第224回(2007年8月6日) みなさん、こんにちは。 8月3、4日は IHPC 大阪輸入住宅センターと HICPM 住宅生産性研究会で共同開催の「第2回 CM (コンストラクションマネジメント)研修セミナー」に、8月5日は「堺の街づくり研究会」に行ってきました。 今回の CM セミナーでは、 CM の前提になる設計図書を扱うということで、HICPM理事の竹山さんにデザインについてのセミナーをして頂きました。一方、私は設計図書との関係で、現在大きな産業問題になりかけている建築基準法の改正関連の確認の取り扱いについて、何が問題であり、どのような解決策があるかということをお話ししました。その中でお話しした対応策は、今日、国土交通省住宅局長に進言する内容でもあったのです。 和泉住宅局長は就任1ヶ月くらいで、私の進言をどのように処理してくれるか、必ずしも楽観していたわけではありませんが、これまでの私との関係で、基本的に理解はしてくれるという気持ちで臨みました。しかし、この問題では私が話を持ちかける前にも、相当色々な意見や批判が出されていたようで、私の予想以上に局長はぴりぴりしておられました。 私が確認のやり方について、「国土交通省のやり方自体に問題があるので、それを直すべきである」という話の入り方をしたら、議論の雰囲気がちょっとホットな感じになりかけたので、急遽方針転換をして、現実論から話を進めることにしました。話し合いは45分くらいになり、結果としては期待していた以上に建築基準法行政について共通の理解ができて、よかったと思っています。まず、建築実務として、確認申請段階で全て決まってはいないし、決めきることはできない、ということで認識は一致しました。最終的に建築基準関係規定に適合した建築物を造ることが建築基準法の目的で、実際の工事段階で確実にそれができればよい、ということでも共通認識が得られました。確認済証の交付は、確認申請に書かれたことが建築基準関係規定に適合していることの確認であって、確認済証を受けた建築物を建築できることを許可したものではないことも、両者で確認できました。 私は、建築基準法第3条2項の間違った解釈・運用、つまり「かけ込み着工」を容認した昭和34年の建設委員会の住宅局長の答弁を説明し、建設基準法としてやるべきことは、建築基準関係規定に適合している建築を建てることであるから、「建築するということが確定する行為」として、工事請負契約書に添付された設計図書が、建築基準関係規定に適合していることの検査確認こそ、最も重視されなければならないという事について、住宅局長も同意しました。 そこで私は、確認申請段階で未定なものについては「未定」と書き、それで確認済証を出すのは理論的に可能であり、検査済証を渡す段階、請負契約を締結した段階で、契約書の添付図書が建築基準関係規定に適合していることの検査を、建築基準法第7条の検査として行えばよいという話をしました。 局長は、その提案も一つの解決であるということを認めた上で、できるだけ建築確認申請段階で確認するようにするために、未確定の事項については、申請者が計画段階で「検討している範囲」を示すということで、その範囲が建築関係規定に適合していれば確認済証を交付するということで対応してはどうか、という指示を担当部下にしているということでした。 つまり、私が言っているとおり、「未定」という記述ではないが、「未定であるが、その選択の範囲を示す」ということで、確認していこうとするものです。具体的には、壁は「耐火構造」、内装「不燃材料」と記述することで確認申請上は足りるという扱いです。 和泉住宅局長との会議で最も実りの大きかったことは、確認申請時点から完成まで変更が付きまとう現実の建築活動の実態に合わせる形で、建築行政はやられなければならない、という認識で共通できたことです。だから、「未定」は「未定」で進めざるを得ず、それが決定されたときに決定されたものが建築基準関係規定に合っていればよい、という扱いで建築行政を進めていくという考えを聞くことができました。 それであれば基本的に納得できるものです、ということで話は終わりました。このような局長の考えが局長のハッキリしたメッセージという形で社会的に示されることが、今の時点で重要であると提案しておきました。 問題は、行政関係者の建築知識や建築基準法知識の不足が改善されない限り、手続きばかり強化しても実態がついていけないことで、それを局長も理解しており、この問題はこれからも延々と続きそうです。
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