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HICPMメールマガジン第716号2018.04.10)

掲載日2017 年 4 月 10 日

HICPMメールマガジン第716号(2018.04.10)
皆さんこんにちは
春爛漫です

花曇りと言いますが、現在は日本全体が寒い季節と暖かい季節の間にあって気象が安定せず、雨が多いため、空はどんよりし、せっかくの桜も「花曇り」で残念です。青い空が見えたら美しい景色を台無しにしています。昨日は多摩ニュータウンの公園巡りをして桜を楽しんできました。私のベランダの桜は3鉢ありますが、やっとつぼみを膨らませ始めたようで来週ごろ咲くのではと楽しみにしています。

政府の経済政策としてのニュータウン開発
多摩ニュータウンの沿道の景色を見ると土手の多くの樹木は切られ、切株がたくさん並んでいる様子を見ると植栽計画が間違っていたか、伐採計画が強引なのか分りません。雛壇造成のコンクリート擁壁による団地造成の結果が見苦しい街並み景観をつくり、海外ではあまり見られない景色です。箱モノづくりの批判がある通り、ニュータウンはガソリン税を潤沢に使った道路づくりと一体に、7.5%の高金利の財政投融資を使い、国家財政・金融が利益を上げる政府金儲けを目的にした宅地造成事業です。セメント産業とて高産業の利益を拡大する鉄筋コンクリート業界と建設業者の利益と経済成長のために取り組まれたことを改めて感じさせられます。

多摩ニュータウンの持ち家住宅地の景色
バスの車窓からの街並み景観で、道路に面して建てられている戸建て住宅は、車道と並行したサイドウォーク(側道)に接し高さ80cmの擁壁が造られ、その擁壁に支えられた雛壇造成地に戸建て住宅が側道に背中を向けたっています。隣棟間に管理されていない1m未満の空地を挟み、お互いを無視し合って立っています。すべての住宅は思い思いに、非対称に変形した屋根と様々な規格の窓が付けられています。外部からその窓の後ろにある部屋の用途が推察でき、様々な外壁材が複雑に使われ、建築主の希望に細かに応えたと言わぬばかりの住宅になっています。

住宅から連想される住宅営業
その設計をした建築家か、工務店か、ハウスメーカーか分かりませんが、建築主とのやり取りが目に浮かぶようです。多分、営業マンが建築主をおだて挙げ「夢の実現」と幻想を与え、その顧客の希望を叶えると説明し、「設計段階だけではなく、施工段階に入っても顧客の注文には満足できる」と説明している様子が分かるような住宅です。細部にわたって建築主の要求に応えた対応がされていて、完成したときには、設計者、住宅開始、建築主全員で共同事業の完成を喜んだと想像できます。住宅の価格は建築主の購買力を逸脱していることは明らかですが、政府はその全額を住宅金融公庫から融資させたから、建築主は自分の購買力で購入できたと勘違いしているに違いありません。住宅の設計圖書は建築主のわがままを具体化するといい、その価格は「材工一式」の坪単価で造ると約束し、すべて工事請負契約通りの価格で工事を引き渡しているに違いありません。

資産が形成されているかを示す現実の住宅
建築後20年近く経過した住宅であることは想像できますが、所有者は子育ても終わり既に巣立っていったのか分かりませんが、住宅はうらぶれ老朽に任せ、住宅に誇りを持てず、厄介者のように考えている様子です。少なくとも、そこを通る人に住みたい思わせない住宅です。桜が咲き、木の芽吹き始めたニュータウンは、若いエネルギーがみなぎり始めていて、散策していていい気分ですが、立ち並ぶ住宅には全く魅力を感じません。この家を販売した会社の営業マンだけではなく、現在「差別化」を口にシャカリキに住宅販売している営業マンにこの住宅を見せてあげたいと思いました。

必然的な理由がある「起きている現実」
現在日本の住宅政策で国民を不幸にしている原因は不等価交換販売と不等価交換金融のためですが、それを犯罪とされないで行われてきた理由の結論は、住宅の営業、設計、施工の関係者に業務上の不正を行う意志があったわけではなく、心から顧客のため、企業のためと思ってその業務を行ってきたのです。それであるにもかかわらずその意志と逆の結果になっている理由は、日本の住宅政策や住宅産業の仕組みだと分かりました。住宅産業の仕組みの基本は政府の住宅政策であり、建設3法の施行に大きな誤りがあったのですが、それも行政に関係した官僚以下公務員に不正を行わせる意思はなかったと思います。

国家が住宅政策で牽引している住宅犯罪
それであるにもかかわらず、住宅政策が国民を不幸にしている理由は、住宅政策の目的が1976年の政府主導の住宅建設計画法の時代から2006年の民主道の住生活基本法の時代(現在)まで、一貫して「フローの住宅」政策で行われ、住宅産業と日本経済の利益を高めることを目的に行われたためでした。欧米先進工業国のように、住宅を所有し、居住する人の利益を中心にする「ストックの住宅」政策ではなかったことです。「土地を購入しなくても住宅を所有できる」の謳い文句で始まった「3世代住宅、2世帯住宅」政策は、ハウスメーカーを使って既存木造住宅の価値はないと騙し、軽量鉄骨プレハブ住宅に建て替えさせてきました。そのプレハブ住宅自体がバラック同然の粗末な住宅で、多分、現在残っているものはないと思います。取り壊された木造は隙間風が入っていましたが、実は木造の耐久性のために隙間風が入るように造られていたものです。それを騙して取り壊させたものです。

