メールマガジン

HICPMメールマガジン第790号(2017.02.27)

掲載日2017 年 2 月 27 日

HICPMメールマガジン(2017.02.27)

みなさんこんにちは


「第89回アカデミー賞」

その候補作品のうち私は2本の作品を映画館で見て、大いに心を動かされた。

その一つは遠藤周作が原著の『沈黙』でマーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』である。日本から窪塚洋介と浅野忠信や役者として塚本晋也などが出演する話題作にして、最大のオスカー候補作といわれる。江戸時代のキリシタン弾圧を舞台にし、「神は存在するのか」、自分にとっての神との関係を問う遠藤周作自身の基本的な問題に取り組んだ重い内容の作品である。

もう一つの作品は、”La La Land” 『ラ・ラ・ランド』である。ジャズピアニストと映画俳優の2人を主人公にする職業人としての生き方を扱った作品である。この作品には、「善人ばかりが登場し、悪人は、一切登場しない」という面白い作品であるが、この作品を見終わったとき、大きな悲しみと感動に襲われた。俳優の途を邁進し、自分を離れてしまった女性の生き方に、最後の別れのシーンでピアニストは、「その生き方を理解している」と遠く離れたところからかすかに唇を緩ませたシーンに多くの視聴者は感動したに違いない。


託児所にあずかってもらった子供の死

今朝のTVでは託児所への入所を長期に待ち望み、やっと入所した子ともが、その託児所で死亡した事件である。TV報道からは、入所した子供が泣き騒ぐと言って、別室に隔離差別した扱いを受けていたようにも感じられる。しかし、保育所関係者からは「善良管理義務を果たした」という趣旨の説明が行われ、TV報道も「公平を装う報道」に終始し、その原因追求が非常に事務的で、子供を失った両親の思いは全く伝わってこない。保育という業務は、「どのような業務として行われなければならないか」という基本的な問題が、この施設で行われてきたか、どうかはTV報道ではわからない。

安倍内閣は子育て支援と言って、託児所の増設や保育士の要請に非常に熱心に取り組んできた。その事件に安倍内閣はコメントしていないが、私は安倍内閣の子育て支援の基本的な目的は、経済成長と税収増大を図るために、労働人口を増やすことであって、低い賃金を補うために共働きをしなければならないという今回の過程状況に対する同情や、基本問題の認識は弱い。子供は母親に手厚い浮揚をされなければならない弱い人間で、その対象であることをの宅にはペットの預かりとは違い、親の強い愛情によって支えられなければいけない。


プロフェッショナルとその倫理

今月21,22日と京都でホームビルダーズ研究会25回定例会が開催された。わたくしは研究会の顧問として毎回出席し、HICPMとして米国に学んでホームビルダーの業務に関し、毎回セミナーを行っているが、今回は私と一緒に、住宅・建築訴訟専門の秋野卓夫弁護士が工事紛争の説明をすることになった。実はわたくしはHICPMの活動の関係で、秋野弁護士とは20年ほど前、一緒に仕事を行ったことがあった。今回のかれの話を聞いて、彼は当時と基本的に同じ考え方で仕事をしている一貫して弁護士業経営中心の経営で成果を挙げ、現在は15人の弁護士を雇用する中堅弁護士事務所の経営者になっていることを聞き、なるほどと変な納得をしてしまった。

20年ほど前、HICPMの建築主に訴えられた会員は、仕事が順調に進み、少し横着な仕事をしていたが、その住宅は違反建築でもなければ危険建築物でもなかった。しかし、建築主はその住宅は危険な違反建築物であると主張し、取り壊し再建築を要求し、弁護士を雇って厳しく追及してきた。私はその会員は経営的には、そんなに余裕のないことも分かっていた。その上、消費者が要求する違反建築であるから「取り壊せ」という「訴え」にも該当しないので、建設行政上の問題として解決することにしようとした。そうすれば行政法上の解決には、適法かどうかで争うため、費用が掛からないからである。しかし、相手の建築主は弁護士を2名付け、徹底的に「違反建築物だ」と騒ぎ、お金を払わせようとした。あまりのしつこい攻めに、工務店は私に「弁護士を雇わないと負ける」と言い出し、遂に、弁護士も弁護士料を含み無駄遣いになると反対をしたが、それでも安心したいというので、同意し、一緒に取り組むことにした。

