ビルダーズマガジン

HICPMビルダーズマガジン第247号

掲載日2017 年 3 月 10 日

20170310092120_00001本号に関連して、特集の趣旨・背景:欧米先進工業国の国民も、住宅産業関係者も、住宅を購入することやリモデリングすることを、「住宅投資」(インベストメント)と表現し、理解しています。当然、彼らは住宅への投資に見合った資産価値増(キャピタルゲイン)か、賃貸料収入の増加を期待しています。しかし、住宅が資産価値増をするためにはその必然的な根拠があり、その根拠に叶った住宅の経営が行われなくてはなりません。HICPMは創設以来、その解明に努め欧米諸国を調査研究し、ほぼ全面的に解明できました。
その経営を解明のきっかけを与えてくれたのが、エドワード・べラミーの『顧みれば』と、それを読んで「住宅地経営の発明家」と言って登場したエベネザー・ハワードの『明日へのガーデンシティ』とその住宅地経営の実践でした。それを知りニューヨークのラッセル・セイジ財団が、フォレスト・ヒルズ・ガーデンズを開発し、そこにC・A・ペリーが生活し、「住宅による資産価値の形成条件」を「近隣住区論(ネイバーフッドユニット)」に纏め上げました。その計画論はラドバーンで実践され、戦後の英国政府が実施したニュータウン開発の計画論とされ、日本にも伝えられました。
戦後、住宅の絶対不足の時代に、ウイリアムレービットは自らが「住宅生産のGM(ジェネラルモーターズ)」になると言い、流れ作業で都市開発から住宅建設まで「レービットタウン、レービットハウス」として一貫して行い、ハイウエーを利用した郊外大規模開発を実現しました。その郊外開発地は犯罪に無防備であったため、映画「ホームアローン」のように住宅にIT技術を利用し、その後、各地にゲーティッドコミュニティが開発されましたが、セキュリテイ向上に成功しませんでした。そこで、DPZは犯罪の少ない優れた街を調査し、そこから地縁的につながりの強い街が安全性の高いことを発見し、それをTND(伝統的近隣住宅地開発)として纏めました。その計画論は、サステイナブル・コミュニテイとエコロジカル・ディベロップメントと結びついて、「アワニーの原則」が合意され、実践的な住宅地経営「ニューアーバニズムの計画」論にまとめられました。
本号では、わが国でのニューアーバニズム開発「荻裏ガーデンサバーブ」を事例に、住宅地が常時売り手市場であり続ける住宅地経営の提案を取りまとめました。それは社会経済の発展と、居住者を囲む環境変化に対し、売り手市場である続ける経営条件を検討したものです。住宅地経営は、「ものづくり」ではなく、社会経済的に売り手市場を維持継続する住宅地経営で、ハワードがレッチワースで実践し、ラッセル・セイジ財団がフォレスト・ヒルズ・ガーデンズで実践してきたことでした。
住宅を購入する人が、「住宅により資産を形成し、幸せになるようにする住宅地経営が行える」よう、米国のホームビルダーズ経営をモデルに、HICPMは米国の住宅産業技術移転に取り組んできました。会員皆様のご支援によって今年で22年目を迎えることになりました。3月1日に開催されたHICPM会員による協議会でこれまでの「米国のホームビルダーズ経営に学ぶ方針」が積極的に支持されました。今後、会員の意向を反映して邁進する所存でいます。よろしくご支援をお願いいたします。

2.インターナショナル・アーツ&クラフツ

---リンゼイ・P・バターフィールド:愛ヴぁー伯爵家の家具用の織物、1901

3.カレントトピックス

---NAHBの2016年会長のIBS参加者向け挨拶

4.若本修治のレポート

---空き家問題とアパート建設ラッシュ

5.ニューアーバニスムの系譜

---シーサイドからセレブレイション、ボードウィンパーク

6.特集

---ニューアーバニズムによる住宅地経営:「荻裏ガーデンサバーブ」事例研究」提案

㈱大検が実施したサステイナブルハウスの発展形としてニューアーバニズムの思想を取り入れた日本最初の開発はの目指すところは。ここで住宅を取得した人が住宅を売却しようとして時には購入価格以上で売却することができることである。そのような住宅により資産形成ができる方策を最初に提案した人は「住宅地経営の発明家として登場したエベネザー・ハワードである。このBN第247号の冒頭に記載した通りの歴史がある。

その歴史を実際の荻裏ガーデンサバーブで展開したらどのようになるのかを検討して提案したものである。この提案に関しては事前に㈱大検にも意見を求めた結果である。ただし、㈱大検からの特段の意見は出されてはいない。その結論は、住宅地が「常時売り手市場として経営されること」である。そのためにはこの住宅地を取り囲む条件とここで生活する人の生活要求を乗じ調査検討し、居住者が積極的に取り組めることでなければならない。

10.竹山清輝の街並み講座

---歴史的下町街区スパッカ・ナポリを歩く

11.渋谷征教の住宅デザインのワンポイント、

---住宅デザインのワンポイント:ドナルド・トランプの政治を支える米国社会の裏側

12.オランダ・アメリカ・日本の住宅(第26回)

---米国の住宅:既存住宅とリモデリング

14.「聖域なき構造改革」第30回

---憲法違反を正当化する「統治行政論行為

16.ア・フィールド・ガイド・トゥー・アメリカンアーキテクチュアー

--宗教建築

18.実践的CM(コンストラクションマネジメント講座第32回

---CM原点回帰:工事見積もりの正確さ(その2)

19.「街づくり教科書」講座(5)

---「ガーデンシティ」と「ネイバーフッドユニット」

20.書籍注文/編集後記



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