住宅犯罪の指揮と住宅犯罪者教育を実施している者
日本の住宅が世界の住宅と比較して2-3倍ほど高額になっています。住宅の価値は市場取引価格で表されます。日本の住宅は価格独占価格で二なっているのですが、価値があると政府に騙されています。本当に価値があるならば、その住宅は価値相当の価格で売れなければなりません。日本の住宅を販売しようとすれば、「中古住宅」と言われ半額以下でしか売れません。建築後20年経過すれば、住宅の価値が「減価償却してゼロになる」と政府が官僚を使って説明しています。東京大学など有名大学を優秀な成績で卒業し、公務員試験に合格し、政府に雇用された官僚が説明しますから、国民は騙されます。官僚自身がそれを信じているとしたら東京大学以下有名大学で何を教えているのでしょうか。現在活躍している東京大学の住宅産業関係教授も疑いもなく政府の説明を学問的真理のように説明しています。

政府(国土交通省)自身が認めている国民の住宅による貧困化
産官学の護送船団の構成は「フローの住宅」の推進者で、悪意を持っているかどうかは別にして「産業利益の拡大」と「日本経済の成長」のために、現在の不等価交換販売と不等価交換金融による住宅政策を推進しています。その結果、国土交通省が「中古住宅の流通合理化ラウンドテーブル報告書」で明らかにしたとおり、住宅を購入することでその購入額の半額以上を50年以内に失なっています。その失われた富は住宅産業と住宅金融業の巨額な利益となっています。関係者が憲法第14条に違反し、民法上、刑法上の「欺罔」による住宅購入者からの「富」の収奪・詐欺・横領を行なっていますが、住宅産業関係者に犯罪意識はなく、刑事関係警察も検察庁もまったく犯罪として扱う気配すらありません。

「欺罔」を幇助している「設計圖書」と「工事見積書」
研究の結果わかったことは、住宅生産のベースとなっている「設計圖書」と「見積書」が、「欺罔」の基本となっていることが分かりました。この事実は40年以上前、私が官僚時代に知っていたことですが、「欺罔」が公然と行われているメカニズムの解明には時間がかかりました。日本と欧米の住宅産業を比較し、設計業務や工事費見積もり業務、住宅不動産鑑定評価制度など関係する様々な技術、制度、教育を比較研究し、全体のメカニズムを解明ができました。その内容は住宅産業界に分かりやすい形でお見せすることで、日本の住宅産業関係者、政府の官僚や大学等の研究機関の方々に自分たちの実像を見てもらいたいと思っています。「ガマ」は、「その醜い姿を水に移してみて、脂汗を流す」とガマの油売りの口上があります。わが国の住宅産業で国民を収奪してきた産学官護送船団の幹部たちは、自らの醜い姿が映し出されても、それを自分の姿とも思わず、他人事のようにあざ笑い、反省をせず、こんな醜い姿を見せるような「鏡」など発売禁止にしてしまえということになると思います。

国民を住宅により貧困にしないために
日本が文字通り法治国であるならば、法律違反を犯して詐欺、横領を行った者に対しては刑事警察と検察庁が捜査を行い、法律の定められた刑罰を行うことになります。しかし、国家がその機能を果たさないときはどうしたらよいでしょうか。法治国としては民事訴訟や刑事訴訟、行政訴訟など法律で定められた手続きに従って、法律違反者には国家が法律で定めが刑罰、行政罰を求めることになります。その罰が執行されないときは、泣き寝入りをするのではなく、世論に訴える「場外乱闘」があります。
政府が不良債権で経営不振になった企業救済のため、「聖域なき構造改革」・都市再生事業という「徳政令」の実施し、憲法違反の立法、行政、司法を行いました。2006年から10年くらいの間に私は100件以上の行政事件訴訟を行いすべてに敗訴しました。それは砂川事件同様、国家が非常事態と認めたときには国家が法律の施行を停止できる「行為行政論」の理論の実践であったことが分かりました。
以前私が書いた「ウサギ小屋の真実」という本が出版されたとき、そこで私が「犯罪を行なったと指摘した住宅会社」は、その系列会社に「敵に塩を送ることになるので、この本は購入しないように」という文書が配布されたことがありました。この本は8000部ほど販売され、まだ在庫があります。
前述した調査研究してきた「建築設計」と「工事費見積書」が、「不等価交換販売」と「不等価交換金融」の犯罪を行う手段に使われるようになった経緯は、実は明治時代の近代建築教育にその期限がある130年越しの政・官・学を巻き込んだ大事件であることを、ぜひ住宅産業関係者に知ってもらおうと目下、原稿作成の最終の追い込みに入っています。
(NPO法人住宅生産性研究会 理事長 戸谷英世)



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