第223回(2007年7月30日 )

 みなさん、こんにちは。

 参議院議員選挙が、自民党の大敗北という形で終わりました。民主主義の多数で少数を押し切るというやり方に、国民が不安を感じたからだと思います。

 そして、内閣は憲法を守って、行政法で決められたことをやるべきであるにもかかわらず、責任政党としての責任をとらない。

 問題が起こっても、行政は一切責任を取ろうとしない。

 役人も政治家も、税金を自分の金のように勝手に使う。

 政治資金規正法に代表されるように、「法律は破るためにある」と平気で嘯く。

 このような政治に対する国民の不安が、選挙結果に現れたというべきです。

 大躍進した民主党が、この自民党と違う体質だったのかといえば、そうではありません。共産党が議席を減らして、民主党が大躍進した理由は、「共産党に投票しても何も変わらない。ともかく、自民党の今のやり方だけでも阻止するために、交代できる能力を持っている政党へ」、ということで票が民主に流れたのです。

 共産党のだらしなさに比べて、エイズ訴訟で頑張った川田龍平さんが当選したことは大変素晴らしいことです。私が不在投票に出かけたときには、川田さんが立候補していることを知らず、川田さんには投票しませんでしたが、当選を聞いて大変嬉しく思いました。

 それに対して不甲斐ないのは、日本共産党です。大きな組織を持って長年政党活動をしているのに、川田さん一人に対しても大きく水をあけられた事実は、これまでの政策と実際に共産党のやってきたことがまさに体制内与党で、赤旗販売会社のようなことしかやってこなかったためだと思います。

 私が2年間かけて訴訟をしたマンション建替え円滑化法違反の件でも、マンション建替えによって経済上の理由で団地から追い出されることに不安を抱いている人々の、憲法で決められている国民の財産権を守るために、衆参両議院で、建替えか、修繕か、住民の意志を決めるための民主的なマニュアルを国家が決めて、その手続きに従うことが定められてありました。

 それに違反して、 多摩市 長が補助金を不正に詐取し、旭化成ホームズに不正に交付したことを、法律に照らして取り組むべきであるのに、日本共産党の 多摩市 市議会議員達は、団地の建替え推進者からの票や、建替え賛成赤旗読者の利益のために、全く取り合おうとしませんでした。

 日本共産党の本部では官僚主義が横行し、党の権力を背景に起こったセクハラ事件が週刊誌を賑わしたこともありましたが、私は外から見ていて、日本共産党には、官僚主義を育ててきた東京大学の体質と血液が、宮本元委員長、不破前委員長、仕位委員長と、東京大学学閥伝達権力構造の中で培われ、その結果、共産党の指導者の公の場での口癖や、話の仕方や、ゼスチャーまで、先輩達の権威主義的な人を見下げた真似をすることで、組織内部での権威を表わし、支配権を引き継いでいるように感じます。

 いつも上ばかり見て国民のことをまったく気にかけず、自己の評価のために赤旗の販売拡大と、上意下達の労働組合のオルグと同じやりかたで、党員達は単なる歯車として、上位組織の決定を下部組織に押し付けるという中央集権構造をとってきたのです。

 自民党の盛衰と共産党の盛衰が、議員数で言うと20倍くらいの違いで同じ傾向を取っている理由は、両党に共通する東京大学の体質としての官僚主義、権威主義という同じ病根があるからではないかと思っています。

 自民党の場合には、国民一般がその官僚制に不安を持ち、共産党の方は虐げられた国民のニーズが、国民から弱い者の味方と期待されていた共産党の官僚主義の中で妨害を受けて、まったく汲み上げられないという失望感によって、共産党ではなく、自民党でもない、それ以外の党に票が流れていると考えるべきだと思います。

 自民党の日常活動は、行政に働きかけて不正行為を容認したり、行政を私物化することで、支持者に利益を供与することです。日本共産党は、もっぱら赤旗読者の拡大です。つまり、どちらも党員達の直接利益という視点でしか動いていないということです。

 以前、住宅品質確保促進法が国会を通過したとき、共産党も賛成しました。当時、私は国会でこの問題を担当した共産党の中島議員に、この法律をどのように理解しているかお聞きしたいと思って、面会を求めたことがあります。