当時売り出し始めていた秋野弁護士に声をかけたところ、「一緒にやりたい」と言い、共同して取り組むことになった。しかし、しばらくすると、秋野弁護士は自分の選任する民事訴訟にしてしまい、行政上の訴訟をしないようにさせ、会員は行政上の取り組みから外れさせられた。結局、2年近くかけて、相当の訴訟費用をかけて民事訴訟で勝訴した。私は会員の問題で、民事訴訟で進めても勝てるに決まっていたから、「困ったらいらっしゃい」ということでそれ以降、私は手を出さなかった。

今回の秋野弁護士の講演は、「如何に訴訟を円滑に進めるか」という説明で、私の目から見ると、「弁護士にとって最も合理的な経営をするための民事訴訟」の説明であった。私がこの10年間行政事件訴訟法で戦ってきて、全敗してきたが、このような結果が見えているような行政処分の不当を争うようなことは、秋野弁護士には想像もできない取り組みに違いない。私は行政官であり、自ら政府立法を行い、中央官庁で行政法を施行し、日本国憲法を読んで自分で考える行政は、日本は法治国で、立法の背景と趣旨に沿った行政でなければならないという思い入れがある。それが私にとっての行政官であったことの誇りであり、官僚であったことのプロフェッショナルとしてのモラルであったため、法律違反の行政処分は許せないと考え行政事件を100件近く争ってきた。


「花燃ゆ」に登場する「思い入れ」

幕末の徴収で、こんなの独立のために人びとにどのように取り組んでよいかわからない混沌とした時代に吉田松陰は、長州人として、日本人として誇りある生き方をするために、全ての出逢った人たちに対して「あなたの国家に対しての志は何ですか」と問いかける場面が、TVで繰り返し報道された。国家として、幕府として長州藩として方針が決められないとき、人びとは自分に問うて、自分が自信をもって誇る生き方をしないといけないと吉田松陰が考えたのです。私は、全ての時代においてすべての人に問いかけられている質問ではないかと思います。

「ラ・ラ・ランド」に登場する2人の主人公も、芸能人としての問いに応える人生を歩んできたと思います。そのプロフェッショナルとして、逃げないで自分への問いに答えた人生が、映画を見ていた視聴者にその生き方に対する共感と感動を呼んでいると思います。

託児所で子供が死んだという事実に対しても、保育施設や保母がそこの託児に対しどのようなプロフェッショナリズムで取り組んでいたかが見えないので、やりきれない気が消えません。母親が自分の子供にかけた必死の対応をした結果、子供がなくなった場合には、保育をしたプロフェッショナルに対する共感が生まれ、今回のような気持にはならなかったと思います。

私は同じことが政治家のプロに対して求めています。私の学生時代政治家のモデルとして学生がいつも引き合いに出した人が、政府側では小村寿太郎や陸奥宗光や高橋是清で反政府の国会議員では山宣(山本宣治)でした。これらの政治家には日本の政治に対する思い入れがあり、その思いが私たちの心を揺さぶる思い入れがあったと思います。安倍内閣のように税金を大きくしたい。政治献金を大きくするために安保法制を進めたいと考えた政治をするめ、軍需産業から高い支持を受けています。

また、安倍首相はその夫人の社会的地位と名誉と金儲けのために、卑しい横車を押しました。それは韓国の大統領と同じ手口で、嫁さんのために合法的な体裁をとって国有土地を8億円も安く手に入れさせ、社会的名誉職を与え、それでいて自分は無関係と白を切りたいという態度をとってきました。

「李下に冠りを正さず、瓜田に靴を入れず」という政治倫理の「イロハ」をわきまえず、嫁さんを名誉校長にし、8億円の土地価格利益を得て、権力を持っている首相自身が利益を求めたわけではないと説明をしても、誰も納得できません。安倍内閣に貢げば、政治的な利便を含め、最低限利益の反射的供与を期待した人方で、「八百長で行われた」にちがいありません。卑しい首相を政府のトップに持っていることが国民の誇りに傷をつけることが分からないとすれば、無知というほかありません。安倍のミックスに国民は感動を感じていますか。安倍の経済政策は、政治献金をキックバックさせる「全て我田引水の政策」で、国民に共感を呼ぶことのできないものばかりです。


明日はHICPMの会員の自由参加による研究会の運営を巡る協議会を開催します。この協議会は結論を出す協議会ではなく、HICPMの会員が自分の経営方針を原点に戻って考える機会になってくれることを期待しています。

{NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷 英世}



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