メールマガジン

HICPMメールマガジン第704号(2017.01.17)

掲載日2017 年 1 月 17 日

HICPMメールマガジン第704号(2017.01.06
みなさんこんにちは
ニューヨークの景色

1月6日から15日までNAHB/IBSに合わせて米国の住宅地を見学してきました。この一連のツアー内容は後日ビルダーズマガジンに詳細報告をする予定にしています。そのツアーの最初に訪問したところは、昨年下見をしたニューヨークの米国で最初のガーデンシテイ「フォレスト・ヒルズ・ガーデンズ」、歩車道分離の住宅地「ラドバーン」、住宅開発のGM(ジェネラルモーターズ)になりと言ったウイリアムレービットの開発した「レービットタウン」で、その住宅地を私の説明をバスで聞いてもらってから、現地を参加者に見てもらいました。
ニューヨークを訪問したときは雪で、雪景色を見るという予想外の訪問になってしまって、せっかくの街並みも吹雪の雪景色となってしまって残念でした。翌日は雪もやみ、日差しも出て、調合は開けていましたが、街並み散策としてロックフェラーセンターからグランドゼロを含むニューヨークのダウンタウンをみてまわりました。ほぼ計画通りの復興が完成段階に入ったグランドゼロは、世界最大の建築群像の舞踏風景と言ってよい極めて芸術性の高いと新造形で、見る人を圧倒してくれました。耳が痛くなるほどの寒さで、足元には雪があるという環境の中の散歩は、普通ではできない経験で参加者にとっては印象深いツアーになったと思います。

NAHB・IBS
全米ホームビルダーズ協会(NAHB)のインターナショナルビルダーズショウ(IBS)の開催日全に、オランドのTND開発セレブレイション、ボードウインパークともう1カ所の大開発見学しその後、NAHB/IBSを2日間だけ参加しました。IBSの屋外展示とTNAH(ザ・ニュー・アメリカン・ホーム)とTNARH(ザ・ニュー・アメリカン・リモデルド・ショウ)とIBSを第1日目に見学し、第2日目はもう一度屋外展示を見学し、IBSを見学して回りました。
このツアー報告会は2月に入ってグローバル研修企画とHICPMで実施することに予定していますのでご参加くださるよう予めご案内します。
きょうはNAHB・IBSの今年の全体的な感想をお話しすることにします。HICPMが発足した1995年から22年目になります。昨年はツアーそのものが中止され、今年は昨年のラスベガス(ネバダ)から今年のオランド(フロリダ)に開催場所が変わりましたが、米国の住宅バブル崩壊(2007年)、リーマンショック(2008年)から着実に米国の住宅産業は回復に向かっているということができます。米国の住宅産業が底堅く回復してきた理由は、住宅産業が価値通りの住宅を造り、住宅の価値が物価上昇以上の価値を高めていることにあります。
しかし、私にとって今年のNAHB・IBSのように日本人の姿を見かけなかったということはかつてありませんでした。同行した人に日本人を見たと言っていた人もいましたから、日本人参加者は皆無ではなかったようですが、参加者が驚くべき減退をしたことは事実です。日本人だけが減少し、中国や朝鮮は以前と変わらぬ参加者であったようです。そのことは中国人や朝鮮人にとってこのショウはこれまで同様興味のある所であったのに対し、日本人にだけは全く関心の持てないものになってしまっていることを示しているということだと思います。
IBS(インターナショナルビルダーズショウ)は、住宅バブル崩壊後、KBIS(キッチン・バス・インスツルメント・ショウ)と合同開催となっていますが、KBISはこれまで同様大変高い集客と自信をもって開催しているように思えました。つまり、ショウ全体としては住宅バブル崩壊後着実に拡大充実してきていますが、日本人参加者だけが例外的に消滅していることです。その理由は何だろうかと考えてみました。
それは日本の住宅産業関係者にとってNAHB・IBSはその業務に役に立たないと感じるようになっているということが分かりました。NAHB・IBSはホームビルダーが、縮小している消費者の所得に対して、より魅力ある住宅をより安く供給できる技術を提供する場所として利用されているのに対し、
日本人の関心は、『差別化』によって、住宅産業がより高い利潤を上げることという関心でこれまで参加してきたが、その関心が満たされないことがはっきりしたからです。
今回IBS見て回り、米国の住宅産業の関心が住宅生産の中に介在する無理、無駄、斑を削減して、いかに安く住宅を生産するかに向かっていることを確認することができました。そこには、日本の住宅産業のように、住宅をできるだけ高く消費者に売り抜けてやろうというところへの関心はありません。その背景に、住宅を購入する消費者に購買力がなくても住宅金融機関がお金を貸し込んでやるという不正な仕組みがないためです。

「半値8掛け5割引き」
『1物1価』日本ではTOTOというような「一流企業」が、システムバスを定価¥100万円で販売し、その価格がカタログに100万円と表示されていまいます。TOTOに出かけて「安く購入する方法はありませんか」と尋ねると、「TOTOの工事店にご相談ください」と言い、そこに出かけると20-30%の割引を受けることができる。ハウスメーカーで聞くと、正直に言ってはくれませんが20%程度で購入しているとも10%程度で購入しているとも言います。しかし消費者には定価どおりの価格の商品だと言います。ハウスメーカーの仕入れ価格から店頭小売まで10倍近い価格差がありますが、建前として定価相当の価値のある商品ということになっており、すべての価格差の違いは業者間で「差別」と感じているようですが、消費者に対しては上代価格(定価)に対して下代価格(仕入れ価格)の差額は、流通差益として消費者を騙して手にする利益であるため、消費者に対して後ろめたさを感じながら、当然のように手にしているため、その不正利益を着服する構造を不正と思わず、当然視する無関心な不正黙認構造が住宅産業界に染み付いている。
刑法上も民法上も、商品の価値を欺罔して収益を着服する行為は詐欺横領であると明記してあります。しかし、国土交通省は「差別化」という欺罔行為を、サービス業として当然行ってよい行為と言い、詐欺横領を建設業者が行うときは、それを建設サービス業であるから正当であると弁明し、積極的に行うことを建設行政として認めている。欧米ではフラウド(Fraud)と言って刑事罰とされている。NAHB・IBSに出かけて、そこはプロの商談会であるからと、日本の「半値8掛け5割引き」での購入ができるかと聞いてみれば、目を丸くして驚くことになる。
かつて米国の建材業者から、「どうして日本のビルダーは市場に出たばかりの新しい商品を探し、市場でよく流通する建材を購入しようとしないのか」と聞かれたことがある。米国では市場のもっと無流通している商品ほど、品質は吟味されていて、安心に取り扱えるので利益が大きいと言い、その市場に新規に参入しようとする商品は20%程度価格を下げてではないと参入は難しいという話を聞いたことがある。建材の流通手数料も大きくはない。その一つの大きな理由としてコンストラクション・ローンによって、与信管理を受けないで建材購入ができることがある。日本のように建材も系列販売しかしないことで、与信管理をかませて、最終的に消費者に高い負担をさせていることを政府が容認している。
住宅産業が利益を挙げる方法として、米国では自由な需給関係の市場で建材を購入できるのに、日本は閉鎖した建材流通システムの中で、建材商社が大きな利益を挙げることが行われている。そのようなシステムはNAHBの建材流通システムの中には存在しない。輸入建材の取引を「差別化」という欺罔の手段として利用できることが期待できないので、日本の業者の関心はそこに向かわないことになる。それがNAHBに対する関心を少なくしているのである。

(NPO法人住宅生産性研究会理事長戸谷英世)



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