第212回(2007年5月14日)

 みなさん、こんにちは。

 今日は、NPO−DAYで、マイクロソフトが開催するセミナーがありました。私はパソコンオンチで、参加する柄でもないのですが、「何でも見てやろう」の精神で参加してきました。

 コンピューターは、確かに様々な手段として、例えば身体障害者の手助けや、広い情報を集めるなど、驚くほどの働きをすることをあらためて認識させられました。特に「情報を処理伝達する」上で、驚くほどの能力を持つコンピューターを、如何に利用できるかが問われているように思いました。

 HICPMで私達がやっていることは、基本的に住宅を買ったり借りたりしている人達が、住んでいる住宅によって様々な幸せを享受できるようにすることにつきます。しかし、私達HICPMと消費者の間には、ビルダーという人達が介在していることから、HICPMは、まずビルダーの方達に私達がやって欲しいと思うことを伝えてきました。

 しかし、日本では、本来ビルダーと消費者とは対立するべきものでないにもかかわらず、ハウスメーカーやパワービルダーと呼ばれる住宅産業界で大きな力を持っている多くの建設業者達が消費者をだまして、詐欺商売をすることで大きな利潤を得てきたことから、それらの悪質業者に負けない利益を上げるために、これらの大中規模の建設業者のやっていることなら、政府も許している正当なことであると自らを納得させて、小規模な建設業者も同じことをやってきました。

 詐欺まがいの商売を政府が認めてきた背景には、住宅金融公庫という政府の金融機関が、住宅の資産価値を全く評価しないで住宅ローンを出すことができるという制度を作ってきたことにあります。決して政府自体が詐欺商売を推奨してきたわけではありません。しかし、住宅自体の価値を全く評価しないで、業者のつけた価格自体をまるごと融資対象金額として融資をしてきたことに、問題があるのです。

 結果的に、ハウスメーカーやマンション業者、パワービルダーと呼ばれる大手または中規模の住宅業者は、消費者が飛びつくような何かを用意することによって、高い値段をつけて儲けを大きくしました。

それに手を貸したのが住宅金融公庫だったのです。

 これらの住宅は、通常、買ったら販売することはありません。しかし、バブル経済が崩壊したときには、ローン返済ができず、売らざるを得ませんでした。その10年の間に、日本中で多数の中古の住宅販売が実行されて、その結果、日本の住宅産業は詐欺商売と同じことをやってきたということが、国土交通政策研究所の住宅資産に関する調査で明らかにされています。つまり、元々価値の低い住宅を、その価値の3割近い高値で販売してきたということが、調査の結果として指摘されているのです。

 日本中の住宅産業が、このような杜撰な商行為で大きく成長してきたときに、真面目な日本の伝統的な工務店の仕事のやり方ではとても不正な業者と太刀打ちして生き残ることができず、結果的に、不正な業者のまねをして、辛うじて生きるという状況が続いてきたのです。

 かなり前になりますが、全建総連の技術部長と住宅産業の話をしていたときに、次のようなことを聞きました。

 「私達は建設労働者として、誇りを持った仕事をしたいと願わない者はいません。しかし、重層下請けの仕組みでは、請負い金額が抑えられてしまいます。その中で、やるべき仕事が設計図書として決まってしまえば、二本打つべき釘を一本にしたり、二度塗りする所を一度塗りにするしかないのです。『職人は手抜きをする』と言われますが、そのような手抜きと言われる工事をしていても、職人としては、彼らが手にするお金以上の仕事はしている、もらっているお金以上の仕事はしている、という気持ちがどこかにあるのです。自分達は、もらっていないお金の分の仕事までしなければいけないのかという疑問が、彼らの心の中にあるのです」

というのです。

 実は、このようなやり方を正当であり、押し付けではないという考えを提起している団体が、建築家協会であり、建築学会なのです。京都大学や工学院大学、芝浦工業大学などの大学の教職にある人達が、盛んに口にしているCM(コンストラクションマネジメント)というものが、見積もり合わせによる下請け同士の叩きあいの正当化です。

 国土交通省の建設業課も、これらの間違ったCMを正当化して、そのマニュアルなる物を作っています。このようなわけで、日本中の建設産業も住宅産業も、大手や、元請けが利益を先取りして、それに利益をのせるか、それができなければ、下請けに皺寄せするか、いずれにしても、元請け業者の利益だけは確保する形での建設業者保護政策が採られてきました。

 しかし、FTA(自由貿易協定)の時代になって、いよいよ国民の購買力自体が縮小される時代になって、住宅価格の吊り上げができなくなり、下請けへの皺寄せが一層厳しくなろうとしています。

 この時代に住生活基本法が登場して、もはや政府は住宅建設計画法のようなもので建設費自体に責任をもつ必要がなくなった、といわぬばかりに、政府は業者間の叩き合いで建設費の切り下げは、民間相互の自由競争であるからと正当化して、そこで手抜きが生じることを承知の上で、瑕疵保証という形で、手抜きから消費者を守るという大義名分を使って、役人にマッチポンプの仕事を作ってきたのです。つまり、政府は問題の根治対策を図ろうとはしないで、問題をそらすだけの対象療法をすることで、国民の利益を守っているという形だけをつけているのです。

 住生活基本法時代の政府は、役人の天下りや雨漏りのためというOB対策だけに関心があり、消費者の住宅については何も考えていないのです。耐震や省エネルギー対策など、一見、国民の利益を守ったり向上させるという形をとりながら、その実体は、性能保証や耐震対策に現われているとおり、役人OBのための外郭団体に対する補助金や、民間事業を邪魔して審査や検査という名前で多くの関所を作って、そこでお金をまきあげたり、搾り取ったりして、そこで彼らの生活費を捻出しているのです。

 その際の目付けが、日本ERIに代表されるように、確認検査機関において開発許可なしでも確認済証は発行できると虚偽の説明で仕事を取って、事実上違反によって申請者に違反利益を与えて、それによる不正利益で集客することがやられてきたのです。

 日本建築センターも同じ不正をやって、それを営業として客集めをしてきたことがハッキリしました。

このことは次回にまた説明します。このように住宅産業界が狂っているため、HICPMの仕事もだんだん不正対策に向かわされるという不本意な方向を取らされているのです。