 電話に出てきた秘書は、「共産党の判断に何が問題があるか」といわぬばかりの対応で、議員には会わせられないということでした。政党の議員が国民の意見を聞こうとしない態度自体に、おおいに疑問があり、共産党本部に電話した所、「意見があれば文書で意見窓口に出してくれ」ということでしたので、ともかく、「共産党が議会でやったことは、法律を理解しないでやったことである」という内容を送りました。

 その返答は、「共産党とあなたの考えは並行線ですから、あなたはあなたの信じることをやったらよいでしょう」というものでした。私は、赤旗の購読を止めました。

 今、国民は先行き不安な自由貿易協定時代の中で、将来の生活設計をどのようにしようかと不安でいっぱいです。その不安が、年金問題に収斂しているのです。しかし、その年金問題でも、自民党は口先ばかり「やります」と言いながら、基本的にその責任の所在すら明らかにしていません。

 社会保険庁関係の官僚達がボーナスを10%辞退しても、おおよそ責任を取ったことにはなりません。責任者が刑事罰を負ってもおかしくない事態であり、大問題であるという認識がありません。厚生労働大臣は、このような事態が判明したときの対応の間違いで引責辞任すべきで、厚生労働大臣以下の次官、局長、担当課長も、即座に更迭すべきです。このような行政上の最高責任者がしっかり引責辞任することで、組織にしっかりしたモラルが作られるのです。

 あれだけ重大な耐震強度偽装事件という問題が起きながら、その安全責任を負うべき国土交通省でも、国土交通大臣以下、官僚達は誰一人責任を負わず、逆に、自らは正義の味方のように振る舞って、現実の建築生産の常識や慣習を無視した確認手続きを国民に押しつけ、それをもって、国民の安全強化をやっていると白々しい発言をしています。

 今回の確認行政によって、現に建築産業界のあちこちで、「建築生産が妨害されている」、「日本経済に悪影響が生まれている」という不安や不満を口にする声が大きくなっています。

 先週、私は国土交通省の住宅局建築指導課長に、建築基準法の制定当時からの経緯を説明するとともに、建築基準法の文理解釈として、確認業務とはどのようにあらねばならないかについて説明をしました。この件については、≪法規担当≫の担当課長補佐にも説明し、彼らは私の説明を理解できたようですが、既に法律違反の運用通達を出していることで、動きが取れないようでした。

 今週末の8月3日・4日に、大阪のATCで実施するHICPMのCMセミナーでは、これらに関する話を誰にでもわかるように説明する予定です。昨日、大阪でHICPM近畿支部・事務局長の猪谷さんから、このセミナーに向けての想定問答のようなやり取りをして、一応、理解できるだろうということになりました。

 そのやり取りの中で、一級建築士であり、これまで多くの仕事をしてこられた猪谷さんのような技術者が、建築基準法を法文に照らして理解しようとしてこなくて、行政の末端の間違った行政指導を、法律より重要な守るべきことのように考えてきていることに驚かされました。

 実は、国土交通省の担当課長以下は、建築基準法を正しく読んでいないだけでなく、その共通認識すらできていないというのが現状なのです。そのため、建築基準法が「麻のように乱れていてもそれを糾すこともできない」でいるのです。しかし、国土交通省の担当課長や課長補佐、担当係長達であれ、多くの人が自分では建築基準法を正しく解釈できないことをわかっていながら、外部に対しては理解できているような振りをしているのです。

 私自身、建築基準法の第5次改正を担当したとき、大きな間違いを犯していました。しかし、その法律上の誤りが、その後30年間も放置されて、その間5回の大改正をやりながら修正できなかった理由は、一体何なのでしょう。

 それは、担当者の法律理解能力がなかったことを証明しているだけのことです。内閣法制局が法令を審査しながら重大な誤りを直せないのは、実は内閣法制局も含めて、行政法を担当している人達に、法律自体が理解できていないということなのです。

 これまで、国土交通省には、「国民が理解できる法律に改正するための勉強会を始めてはどうでしょう」と提案してきましたが、全く相手にされません。それでも私は諦めていません。