たず、政府は江戸時代の幕府に倣い徳政令を「聖域なく構造改革」として行い、都市再生事業により、バブルで喪失した地価下落相当分の土地を容積率引き上げを含む都市計画法及び建築基準法の改正と法定都市計画の改正により回復させました。その結果、容積率の引き上げに伴う都市開発・再開発により、その周辺での環境は悪化させられ、各地で行政事件訴訟が引き起こされました。10年以上にわたって、通算100件近くの私の関係した行政事件のうち、年末まで争われた多摩ニュータウンで争われたマンション建て替え事件と渋谷区鶯谷でのラトゥール代官山建て替え事件は、最高裁判所と東京高等裁判所の判決で、いずれも却下されました。確かに都市再生事業により、経済は6年間で15%成長し、企業の不良債権は解消されましたが、不良債権の解消にその利益は吸収され、国民には経済成長の利益は及んでいません。

国債超大国、日本


日本の国債はその償還期限の返済財源がなく、今年も借金を返済するための国債発行をすることになり、1200兆円に迫る国債は増大こそしても、その解消の目処はたっていません。最近はその事実を取り上げて国家財政破綻を問題にする意見がメディアを賑わし始めました。国債を外国に引き受けさせていないため、ギリシャのような国際問題になっていませんが、郵貯や保険という国内資金で買い上げても、国の債務を国民に転嫁できるわけではなく、資金運用で利用している国際買い付けは、その金利分だけ国債の債務は拡大するわけですから、国際総額は増大していくことになります。安倍内閣は税収不足で国債発行をしているにもかかわらず、法人税減税を行い、ODA援助で海外への奉仕環境を整備するなど企業向けの政策を拡大していますが、国民に対しては年金や福祉予算を削減し、国民の生活を厳しくする政策と取ってきました。都市再生事業による都市環境の悪化など、国民の生活環境の悪化も進んでいます。

安倍内閣の政治

中国とソ連の軍事力拡大に対抗して日本の軍事力の拡大も進んでいますが、戦前の日本でも戦後の米国でも、国家の安全のためという理由で取り組まれた軍需力の拡大は、直接的には軍需産業の拡大として政・産・軍による軍需産業と軍国主義の台頭を許し、取り返しのつかない苦しみを国民に与える苦い経験を何度も経験させられてきました。その政治は、国民の安全を守る、日本の経済を守る、企業による雇用機会の拡大などすべて国民の利益のためという説明で進められてきました。安倍内閣のメディア向けの対応で、国民のニーズに応えるという発言以外にはありません。法人税の減税も日本に資本がとどまり、海外からの資本を引き付け、雇用機会を拡大するためと説明します。国民にマイナスとなることをするとは言いません。国民年金制度の改正に関しても、その制度基盤を奨励に向けて安心できるものにするためと説明します。国民の福祉を削減すれば、その福祉制度の財政基盤は強化されます。わかりやすく言えば、福祉制度の予算をなくしてしまえば福祉制度はお金を遣う必要がなくなって制度の基盤が強化されます。国民の納税義務は、憲法で保障された国民の基本的人権を保障する国の行政を行わせるために課せられているもので、憲法で国家に義務付けている国家の義務を果たさない場合、国民に課せられる義務ではありません。年金制度の強化とは福祉財源の削減で、憲法で定めた福祉の切り捨てあれば、そのような制度だけが残っても仕方がないことになります。

「聖域なき構造改革」の彼の果て

小泉竹中内閣の時国家の財政危機が回復できないところまで来たと言って「聖域なき構造改革」(憲法違反の立法、行政、司法)を強行したのではなかったか。その頃と比較して国債発行高は拡大し、日本の財政環境は悪化している。国民の生活実感として、給与は低迷し、債務は拡大し、食費は切り詰めざるを得なくなっている。こと住宅を見る限り、住宅ローン債務で国民の多くは清算すれば赤字となる世帯が非常に多いことがわかるはずである。国土交通省が国民の全てが住宅を取得することでその購入額の半額以上を資産を失うと言っているとおり、国民は住宅を購入することで資産を失い、住宅産業と住宅金融機関が巨額の利益を手にしている。世界中に国民が住宅を取得することで貧困になって行く国は日本以外に存在しない。

資産価値の落ちない住宅のHICPM会員の建設事例

私が住宅産業と半世紀以上関係し、欧米では住宅産業界の人たちが盛んに自分が売却した住宅によって住宅購入者がいかに資産を形成したか、という話を誇りにしている話を耳にするが、日本の住宅産業者は企業の利益を拡大する話ばかりをして、住宅購入者が自分の売却した住宅で資産を形成したことを話題にすることはない。先日HICPMの会員が自分根売却した住宅が不動産市場で半値以下でしか取引されないことに怒って、「俺はそんな粗末な家をつくったわけではない、その良さを評価すれが、現在でも建設当時の建設価格で売却できて当然である」と言い、直接購買者を見つけ最初の販売価格相当で販売したという話をしてくれた。それは欧米では至極当然であるが、日本では奇跡のように思われ、その事例をもっと詳しく聞きたいという質問をその後私は何度か受けた。

日本の住宅産業の総括

日本の住宅産業は完全に正常心を失っている。その仕組みが社会科学および自然科学の法則から外れ、迷走しているとしか思えない。それは住宅の価値が、住宅を構成する材料と労務の価値(労働価値説)を放棄したところからその社会科学性からの脱線が始まる。『差別化』による不等価交換販売と不等価交換金融を行う間違った住宅政策から立ち返ることなしに、正常の経営に戻ることはできない。私は日本の住宅産業は政府の詐欺を正当化する住宅政策により国民を不幸にする住宅政策に向けて、完全に常軌を逸してしまったと判断している。それは住宅購入者の利益本位であるべきことを忘れて、企業利益本位になってしまったことではないだろうか。この問題は越年して取り組む問題です。

(NPO法人住宅生産性研究会理事長戸谷英世)



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